眼科系-2
老人性白内障

概念
 白内障には老人性のほかに糖尿病性、アトピー性、併発などに先天性のものがある。代表的なものが加齢による水晶体が混濁をきたす老人性白内障で、非可逆的な変化である。手術治療は近年進歩し、外来手術も可能となっている。薬物療法の効果は疑問視され、漢方薬も水晶体混濁に対してどの程度効果があるかはいまだ解明されていないが、視力の2〜3段階の回復は可能であり、「かすみ目」に代表される愁訴には効果的である。


眼科系-3
眼底出血

概念
 眼底出血は部位により硝子体出血、網膜前出血、網膜出血、網膜下出血、脈絡膜出血などに分類される。原因として内科疾患に由来するものとして糖尿病、高血圧、腎炎、膠原病、動脈硬化症、血液疾患などに由来する出血があり、眼科特有のものとして、若年性再発性硝子体出血、老人性内盤性黄斑部変性症、高度近視、ブドウ膜炎、網膜烈孔などによる出血がある。
 西洋医学的に光凝固術や硝子体手術が行われているが、完治は困難である。また一般薬物療法の効果は疑問視されている。
 漢方治療による報告は少ないが有効な場合も多くみられ、駆お血剤が頻用される。


眼科系-4
眼精疲労(不定愁訴)


概念
 眼精疲労は調節性眼精疲労、筋性眼精疲労、症候性眼精疲労、不等像性眼精疲労、本態性(神経性)眼精疲労に分類されている。ここで述べる眼精疲労は本態性眼精疲労である。本態性眼精疲労とは、いろいろな愁訴を訴えるもその原因となる器質的、機能的異常をみとめないか、みとめてもそれでは説明のできない愁訴のものをいう。愁訴としては眼痛、眼が重たい、充血、羞明、流涙、乾燥感、視矇
異物感、複視、しょぼしょぼ、ちかちかなど多彩で、点眼や一般洋薬での治療では苦慮することが多い。しかしこれらの不定愁訴を訴えるものには、全身的に頭痛、頭重感、不眠、動悸、便秘、下痢、のぼせ、生理痛、生理不順、冷え症、肩首の凝り、腰痛、めまい、耳鳴り、立ちくらみ、咽頭異物感、夜間尿、頻尿、乏尿などの全身的な不定愁訴を伴っている。これらすべての愁訴を考慮して全人的な治療を行う漢方治療は最も得意とする分野である。


眼科系-5
結膜炎、角膜炎

概念
 急性の細菌性、ウイルス性の感染症は西洋薬による治療が優れているので、あえて漢方治療を行う必要はないと考えている。しかし再発を繰り返したり、アレルギー性、カタル性のものは漢方治療の対象となる。疾患としてはアレルギー性結膜炎、カタル性結膜炎、掻痒性結膜炎、春季カタル、ドライアイ、糸状角膜炎、カタル性角膜炎、乾燥性角結膜炎、(シェーグレン症候群)などである。


眼科系-6
仮性近視(調節痙攣)

概念
 仮性近視は一般に近業を長時間持続することで、毛様体筋のトーヌスが亢進し、近業を中止しても元に戻らない状態であるが、診断、病名には西洋医学的にいろいろと論議され確立されていない。
 しかし真性近視の前段階として存在することは事実である。
 西洋医学ではアトロピン、ミドリンなどの点眼、ビタミンの内服、望遠訓練などが行われている。しかしこれらすべてが解決できているわけではない。漢方治療や針治療も効果をみる。


眼科系-7
ブドウ膜炎

概念
 虹彩、毛様体、脈絡膜を総称してブドウ膜と称している。この部位になんらかの原因により炎症が起こった状態がブドウ膜炎で、外因性のものとして、結核、梅毒、ヘルペス、真菌、ヒマトプラズマ、カンジタ、トキソプラズマなどが考えられ、内因性のものとして、原田病、サルコイドーシス、ベーチェット病、リウマチ、全身性エルテマトーデスなどに合併してみられるもの、交感性眼炎、水晶体起因性などがあり、なんらかの免疫異常と考えられている。西洋医学では各々の病名にもとづいて治療が行われる。内因性のものはステロイド剤が中心となる。
 漢方治療では清熱剤、柴胡剤に駆お血剤の併用が中心となる。


眼科系-8
緑内障

概念
 緑内障は眼圧の上昇とそれによる視機能の障害を伴った総称で、原発性開放隅角緑内障、原発性閉塞隅角緑内障、先天性緑内障、ブドウ膜炎などにより起こる続発性緑内障、出血性緑内障に大別される。近年は高眠圧症や正常眼圧緑内障の存在が問題となっている。
 原発性閉塞隅角緑内障は手術の絶対適応で、漢方治療の入り込む余地は少ないと思われるが、ほかの緑内障は漢方治療の併用が有用である。しかし漢方治療のみで眼圧のコントロールを行うことは非常に困難で、むしろ視神経保護療法の一つと考える方がよいかもしれない。しかし漢方治療を行うことで点眼を減量できたり、中止できることもある。


眼科系-9
視神経疾患

概念
 視神経の部位で乳頭炎、乳頭血管炎、うっ血乳頭、球後視神経炎、軸性視神経炎などに大別され、その原因として結核、梅毒、副鼻腔など視神経付近の炎症、腫瘍、薬物中毒、ビタミンB1欠乏などが考えられるが、原因の不明なことも多い。
 原因が明確な場合は、その治療を優先すべきことは当然であり、抗生物質、ステロイド剤や開頭術など外科的治療も必要となる場合もある。眼科における一般的治療としては、ビタミンB1、ATP、ビタミンB12、血管拡張剤など視神経愛護療法が中心となる。
 漢方治療による報告は少ないが、水毒、お血が関係していることが多い。


眼科系-10
中心性網脈絡膜症

概念
 脈絡膜と網膜の障壁の障害により、漿液が網膜下に貯留した状態で、その原因は近年ストレスによると言われているが、厳密には不明である。予後は良好で自然治癒するといわれているが、時に完治するのに長い期間を有する場合もあり、変視症や変色症が残ることもある。また再発をきたすことも多いが再発防止の手技はない。
 一般には光凝固術がその適応範囲で行われているが、その合併症は皆無ではない。一般薬物療法の効果は、疑問視されている。
 漢方的には水毒、お血が関係していることが多いと思われる。


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