FK-23

乳酸球菌
エンテロコッカス・フェカリス
FK-23菌の機能

免疫機能を中心にみた最近の研究結果より


◎はじめに
 私たちの生活には、多くの乳酸菌が関わっています。ヨーグルト、味噌、漬物といった食品に含まれる乳酸菌は保存性を高め、味を良くします。
 そして、乳酸菌の働きによって整腸作用が得られることは昔から知られていました。
 また、私たちの身体の中にも腸内細菌と呼ばれる細菌が住みついており、この中に含まれている球形状の乳酸球菌は重要な働きをしていることもわかってきました。
 世界の長寿者は100歳を超えても、寝たきりではなく、身の回りのことや日常生活を支障なく送っておられます。その人たちの腸内細菌の分布を見ると、乳酸球菌の比率が高いのです。
 そこで、腸内細菌に含まれる乳酸球菌には何らかの良い機能があると考え、病気を治療する「治療医学」よりも、病気にかからないように健康を維持する「予防医学」に焦点を絞りました。 
 この「予防医学」に欠かせないものとして、健康な人の腸内を由来とする乳酸球菌エンテロコッカス・フェカリスFK-23菌を発見し、「予防医学食品」として研究をすすめてきました。
 この本では、「予防医学食品」としてのエンテロコッカス・フェカリスFK−23菌を中心に、今までにかかわってきた機能について、免疫を主体に説明します。
 この内容が皆様のお役にたてると幸いです。


T.乳酸菌と長寿

 乳酸菌とは、ブドウ糖などの糖分を利用して増殖し、その過程で多量の乳酸をつくる菌の総称です。乳酸菌を利用して作られている私たちの身近にある食品は、はっ酵乳、乳酸菌飲料、チーズ、味噌、醤油、清酒、ワイン、パンなど私たちの身近にあり、世界中に広く分布しています。

 乳酸菌が注目されるようになったのは、今から約100年ほど前です。ロシア生まれのE.メチニコフ博士が旧ソ連のコーカサス地方やブルガリア地方で乳酸菌を豊富に含むヨーグルトを常食している人々に長寿者が多いことを発見し調査したのが発端です。
 メチニコフ博士は、パリのパスツール研究所で活躍し、1908年に食細胞の発見という功績で、ノーベル賞を受けた生物学者です、食細胞というのは白血球の一種で、体内に入った異物などを食べて除去する働きをするもので、現在ではこれが免疫反応の引き金になると重視されているものです。
 メチニコフ博士は、「老化は腸内の腐敗細菌がつくる毒素による慢性中毒であり、乳酸菌を摂取することで町内腐敗を防止し、老化を予防できる」といういわゆる「不老長寿説」を提唱しました。
 この説は、ヨーグルトに入っている乳酸菌は腸まで届かず腸に定着しないとの理由で、その信憑性が疑われた時期もありましたが、その後多くの研究者により、乳酸菌が人の健康や長寿に優れた効果のあることが明らかになってきています。
 世界中にはコーカサス地方やブルガリア地方の他にも長寿村と呼ばれる地域がいくつかあります。そららの長寿村の高齢者の腸内細菌を調べると、その他の地域の人よりも乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が多く、ウェルシュ菌などの悪玉菌が少ないということがわかっています。
 人の腸管には、300種類以上、約100兆個もの腸内細菌が住んでいます。重さにすると1〜1.5kgにもなります。一つ一つの腸内細菌は、肉眼で見ることができないほと小さな生物ですが、100兆個(ヒトの体細胞数は約60兆個)にもなると、ヒトの健康にさまざまな影響を与えるようになります。そこで腸内細菌をその働きや人体に対する影響から分類すると、乳酸菌などのような善玉菌、ウェルシュ菌などのような悪玉菌、そしてどちらにも属さない中間の菌〈日和見菌)に大別できます。
 私たちが健康でいられるのは、善玉菌が悪玉菌を抑える形で、腸内細菌叢が一定のバランスを維持しているからです。逆に、何らかの原因で悪玉菌が増えると、腸内腐敗が促進され、アンモニア、フェノール、インドールなど人の健康に有害な物質が増えます。これらは、腸管から吸収され、長期間放置しておくと肝臓、心臓、腎臓などに負担を与え、老化を促進させたり、ガンをはじめとして、動脈硬化、高血圧、肝臓障害、自己免疫疾患、免疫能低下などの原因ともなります。
 善玉菌は、ビタミンやタンパク質の合成、消化吸収の補助、病原菌や悪玉菌の増殖を防止、免疫機能を刺激するなど人の健康維持に役立ちます。
 腸内では、善玉菌と悪玉菌の陣取り合戦が日々繰り返されています。そして、善玉菌と悪玉菌のどちらが優勢になるかによって、私たちの健康の状態が大きく影響を受けるのです。善玉菌が優勢であれば、腸内環境は健康に保たれ、悪玉菌が優勢であれば、老化促進・生活習慣病の原因となります。
 長寿村の人々は、乳酸菌を豊富に含んだ発酵乳を常食していたり、食物繊維をたくさん含んだ食事をしています。つまり、善玉菌が優勢になるような食生活を日々しているのです。食物繊維は、ガンを招く有害物質や動脈硬化を促進するコレステロールを排出するといった働きもしています。
 今日では、乳酸菌には、整腸作用ばかりでなく、免疫力を高めるなど他にも様々な作用があるということが数多く報告されています。
 また、今日、世界一の長寿国となった日本は味噌や醤油、漬物など昔から乳酸菌を利用してきた国の一つです。乳酸菌と長寿の関係について、これからの研究でますます解明されていくことが期待されます。


身近にある乳酸菌利用食品
乳製品 
 発酵乳 乳酸菌飲料 チーズ 発行バター  
醸造製品
 みそ しょうゆ 清酒 
漬物類
 ぬか漬け 高菜漬け キムチ等


腸内細菌の種類
 善玉菌  乳酸球菌 乳酸桿菌 ビフィズス菌----感染防御 免疫刺激 消化吸収の補助 ビタミン産生---健康維持 老化防止

 悪玉菌  ウェルシュ菌 ブドウ球菌 大腸菌(毒性株) バクテロイデス(毒性株)---腸内腐敗 細菌毒素の産生 発ガン物質の産生 ガス発生---健康阻害 病気の引き金 老化促進

 日和見菌 バクテロイデス(無毒株) 大腸菌(無毒株) 連鎖球菌---健康な時はおとなしくしているが、体が弱ったりすると、腸内で悪い働きをする。




U.腸管免疫

 腸管は、食品などの有益な栄養分を体内に取り込む一方で、病原菌や異物から身を守る防御機構の最前線として機能しています。驚くべきことに全末梢リンパ球の50%〜60%が腸管に集中しており、消化器系としての機能はもとより、人体最大の免疫臓器としての機能をもっています。
 腸管には絨毛という突起があります。ここには小腸上皮細胞があり、食べ物を消化・吸収するために働きます。腸管に存在するリンパ球は、パイエル板、腸間膜リンパ節、腸管上皮間や粘膜固有層など、消化管関連リンパ組織として免疫応答を抑制しています。
 免疫とは「自己」と「非自己」を区別するシステムです。自己とは自分自身の細胞であり、非自己とは体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの微生物、寄生虫、体内で発生したガンなどの病的な細胞などです。免疫とは、それらを異物として認識し、排除するシステムです。
 免疫系を構成している細胞は、白血球であり、その形や働きによりリンパ球(T細胞、B細胞)、マクロファージ、好中球などに分類されます。
 生まれた時からもっている免疫を自然免疫といい、主に好中球やマクロファージが侵入者を取り込み、体外へと排除します。
 一方、生後環境の刺激により鍛えられる免疫を獲得免疫といい、リンパ球や抗原提示細胞が関与します。自己・非自己の判断がなされ、自然免疫と比べて時間がかかりますが、非常に効率よく侵入者を排除します。
 腸管は、消化酵素により分解された栄養素が吸収される場所で、分解された栄養素を利用して微生物が活発に増殖する場所でもあります。また、食物が有用化有害かを見極め、吸収または排除する重要な部分です。
 したがって、食物抗原を上手に処理したり、病原微生物に対抗するために、重要な免疫機構が腸管、特に小腸に備わっていると考えられます。
 近年、このような働きに乳酸菌が大きな影響を与えていることが明らかになってきています。




V.恒常性維持機能と免疫系
【1.人体は大海原】
 人生は「荒波にもまれる」というように、よく航海にたとえられます。そこで、人生と同じように体の変化も海で進む船にたとえてみましょう。
 船は波を蹴って進み、波がくると揺れます。しかし、船は平衡を保つ力(復元力)をもっているため、簡単には転覆・沈没はしません。その船を私たちの体にたとえてみましょう。病気にかかったとき、健康な状態に戻ろうとする船の復元力のような機能(恒常性維持機能)が働きます。恒常性維持機能が充分に保たれている間は病気になりにくいのです。
 船は年月が経つと老巧化します。そして、船内の荷崩れや、表面のヒビにより、復元力が弱くなると傾いてしまいます。そのときに大きな波がくると、沈没してしまうかもしれません。また、ヒビを修復せずほうっておくと広がっていき、これも沈没する原因となります。
 この状態を私たちの身体にあてはめると、波はストレスを表し、船内の荷崩れは、暴飲暴食や夜更かしなど、生活の乱れとなります。若いときには多少の無茶をしても影響はありませんが、年をとるに従い、徐々に恒常性維持機能が弱まり、無理がきかなくなります。老朽化した船は復元力が弱まっているため、船内の荷崩れがすぐに船の傾きにつながるのと同様です。また、船のヒビは生活習慣病や老人病といわれる、穏やかに進行する病気に相当し、早めに修復(=治療)すれば、健康な状態に戻るか、進行が抑えられますが、放置しておくと最後には、修復不可能なほどの亀裂となり、沈没してしまいます。
 そうならないためにも、船が老朽化する速度を遅くし、回復力の低下を防ぐ=恒常性維持機能を高め病気にならないようにする「予防医学」と、船にできたヒビを早めに修復する=病気を治療する「治療医学」をうまく使い分けることが重要です。

【2.恒常性維持機能と各種疾患】
 恒常性維持機能という耳慣れない言葉が出てきました。これが何かというと、「病気にかからないように体内で何らかの手段を使ってバランスをとるしくみ」ということを指しています。
 前項の船のたとえで説明すると、荷物が崩れてバランスが悪くなれば崩れた荷物を積み直し、ヒビが入れば修復します。これと同じことが私たちの身体でも行われているのです。
 私たちの身体が病気にかからないようにバランスを調節する場所は、ホルモンという物質を出す「内分泌系」、精神状態や身体を動かしたりする「神経系」、体外から入った異物や病原菌を追い出す「免疫系」の3つです。これら3つの系は、人の身体を健康に保つように協力し合っています。
 これらの系のバランスが崩れたり、働きが悪くなると、生活習慣病-特に、心臓病や高血圧症などの循環器系疾患、慢性炎症性疾患喘息などのアレルギー性疾患、リウマチなどの自己免疫疾患、内分泌系の障害、悪性腫瘍(ガン)など、ありとあらゆる病気にかかりやすくなります。
 現代医療は、多くの場合図7の木でいう枝葉の部分を治療している対症療法です。そして、根本的原因ともいえる幹や根の部分の改善は、病気になってしまってからではかなり難しいといえます。
 よって、真の健康のためには、病気になる前に幹や根の部分をしっかりとさせ、病気になりにくい身体をつくっておく、この概念が予防医学です。




W.腸内細菌叢の乳酸球菌とエンテロコッカス・フェカリスFK-23菌の発見

【1.腸内細菌研究の歴史】
 腸内細菌が初めて発見されたのは、約300年前のことです。そして、1885年には大腸菌が発見され、1900年頃にはビフィドバクテリウムとラクトバチルス・アシドフィルスが発見されました。この頃から、腸内細菌に対する研究が進められるようになり、1945年には無菌動物が作成され、腸内細菌の宿主に対する役割りについて研究されるようになりました。さらに、1960年代になって、アメリカのDubosらによって、動物を使った腸管各部にいる細菌群の研究が始まりました。
その中で、我々研究グループは、ヒトの腸内にいる細菌が人体にどのような作用を及ぼすかを研究テーマとして掲げ、実験を進めてきました。その結果、腸内細菌の中には、血液中のコレステロールを低下させたり、そのほか人体に有用な関わりを持っている乳酸菌が存在することがわかりました。

【2.腸内細菌叢とは】
 腸内細菌は、腸管表面全体に、まるでお花畑のように隙間なくびっしりとくっついています。この状態を指して、腸内細菌叢と呼んでいます。叢は“くさむら”という意味です。まさに、腸内細菌の状態を端的に言い表している表現といえます。
 そして、この腸内細菌叢に含まれる腸内細菌には、常に体内に住みついている細菌叢(常在性細菌叢)と、定着こそしていませんが、ある程度の確率で検出される細菌叢の2種類があります。
 これらの細菌の大きさは大体0.6〜5μm(1μmは1,000分の1mm)くらいで、棒状の桿菌や球状の球菌、鞭毛を持った菌などがあります。これらの菌は腸管全体で300種類、100兆個も存在するといわれています。腸内細菌の主な分類を表1に示します。


表1 腸内細菌の主な分類

おもな腸内細菌--桿菌--好気性--ラクトバチルス〈乳酸桿菌)
                    ‐‐大腸菌群

                嫌気性--ビフィドバクテリウム
                    --ユーバクテリウム
                    -- プロピオニバクテリウム          
                    --クロストリジウム(芽胞形成)
                    --バクテロイデス

           球菌--好気性--エンテロコッカス(腸球菌)
                    --スタフィロコッカス(ブドウ球菌)
              --嫌気性--ペプトストレプトコッカス
                    --ベーヨネラ

【3.腸内細菌の生態】
 腸内細菌叢は、他の高等生物の体内に寄生できますので、生物的環境あるいは生態的環境は他の高等生物に比べてきわめて複雑です。
 腸内細菌叢は、胃から始まるあらゆる部位で生態系を形成しながら、腸管全体としてさらに大きな影響を与えており、人間を取りまく生態系の環境変化(食生活や生活環境の急激な変化)によって、腸内細菌叢も変化します。
図8は腸内細菌が人間に及ぼす良い働きと悪い働きを示したものです。


図8 腸内細菌の人間に及ぼす影響


人間

腸内細菌⇒栄養・免疫・感染防御⇒健康
      →消化・吸収・代謝(脂質・蛋白・糖・アミノ酸など)
      →ホルモン
      →神経伝達物質 ビタミン
      →日和見感染
      →アレルギー
      →生活習慣病  ●動脈硬化
                 ●心臓病
                 ●ガン
                 ●高脂血症
                 ●高血圧
     →腸内腐敗 細菌毒素 下痢・便秘

     →抗菌物質産生 抗がん(発ガン物質分解)
     →薬物代謝(解毒酵素)
     →酵素活性(腸管・肝・腎・脳などの酵素)
     →腸蠕動運動 腸内pH


【4.エンテロコッカス・フェカリスFK-23菌の発見】

 前項にも記載しましたが、人間の身体の細胞数60兆個よりもはるかに多い100兆個の細菌が私たちの腸内に住みついています。このような腸内細菌が人間に対して、大きな影響を与えていることは容易に理解できます。我々研究グループは、人間に対しての腸内細菌の役割りは何か、どのように影響し、影響され合っている関係なのかというテーマのもとに研究を進め、ついに、腸内細菌の一種であるエンテロコッカス・フェカリス菌の中に、宿主生体の脂質代謝、時にコレステロールやトリグリセリドの代謝に作用し、その血中レベルを低下させる活性をもつ菌体を発見しました。これが、エンテロコッカス・フェカリスFK-23(以下FK23菌)です。驚くことに、このFK-23菌の脂質代謝に対する作用は、生菌のみならず、死菌でも同様の効果が得られることがわかりました。

【5.FK-23菌と免疫系】
 FK-23菌のコレステロール低下作用(後述)を発見した後、新たな作用について、多種多様な切り口から研究しました。その中で、FK-23菌には、免疫系に対して効果があるということがわかってきました。
 そこで、FK-23菌と、他の種類の乳酸菌(エンテロコッカス・フェシウム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ブレビス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・アドレスセンティス、ビフィドバクテリウム・サーモフィルム、ストレプトコッカス・サリバリウス)の免疫系を強くする力を調べてみました。免疫系を強くする力の指標として、私たちが選んだのは、腫瘍壊死因子(TNF)を産生させる能力です。このTNFの産生量が多いということは、ガン細胞を殺す力が強いということです。
 測定した結果を図9に示します。FK-23菌が他の菌よりもはるかに高い値を示しています。また、FK-23菌の生菌と加熱処理菌体で、TNFの産生量を調べたところ、加熱処理菌体の方が高い値を示すことがわかりました。
 これらの結果が示すことは、乳酸菌は生菌でなければ作用を示さないという従来の常識を大きく覆したということでしょう。よって、健康な人の腸内由来であるFK-23菌の加熱処理菌体を飲用することによって、恒常性維持機能を高め、生活習慣病に代表される各種疾患を改善することが期待されます。 
 次ページから、研究によってわかった各種作用について説明いたします。なお、FK-23菌と記載してあるのはすべて加熱処理菌体です。



X.FK-23菌の各種作用

【1.免疫賦活作用】
1)BRM(Biological Response Modifier)活性

 BRMは免疫を高める作用をもった物質や薬を指します。この物質は、直接ガン細胞や病原菌を攻撃する作用はありませんが、私たちの身体の中にある免疫担当細胞である白血球に働きかけて、ガン細胞や病原菌を攻撃させる作用があります。この状態をたとえると、BRMはスポーツのコーチのようなものです。
 FK-23菌をマウスに与えて、各種白血球の数や機能を調べました。るすと、好中球およびマクロファージの数が増加しました。この2つの白血球は、病原菌が私たちの身体に侵入してくると、活躍する白血球です。
 図11に示すようにFK-23菌は白血球数を増やすだけでなく、マクロファージの病原菌を食べる力を強くし、好中球が出す病原菌を殺す物質の量を増やす作用があります。
 また、図12に示すように、FK-23菌をマウスのふくくう内に投与し、6時間後に誘導される細胞を調べてたところ、好中球数と、マクロファージ数の増加がみられました。
 この結果より、FK-23菌は白血球の数と機能の両方を上げる効果が得られることがわかりました。

図11 免疫に関するFK-23菌の作用

 マウスにFK-23菌入りの餌を食べさせその血液を取り、白血球の機能をみる

FK-23菌入り餌⇒白血球の中の好中球、マクロファージが増加する
     好中球の病原菌を殺す物質の量が増加する
     マクロファージの細菌を食べる力が強まる


2)TNF(腫瘍壊死因子)産生量を高める
 
 前述しましたが、FK-23菌は、TNF 戸いうガンを殺す物質の産生量を高めます。そこで、このTNFの産生量がどのくらい高くなるかを調べました。
 マウスにFK-23菌を食べさせます。そのマウスの血清をガン細胞と反応させます。ガン細胞は壁面にくっついていますが、死ぬと、剥がれます。そこで、くっついているガン細胞を測定することで、TNF産生量の強さがわかるのです。(図13)
 OK-432(注射剤)というガンの治療にj実際用いられている免疫を上げる薬とFK-23菌のTNF産生量を比較しました。すると、FK-23菌のTNF産生量はOK-432のTNF産生量とほとんど変わらないことがわかりました。すなわち、FK-23菌は免疫を上げる作用がある薬として用いられているOK-432とほぼ同じ力を持つといえます。(図14)


3)インターフェロン産生量を高める
 インターフェロンは、ウイルスを排除する物質で、臨床では抗ウイルス剤や抗がん剤として用いられていますが、特にB型やC型肝炎の治療に使われています。 
 このインターフェロンは、人間の体内で作ることができます。そこで、マウスにFK-23菌を食べさせて、体内でどのくらいインターフェロンを産生するのかを調べました。
 すると、抗がん剤によって人為的に免疫力を落としたマウスのインターフェロン産生量は高まりましたが、正常なマウスのインターフェロン産生量は高まりませんでした。
 インターフェロンは、、ウイルスを排除する働きをしますが、正常な細胞に働きかけると、発熱や体の痛みなどの悪影響が出ます。ということは、ただ闇雲にインターフェロンの産生量を増やすだけではよくないということです。FK-23菌の優れた特徴は、インターフェロンの産生量を身体の症状に合わせて調節することが出来るところなのです。


4)腸管から分泌されるIgAの産生量を高める
 腸管は、食物の栄養分を吸収する場所であります。しかし、O-157やサルモネラ等の食中毒に代表されるような体に悪影響を及ぼす病原菌や雑菌もやってきます。身体に悪影響を及ぼすものが、栄養素と同じように身体の中に吸収されて入ってくるとたいへんなことになります。
 そこで、私たちの身体は、病原菌のような身体に悪影響を与えるものを侵入させないようい対策をたてています。
 その1つが、IgA(免疫グロブリンA)といわれる、病原菌にくっついて、体内への侵入を防ぐ物質(抗体)を腸管内に放出するというもの。
 つまり、IgAの産生量が多いということは、病原菌を体内に侵入させないようにする力が強いということです。
 FK-23菌を餌に混ぜ、マウスに食べさせました。そして、腸管内に出てくるIgAの量を測定していくと、FK-23菌を食べていないマウスと比較して常に高いIg量を示すようになりました。


【2.抗腫瘍作用】
 マウスにガンを植え付けると、ガンは次第に大きくなり、ついには、死に至らしめます。しかし、FK-23菌を投与したマウスではガンの増殖が抑えられ、延命効果がみられました。
 マウスにMM46乳ガンという種類のガンを植え付けた後、FK-23菌を食べさせていると、ガンが大きくなるスピードが遅くなり、また、ガンが小さくなったり、なくなったりするマウスもいました。


【3.抗ガン剤との併用効果】
 現在、ガンの治療に用いられている抗ガン剤は、ガン細胞に働きかけて、ガン細胞が増殖できないように遺伝子を壊したり、ガン細胞が栄養分を分解できないようにして、ついには、身体からガン細胞を排除してしまいます。
 しかし、現在の抗がん剤の欠点は、新陳代謝が活発な骨髄や消化管など正常な細胞も攻撃してしまうことです。
 したがって、抗ガン剤には副作用がつきものとなってしまうのです。それらは、骨髄障害による白血球数の減少、消化管の障害による下痢、栄養素の吸収がうまくいかないようになる、肝臓・腎臓の機能が悪化する等々、多種多様な現象が現れます。
 抗がん剤は、現在のガン治療には必要な薬剤です。そこで現在の医療現場では、いかに副作用を抑えながら有効量を投与できるかに治療効果の有無がかかってきます。
 そこで、FK-23菌を食べさせたマウスに各種の抗がん剤を与えて、副作用が抑えられるかを観察しました。すると、白血球の減少を抑えたり、腎臓などの臓器の機能が悪くなるのを防ぎました。また、ガンを植え付けたマウスに抗ガン剤とFK-23菌を与えると、坑ガン剤単独の時よりもガンが小さくなりました。


【4.感染症を抑制する】
 感染症は、身体の抵抗力が低下したとき=免疫力が落ちたときや、免疫力が充分発達していない子供、免疫力が弱くなっているお年寄りなどがかかりやすい疾患です。イメージしやすい感染症としては、カゼやインフルエンザ、O-157などがあげられます。また、病院の中で大問題となっている院内感染菌であるMRSAやVREなどの薬剤耐性菌もあります。感染症は、身体の中にウイルス、細菌、カビが侵入して炎症を起こしたり、人の養分を吸い取って増殖したり、毒素を作るなど、体内で悪影響を及ぼす症状です。そこで、病原菌を与えて人為的に感染症にしたマウスにFK-23菌を与えて、感染症を防ぐことができるか調べました。
 実験に用いた病原菌は、免疫力が弱い人では、感染して人を死に至らしめることもあるカンジタ菌というカビ、性器部分や目の付近、口の中に潰瘍やかゆみを生じさせるヘルペスウイルス、抗生物質が効かないために人を死に至らせるMRSAの3種類です。
 免疫力を下げて病気にかかりやすくしたマウスに、前記の3種の病原菌をそれぞれ感染させた後、FK-23菌を食べさせ、マウスの状態を観察しました。すると、FK-23菌を食べていないマウスは、どの菌に感染させても、感染症にかかって一週間程度ですべて死んでしまいました。しかし、FK-23菌を食べさせることによって延命効果がみられました。この感染防御効果について注目されるのは、FK-23菌が病原菌を殺したのではなく、著しく低下した免疫力を回復させ、その結果として致死的な感染の防御が図られたということです。


【5.C型肝炎に対する効果】
 肝臓の病気の中で有名なものとして肝炎があげられます。文字通り肝臓に炎症が起き、放置しておくと肝硬変に進行して肝臓が使い物にならなくなるという病気です。原因は、肝炎ウイルスによるものが大半で、いくつかの種類がありますが、日本では、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスの3種類が中心です。この中でも、C型肝炎ウイルスは、感染者が250万人いるといわれています。C型肝炎ウイルスの問題点は、肝炎の症状が緩やかなため血液検査で初めて自分が感染していることを知ること、肝炎から肝硬変や肝ガンへ移行する症例が圧倒的に多いことがあげられます。
 治療方法も乏しく、インターフェロン(IFN)と強力ネオミノファーゲンC(SNMC)ぐらいです。SNMCはウイルスを追い出す作用はなく、炎症を抑える対症療法のようなものです。最近は効果的な薬剤が開発されつつあり、およそ50%の人で効果がみられるようになりました。しかし、副作用が出やすく、IFNや新薬でも発熱やウツ状態による自殺などがあります。いずれも、注射剤のため、患者の負担は大きくなります。
 IFNは肝臓に多量に産生されることによってC型肝炎ウイルスを排除します。そこで、IFN産生量を高める作用を有するFK-23菌にC型肝炎ウイルスを排除する作用がある可能性が考えられました。C型肝炎を診断された患者の有志の方々にFK-23菌を飲んでいただいたところ、肝機能の改善がみられました。また、IFNが効かない人に対しても肝機能が改善される例がありました。


【6.整腸作用】
 整腸作用といえば、ヨーグルトに代表される生きた乳酸菌がすぐ頭に思い浮かぶと思います。現在ちまたで話題になっている「特定保健用食品」に認可されている生菌の商品(ヨーグルト等)はすべて整腸作用をうたっています。ということは、整腸作用というものは生菌のみがもつ特権のようなものなのでしょうか?
 FK-23菌をジュースに混ぜて便秘傾向の女子大生37名に毎日1回飲んでもらったところ、排便回数が増加する傾向を示しました。また、腸の有害菌であるクロストリジウム・パーフリゲンスの菌数を減少させることがわかりました。この傾向は、排便回数が2週間に8回以下という強い便秘状態を示す人に強く現れました。
 この結果は、今までの“整腸作用は生菌にしかいない”という概念を大きく覆すものです。



表2 FK-23菌による排便回数の改善効果

 試験前2週間の排便回数   非摂取     FK-23菌摂取  
   8回以下(13名)      7.2±0.8    9.2±3.4
   9回以上(24名)      10.6±2.0  11.8±3.6
   全被験者(37名)      9.4±2.4   10.8±3.8(p<0.05)


表3 FK-23菌による便秘傾向の強い被験者13名における腸管内C.perfringens数の改善効果

                   Log菌数/g(糞便)
               非摂取     FK-23菌摂取
C.perfringens数   5.3±0.8  4.0±0.68(p<0.05)
     数値は平均値±標準偏差で表した。()内は非摂取に対する有意水準。


Y.FK-23菌の菌体成分による効果

【1.血圧降下作用】
 FK-23菌には血圧降下作用があり、その作用を示す成分が、菌体のどの部分にあるか調べました。その結果、菌体の中にあるRNAという物質に血圧降下作用のあることがわかりました。FK-23菌は、加熱処理を行っているので、変性した細胞壁から菌体内成分がこぼれ出ていることにより緩やかな血圧降下作用を示していたと考えられます。
 RNAは菌体の中に含まれている物質のため、有効利用しようとすると、菌体の表面にある細胞壁を壊す必要があります。そこで、FK-23菌の細胞壁を壊したもの(以下LFKと略します)を高血圧のラットに食べさせたところ、FK-23菌以上に血圧が下がりました。
 さらに、LFKが血圧を下げるしくみを調べたところ、現在の治療薬とはまったく違う部分に作用することがわかりました。LFKは血管に直接働きかけて血管を広げる作用があるのです。
 そこで、血圧が高い有志の方々にLFKを飲んでいただいたところ、最高血圧だけでなく最低血圧も下がりました。また、血圧を下げる薬と併用すると、より顕著に下がりました。
 なお、血圧を下げる作用は血圧の高い状態のみに現れ、正常の場合には、必要以上に下げることがないことがわかっています。


【2.抗アレルギー作用】
 アレルギーには、サバやソバのアレルギーのように、原因物質を食べたり触れたりすると数分〜数時間で症状が現れる即時型アレルギーと、アレルギーを起こす物質にふれた半日後〜数日後に症状が現れる遅延型アレルギーと呼ばれるものがあります。
 即時型アレルギーに分類される病気として、花粉症や気管支喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などがあります。そのしくみとして、一度、体内にアレルゲンと呼ばれるアレルギーの原因物質が入ると、体内の白血球はそのアレルゲンが異物であり、体から追い出さなくてはならないものだと認識し、アレルゲンに結合する抗体という物質を大量に産生します。この抗体は、肥満細胞にくっついていつまでも残っています。そこへ、再び同じアレルゲンが入ってくると、肥満細胞についている抗体にアレルゲンがくっつきます。すると、肥満細胞からヒスタミンと呼ばれる物質が大量に出てきます。このヒスタミンが原因で、くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、涙、喘息、湿疹などの症状が現れるのです。
 食品や薬物の抗アレルギー性を見るための方法として、マウスに実験的に即時型アレルギーを起こさせ、アレルギー反応がどのくらい抑えられるかによって、抗アレルギー性の強さをはかる実験法があります。
 まずマウスにタンパク質や花粉などのアレルゲンを注射します。その後にLFKを食べさせます。数日後にまた同じアレルゲンを注射して、アレルギーをマウスに起こさせたところ、LFKを食べさせることによって、アレルギー症状が軽くなりました。 
 そこで花粉症の方々にLFKを飲んでいただいたところ、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった花粉症特有の症状が軽減されたり、出なかった方がみられました、。このとき、薬の使用量も抑えることができました。
 さらに、通年性アレルギー性鼻炎の方々でも、くしゃみや鼻づまりなどの症状が改善しました。


【3.漢方薬の効果増強作用】
 漢方薬は、腸内細菌が成分を変化させる事で、効果が得られると言われています。つまり、腸内細菌がしっかり働く事で、漢方薬の効き目を高められる可能性があるのです。そこで、アレルギーに効く漢方薬とLFKの併用について調べてみました。
 ネズミにアレルギーを起こさせると、アレルゲンに触れた個所では、好酸球という免疫細胞が集まってきます。この細胞は、たくさん集まりすぎると炎症を起こしてアレルギーを酷くします。
 図29の様に、漢方薬を少しだけ与えても、好酸球は少なくなりませんでした。しかし、多めに与えると、好酸球は少なくなり、アレルギー症状が軽くなる事が分かります。ここにLFKを加えると、あまり有効ではなかったはずの少量(1/10量)の漢方薬でも、たくさん漢方薬を与えた時と同じだけ好酸球が少なくなったのです。
 他の漢方薬で試験をしましたが、同様の結果になりました。また、アレルギーを抑える漢方薬だけでなく、免疫を高める漢方薬とLFKを一緒に使うと、より免疫が高まる事も分かってきました。
 この効果の仕組みはこれから調べてゆきますが、腸内細菌と漢方薬の関係は、非常に注目されているとことです。


【4.酒さ(赤ら顔)に対する効果】
 女性には、常に美しく健康的な肌でありたいという願望があります。そのために美白化粧品やUV(紫外線)カット化粧品などを用いて、肌のコンディションに気をつかっています。
 しかし、「酒さ」と呼ばれる原因不明の赤ら顔が中高年の女性に多く現れ、美白を求める女性の大きな悩みとなっています。しかし、病院へ行って何とかこの赤ら顔を治してもらおうと思っても、原因不明のため、有効な治療方法がありません。
 そこで、赤ら顔の有志の方々にLFKを食べていただいたところ、数週間経つと赤ら顔の症状が改善されました。

表5 LFKの赤ら顔改善作用
 評価          症例数    割合(%)
大変良くなった      5        39―
良くなった         2        15 |77
少し良くなった      3         23―
変わらない        3         23
悪くなった         0          0


【5.ニキビに対する効果】
 以前は、ニキビといえば思春期によくみられる若者特有の症状でした。
 近年では、性別を問わず、20歳以上の方にも増えています。治療方法は様々ありますが、しっかり治療しないと跡が残り「あばた」状になってしまいます。LFKをニキビの方々に食べていただいたところ、ニキビの各症状(面皰、丘疹、膿疱)に改善がみられました。

面皰:毛穴に皮脂や角質がたまってできる塊をいいます。面皰が毛穴に詰まるのが、にきびの初期段階です。
丘疹:面皰内でにきび菌などの細菌が増殖して、炎症が起きた状態です。毛穴の周囲が赤く盛り上がったようになります。
膿疱:丘疹がさらに進行して化膿し、毛穴の中に膿がたまった状態です。自分で見ても、赤く腫れた中心部に、黄色い膿がたまっているのがわかります。

【6.LFKの美容効果】
 先にも述べましたが、LFKは、にきびや酒さと言った皮膚疾患に有効である事が報告されています。しかし、皮膚疾患をもたない人の皮膚には、何の影響も及ぼさないのでしょうか?
 皮膚疾患のない方に飲用してもらい、3年間のデータを取りました。その結果、LFKを飲用していた人は、飲んでいなかった人に対して、日焼けが薄い事が分かりました。また、冬場の肌の乾燥が押さえられ、シミが薄くなった人もいました。
 
【7.血小板凝集抑制効果】
 血小板には、けがなどで出血した時に固まって傷口を塞ぐ働きがあります。
 しかし、生活習慣や病気などで血小板が過剰に固まりやすくなると、血液が毛細血管を通りにくくなったり、血管内の壁に血小板がベタベタと付着し、他の血液成分とくっつくことで血管を塞いでしまったりすることがあります。そしてこれは脳卒中や脳梗塞、 はたまた狭心症や心筋梗塞という恐ろしい疾病につながるのです。
 有志の方々に何も飲用していない状態(日内変動)とLFKを飲用した状態の血小板の固まりやすさ(凝集率)を調べました。LFKを飲用することにより凝集率の改善がみられました。
 この結果より、LFKを摂取することで狭心症などの疾病を予防して毛細血管もスムーズに通るサラサラな血液を維持することが期待できます。


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