薬草


黄精
◎おうせい
 ユリ科のカギクルマバナルコユリなどアマドコロ属植物の根茎を蒸乾したもの。日本産はナルコユリ、韓国産はアマドコロの根茎の乾燥品。
〔選品〕肥大していて分岐していないものがよい。
〔成分〕多糖類を含む。
〔薬効〕滋養、強壮薬として、病後の虚弱者、肺結核の咳嗽、糖尿病の口渇、心煩、血糖過多などに応用する。


可首烏
◎かしゅう
 タデ科のツルドクダミの塊状根を乾燥したもの。赤と白があり、「白何首烏」はガガイモ科のコイケマの類の根。
〔選品〕中国からきたものは、連珠状をしている根を切り離したものである。断面が淡紅色の花紋をなし、表面にタテに五条の深い溝のある、大きいものがよい。連珠状をなしていない日本産はよくない。
〔成分〕アントラキノン類、タンニン、でん粉、脂肪などが含まれている。
〔薬効〕一般に強壮薬として薬酒、家庭薬に配剤される。また、腰膝の疼痛、遺精、帯下、白毛などに応用する。
〔薬方〕七宝美髯丹、何人飲など。


香附子
◎こうぶし
 カヤツリグサ科のハマスゲの球茎を乾燥したもの。髪根、鱗葉を去ったものを「光香附」という。李時珍は「艾葉と配合すれば血気を治し、子宮を温める。すなわち気病の総司、婦人科の主師である」と述べており、漢方では婦人病に多く用いられる。
〔選品〕なるべく赤褐色の皮をとった内部の白い大粒のものがよい。
〔成分〕精油のほか、ブドウ糖、果糖、脂肪油などを含む。
〔薬効〕通経、鎮痛、駆お血薬として月経不調な月経痛などの婦人病に用いられる。神経症、胃・腹痛などにも応用される。
〔薬方〕行気香蘇散、香砂平胃散、香砂養胃湯、香砂六君子湯、香蘇散、香きゅう湯など。


三七人参(田七)
◎さんしちにんじん(でんしち)
 ウコギ科のサンシチニンジンの根を乾燥したもの。中国の雲南省東南部から広西省西南部の限られた地域に分布していたものを栽培化したもので、野生品は発見されていない。明代から刀傷の止血薬として重用されてきた。「人参三七」「参三七」「田三七」「田七」ともいう。生三七(そのまま乾燥したもの)と熟三七(少し湯通しし、乾かしてから麻袋に入れ、蜜蝋を加え振って、表面を光沢ある黒褐色に仕上げたもの)がある。
〔選品〕形が大きく、内部の充実したものがよい。
〔成分〕サポニン配糖体など。人参に比べ精油の種類は少ない。
〔薬効〕止血、消腫、鎮痛、消炎薬として、打身、ねんざ、腫痛出血、吐血、鼻血、婦人の崩漏、産後の悪阻腹痛などに用いられる。
〔薬方〕雲南白薬、片仔こう、熊胆跌打丸など。
〔特記〕近年、狭心作用が発見され、冠状動脈疾患、狭心症、心筋コウソク、高血圧、コレステロール過多症に応用されるようになった。現代中国では、肝疾患にも用いられている。


地黄
◎じおう
 ゴマノハグサ科のカイケイジオウの根をそのまま(乾地黄)、または蒸して(熟地黄)乾燥したもの。生のものは生地黄という。中国河南省の懐慶で栽培されるものが良質なので懐慶地黄といわれる。日本産のものはアカヤジオウの根である。
〔選品〕乾地黄は、黄赤色のよく肥えて、長いものがよい。熟地黄は漆のように黒く光沢があり、甘く大きいものが良品。
〔成分〕イリドイド配糖体など。
〔薬効〕補血、強壮、解熱薬として貧血、吐血、虚弱症などに用いる。
〔薬方〕炙甘草湯、きゅう帰膠がい湯、八味丸、六味地黄丸、固本丸など。


紫根
◎しこん
 ムラサキ科のムラサキの根の乾燥品(硬紫根)。紫色染料として、「江戸紫」は有名。軟紫根は中国新疆に産するマクロトミア属の根。
〔選品〕外部は紫黒色、内部が白色の肉質で、皮部の厚いものがよい。薄いものは染料に用いられる。
〔成分〕主成分は色素シコニンなど。
〔薬効〕解熱、解毒、抗炎症薬として麻疹予防、カイヨウなどに用いる。また、避妊や緩下薬としても使われている。軟膏として肉芽発生を促進し、シュヨウ、火傷、湿疹、水胞などに外用。
〔薬方〕紫雲膏、紫草快斑湯、紫草消毒飲など。
〔特記〕色素シコニンは、近年、植物組織培養法で生産されている。


丹参
◎たんじん
 シソ科のサルビア属のタンジンの根を乾燥したもので、四川省産のものが品質最良である。中国には「甘粛丹参」と称するものがあるが、この根はきわめて粗大。
〔選品〕形が大きく、長さ20aほど、径1.5aほど、紅色ガ濃く、細根を除いた、充実して折れていないものが佳品。短く細いものほど等級が低い。
〔成分〕フェナントラキノン系色素を含む。
〔薬効〕活血、調経、消腫、鎮痛薬として、月経不調、腹痛、経閉、産後の悪阻腹痛、リウマチなどに応用する。
〔薬方〕丹参散、丹参湯など


竹節人参
◎ちくせつにんじん
 ウコギ科のトチバニンジンの根茎をそのまま、あるいは湯通しにして乾燥したもの。初年茎に付した直根部分を「直根人参」または「玉人参」と称するが、まれである。
〔選品〕淡黄色のなるべく肥えたものがよい。小さいものや、やせて細いものはよくない。
〔成分〕サポニン配糖体など。
〔薬効〕去痰、解熱、健胃薬として胃部の熱感や水分停滞感、心下部のつかえなどに応用。
〔薬方〕人参の代用として、小柴胡湯、半夏瀉心湯などに配合される。
〔特記〕人参に比べて新陳代謝機能の賦活作用は劣るが、健胃、解熱、去痰作用は優るといわれている。


知母
◎ちも
 ユリ科のハナスゲの根茎。「毛知母」ともいう。表面の毛を除いたものを「光知母」というが、日本ではあまり用いない。
〔選品〕黄色の毛のある肥えて、大きい潤いのあるもの、味が苦く、甘みを感じるものを「真知母」とよび、良品。
〔成分〕ステロイドサポニン、キサントン配糖体、ビタミンなど。
〔薬効〕解熱、利尿、鎮静、鎮咳、止瀉薬として煩熱、口渇などに応用する。
〔薬方〕白虎加桂枝湯、白虎加人参湯、白虎湯、百合知母湯、清滑散、二母散など。


天門冬
◎てんもんどう
 ユリ科のクサスギカズラの根の外皮をはいで蒸乾したもの。市場には、タチテンモンドウ、キジカクシの根も出る可能性がある。
〔選品〕形が大きく、潤いがあり、肉がよくついていて、皮を除去しており、透明感があって、色が淡いものが佳品。色が濃く透明感のない、細いものは次品。黒色のものは不可。
〔成分〕アスパラギン、粘液質など。
〔薬効〕鎮咳、利尿、滋養、強壮薬として、咳血、からセキ、肺炎、気管支炎、腎盂腎炎などに用いる。
〔薬方〕麻黄升麻湯、滋陰降火湯、清肺湯、二冬膏など。


党参
◎とうじん
 キキョウ科のヒカゲノツルニンジン、トウジンの根を乾燥したもの。前者は「西党」「台党」「東党」(野生品)と「ろ党」(栽培品)に大別される。後者は「川党」の基源。中国では人参の代用とされている。
〔選品〕本品の規格は大変複雑。通常良品とするのは、長く、太さが均一で、芦頭が小さく、外皮がきめ細かく、黄白色で、横紋が緊密、断面が白色で菊花心があり、潤いがあって、烈隙がなく、質が堅くしまっており、かむと甘味が強く、かすが口に残らないもの。
〔成分〕果糖を主とする糖類。トリテルピノイドなどを含む。
〔薬効〕強壮薬として脾胃虚弱、食欲不振、大便泄瀉、四肢無力、精神不安、疲労、肺虚咳嗽、煩渇などに応用する。
〔薬方〕党参膏、代参膏など。


人参
◎にんじん
 ウコギ科のオタネニンジンの根をそのまま、または外皮を削り晒して乾燥したもの(白参)。また、蒸してから乾燥したものを紅参といい、中国南部、台湾、朝鮮などでよく用いられる。原産地は中国東北地方から朝鮮半島北部で、古くから高麗人参の名声が高く、開城付近はその一大栽培地である。
〔選品〕黄色で潤いのある、紡錐形の、太く重い6年物が上等。細くて硬いものいや色の白い新物は劣っている。
〔成分〕主成分はサポニン配糖体。ほかに精油、単・二・三糖類、ビタミンB群など。
〔薬効〕胃の衰弱による新陳代謝機能の低下を高める薬として、病弱者の胃部停滞感、消化不良、嘔吐、胸痛、弛緩性下痢、食欲不振などに用いられる。
〔薬方〕白虎加人参湯、人参湯生姜瀉心湯、独参湯、生姜甘草湯、人参養栄湯など。
〔特記〕最近、世界各国でその薬効が再認識され、疲労回復、作業能力増進、免疫機能促進作用などの科学的な裏付けがなされつつある。


麦門冬
◎ばくもんどう
 ユリ科のジャノヒゲおよびセッコウジャノヒゲの肥大根。韓国産はコヤブランやヤブランの肥大根であり、品質が劣る。日本では大阪の河内で江戸時代から栽培化され、現在にいたっている。これの中心部を抜いたものは「抽心麦門冬」または「丸麦」といい佳品。
〔選品〕淡黄色の、質の柔潤な大きい、重いものがよい。しわのよったものや軽いものはよくない。
〔成分〕糖類、ステロイドサポニンなど。
〔薬効〕粘滑性消炎、滋養、強壮、解熱、鎮咳、去淡薬として、咽喉の腫痛などに応用する。
〔漢方〕炙甘草湯、竹葉石膏湯、麦門冬湯、生脈散、養胃湯、清燥救肺湯など。


枸杞子
◎くこし
 ナス科の低木クコおよびナガバクコの果実。強壮薬として薬用酒に入れられたり、中華料理にも使われる。なお、根皮は「地骨皮」と称して漢方処方に、薬は「枸杞葉」と称し民間的に用いられる。
〔選品〕粒が大きく、鮮紅色で種子を抜いたものが佳品。粒の小さい、暗色のものは次品。中国の寧夏枸杞が最上品。
〔成分〕ベタインおよび紅色色素を含む。
〔薬効〕強壮薬として肝腎を滋補し、虚労、腰膝痛、無力感、めまい、頭痛などに用いる。
〔薬方〕杞菊地黄丸、枸杞丸など。
〔特記〕血糖降下作用が報告されている。


五味子
◎ごみし
 マツブサ科のチョウセンゴミシの成熟果実。北五味子という。
〔選品〕表面にしわ様の紋様があり、紫黒色をした、大粒で甘味のあるものが良品
〔成分〕脂肪油、精油、有機酸、リグナン(ゴミシン)など。
〔薬効〕鎮咳、止瀉、滋養、強壮薬として、気管支炎、ゼンソクなどのタンの多いもの、下痢などに用いる。
〔薬方〕小青龍湯、苓桂五味甘草湯、苓甘姜味辛夏仁湯、生脈散、三子湯など。


山茱萸
◎さんしゅゆ
 ミズキ科のサンシュユの果実。中国浙江省におもに産する(抗萸肉)。かつて和山茱萸といったものはグミ科のアキグミの果実で偽品である。酒に浸して山茱萸酒を作る。
〔選品〕紫黒色で、酸味と渋みがあり、潤いのあるものがよい。古くなったものや、肉の少ないものはよくない。
〔成分〕没食子酸、酒石酸、サポニンなど。
〔薬効〕滋養、強壮薬として、盗汗(ねあせ)、頻尿、インポテンツ、脚気などに用いる。
〔薬方〕八味丸、腎気丸、七腎散、草還丹など。
〔特記〕山茱萸の煎液は、著しい利尿作用があり、血圧を一時的に若干低下させる。試験管内で赤痢菌に対し抗菌作用がある。また、ブドウ状球菌を抑制する作用もある。


肉じゅ蓉
◎にくじゅうよう
 「大芸」ともいう。中国西北部、蒙古などに自生するハマウツボ科のホンオニクの鱗葉をつけた茎を乾燥したもの。
〔選品〕よく肥えた、大きく、軟らかなものがよい。塩漬けのものは、白色か黄紅色をしているのが上品で、黒色のものは下品。
〔成分〕微量のアルカロイド、結晶性中性物質を含むという報告があるが、詳細不明。
〔薬効〕強壮、強精薬として、インポテンツ、腰膝の冷痛、遺尿、不妊症、帯下、便秘などに用いる。また止血薬として、膀胱出血、腎臓出血にも用いる。
〔薬方〕肉じゅう蓉丸、還少丹、じゅう潤腸丸など。


蒲公英
◎ほこうえい
 中国産はキク科のモウコタンポポ、シナタンポポなどタンポポ類の根付き全草。日本産はカンサイパンポポ、セイヨウタンポポの根。中国では地方により、ウスベニニガナ、タカサゴソウ、アツバニガナなどタンポポ属でないキク科植物の全草をも蒲公英と称する。
〔選品〕よく乾いており、土が付いておらず、混じりけがなく、葉の色が鮮やかで、わずかに香気のあるものがよい。
〔成分〕ルテロール類、イヌリン、ペクチンなどを含む。
〔薬効〕解熱、消炎、健胃、利尿、催乳薬として、乳癰、皮膚カイヨウ、眼疾腫痛、消化不良、大便秘結、小便不利、感冒、咽喉炎、淋病、乳汁不足などに応用する。
〔薬方〕蒲公英湯など。


猪苓
◎ちょれい
 サルノコシカケ科のチョレイマイタケの菌核。深い山中のブナ科やカエデ科植物の枯れた根に寄生する。日本産は軽質(真猪苓)で、中国産は硬質(唐猪苓)である。近年、非常に減少して高価になっており、日本には韓国産猪苓が輸入されるが、品質は日本産に似ている。
〔選品〕皮が黒く、光沢があり、内部は白くよくしまり、太ったものがよい。やせた小さなものや、しなびたもの、内面が淡紅色、淡黒色、淡赭色を帯びているものは、下品。
〔成分〕有効成分は未詳。
〔薬効〕解熱、止渇、利尿薬として、小便不利、口渇、腎臓疾患などに応用する。
〔薬方〕猪苓湯、五苓散、猪苓散、分消湯、分消散など。


冬中夏草
◎とうちゅうかそう
 鱗翅類とくにコウモリガの幼虫に寄生したバッカクキン科のフユムシナツクサタケの子実体(キノコ)を、虫体と共に乾燥したもの。チベット、雲南省に産する。清代の本草書『本草従新』に初めて載せられた、新しい生薬である。
〔選品〕子実体は黒色で太く、虫体は蚕に似て、表面は明るい黄色で、内部が純白色、豊満で充実しているものが良品。虫体が黒色のものや砕けたもの、虫食いのあるものは劣品である。
〔成分〕脂肪(飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸)、粗たんぱく、マンニトール、核酸などを含む。
〔薬効〕強壮、鎮静、鎮咳薬として、病後の虚弱症、インポテンツ、肺結核の吐血、老人性慢性咳嗽、盗汗(寝汗)、自汗、貧血症などに応用する。


霊芝
◎れいし
 サルノコシカケ科のマンネンタケまたはその近緑種の子実体を乾燥したもの。紫芝、赤芝が普通である。
〔選品〕傘が大きく光沢があり、苦味の強いものがよい。
〔成分〕エルゴステロール、多糖類、有機酸、樹脂、クマリン、マンニトールなど含有。アルカロイド、ラクトン類を含むとの報告もある。
〔薬効〕強壮、鎮静薬として、神経衰弱症、不眠症、消化不良、老人性気管支炎の咳嗽などの慢性病に応用する。
〔薬方〕紫芝丸。
〔特記〕近年抗ガン薬としての用途が開発されつつある。


海馬
◎かいば
 ヨウジウオ科、ウミウマ属のオオウミウマ(克氏海馬)などの内臓と表面の皮膜を除いて乾燥したもの。
〔選品〕体が大きく、全身が整い、よく乾いていて色白く、虫に食われていないのが佳品。
〔成分〕未詳。
〔薬効〕強精、催乳薬として、難産、インポテンツ、乳汁不通に用いる。鎮痛薬として腹痛などに応用。他に、男性ホルモン作用がある。
〔薬方〕海馬湯(木呑湯)、海馬抜毒散など。


牛黄
◎ごおう
 ウシの胆嚢、もしくは胆管中に病的にできた結石。品質上種々のものが出回るがオーストラリア産が最良である。
〔選品〕口中で砕き、唾液で軟らげ嚥下するとき、苦味の中に甘味のあるものが良品。
〔成分〕胆汁色素ビリルビン、アミノ酸(タウリン、アラニンなど)など。
〔薬効〕強心、鎮静、解熱、解毒薬として、心臓病、貧血、心臓神経症、熱病などに用いる。二日酔にもよい。
〔薬方〕六神丸、牛黄清心丸、安宮牛黄丸、至宝丹、珠黄散、牛黄解毒丸、牛黄丸など。


蛤かい
◎ごうかい
 ヤモリ科のオオヤモリの内臓を取り去って広げた全乾品。通常、二匹を腹面で合わせて一対にして市販する。中国のほか、ベトナム、タイなどにも産するが、近年香港市場にはタイ国産蛤かいと称するオオヤモリより大型のヤモリ科動物が出回っている。
〔選品〕体が大きく、肥えており、尻尾が折れていない完全なものが良品。
〔成分〕未詳。
〔薬効〕補血、強壮、鎮咳薬として、肺結核、心臓ゼンソク、慢性のセキなどに用い、また、薬用酒に入れる。
〔薬方〕人参蛤かい散、蛤かい湯、蛤かい丸など。


麝香
◎じゃこう
 中国(雲南、四川、チベット)やネパールなどのヒマラヤ山岳地帯に棲息するシカ科のジャコウジカの牡の臍部と生殖器の間にある香嚢(におい袋)から得た分泌物。通常、香嚢のままで取引され、非常に高価。ワシントン条約で採集が禁止されている。
〔選品〕外面が淡褐色の毛に包まれているもの(あかげ)が上等。内容がよく充実し、硬くもなく軟らかくもない頃合いの抵抗力のあるもので、当門子の多いものが良品。香気が強烈なものがよいが、アンモニアの刺激臭の強いものはよくない。
〔成分〕ムスコンを主成分とする芳香成分、各種ステロイドホルモンなどを含む。
〔薬効〕鎮静、鎮痙、強心作用があり、失心、ひきつけ、腹痛、神経症などに用いる。
〔薬方〕六神丸、牛黄散、麝香丸、麝香湯、麝香膏など。


地龍
◎じりゅう
 中国産はフトミミズ科のフトミミズの類の腹部を開いて内臓を抜いて乾燥したもの。日本産はツリミミズ科のカッショクツリミミズの体内の土砂をださせ丸ごと乾燥したもの。
〔選品〕よく乾燥し、長く、大きくてよく肥え、砕けておらず、泥のないものが良品。
〔成分〕溶血作用物質(ルンブリチン)、有毒成分の蚯蚓溶素、解熱作用物質(ルンブロフェブリン)などを含む。
〔薬効〕解熱、鎮痙、利尿、解毒薬。高熱のひきつけ、リウマチ、ゼンソク、水腫などに。
〔薬方〕小活絡丹、地龍散、自然銅散など。


蟾酥
◎せんそ
 ヒキガエル科のアジアヒキガエルおよびヘリグロヒキガエルの耳腺などから分泌した乳白色の乳液を集めて乾燥したもの。市場では、径8a、厚さ1.5aほどの濃褐色の半透明円板状の団蟾酥が主である。
〔選品〕半透明で質がもろく、砕け易く、断面に光沢があり膠状のもので、味が舌をマヒさせるものが良品。
〔成分〕強心性ステロイド成分シノブフォタリン、ブファリンが主。また強心作用のないステロール類、糖質、ペプチド、アミノ酸、有機酸などを含む。
〔薬効〕強心、鎮痛、解熱薬として、小児のひきつけ、心臓疾患、歯の出血、悪性シュヨウなどに応用する。
〔薬方〕六神丸、蟾酥丸、外科蟾酥など。


反鼻
◎はんぴ
 クサリヘビ科のマムシの内臓を取り出し、皮をはいで長く伸ばして乾燥したもの。ときには、ハブ、ヒメハブも用いられるが、現在の市場品はほとんどが韓国産のマムシである。
〔選品〕淡灰色をした半透明の新しいものがよい。時間がたつにつれ不透明になるが、暗色を帯びなければ支障はない。黒褐色に変わったもの、虫のついたものは劣品。
〔成分〕有効成分未詳。日本産マムシには、数種のアミノ酸、脂肪などが知られている。
〔薬効〕日本では強壮、興奮薬として、粉末または黒焼きにして、過労時、冷え症などに内服する。また、黒焼きを民間的に切り傷、化膿性シュヨウに外用する。
〔薬方〕天南星丸、伯州散など。
〔特記〕マムシ毒は血液毒で、急性致死の原因は、内臓血管障害による中枢性呼吸マヒを主とし、慢性致死は諸臓器の機能障害による。


白きょう蚕
◎びゃっきょうさん
 白姜蚕。カイコガ科のカイコの幼虫の消化管にムスカルジン菌が寄生して硬くなって死んだ病死体の全乾品。いわゆる「おしゃり」。中国東南地区に多く、薬用として人工培養されている。
〔選品〕色の白いまっすぐな硬いものがよい。
〔成分〕有効成分未詳。灰分、タンパク質、脂肪、水分など。
〔薬効〕鎮痙、鎮痛薬として、小児の驚癇、中風による言語障害、半身不随などに用いる。外用としては、湿疹、カイヨウなど皮膚病の瘢痕を消すのに用いる。
〔薬方〕白きょう蚕散、牽正散、天竹黄散、強神湯など。


鼈甲
◎べっこう
 土別甲ともいう。スッポン科のシナスッポンなどの背甲および腹甲の生乾品。一般に背甲が多い。中国東北諸省、朝鮮半島ではアムールスッポンおよびシュレーゲルスッポン、日本ではスッポンを産し、まれに用いられる。
〔選品〕長さ十二〜十五センチくらいのもので、甲が黒く、光沢があり、内面が白く、ところどころに乾血の汚点のある新しいものがよい。
〔成分〕未詳。
〔薬効〕解熱、強壮薬として、結核熱、閉経時の腹痛、腰痛、体力増進に用いる。
〔薬方〕鼈甲前丸、黄耆鼈甲湯、鼈甲散など。


熊胆
◎ゆうたん
 クマ科のツキノワグマやヒグマなどの胆嚢に入った胆汁の乾燥品。通称「熊の胆」。日本にも古くからその薬用利用知識が伝えられ、独自で多くの民間療法が開発されている。現在日本産はきわめて少なく、おもにヒマラヤ産のツキノワグマの熊胆が輸入されている。しばしば豚胆や牛胆が混入される。
〔選品〕漆黒色で光沢があり、焦げ臭さがあり、苦味を強く感じるものを選ぶこと。白色の茶碗に清水を一杯入れ、それに胡麻半粒くらいの本品を浮かべたとき、水面を迅速に休止せず回り、溶けて消えてしまうのが真品。
〔成分〕胆汁酸(タウロウルソデオキシコール酸)が主成分。
〔薬効〕鎮痙、強心、解毒、健胃、胆汁分泌促進薬として、腹痛、驚癇、熱痛、脳膜炎、ひきつけなどに用いる。
〔薬方〕熊胆麝香丸、熊胆丸、奇応丸、黒丸子など。


羚羊角
◎れいようかく
 ウシ科のサイガカモシカなどの角。カモシカの類は種類が多く、古くから種々のものが用いられており、真品の判定は非常に困難。
〔選品〕太い竹の根節のような形状で、尖端5aほどのところが一番上等。アメ色が上質。
〔成分〕角質たんぱく、リン酸カルシウム、不溶性無機塩などを含む。
〔薬効〕解熱、鎮静、鎮痙薬として、ケイレン、神経痛、ヒステリーなどに用いる。血圧降下作用があり、高血圧、脳溢血などに用いる。
〔薬方〕羚羊角散、羚羊鈎藤湯、羚羊角湯、羚羊角丸、紫雪丹など。


鹿茸
◎ろくじょう
 中国東部、シベリア東部に棲息するシカ科のマンシュウアカジカ(馬鹿茸)およびマンシュウジカ(花鹿茸)の牡のまだ角化していない幼角。先端部を上台と呼び佳品。酒に浸して薄く輪切りにして使用。幼角だけのものを鋸茸、頭蓋骨のついたものをかん茸という。
〔選品〕なるべく小さく、軽い鬆疎のものほど良品。根元の堅いところは劣品。
〔成分〕コラーゲン、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、男性ホルモン、核酸、たんぱく質などを含む。
〔薬効〕疲労回復、強精、胃腸機能促進、温補薬として、頭痛、目まい、耳鳴、インポテンツ、腰膝の虚弱、慢性病の虚損などに。
〔薬方〕鹿茸丸、内補鹿茸丸、内金鹿茸丸、鹿茸大補丸、鹿茸散、茸珠丸など。







漢方治療の実際

同じ病名でも漢方では薬が異なる!!
 西洋医学では、風邪をひくと、誰もが同じような薬をのむことになりますが、漢方では、人それぞれに異なる薬を飲みます。漢方の場合、どのような薬を使うかの判断は、患者ひとりひとりの体質、体力、症状を見て決めます。こうした個人差を「証」といい、この証に応じて、その患者に適応した薬を処方するのです。数多くある漢方薬の中から、あなたにあった薬を見つけましょう。
 
自分の症状、体質を正しく知る
 漢方薬の使い方の基本は、患者の証(体力・抵抗力・体質など)に合ったものを選ぶことです。症状の現れ方も証を知るうえでのポイントになります。
 基本的な証として、体質、体格的に分けた実証、虚証、中間証があります。実証の人は、がっしりした体格で、体力もあり、肌にもはりがあります。虚証の人は、やせ型で青白で、内臓が弱く、虚弱体質的な感じです。この実証と虚証の間が中間証の人です。これは、一応の目安ですから、自分の証を知るために、一度、専門医に診断してもらっておくのも、よい方法といえるでしょう。
 自分の症状と証を知り、それに適応する薬を選ぶということが、漢方治療の第一歩であり、もっとも重要なことです。
 知人が、あの薬で治ったから、自分もと、自分の証や症状に合っていない薬を飲むと、場合によっては、病状の悪化を招くことにもなります。漢方薬は自分だけのオリジナルな薬ともいえます。

この章の使い方
 この章では、各病気ごとに、実証、中間症、虚証に分けています。さらに各証の中に、それぞれの症状の現れ方と、その症状に適応する漢方薬名を表示してあります。左記の要領で、あなたに合った薬を見つけてください。
@あなたがかかっている病気が出ているページをさがします。
A病気の中で、あなたの証の所を見ます。もし、あなたが、実証の高血圧症ならば、高血圧症の実証の欄を見ます。
B証の欄には、いくつかの症状の現れ方があるので、その中から、あなたと同じ症状のものを見つけます。
Cその症状の後ろに表示してる漢方薬が、あなたに合った薬ということになります。 
 また、自分が実証なのか虚証なのかわからないという人も多いと思います。その場合は、あなたの病気のページを見て、自分の症状の現れ方と同じものを見つけるようにします。
とくに、いくつかの病気があれば、症状の現れ方から自分の証を知ることもできます。
 しかし、実証や虚証などに分けるだけが、漢方診療のすべてではないことも知っておいてください。


高血圧症・高血圧随伴症
 高血圧症は、血圧が標準値より高い症状をいいます。動脈硬化なども原因となって起こります。
 高血圧随伴症は、高血圧に伴って頭痛、頭重感、めまい、肩こりなどの不快な自覚症状が起こることをいいます。
 漢方では、高血圧、高血圧随伴症、動脈硬化などを改善して、血圧を下げる治療をします。

実証
 頭の中に充血感がある
 頭の中に血液が充満しているような感じがあり、イライラして、いつも気分がサッパリしないという症状をもつ人。そして便秘や不眠傾向の強い人には、
■三黄瀉心湯

胸や肋骨弓下の痛みと、イライラ
 みぞおちから、肋骨弓の下にかけて、抵抗と圧痛がある。さらに、不眠やイライラなどの神経症状が強い。口の中が粘ついて苦く、便秘傾向がある人には、
■柴胡加竜骨牡蛎湯


中間症 
 明け方からの頭痛、肩こり
 明け方から起床時にかけて、ひどい頭痛、頭重、肩こりに苦しんでいる人、さらに、もの忘れがひどい人には、
■釣藤散

だるさ、肌荒れがある
 最低の血圧が高く、体がいつもだるくて、疲れやすく、肌荒れのある人。とくに、細動脈の硬化によって起こった高血圧症の人には、
■七物降下湯


虚証
 フラッとするめまいがある
 歩いているときなど、フラッとするめまいを起こしたり、体がだるく疲れやすく、排尿量が少なく、手足が冷え、下痢しやすい人には、
■真武湯
【成分=茯苓、芍薬、生姜、白朮、附子】



狭心症・心筋コウソク
 冠状動脈の硬化がまだ軽く、閉塞の一時的なものを狭心症、また動脈硬化が進み、閉塞によって心筋の壊死が起こった場合を心筋コウソクと、西洋医学では区別し、異なった療法を行います。漢方では区別せずに、同じ薬を使用します。ただし、患者の胸や心臓の痛みの状態で、薬の使い方が異なります。しかし強い発作の場合は、ただちに入院が必要で、漢方は控えたほうがよいと思います。

実証
 のどが渇き、尿の出が悪い
 みぞおちにつかえ感があり、のどの渇き、胸痛、息切れ、尿の出が悪い人には、
■木防已湯
【成分=防已、石膏、桂枝、人参】


中間症
 胸から左腕にかけて痛みがある
 みぞおちにつかえ感があり、胸が痛む。胸骨の中央、または心臓部から左肩をとおり、左上腕先端にまで痛みが広がっている人に
■括呂薤白白酒湯
【成分=括呂実、薤白、白酒】


虚証
 みぞおちから胸に痛みがある
 顔色が悪く、貧血傾向。みぞおちから胸の中央にかけて、突き上げてくるような痛みがある人に
■当帰湯

みぞおちに圧痛がある
 のどの渇きはない。みぞおちにつかえ感がある。息切れ、胸苦しさ、胸痛があり、尿の出が悪い人には、
■茯苓杏仁甘草湯



心臓神経症
 心臓神経症とは、心臓疾患といった心臓の病変がなんら認められないのに、動悸、息切れ、胸痛、呼吸困難の症状が起こる病気です。
 この病気は、精神的なストレスがきっかけで起きたり、神経症になりやすい性格の人に起きたりします。漢方的には、比較的治しやすい病気といえます。

実証
 肩がこり、便秘がち
 不眠、よく夢を見たり、動悸、イライラなどの神経症状が強く、肩こり、便秘がち。みぞおちのつかえ感、肋骨弓下の抵抗と圧痛が強い。また、背中が熱くなったり、寒くなったりすると症状が現れる人などに
■柴胡加竜骨牡蛎湯


中間証
 へそ下から何かが突き上がる
 へその下から胸へと、急に何かが突き上げてくるような感じがあり、動悸がする人には、
■苓桂甘棗湯

 のぼせ、たちくらみがある
 のぼせ、立ちくらみ、胃に水がたまったり、頭重感がある人。また、これらの症状に加えて、尿の出が悪い人などに
■茯桂朮甘湯


虚証
 へその上下を押すと拍動がふれる
 イライラなどの神経症状があり、のぼせやすくて、へその上下一センチのところを指で押すと、大動脈の拍動がふれる人には、
■桂枝加竜骨牡蛎湯



感冒・インフルエンザ
 風邪はもっともありふれた病気でありながら、西洋医学では、いまだ風邪そのものに対する治療薬は発見されておりません。漢方では、2000年近くも前から、風邪そのものを初期段階から治していく薬が数多く考え出されてきました。漢方薬を用いる時期が早ければ早いほど、速効性があり、ひきはじめで風邪をくい止めることができます。

実証
 頭痛、発熱、悪寒のこり
 風邪の主症状である頭痛、発熱、悪寒があり、肩、首の後ろ、背中がこって、汗が出ないという人には、
■葛根湯

 関節が痛み、汗が出ない
 風邪のおもな症状に加え、関節が痛み、汗が出ないという人には
■麻黄湯

 高熱、発汗、のどの渇き、多尿がある
 高熱と発汗が続き、のどが渇き、尿の出が多い人に、
■百虎加人参湯


中間症
 セキとタン、くしゃみ、鼻水が出る
 頭痛、発熱、悪寒に加え、肩、首、背中がこり、セキと泡のような薄いタンが出たり、急にゾクゾクと寒気がして、鼻づまり、激しいくしゃみと鼻水が出るような人に、
■小青竜等

 熱が出たり、ひいたりする
 風邪をひき、三〜四日たって熱が出たりひいたりし、上半身が汗ばみ、口の中が粘つき、セキが出る人には
■柴胡桂枝湯


虚証
 のどの痛みと背中の寒気
 顔色が悪く、頭痛、発熱、悪寒に加えて、のどの痛み、セキ、背中全体に、不快な寒気が出てくる人には
■麻黄附子細辛湯
【成分=麻黄、細辛、附子】

 多汗で脈が弱まっている
 頭痛、発熱、悪寒に加えて、汗が出る傾向があり、鼻がぐずつき、脈拍が弱まっている人には
■桂枝湯



気管支炎
ひどいセキが、何日も続いているような気管支炎は、西洋医学的にも漢方的にも、なかなか治しにくい病気です。上気道の炎症に続いて、下気道、気管、気管支に炎症がおよび、セキやタンが出るわけです。漢方では、セキやタンの出かただけに重点をおくのではなく、体質改善を含めた、全身的治療をします。


j実証
 のどが苦しく、セキが出る
 汗をかきやすく、口やのどが渇き、のどがゼーゼーとして、激しいセキが出るような人には、
■麻杏甘石湯

 のどにつかえ感がある
 体がだるくて、疲れやすく、しかも口の中が苦く粘つき、のどにつかえ感があり、感情不安定のような人には、
■柴朴湯


中間証
 悪寒、発熱がある
 悪寒や発熱があって、胃のあたりを軽くたたくと、水音がする。くしゃみ、鼻水、鼻づまりをして、セキと薄いタンが出るような人には、
■小青竜湯

 上半身に汗をかきやすい
 みぞおちと肋骨弓下に弱い抵抗、圧痛があり、口の中が苦く粘ついたり、のぼせやすく、上半身に汗をかきやすいような人には、
■柴胡桂枝湯


虚証
 のどがいがらっぽい
 のどにいがらっぽい感じがあって、セキと粘り気のある濃いタンが出るような人には、
■麦門冬湯

 のどがチクチクと痛む
 悪寒、発熱があって、顔色が悪く、体がだるくて疲れやすく、頭痛や頭重が起こる。それに、のどがチクチクと痛んで薄いセキが出るような人には、
■麻黄附子細辛湯
【成分=麻黄、細辛、附子】



気管支ゼンソク
 気管支ゼンソクは、西洋医学、漢方医学のどちらでもなかなか治療がむずかしい病気です。それでも、漢方の場合は、全治に近い効果が現れている例は、約60%に達しています。
 これは、漢方薬が、気管支のケイレン、収縮を起こしやすい体質を改善するように働くからです。

実証 
 呼吸困難にセキを伴う
 呼吸困難があり、ときにはセキを伴い、また口の中やのどの渇きや発汗があるような人には、
■麻杏仁石湯

 のどのつまり、喘鳴を伴う
 口の中が粘ついて苦く、気分が沈み、のどがつまる感じがあり、ヒューヒューという喘鳴やセキを伴い、肋骨弓の下に抵抗と圧痛があるような人には、
■柴朴湯


中間証
 呼吸困難、セキ、タンが出る
 胃の中に水がたまり、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、呼吸困難が激しくて、ときにはセキを伴い、泡のような薄いタンがでるような人に、
■小青竜湯

呼吸困難で苦しみ、嘔吐がある
 発作が起こると呼吸困難が激しくて、顔を真っ赤にし、目をカッと見開いて苦しがる。最後には胃の内容物を吐いたりする症状の人には、
■越婢加半夏湯
【成分=麻黄、石膏、生姜、大棗、甘草、半夏】


虚証
 体が温まるとセキが出る
 のどがいがらっぽく、夜、ふとんの中に入って体が温まってくると、激しいセキが出たり、濃いタンが出る。しかもタンのきれが悪い傾向の人には、
■麦門冬湯


体力が落ちて寒がる
 体力が落ち込んでいて、顔色が悪く、体がだるい。頭痛、頭重、セキと薄いタンが出て、寒がる傾向が強い人には
■麻黄附子細辛湯
【成分=麻黄、細辛、附子】



漢方薬の使われ方で知る現代病気事情
どんな漢方薬が使われているか
 漢方薬は現在、薬膳とともに、ちょっとしたブームになっていて、利用する人が年毎に増えています。
 では、どのような漢方薬が使われているのでしょうか。薬の使われ方をみることによって、現代の病気事情が浮かび上がってきます。
 そこで、漢方製剤にかぎってですが、国内出荷金額順に、十傑を見てみましょう。
1位 小柴胡湯、2位 猪苓湯、3位大柴胡湯、4位当帰芍薬散、5位八味地黄丸、6位柴胡加竜骨牡蛎湯、7位 補中益気湯、8位 五苓散、9位 加味逍遥散、 10位 柴胡桂枝湯の順です。
 11位以下は、乙字湯、十味敗毒湯、六君子湯、半夏厚朴湯、桂枝加朮附湯、半夏瀉心湯、防已黄耆湯、六味丸の順になっています(いずれも『昭和62年薬事工業生産動態統計年報』第21表特掲医薬品出荷金額数量による)。
 どの薬も、漢方治療でよく使われているものばかりですが、ここで、十傑までの薬はどんな病気に用いられているのか見てみましょう。
第1位の小柴胡湯は肝臓病に使用
 1位に小柴胡湯がきているのは、とくに肝炎の特効薬のためのようです。
 西洋医学では、この肝炎に対する的確な治療法や薬がないため、かかった人の多くは漢方治療を受け、小柴胡湯を服用するようです。飲酒の機会が多いため、肝炎になる人も増加していることもあるでしょう。
 猪苓湯は尿の異常の場合に用いる薬で腎臓病、腎盂炎に使います。大柴胡湯は肥満、肝炎に用います。当帰芍薬散は、女性の月経不順、月経痛に多く用いられます。八味地黄丸は糖尿病、白内障に使われています。柴胡加竜骨牡蛎湯は高血圧症や、精力減退、補中益気湯は風邪や病後の衰弱、五苓散は腎炎、頭痛、下痢など、加味逍遥散は月経異常、更年期障害、便秘など、柴胡桂枝湯は、肝炎、腎炎、虚弱体質などに、使われています。
 このように見ていくと、肝臓病のように西洋医学では、決め手となる治療法がなく根治できない病気、成人病、そしてむかしから治りにくいとされている病気、女性特有の病気に、漢方薬がおもに使用されているのがわかります。



急性・慢性胃炎
 西洋医学では、胃炎を萎縮性胃炎、無酸性胃炎、胃酸過多性胃炎など、いろいろな分類をしていますが、漢方では、そうした病理学的分類によって胃炎を区別しないで、脈、舌、腹などをはじめとする自他覚症状によって薬を選び、治療していきます。

実証
 腹がはり、痛みがある
 おなかの上部がはり、ときには中心部の底のようから強く痛みが走り、便秘を伴っている人には、
■黄連湯

 胃のもたれ、はりがある
 食欲がなく、胸焼け、げっぷ、胃がもたれている感じがあり、ときにははってきて苦しい感じがする。しかし痛みはそれほど強くないような人には
■平胃散


中間証
 腹が鳴り、ガスが出る。
 食欲がなく、おなかがゴロゴロと鳴ったり、ガスの出が多く、ときには吐き気や嘔吐があり、下痢をしやすい人には、
■半夏瀉心湯


虚証
 胃のもたれ、胸焼けがある
 胃がもたれて痛みがあり、おなかがはって、胸焼けをするような人には、
■安中散
 
 食欲がない、食べられない
 食欲がない、あるいは食欲があっても食べられないような人には、
■六君子湯

 血色が悪く、疲れやすい
 血色が悪く、疲れやすい。腹痛や動悸があり、鼻血が出やすい人には、
■小建中湯


胃・十二指腸カイヨウ
 胃カイヨウと十二指腸カイヨウとでは、病態的に異なっている点が多くありますが、漢方では、両者を同じものとみなします。この病気の場合、疼痛を訴えることが多いので、痛みをとる薬を中心に、痛みの程度、出血の程度などをみて薬を使用します。漢方では、得意分野です。

実証
 便秘がちで、腹がはる
 便秘傾向があり、おなかの上のほうがはり、ときにはおなかの中心部が強く痛むような人には、
■桂枝加芍薬大黄湯

 みぞおちがつかえ、口が粘る
 みぞおちにつかえ感、肋骨弓下に抵抗と圧痛があり、口が粘り、肩こり、首や背中がはり、吐き気がして、便秘がちである人には
■大柴胡湯


中間証
 のぼせやすい
 多少のぼせやすく、みぞおちがつかえる感じがあり、肋骨弓下に抵抗と圧痛を伴う。そして口の中が粘つき苦く、上半身に汗をかく症状を伴うような人には、
■柴胡桂枝湯


虚証
 腹が鳴り、ガスが出る
 おなかがゴロゴロと鳴ったり、ガスが多く出て、ときには吐き気や嘔吐があり、ときには下痢のある人には、
■甘草瀉心湯

 血色が悪く、疲れやすい
 貧血傾向で、血色が悪く、体がだるく、疲れやすい。腹痛や鼻血がひんぱんにあるような人には、
■小建中湯



胃下垂症・胃アトニー
 胃アトニーという病気は、胃壁の緊張力がなくなった状態をいいます。したがって、胃アトニーにかかると胃下垂症を伴う場合が多いので、同一症状としてあつかいます。
 西洋医学では、手術的に胃をつり上げる方法を除いては有効な治療方法はありませんが、漢方では、証にあわせて薬を用いると、比較的早いうちに快方へむかいます。

実証
 胃もたれ感がある
 食欲がなく、胃がもたれ、ときにははって苦しい感じがする。しかし、痛みはさほど強くないような人には
■平胃散


中間証
 胃のあたりで水音がする
 胃のあたりを指で軽くたたくと、ポチャポチャと水音がし、寝起きが悪く、頭痛がある。立ちくらみやのぼせ、動悸がある人には
■苓桂朮甘湯


虚証
 胃がもたれ、食事後に吐く
 尿の出が悪く、みぞおちがつかえる感じがある。胃がもたれたりつかえたりして、食事の後に嘔吐する。しかし、吐くときは、とくに苦痛は伴わないような人には
■茯苓丸

 胃のつかえ、腸がうごめく
 顔色が悪く、胃につかえ感があり、体がだるく疲れやすい。腸がモクモクとうごめく感じを持つ人には
■大建中湯



過敏性腸症候群
 過敏性腸症候群は、心理的なものが、かなり影響するとみなされている病気で、代表的な心身症のひとつです。
 西洋医学では、腸管の運動を抑える副交感神経遮断剤や精神安定剤などがおもに用いられますが、一度は治まっても再発しやすい傾向です。漢方では、初期ならば半夏瀉心湯、病気がかなり進んでいれば真武湯がよく用いられ、有効であることが多いといえます。


実証
 腹がはり、腹の中心が痛む
 お腹の上部がはり気味で苦しく、ときには、腹痛やみぞおちのあたりが痛むような人には、
■桂枝加芍薬大黄湯


中間証
 腹が鳴り、下痢をしやすい
 食欲がなく、おなかが鳴り、下痢をしやすく、ガスの出が多い。ときには、吐き気や嘔吐が伴うような人には、
■半夏瀉心湯


虚証
 座っていてもめまいがある
 歩いているときに、フワッとしためまいが起きたり、座っていてもクラッとすることがある。疲れやすく、手足が冷え、下痢を伴っているような人には
■真武湯
【成分=茯苓、芍薬、生姜、白朮、附子】

顔の色が悪く、薄い唾液が出る
 食欲不振、下痢傾向、顔色が悪く、胃がもたれ、よく薄い唾液が出る人には
■人参湯


慢性肝炎
 慢性肝炎は、西洋医学では今のところ治療の決め手があまりない病気です。
 漢方には、小柴胡湯という慢性肝炎の特効薬ともいえる漢方薬があります。この薬は、西洋医学の分野でも、効能が認められています。西洋医学との併用なども含め、注目されているものです。

実証
 便秘傾向で胸が苦しい
 便秘傾向があり、みぞおちのつかえ感、肋骨 弓下に抵抗と圧痛があり、口の中が粘ついて、肩こりのある人には、
■大柴胡湯

 便秘傾向はなく胸が苦しい
 便秘傾向はなく、みぞおちのつかえ感、肋骨弓下に抵抗と圧痛があり、口の中の粘り、肩こりなどが、大柴胡証よりやや軽い人には、
■小柴胡湯


中間証
 のぼせやすく汗がでる
 のぼせやすく、汗が出やすく、肋骨弓下に抵抗と圧痛があり、口の中が粘ついて不快感のある人には、
■柴胡桂枝湯


虚証
 首の上に汗をかきやすい
 みぞおちあたりから肋骨弓下に抵抗と圧痛があるがとても軽い。へその上か下に拍動をふれる。口の中が粘ついて苦く、たいへん疲れやすく、首の上に汗をかきやすい人には、
■柴胡桂枝乾姜湯

 口角に泡のようなツバがたまる
 体力の衰えがひどくて、疲れやすい。口内にツバがあふれ、唇の端に泡のような薄いツバがたまる人には、
■補中益気湯



胆ノウ炎・胆石症
 漢方では、胆ノウ炎も胆石症も、とくに区別しないで治療します。胆石は、よほど大きな石でないかぎり、漢方薬を用いることによって、石が溶けて排出することがあります。ただし、治療機関は、人によってまちまちです。また、多くの場合は内服をはじめると、痛みの発作がしだいに減っていきます。

実証
 みぞおちのつかえ、肩こりがある
 みぞおちのあたりにつかえる感じがあったり、肋骨弓下あたりに抵抗や圧痛が中程度にある。口の中が粘ついて不快感が伴い、肩こりがある人には、
■小柴胡湯


中間証
 のぼせやすく、上半身に汗をかく 
 やや軽いみぞおちあたりのつかえ感や肋骨弓下に抵抗や圧痛がある。口の中が粘ついて不快で、のぼせやすく上半身に汗をかきやすい人には、
■柴胡桂枝湯

右上腹部に発作的な痛みがある
 右上腹部に、しばしば発作的な痛みがあり、へその斜め右上に抵抗と圧痛があるような人には、
■良枳湯
 【成分=茯苓、桂枝、大棗、甘草、枳実、良姜】


虚証
 疲れやすく首から上に汗をかく 
 みぞおちあたりのつかえ感、肋骨弓下に軽い抵抗と圧痛がある。へその上と下に拍動があり、口が粘りついて苦く、疲れやすく、首から上に汗をかきやすい人には、
■柴胡桂枝乾姜湯

 激しい腹痛があり、だるい
 しばしば激しい腹痛があり、へその斜め左上に抵抗と圧痛を伴い、体がひどくだるいような人には、
■解労散
 【成分=柴胡、芍薬、別甲、茯苓、大棗、枳実、甘草、乾生姜】



下痢・消化不良
 漢方では、下痢を大きく二つのタイプに分けています。便に色や臭いがない危険な状態と、その逆の状態のもので、前者の場合は、とくに早期治療が必要になります。どちらの場合でも、適応する漢方薬がそろっていて、さらに細かく診断した後で、患者に合った薬を選びます。

実証
 激しい下痢、首の後ろがこる
 激しい下痢を起こして、首の後ろがこる。悪寒、発熱するといった症状が伴う人には、
■葛根黄連黄ごん湯

 発熱し、激しい下痢
 発熱し、それと同時に激しい下痢をするといった人には、
■黄ごん湯


中間証
 のどが渇き汗が出やすい
 吐き気または嘔吐がある。のどが渇き、汗が出やすく、尿の出が悪い人。子供が寝冷えをし、一日に何度も下痢をしたり、吐いたりした場合には、
■五苓散


虚証
 一日数回の下痢、げっぷが出る
 一日数回の下痢が起こり、おなかが鳴り、胸焼け、げっぷが出たりし、まったく食欲がわかないような人には、
■生姜瀉心湯

 毎日の下痢でめまいがある
 毎日のように下痢があるため、歩いているときにフラッとめまいが起こったり、ときには座っていてもクラッとする。手足の冷えの症状もある人には、
■真武湯
【成分=茯苓、芍薬、生姜、白朮、附子】



腹痛
 腹痛は、消化器疾患によって起こるものばかりでなく、いろいろな疾患に伴って現れます。どの臓器の、どの部位の病変によるのか不明瞭な腹痛は、一般に腸管の緊張が原因の場合が多いと考えられています。また、にわかに起こる原因が定かでない急激な腹痛の場合には、漢方治療の前に検査をして、原因を確かめる必要があります。

実証
 下腹の左側が痛み、強度の便秘
 手足や腰、下腹部が冷えやすく、下腹の左側がよく痛み、強い便秘を伴う人には、
■大黄附子湯
【成分=大黄、附子、細辛】

 腹の上下がはる
 おなかの上下がはって苦しく、ときにはみぞおちが痛み、便秘がちの人には、
■桂枝加芍薬大黄湯


中間証
 のぼせやすく、胸、肋骨弓下に痛み
 多少のぼせやすく、みぞおちがつかえて、腹が痛み、やや軽く肋骨弓下に抵抗と圧痛があり、口の中が粘ついて苦く。上半身に汗をかきやすいという人には、
■柴胡桂枝湯

 みぞおちが重く、吐き気がある
 体力がいくぶん落ちていて、腹痛が強く、みぞおちが重苦しく、吐き気などがあるという人には、
■黄連湯


虚証
 上複部がはって苦しい
 おなかの上のあたりが、はって苦しく、ときどき痛みがある人には、
■桂枝加芍薬湯

 胃がもたれて痛む
 食欲がなく、胃がもたれて痛み、胸焼けがあるという人には、
■安中散

血色が悪く、疲れやすい
 ひんぱんに腹痛が起こり、血色が悪く、鼻血が出やすく、疲れやすい人には、
■小建中湯


 時代によって由来が変わる漢方薬の名前
漢方薬名には、古方と後世派のものがある
 漢方は、古代中国で発達した医学で、とくに後漢のころ、「傷寒論」という漢方治療の集大成ができ、完成をみました。この傷寒論を中心とした派を「古方」といいます。金・元の時代に、傷寒論とは別に、「後世派」と呼ばれる漢方の流派が起こりました。ただし、古方、後世派とは日本だけの呼び名です。
 わが国に、漢方が入ってきたのは、最初がこの後世派で、中国が明といわれていた宝町時代の後期のことです。
 この後世派は、江戸時代に入ってから一般に広がり、日本全土をおおいましたが、漢方の元祖はもともと傷寒論であり、後世派に対応するかたちで古方も台頭しました。
 したがって、現在のわが国の漢方薬の名前は、この古方と後世派のものが混合してあるのです。
古方は成分、後世派は病態を示す薬名
 さて、古方と後世派の漢方薬名の違いを次にあげてみましょう。
 まず、古方の漢方薬名から見てみます。
 甘麦大棗湯、桂枝加厚朴杏仁湯、麻黄附子甘草湯、白虎加人参湯など、漢方薬に含まれている主成分がそのまま薬名になっている場合がほとんどです。
 甘麦大棗湯には、甘草、大麦、大棗。桂枝加厚朴杏仁湯は、桂枝、厚朴、杏仁。麻黄附子甘草湯は、麻黄、附子、甘草。白虎加人参湯は、白虎湯の知母、粳米、石膏、甘草に加えて人参の成分が含まれているというわけです。薬に、どんな成分があるのか薬名だけで、おおよその見当がつくのです。 
 後世派の漢方薬名の特徴は、薬名からどんな症状に効くかがわかるようになっています。
 建中湯の場合は、中がおなかの中心のおへそのまわり、中が建つ(元気)の意で、消化器の病気に効果があるとわかります。
 潤腸湯は、文字どおり腸を潤す薬で、便秘に効果があるとわかります。
 頓嗽湯の場合は、嗽は口の中がさっぱり、頓は落ち着く意で、セキや喘鳴に効き目があることがわかります。
 なお、薬名に漢数字のある漢方薬もたくさんありますが、これはそれぞれの薬の歴史的な意味づけがあり、解釈はまちまちなので、必ずしも薬名どおりの意味ではないことに注意してください。


便秘
 便秘は、大きく分けて緊張性便秘と弛緩性便秘の二つがあります。緊張性はおなかが鳴ったり、はったりする症状が著しく現れる便秘で、精神的な不安や過労、冷えなどによって起こります。弛緩性は、腸管のぜん動が弱まることで起こり、腸管を刺激することによって治ります。漢方的治療ではもっとも得意とする分野で、服薬により半年から1年で消失することも可能です。

実証
手足が冷え、腹の左右片方が痛む
 手足、腰から下が冷え、おなかの左右どちらかが、しばしば痛むという人には、
■大黄附子湯
【成分=大黄、附子、細辛】

 おなかがはって苦しい
 いつもおなかの上下が、はっていて苦しい。ときには、みぞおちが痛む人などには、
■桂枝加芍薬大黄湯


中間証
便秘しやすいだけ
 日ごろから便秘しがちですが、それ以外とくに変わった症状のない人には、
■大黄甘草湯

冷えがちで尿が近い人
 体力はあまり強いほうではなく、多少冷えがちで尿が近く、皮膚が乾き、疲れやすく、しかもがんこな便秘の人には、
■麻子仁丸


虚証
 体力がなく便秘しがち
 老人などのように体力のない人。皮膚はカサカサとしてうるおいがなく、便もウサギの糞のように、コロコロとしている症状のある人などには、
■潤腸湯


糖尿病
 糖尿病は、インシュリン依存型と非依存型に分けられますが、いずれも遺伝的な体質が背景にあるやっかいな病気です。
この病気はコントロールすることはできても、一生治ることはないとされていますから、漢方療法によって根治できるかどうかは、現在の段階では結論を出すことができません。しかし、漢方の治療によって尿糖や血糖が正常値に戻ったり、根治したと思われる例はたくさんあります。

実証
 のどが渇き、汗や尿が出る
 体力が充実していて、のどが渇いて、汗や尿がたくさん出る症状の人には、
■白虎加人参湯


中間証
水を飲むと吐く
 汗をかきやすく、口の中やのどが渇く。しかし、水を飲むと吐いてしまう、尿の出が悪いというような人には、
■五苓散

口の中が粘って苦い
 のぼせやすく、口の中が粘っていて苦い感じがある。そのほか、疲れやすく、食欲不振、多汗、軽いみぞおちのつかえ感などのある人には、
■柴胡桂枝湯


虚証
下腹部に力がなく、夜間尿が多い
 のどの渇きや、夜間の排尿が多くなり、夜、排尿のたびに水を飲む。おなかの上部の力に比べ、下腹部の腹力が衰えているような人には、
■八味地黄丸

体力が低下し、強いのどの渇き
 体力がやや低下し、のどが渇き、皮膚もカサカサに乾き、セキやタンが激しく出るような人には
■竹葉石膏湯

◎病気が治ると薬がまずくなる
 漢方薬は普通、証にあっていれば、口にしっくりと合い飲みやすいものです。飲むのが苦痛という薬は、証が合っていない場合が考えられます。ところが、今まで飲みよかったのに、急に飲みにくくなったということがあります。これは病気が治り、証が変わったためです。この時期を転方といい、変わった証に合う薬に改めます。














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