のどや口内の乾燥・口臭
口や鼻などの違和感、不快感は本当に嫌なものです。声が思うようにでない、口臭が強くなったような気がする、などの症状も、自律神経の乱れが主な原因です。
ストレスが原因になることも
気にしないことがいちばん!
 鼻から口にかけて違和感がある、のどや口が渇く、口臭がする、口の中が苦いような感じがするなどの不快感を感じることがあります。
 更年期でなくても、人前で話すなど、緊張しているときや、ストレスがたまってイライラしているときに、このような症状が起こったことがあるのではないでしょうか。
 これも女性ホルモンの減少による、自律神経の失調が一因です。交感神経の緊張が高まって、唾液の分泌が悪くなるために起こります。
 逆に、しゃべっていると口の中が唾液でいっぱいになり、あふれそうになるという人もいます。
 これは副交感神経の過剰興奮によって唾液のコントロールがうまくいかないために起こります。
 口臭は、唾液の分泌が減り、口の中の浄化作用が十分でなくなるために、口内が汚れやすくなって起こります。
 唾液が少ないと、口の中に苦みを感じることもあるようです。
 熱があるときなどに、口の中の渇きや苦みを感じることがありますが、これも唾液の分泌が不十分なために起こるのです。

肩こり、・腰痛・背痛
長時間の同じ姿勢、無理な姿勢は厳禁。長年こき使ってきた筋肉を、これからは大切に扱おうと気持ちの切り替え時期。激しい運動よりもストレッチが効果的です。
老化とエストロゲンの減少が原因。姿勢にも気を付けて。
 長い時間同じ姿勢をしていると、肩がこったり、腰や背中が痛くなります。l
 これはだれにでも起こることで、年齢にはあまり関係ありません。ただ、都市を重ねると違ってくるのは、回復までに時間がかかるようになることです。
 更年期には、頑固な肩こりや腰背部の痛みに悩まされる人も少なくありません。
 若い頃から肩こりや腰痛などがひとかった人の方が、症状が強く出ることが多いようです。
 若い時は肩こりになんてならなかった人も、中年になってから肩がこりやすくなる傾向があります。
 これは首や肩、腰部の筋肉が老化して弱くなってしまったために起こる、老化現象のひとつです。長い間駆使してきた筋肉をこれからは大切に使ってほしい、という体からの信号なのだと考えてみましょう。
 更年期になってエストロゲンの急激な減少から、自律神経の働きが乱れ、血液循環が悪くなることなども原因のひとつです。

膣の乾燥・性交痛
膣の乾燥やそれに伴う性交痛は、更年期症状の訴えの中で、隠れたナンバーワンともいえます。ひとりで悩んでしまう人も多いのですが、我慢せず医師に相談しましょう。
痛みを無理に我慢せず婦人科の診察を受けて
 更年期にさしかかり、閉経が近くなるとエストロゲンの減少によって外性器、内性器にも変化が現れます。
 この年代では子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣膿腫などの病気で、子宮の摘出手術を受けた人もいるでしょう。それだけに、性器やセックスに関する悩みや疑問、トラブルも増えてきます。
 更年期になると、膣の弾力がだんだん失われ、粘膜も薄くなってきます。
 今までは性的に興奮すると、膣壁にあるバルトリン腺から分泌液が出て、膣内をうるおしていたのですが、この分泌液も減ってきて膣内が乾燥した状態になります。また、かなり個人差はありますが、大陰唇や小陰唇などの外性器が、薄く、小さくなっていく傾向があります。
 このような内性器や外性器の変化によって、膣の乾燥や外陰部のかゆみを感じたり、入浴時にしみたり、セックスのときに痛みを覚えたりするようになるのです。
 なんとあく気後れしてなかなか医師にも相談できず、夫にも言えずに性交痛を我慢している人も少なくないようです。
婦人科手術後の変化
 子宮や卵巣の摘出手術をした後の性生活
 子宮筋腫などで子宮を摘出しても、卵巣が正常なら残す場合が多いのです。
 女性ホルモンを分泌するのは子宮ではなく卵巣なので、卵巣が残ていれば月経が止まっても急に更年期障害になるわけではありません。手術をしていない人と同じように変化していきます。
 膣はそのままなので、性生活には問題はありません。
 子宮だけでなく、卵巣も一緒に摘出した場合は、片側だけだったら残された卵巣が正常に機能している限り、問題はありません。
 閉経後何年もたってからの手術の場合は、すでに卵巣の機能が低下していて、その状態に体が適応しているので、それほど問題はおこりません。
 ただ、今まで月経があったり、卵巣が機能していた場合に、両方の卵巣を摘出したときには、のぼせ、発汗などの更年期症状が出たり、性生活が疎ましくなるなどの訴えが起こったりします。
 卵巣がなくなったために日常生活や性生活に支障が出る場合には、ホルモン補充療法を行ったり、専門家によるカウンセリングが行われたりします。
 ただ、性生活は本人や夫の考え方、二人の信頼関係など、メンタルな部分の影響が大きいので、機能的に性向が可能だからそれでよい、とはいえません。
 2人でよく話し合い、お互いを思いやれるような性生活を考えてみましょう。

おりもの
正常なおりものは、女性ホルモンの作用によって量が変化します。閉経後はおりものの量が減るのが普通ですが、増えた場合は膣炎や婦人科の病気の可能性があります。

いつもと違うおりものがあったらすぐ婦人科で診察を
 膣から流れ出る出血以外の分泌物をおりものといいます。病気でなければ、生理的なものなので、心配ありません。
 おりものは婦人科の病気を発見したり、診断したりする目安になります。血が混じるなど、いつもと違うときは、早めに婦人科に相談しましょう。
 生理的なおりものは、子宮頸部の粘膜から分泌されるもの、膣粘膜から分泌されるもの、膣粘膜から分泌されるもの、性的興奮を受けると分泌されるバルトリン腺液などがあります。
 これらのおりものは、エストロゲンの作用や性的刺激によって多くなったり少なくなったりします。
 閉経を迎えると、おりものの分泌を調節するエストロゲンが減少するので、おりものも少なくなるのが普通です。
 閉経後におりものが増える場合は、膣炎を起こしている可能性があります。
 正常なおりものは、膣内を酸性に保ち、雑菌を防ぐ役割があるのですが、エストロゲンの減少によっておりものが減ると、膣内は細菌感染を起こしやすくなるのです。これを委縮性膣炎といいます。
 その他にもカンジダ性膣炎、トリコモナス膣炎、クラミジア頸管炎などの病気の可能性もあります。
 次頁の表を参考に、おりものの異常がある場合、痒みやただれ、ヒリヒリする感じがある場合は、すぐに婦人科を受診して原因をたしかめましょう。

おりもののようす
黄色または淡紅色の泡状を示すおりもの
考えられる病気
膣トリコモナス症

おりもののようす
黄色いおりもので少し血が混じることもある
考えられる病気
萎縮性膣炎

おりもののようす
黄褐色のおりもので、悪臭が強い
考えられる病気
膣内のタンポンやコンドームなどの異物置忘れによる炎症

おりもののようす
淡黄色のおりもので量が多い
考えられる病気
クラミジア頸管炎

おりもののようす
黄色の膿上のおりもので量が多い
考えられる病気
淋病

おりもののようす
豆腐かす、酒かすのようなおりもので、痒みがつよい
考えられる病気
淋病

おりもののようす
月経時、中間期以外にみられ、ときどき血が混じる。
考えられる病気
子宮膣部びらん、子宮がん、子宮筋腫、頸管炎、頸管ポリープなど


頻尿・残尿感・排尿痛
更年期以降は尿道や膀胱のトイレが近くなる人が増えます。排尿の違和感や痛みがなければなんの心配もいりません。トイレは我慢せずに行きましょう。
トイレは我慢せず行くこと
痛みがあるときは泌尿器科へ
 尿意が頻繁に起こること、俗に言う「トイレが近い」状態を頻尿といいます。
 年齢を重ねるとトイレが近くなる、とよくいわれますが、このような現象は更年期以降、徐々に起こってきます。
 皮膚が老化するのと同様に、尿道や膀胱の粘膜も年齢とともに、萎縮したり、薄くなったりします。そのため尿量が少なくても尿意を感じやすくなるのです。
 トイレに行く回数が多いというだけなら、自然亜体の変化なので心配ありません。無理に我慢したりせずにトイレにいきましょう。
 でも、頻尿に加えて排尿痛や残尿感がある場合には、膀胱炎が疑われます。婦人科、泌尿器科を受診しましょう。
 また、尿に鮮血混じる場合(血尿)は、腎臓や尿管に病気がある可能性があるので精密検査が必要です。


尿失禁
恥ずかしがって黙っている人が多いのですが、尿もれに悩む女性はたくさんいます。病気でない限り、肛門や膣周辺の筋肉を鍛える体操でだいぶ改善されます。
女性の3人に1人が悩んでいる尿失禁。筋肉を強化する体操を
 自分の意志の反して尿がもれてしまう状態を尿失禁といいます。病気ではないし、命の別条はないのですが、不快で不便な症状です。
 人に相談しずらい症状なのではっきりした数はわかりませんが、40〜50代の女性の3人にひとりは尿失禁に気づいて悩んでいる、ともいわれています。
 女性に多い理由の一つに尿道の問題があります。男性の尿道は長く、屈曲しているので、お腹に力だ入っても尿道まで直接腹圧がかからないのです。
 これに対して女性の尿道は短く、直接的なので、くしゃみや咳などで腹圧がかかると尿がもれやすくなってしまうのです。
 また、女性は出産などで、外容堂括約筋を含む骨盤底筋がゆるんでいることがあります。男性は骨盤底も狭く、骨盤内蔵機を支える骨盤底筋の負担も少ないので、尿がもれにくいのです。 
 脳や神経の病気で起こることもありますが、更年期の情勢に見られる尿失禁のほとんどが腹圧性尿失禁(緊張性失禁)と呼ばれるものです。
 腹圧性尿失禁というのは、笑ったり、くしゃみやせきをしたり、急に姿勢を変えたりしたときに起こる尿もれのことです。

便秘・下痢
更年期に入ると、便秘や下痢など腸の不調に悩まされる人が増えてきます。
できるだけ市販薬に頼らず、生活習慣を改善することで、スムーズン便通をつけましょう。
年齢を問わず女性に多い腸の不調。生活習慣を見直して。
 便秘は年齢を問わず女性に多い症状です。
大腸の病気で起こる場合もありますが、ほとんどは病気とは関係のない、習慣性の便秘です。
 便秘だけでなく、排便のたびにいきむので、出血をしたり、痔になったりする人もいます。
 排便時に出血があったら、念のため外科でその原因を調べてもらいましょう。
 痔や脱肛のほかに、数は少ないのですが、腸のポリープなどの可能性もあります。
 逆に下痢に悩む人も多く、便秘と下痢を交互にくり返す、という訴えもあります。この場合は念のため、大腸がんの検査をしておいた方がよいでしょう。
 必ずしも更年期特有のものではなく、便秘や下痢に悩む若い女性も多くいます。
 ただ、自律神経の失調も原因として考えられるので、更年期症状のひとつともいえます。 
 今まで便秘や下痢になったことがなかったのに、月経不順が始まると同時に腸の調子が悪くなったという人もいます。
 ストレスをため込むと、さらに症状が強く出る傾向にあります。


むくみ・静脈瘤
1日たてば治るくらいのむくみは心配ありません。何日もおさまらない場合は、内科を受診して。静脈瘤は軽いうちなら進行を抑えられるので早めに外科か皮膚科へ。
血液循環が悪くなるのが原因
ひどい場合は医師の診断を
 むくみも更年期に多い症状です。中年を過ぎると血液、リンパ液など体液の循環が悪くなりますが、更年期にはこれに自律神経の働きの乱れが加わるため、体液がスムーズに流れず滞ってしまい、むくみやすい状態になるのです。
 ただし、これは生理的なむくみですから、それほど心配はありません。
 むくんだ状態が長い間続く、指で押してへこんだところがなかなか元に戻らない、尿の出が悪く、尿の量が

少ないなどの症状を伴っている場合には、腎臓病や心臓病の可能性があります。早めに内科を受診するようにしましょう。
 また、足の静脈の一部がこぶのようにふくれる静脈瘤も、更年期前後の女性に増える症状です。下肢静脈瘤とよばれるもので、血液の循環が悪くなるのが原因です。
 全身に酸素や栄養を運んだ血液は、静脈を通って心臓に戻ります。
 静脈のあちこちには弁があって、血液の逆流を防いでいますが、この弁の働きが悪くなると、血液が逆流して足の皮膚のすぐ下の静脈にたまってこぶのように膨れてしまうのです。これが静脈瘤です。
 瘤の部分が痛んだり、足がつったり、下肢がだるくなったりすることがあります。


皮膚のかさつき・かゆみ
皮膚のカサカサやかゆみも老化現象のひとつ。新陳代謝が活発でなくなり、水分と脂分が失われるのが原因です。症状が強い場合は、皮膚科か婦人科に相談しましょう。
失われた皮膚の水分・脂肪を体の内外から補うことが大事
 皮膚の老化は、年を重ねるとともに徐々に進んでいきます。
 皮膚のいちばん外側をおおう部分を角質層をいいます。角質は毎日少しずつはがれ落ち、中のほうから新しい表皮細胞が押し上げられる、ということを一定の周期で繰り返しています。アカやフケが出るのもそのためです。
 更年期には、こうした新陳代謝がスムーズに行われなくなるため、ターンオーバーのサイクルが遅くなり、角質層が厚くなってしまうことがあります。
 また、女性ホルモンの減少によって、皮膚の弾性を保っているコラーゲンやイラスチンという線維の量が少なくなったり、線維の弾力性が失われたりするために、乾燥してカサカサになるのです。
 特に冬は湿度が低いので、かさつきやかゆみがひどくなる人が多いようです。
 また、線維の量が減って皮膚が薄くなると、少しの刺激にも敏感に反応するようになります。
 気温の変化、着替えで衣服に触れたときなど、ちょっとしたことで皮膚が刺激を受け、かゆみがひどくなったように感じたりするのです。
 皮膚のかゆみは、右記以外にもいろいろな原因があります。
 湿疹や皮膚炎、じんましんなどの病気があって起こるもの。
 目に見える皮膚の変化はないのにかゆみを感じる皮膚掻痒症もあります。
 また、糖尿病や甲状腺機能の異常、肝臓の病気でも起こることがあるので、検査で原因となる病気がないか確認しておくことも大切です。
 仕事や家庭に関する不満や不安など、精神的ストレスがあるときに、かゆみを訴える人も少なくありません。
 その他、飲酒や薬の副作用でかゆみがおこることもあるあし、現在使っている石けんや化粧品が肌にあわないなども原因として考えられます。


肥満・体重増加
中年太りという言葉があるように、更年期を迎えるくらいの年齢になると太りだす女性が多いようです。肥満は生活習慣病の引き金になります。適正体重を保つ努力を。
毎日の食生活を改善することがいちばんの減量方法です
 肥満や体重の増加は、糖尿病や高血圧などの生活習慣病を引き起こすきっかけとなるので注意が必要です。
 さらに、ひざにかかる重みで関節を痛め、歩行困難になったり、行動範囲が狭くなることもあります。
 体重が増えるのは、更年期や女性ホルモン減少のせいとは言い切れません。肥満の原因のほとんどが食べ過ぎと運動不足のようです。
 じっと横になっていても、眠っていても消費されるエネルギーの量を基礎代謝量といいます。年齢を重ねると基礎代謝量は少なくなります。若い頃に比べ、少しのエネルギーで足りるようになるわけです。
 若い頃に比べて運動量も減ってくるので、今までと同じ量の食事をとっていれば、エネルギーが余ってしまい、体重増加や肥満を招くのです。
 無理な食事制限や極端なダイエットはおすすめしませんが、適性体重をオーバーしている人体格指数が肥満、やや肥満に当てはまる人は、今までの食生活を見直してみましょう。

適性体重の計算方法(kg)
●BMI(注1)による計算法
{身長(m)の2乗}×22
肥満度の計算方法
●BMIによる計算法
体重(kg)÷{身長(m)の2乗}=体格指数

体格指数 19〜24=ふつう
      24.1〜26.4=やや肥満
        26.5以上=肥満

やせるためのヒント
@食べたものを全部日記につけておき、昨日食べ過ぎたから、今日は食事量を控えるなど、調節するようにしましょう。

Aテレビを見ながら、雑誌を読みながらなどのながら食べは厳禁。食事は決まった場所で。一口食べるごとに箸を置き、よくかんで食べましょう。

B盛り付けは少量ずつ。お皿の数を増やして目で満足しましょう。

C野菜、魚介を中心にして、脂身の多い肉は控えめに。物足りないときは、鶏ささみ肉や赤身のひき肉など、脂肪分の少ないものを上手に取り入れて。

D空腹のときに買い物に行くと、ついつい余分な食品まで買ってしまいます。食後に買いに行くくせをつけましょう。

Eちょっとした距離ならバスやタクシーを使わずに歩きましょう。エスカレーターやエレベーターを使わずに階段を利用することもよい運動になります。

(注1)BMI
 ボディマス指数。日本肥満学会が提言した体の大きさを示す指数。例えばAさんが身長160cm、体重55gkの場合は、52÷(1.6×1.6)=約21.48となり、、体格指数はふつうです。


老眼(老視)
 頭痛や肩こりなど、更年期の不定愁訴は老眼が原因のことも。新聞の字がかすむのは老眼のはじまりです。一度眼科を受診して、自分に合った老眼鏡を作りましょう。

目の中のレンズの役割をする水晶体の老化が原因です。
 細かい活字が読みにくくなって、買い物のときに値段の桁を読み間違え、恥をかいた経験はありませんか?
 老眼は40〜50代、ちょうど更年期の頃から始まります。
 最初は新聞などの小さい文字が見えにくくなったな、と感じ、目から離して見るようになります。
 近くのものをしばらく見ていて、急に遠くに視線を移すとピントが合いにくくなったり、まわりが暗くなると見えにくくなったりもします。
 このような現象に心当たりのある人は、老眼の始まりと言えるでしょう。
 若い頃は、目の中のレンズの働きをする水晶体が、遠くを見るときは平らに、近くを見るときは膨らんで、ピントを合わせる役割を果たしています。
 老眼は、水晶体が近くを見るのに必要なだけ膨らまなくなった状態で、水晶体の老化現象といえます。凸れんずを利用して、水晶体の膨らみの不足を補うのが老眼鏡なのです。
 老眼の進行や感じかたは人によって違います。性格的には大まかな人よりも神経質な人の方が強く出るようです。
 また、近眼気味の人は比較的遅く、遠視気味の人は早く現れる傾向があるので、まだ若くても老眼、ということも少なくありません。
 ひどい頭痛や肩こり眼精疲労、吐き気などが起こり、自分は更年期症状が重いのだと思い込んだり、何か病気ではないかと悩んでいたら、実は老眼が原因だったという例もあります。
 また、この年代では、白内障や緑内障といって目の病気も増えてくるので、一度眼科を受診し、検査をしておいた方がよいでしょう。

白内障
 無色透明だった目の水晶体が白く濁ってくる状態で、物がかすんでみえたり、視力が低下したり、まぶしさを感じたりします。(老人性白内障)
 原因ははっきりしていませんが、たんぱく質の変性ではないかと考えられています。点眼薬で進行を遅らせたり、ひどい場合には手術を行うこともあります。
緑内障
 眼圧(まぶたを押してみて感じる眼球のかたさ)が高くなり、視神経が圧迫されて傷つく病気で、視力が低下したり、視野が狭くなったりします。
 治療は眼圧をコントロールするために点眼薬や内服薬を使用し、症状が進むと手術が必要になります。

薄毛・抜け毛・白髪
40〜50代になって、最近髪の元気がなくなったと感じている人も多いのではないでしょうか。薄毛、抜け毛は男性特有のものではありません。毎日のケアを大切に。
加齢による自然現象。治療は必要ないが普段のケアが大切。
 シャンプーのたびに抜け毛がひどい、髪が薄くなった、こしがなくなった、白髪が増ええた、紙がパサつく。更年期前後の女性から、このような声をよく耳にします。
 薄毛、抜け毛は、頭皮の血液循環が悪くなり、毛根部に十分な酸素や栄養が補給されなくなるために、髪が弱くなるのが原因です。
 白髪が増えるのは、紙を黒く見せているメラニン色素が減少したためです。
 メラニン色素は毛根部で作られていますが、毛根部が老化すると、メラニン色素の生成が低下したり、停止したりするので白髪が増えるのです。

不安感・うつ状態
更年期症状はホルモンの変化だけが原因ではありません。家庭や職場のストレスが背景になることも多いのです。隠された原因を見つめなおすことも治療のひとつです。

家庭での孤独感やストレスに不定愁訴が重なりうつ状態に
 更年期症状は体ばかりでなく、不安感やうつ状態といった精神的な症状として現れることも少なくありません。
 人間の行動や情動、情緒などはさまざまなホルモンによってコントロールされています。更年期に入って急激に減少するエストロゲンも、これらをコントロールするホルモンのひとつなので、この時期に精神的な症状が出ても不思議ではないのです。
 しかし、単なるホルモンの変化だけでなく、背景に家庭や職場における問題があることがほとんどです。
 女性が更年期を迎えるころになると、子どもも手のかからない年頃になり、独立したり結婚したりもします。
 その上、夫は会社の中心となって、仕事を進めていかなくてはならない責任のある立場になる時期で、家庭よりも仕事優先になってしまいがちです。
 一方、老齢の父母の世話や介護は自分に任され、肉体的にも精神的にも大きな負担になることも少なくありません。
 このような状況で閉経を迎え、さまざまな不定愁訴に悩まされるのですから、将来への不安感、心にぽっかりと穴があいたような喪失感、疲労感などから、うつ状態になってしまっても無理のないことです。

 仕事を持つ女性にとっても更年期は疲れが出る時期
 専業主婦にかぎらず、仕事を持って働いてる女性もさまざまな問題にぶつかるころでしょう。
 管理職の人は責任も重くなってきます。女性であるがゆえ、部下が同僚との人間関係に気を使わなければならないこともあるでしょう。
 また、職種によっては年齢を理由に退職をほのめかされたり、職場に同年齢の女性がいなくて孤立してしまうこともあるかもせれません。
 こうしたストレスに、仕事のミスやトラブルが重なると、本人も自信を喪失して、すっかり落ち込んでしまいます。
 専業主婦と仕事を持つ人で、症状の出方に違いはありません。
 仕事を持っている人では、仕事が肉体的にきついと感じている人より、精神的に疲れていると感じている人の方が、症状が強く出る傾向にあるようです。
 家族構成では、各家族よりも他世代同居のほうが、更年期症状を自覚している率が高いと言われています。
 以上のようなことから、肉体的な負担よりも精神的な負担が大きいほど、症状が強く出やすいといえます。

カウンセリングについて
今まで紹介してきた症状の治療法の中で、カウンセリングという言葉が何度も出てきました。このページでは更年期症状に効果的なカウンセリングについてご紹介します。
単なるホルモンの減少では片づけられない更年期症状
 この章では、更年期症状を体の機能の変化として、ホルモン補充療法や漢方薬、日常生活の改善などで和らげる方法をご紹介してきました。
 しかし、70頁でも述べたように、更年期症状はその人が置かれている
 環境や、抱えている悩みなどが大きく影響している場合もあります。
 不眠、不安、うつ状態、疲労感、イライラといった症状は、ホルモンの減少、分泌量の変動によるものなのか、それとも本人が抱えている悩みや不安感、落ち込みから発生しているものなのか、区別がつきにくいことも多いのです。
 また、精神面や環境面で問題があるのに、それを自覚しないまま身体症状として現れる場合もあります。
 このような場合、ただ薬を服用するだけではなかなか改善されません。こんなときに効果的なのがカウンセリングによる治療です。
 カウンセリングは、面接療法、簡易精神療法とも呼ばれています。
 患者自身が、病気の本体に精神的トラブルが関連していることに気づくように促したり、自分がとらわれている問題を整理し、解決していくのを援助するのを目的として行われます。

第三者に話を聞いてもらうことで気持ちを楽にする
 まず、本人にできるだけ自由に話をしてもらいます。第三者であるカウンセラーに話を聞いてもらうことで、気持ちを楽にし、患者自身が少し落ち着いて考えられるようになることが、カウンセリングの大切な効果です。
 日常生活では、家族や友人が同じようなことをしていることが多いのですが、カウンセリングではカウンセラーが中立的な立場で患者の話に耳を傾けます。
 こうして患者自身が自分の本音や今まで気づかなかった真実の自分に気づき、無理や我慢を重ねていたことを発見し、楽になっていくのを手伝い、見守るのがカウンセラーの役割です。
 カウンセラーが自分の意見を押し付けたり、患者自身が抱えている問題を解決してくれるわけではありません。
 また、心理面の問題を解決するには、現実生活での問題の具体的な調整が必要になります。解決のためにはどうしたらいいか、なんとなくわかっているのだけど、一歩踏み出す勇気がない、という人も多いものです。
 カウンセラーはそれに対してもさりげない提案をして、患者が「本当はこうした方がいいのかもしれない」と気づいていることを自分で決められるように力づける場合もあります。

婦人科を受診して心療内科や精神科を紹介してもらうことも
 更年期に入って憂うつ、不安など心の症状がつらいときは、カウンセリング技術を持つ婦人科の専門医に相談するのが一番でしょう。
 しかし、婦人科で心のケアまで行うところはそれほど多くありません。まず婦人科を受診して、必要ならそこから精神科や心療内科を紹介してもらいましょう。
 婦人科ではまずその人の訴えを聞き、医学的な検査を行って、体に変調がないかどうかを調べます。
 検査の結果更年期症状と診断されれば、症状に合わせて治療が行われます。
 ただ、心の症状が起こっている場合には更年期によるうつ状態なのか、神経症やうつなどの神経疾患によるものなのか区別がつきにくいケースも少なくありません。
 診断方法のひとつに、更年期症状を想定して、試験的にホルモン補充療法を行う場合もあります。これでほとんどの症状が改善されれば、更年期症状ということになるし、効果がなければほかの病気を考えるわけです。
 ほてり、のぼせなどの自律神経失調症が主ならばホルモン補充療法がよく効きますが、精神症状が主であれば、更年期症状だけとは考えにくいものです。
 まだ月経が順調な人や、閉経を迎えて何年もたっている人も、更年期症状の可能性は低いといえます。
 こうした方法を使っても、必ずしも厳密に区別できない場合もあります。更年期症状と精神疾患を併発している場合も多く、その場合はその人の症状に合わせてホルモン剤と向精神薬(注1)の両方を用いて治療を行うこともあります。
 心の症状があまりに強い場合には、最初から精神科や心療内科にかかったほうがよいケースもあります。単なる不安やイライラに過ぎないものか、うつ病などの精神疾患なのかをきちんと診断してもらえるし、精神面のケアや治療も適切です。
 そこでホルモン減少による更年期症状とわかれば、婦人科に行くように勧められます。それからでも治療は遅くありません。
(注1)向精神薬
 更年期の心の症状に対する治療法には、カウンセリングなどの心身医学療法と、薬物療法があります。
 精神作用に影響を及ぼす薬を向精神薬といい、主なものに抗不安薬、抗うつ薬、抗精神病薬などがあります。症状によって、婦人科または精神科の医師が適切な種類、量を処方します。


ストレスと上手につき合う
更年期症状とストレスは切っても切れない関係です。自分を責めたり、落ち込んだりする前にストレスを上手に回避して、乗り越えていく方法を考えてみましょう。

人間の心や体に与えられる下界からの刺激がストレス
 人間には、自分の体を常に健康に保とうという力が働いています。暑さや寒さ、あるいは多忙、労働、人間関係といった外からの刺激によって体がダメージを受けないように自己防衛する力です。
 この自衛力をホメオスタシス(恒常化)といいます。外からの刺激をストレスと言い換えることもできます。
 しかし、度を越したストレスが加わるとホメオスタシスが保てなくなり、自律神経や内分泌系のバランスを崩してしまいます。その結果、体調不良や病気、心身症などが起こるのです。
 更年期はストレスの原因が多い時期です。ホルモン減少による不定愁訴、夫とのすれ違い、子どもの親離れや老親の世話、仕事の立場など、更年期症状の原因がすとれすだったり、その逆だったりもする複雑な時期です。
 だからこそ、自分にとっては何がストレスになっているか、どうしたら上手に乗り越えられるかを考えてほしいと思います。

本人にとってうれしいことがストレスの原因になることも
 ストレスというと精神的に悪いこと、つらいことばかり頭に浮かびますが、結婚や出産、昇進など、ふうつなら喜ばしいことでも精神的には緊張するため、体にとってはストレスとなったりもします。
 昇進して責任ある地位に就いた、再婚した、新居に引っ越した、など、本人が気づかないうちにストレスをため込んでいるケースもあります。
 人が生きていく上で、まったくストレスを受けずにいられるということはなく、適度なストレスは、張りのある生活のために必要不可欠です。しかし、健康を損ねるようなストレスはできるだけ避けたいものです。

まじめな人、几帳面な人ほどストレスがたまりやすい
 ストレスの原因や受け止め方は人によってさまざまです。
 同じような出来事が起こても、それがストレスになる人とならない人がいます。
 頑張り屋さんといわれる人、まじめで何に対してもパーフェクトを求める人、責任感が強い人などが、ストレスをためやすいようです。
 逆にのんびりやで瑣末なことにこだわらない人、物事をすべてよい方に考える人はストレスに比較的強いのです。
 とはいってももって生まれた性格ですから、今さら矯正しようとすると、そのこと自体がプレッシャーになりかねません。
 今の自分そのままを評価してあげること、自分をあまり責めないこと、つらいときは我慢せずに、家族や友人、専門医にSOSをだすことなどが大切です。

ストレスと上手につき合っていくための6つの提案
1 ストレスを感じている自分に気づく
 一番大事なことは、自分がストレスにさらされていることに気づくことです。
 ストレスがたまっているとき、体は何かしらの危険信号を出しています。
 たとえば「眠れない」「疲労感が強い」「何もやる気が起こらない」などです。
 体がこうなったら「これはちょっと危険だぞ」と考え、対策を考えるようにしたいものです。

2 自分なりの気分転換法を見つける
 体からの危険信号をキャッチしたとき、まずは気分転換をはかるのが得策です。
 映画や観劇に出かける、カラオケを歌う、ゆっくり入浴する、軽い運動をするなど、自分が楽しいと思えることだったらなんでもいいのです。
 適度に体を動かすことで、心のモヤモヤが一時的に消えるので、運動はすぐれた気分転換です。
 思いっきりおしゃれをする、思い切ってメイクアップやヘアスタイルを変えるなどもおすすめです。

3 リラックスの感覚を身につける
 好きな音楽を聴いているとき、美しい写真集を眺めているとき、静かな部屋でゆっくり横になっているときなど、誰しもリラックスできる時間を持っているものです。
 このように、自分が心からくつろげる時間を大切にし、ふだんからリラックス感覚を養っておくことも大切です。
 いざというときに逃げ込める場所が一つでもあると、自分を追い詰める前にそこに飛び込むことができるからです。

4 問題の分化、発想の転換をしてみる
 仕事上のトラブル、人間関係のイライラなど、簡単に解決できない壁にぶつかることもときにはあるでしょう。
 全部一気にかたをつけようとせず、できるところから始めて、残りは後回しにしてみたり、問題を小分けにしてひとつひとつこなしていくなど、分けて考えると気が楽になることもあります。
 また、「何もない人生というのもドラマ性がない」と、客観的に自分を眺めてトラブルをおもしろがってみるのもひとつの方法です。

5 何でも話せる友人を大切に
 お互いに悩み事やぐちを話し合える友人がいるのは、とても心強いものです。
 同年代なら誘い合って検診に出かけたり、健康の情報を交換し合うこともできます。夫にも話せない体調の不安なども打ち明けられるでしょう。
 とりとめもない話をして笑っているだけでも気分が晴れ、最高のストレス解消になります。気心の知れた友人との付き合いを大切にしましょう。

6 自分自身をほめる
 仕事でも家事でも趣味でも、目標を少し低くしましょう。達成できたときには「頑張った私はえらい!」と自分を思い切りほめてあげる。これが自信につながります。

独身の気楽さと寂しさを更年期に改めて知る
私の更年期体験
子宮筋腫で子宮・卵巣とも摘出。さまざまな症状が…
 短大を卒業後、大手企業に勤務。いつか結婚して子供を産み、と考えていた私の人生設計は、どこかで違う道を歩み始めていました。
 男女雇用機会均等法のおかげで、それまで女性は補助職だったのが、女性も男性と同じような仕事ができることになり、私も営業に回されたのです。生来、真面目で頑張り屋である私は、仕事に邁進。そのおかげで、43歳で女性としては珍しい課長に昇進したのです。
 前から月経は不順で、月経痛も重く、かなりつらかったのですが、仕事を休むこともできないので我慢してきました。その年の会社の定期健康診断で「子宮筋腫があるので、再検査するように」と言われました。貧血もあり、筋腫もかなり大きいので手術したほうがいい、との診断。
 男性の上司に伝えにくかったのですが、今後のことを思うと思い切って手術したほうがいい、と決断。手術、術後の経過も順調でした。たまたま癒着がひどかったので、卵巣も摘出しました。
 そしてまた多忙な日々が始まりました。夜の付き合いでお酒を飲む機会も多く、不規則な生活になるのも仕方ありません。
 
イライラ、不眠、のぼせが自分を追い詰めていく毎日
 毎日寝不足にもかかわらず、夜なかなか眠れないという状態が起こるようになりました。そのせいでしょうが、昼間はちょとしたことでもイライラ、部下にもつい大きな声を上げてしまいます。
 女性上司だから「ヒステリー」と思われたくない、と今まで叱る時も気を使っていたのに、そのコントロールがきかないのです。体中がカーッと熱くなり、自分で自分の体と心が制御できないいらだちが、ますます自分を追い込んでいきます。
 夜眠れないために、飲んで帰ってきてもまた寝る前にお酒を飲む、ということで酒量もどんど上がっていきます。あるとき上司に「顔色が悪いぞ。一度みてもらったら」と言われてしまいました
 診断の結果は、肝臓がかなり疲れているからお酒は控えるように、とのこと。眠れないことを訴えると、軽い入眠剤を出してくれました。これで、不眠の悩みはどうやら解消しました。でも、薬を飲まないと眠れない、という不安で薬が手放せなくなってしまったのです。
 イライラ状態もまだ続いていますが、なんとかおさえるようにがんばっています。でも、この立ち居場は私には無理なのかなあ、と自信をなくしています。


1 子宮がん検診
 子宮がんには、子宮体がんと子宮頸がんの2種類があり、エストロゲンの影響を受けるのは子宮体がんです。エストロゲンを投与することで、がん細胞が増殖する可能性があるため、子宮体がんにかかっている人はHRTをうけることはできません。
 子宮がんの検査は、内診で子宮頸部や内腔を綿棒などでこすり、粘膜細胞を採取して調べる細胞診を行います。同時に卵巣のはれやしこりを触診でチェックし、卵巣腫瘍も検査します。
 場合によっては内診のほかに、組織診、超音波検査、CT検査、血液の腫瘍マーカー検査などを行います。

 更年期症状に悩む人の中には、内診が嫌で、婦人科の検査を受けない人、HRTを受けたいのに受けない人がいます。
 しかし、内診は婦人科の病気を発見するための大切な検査です。必ず受けるようにしましょう。内診では外性器や膣粘膜の様子、子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣腫瘍の有無を見ます。
 婦人科の手術で子宮や卵巣を摘出した場合も、更年期障害の判断、治療には内診が必要です。

2 乳がん検診
 現在のところ、10年、15年と長期間エストロゲンを投与すると乳がんが発生する確率が高くなるという説と、まったく関係ないという説の2つの意見に分かれています。ただ、乳がんがすでにある場合、また以前かかったことがある場合も、エストロゲン依存性の場合はがん細胞を増殖させる働きがあるため、基本的にはHRTを受けることはできません。












































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