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夫婦で乗り越える更年期

更年期の症状は、家庭や仕事の悩み、老後への不安など、心の問題も背景にあります。また、性に関する悩み、すれ違いに悩む人も増えてきます。更年期は、お互いの不安や悩みを相談し、ともに老いていく相手との関係を見直す時期でもあると思います。この章では、夫婦の性のすれ違い、生活のすれ違いを解消するヒント、男性の更年期について紹介します。

夫婦で迎える更年期
更年期を豊かに過ごすためには、人生のパートナーである夫との関係が大切です。毎日の生活の中で楽しい時間を共有し、お互いに歩み寄ることを考えていきましょう。
夫婦ともに老いていくことを一緒に考えたい時期です。
 女性が更年期を迎えるときというのは、夫婦ともに人生の折り返し地点に立って老いについて、これからの人生について考える時期でもあります。
 老いていくことは人間の宿命ですが、老いに対する寂しさや不安は、女性に限らず男性も持っています。
 今まで一緒にいろいろな波を乗り越えたきたもの同士、ともに楽しく老いていこう、という連帯感を持つことが、これからの夫婦関係には大切だと思います。
 この本を読んでいる誰もが、いい夫婦関係を望んでいると思います。それなのになかなかうまくいかないことが多い。これはどうしてでしょうか?
 結婚した何十年か前は、お互いにいいところがあって、一緒に生きていこうと思ってパートナーに選んだはずです。
 それが長い間に起こったいろいろな要因が積み重なって、気持ちがずれてしまうこともあります。
 この機会に、その原因をさかのぼって思い起こしてみて、誤解や偏見、思い込みがあったらとことん話し合ってみてはどうでしょう。
 これからの人生を一緒に過ごし、ともに老いていくのですから、これはとても重要なことです。

夫婦で「遊ぶ」ことは性にも共通する2人だけの関係
 人間が生きるということを大きく3つのジャンルに分けると「働く」「暮らす」「遊ぶ」というジャンルに分かれます。
「働く」とは、社会に出て仕事をし、賃金を得て生活の土台を支えることです。
 「暮らす」とは、調理をしたり、洗たくをしたり、といった家のこと全般です。
 そして、緊張をパッと解き放って楽しみを味わう、生活の中にゆるみを入れる「遊ぶ」というジャンルが3つめにあります。
 子育てを終えて、男と女として2人で生きていく時間の夫婦には「遊ぶ」ことにもっと積極的になってほしいと思います。
 夫と妻、それぞれが遊ぶことを楽しむのも大事だし、お互いの楽しみを共有しあって、二人で遊ぶことも大切です。
 夫も妻もそれぞれ忙しく、疲れていることも多いけれど、2人で楽しむ。これが「生」の醍醐味でもあり「性」にもつながっていくことになります。
 「働く」は夫の役割、「暮らす」は妻の役割、そして、「遊ぶ」は夫は仕事仲間と、妻は同性の友人と、というふうになってしまったら、ともに生きているのに、接点がほとんどなくなってしまいます。
 そうなると、夫婦は生活のための便宜上のパートナーに過ぎないという味気ないものになってしまいます。
 一緒に遊んだり、ふざけあったり、笑ったり、話したりできなくて、どうして性的なふれあいができるでしょうか。性をセックスだけの問題としてとらえないで、お互いの信頼とか、思いやりとか、楽しみとか、癒しとか「生」の中にあるコミュニケーションだと考えてみて下さい。

子育ては子が15歳になったら終わり。これからは二人の人生
 更年期は、子どもが大学進学や就職、結婚、と巣立っていく時期でもあります。自分の役割がなくなってしまったような気がして、寂しさや不安を感じている人もいるでしょう。
 本来、子どもは15歳になったらこどもではないのです。親と違う文化を持ち、親といるよりも友達や彼、彼女といるほうが楽しいと思っているはずです。子供を生きがいとするのではなくて、自分自身の中に、または夫婦で共有でき生きがいを作るべきです。
「困ったとき、迷ったときは喜んで助けるけど、あなたはあなたで好きに生きていい、私たちは私たちで生きていく」と自信を持って子供を送り出せるような夫婦になりたいものです。

夫婦で心を通わせるヒント
ともに人生の後半を生きるためには二人でいることが楽しいとお互いに思えることが大切です。この頁では上手に気持ちを伝え、いい関係を築くヒントをご紹介します。
相手の楽しみにつきあう、自分の楽しみに誘ってみる
 夫婦で「遊ぶ」ことが大切だ、とお話ししましたね。これといって共通の趣味がないという人も多いかもしれません。
 そんなときは相手の楽しみに関心を持ったり、自分の楽しみに相手を誘ってみるのはどうでしょうか。
 休日にゴルフから帰った夫に「またゴルフだったの!?」と言わずに「お疲れ様、どうだったの?楽しかった?」と聞いてみる。夫が夢中になっているゴルフとはどんなものなのか、どこが楽しいのか、自分なりに関心を持ってみる。
 この逆もあります。自分が楽しかったこと、感動したことを伝える。もし一冊の本を読んで感動したなら「この本面白かったの。あなたも読んでみて」と進めてみる。
 口で言うと簡単ですが、意外に時間とエネルギーがいります。お互いに積極的に近づこうとすることで、夫婦の生活が重ねあわさっていくのです。

人生の仕切り直しのためにセカンドハネムーンを
 子育てが終わったら、セカンドハネムーンに出かけることをおすすめします。
 豪華な海外旅行でなくたっていいのです。近場の温泉にでもいって、子ども抜きのこれからの人生をどう生きるか、夫婦で真剣に話し合ってみることが大切です。
 夫婦二人だけの時間、空間で、いろいろなことを腹を割って話す。この旅を人生の仕切り直しとして、後半戦に臨む。これが必要だと思います。
 日常的な空間だと「夕食の支度をしなきゃ」「明日会社早いから寝なきゃ」と逃げ場ができて、言いたいことがあっても曖昧なまま、時間がたってしまうことがあります。
 何もけんかをしろ、とけしかけているわかではありません。これからずっと二人で生きていくのですから、たまには真剣に話し合って、相手の考え方を受け止めて、もっといい夫婦関係を作っていくためのきっかけの場が大切だということです。

黙っていたのでは夫婦でも気持ちは伝わらないのです。
 夫婦は黙っていてもわかりあえる、なんて嘘です。自分の気持ちを押し殺して、黙っていたのでは誤解が広がるばかりだし、黙っていてもわかるだろう、と口をつづんでいては関係は変わるどころか悪くなるばかり。
 何か相手に不満があっても、自分の中で押し殺して、口に出さない人が多いのではないでしょうか
「私はこう思う、あなたはどう思う?」と伝え合うことが、これからの大切な課題です。これは112頁からお話ししている性の問題でも全く同じことがいえます。

相手を責めずに自分の気持ちを伝えるコミュニケーションを
 自分の気持ちを伝えようとすると、どうも相手を責めてしまってギクシャクしてしまう、というときはコミュニケーションの方法をちょっと工夫してみましょう。
 「あなたがこうしないから」「あなたが仕事仕事って」と、メッセージの主語が「あなた」になっていませんか?
 上手に相手に気持ちを伝えるには「私」という主語で話せばいいのです。
「私は本当はこう思ってた」「私はさみしかった」など。こうすることでコミュニケーションがうまくいくことがあります。
 また、顔を合わせるとつい語気が荒くなったり、意地を張って本心を言えない、という人は、手紙やメモ、電話などを使ってみるのもいいですね。
 帰りを待たずに寝るときは「お疲れ様、先に休みます」というメモ一枚でも、気持ちは十分伝わります。そういうちょっとした工夫が、2人の関係を楽しく暖かいものにします。

更年期のセックス
父や母として生きることはできても、子育てが終わり、男と女として生きていくことは苦手な人が多いようです。中高年の性は微笑と感謝、心の結びつきが大切です。

インサートがすべてではない楽しみ、工夫する豊かな性を
「痛くてその気になれない」「セックスに応じないと夫に嫌われるのが怖くて、いやいやしている」。中高年の女性からこんな声を聞くことがあります。
 女性ホルモンが減少して、膣がぬれにくいのに、無理にインサート(ペニスの挿入)を強要される。このことで女性はセックスに恐怖を感じるようになるのです。
 これは男性側の無知、無理解が大きな原因ですし、女性が「今、体がこういう状態で濡れにくくなっていて、無理にされると痛いの」と夫に伝えることができないことにも問題があります。
 膣内潤滑ゼリーなどを使うことで解決することもできるし、そういうものを活用するのはもちろんいいことです。
 しかし、インサートが可能だからよい、ということでもないのです。セックスイコールインサートという考え方から発展させて、夫婦でもっと工夫して時間をかけてお互いに楽しもう、というセックス観を持てるようになるといいと思います。
 いちゃいちゃする、ふざけあう、さわりあう、抱きしめあう、これらの性的なふれあい、たわむれを含めてすべてセックスだと思います。
「インサートは今は避けたいけど、夫の願望に応えてあげたい」と感じたら、マスターベーションを手伝ったり、オーラルセックスをするのだって素敵なセックスです。
 この年でセックスなんて、とそっぽをむいたり、あきらめたりしないでください。
 これからのセックスは、衝動的なものでもなく、生殖を目的とするものでもありません。お互い楽しむため、ふれあってくつろぐためのセックスです。
 そのためには、どうしたら相手が喜ぶだろう、どうしたら自分はたのしめるだろう、とお互いに頭を使います。これが性的知性を持つということなのです。

学ぶ、たずねる、話し合うことで性的知性を高める
 「生きる」ということの中には「働く」「暮らす」「遊ぶ」という3つのジャンルがあるということは先程お話ししました。
 夫婦がふだんからこの3つ、つまり人生を共有しよとしているかどうかは性のあり方にも深く関係していきます。
 セックスといっても、若い頃の好奇心や新鮮な欲求とは大分様子がかわっていきます。生をともにしているという心の結びつきが一層大切になってくるのです。
 一般的に、女性は「生」を共有できない相手の「性」を受け入れにくい傾向があります。
 ふだんろくに口も聞かず、家事も育児も手伝わず、休日には一人ででかけてしまう夫がセックスのときだけ寄ってきても、なかなか受け入れられない、ということです。
 これに対して男性には「性」をクリアできていれば「生」も大丈夫、というところがあります。
 全ての男女がそうではないし、個人差もありますが、一般に女性と男性では性に対する考え方や感じ方が異なり、お互いの性について知識や理解に乏しいことは事実なのです。
 夫婦で性について学びあい、話し合ってどうしたらいいのかを工夫していくことが、性的知性を高めていくと思います。

肉体だけの結びつきでない心の結びつきが大切です。
 性的な喜びというと、オーガズム(絶頂感、射精感)を連想する人も多いと思います。特に男性は雑誌や週刊誌などの影響で、インサート至上主義、オーガズム神話を頭から信じ込んでしまいがちです。
 「ペニスが勃起しなくては男としてのプライドに関わる」「インサートをしなくてはセックスではない」という考えは、修正される機会がなければ一生持ち続けてしまうものです。
 そのために男としてのプライドを誇示するような一方的なセックスになったり、年を重ねて勃起不全などが起こると、もだめだと落ち込んでしまったりします。
 また、現在更年期を迎えるくらいの年齢の女性が過ごしてきた社会には、女性が性を語るのははしたないこととされてきた背景があります。
 不満や不安があっても「女性の口からそんなことは言えない」と我慢したり、性的ふれあいそのものを避けるようになったりすることがあるのでしょうか。
 「男(女)としてもっともない」というプライドは楽しむための、安らぎのセックスには不必要なものです。
 どこをどうしたら気持ちがいいのか、どこをどうしてあげたいのか、お互いに教えあったり、さぐりあったりしながら、性のバリエーションを二人だけで広げていけばいいのです。インサートやオーガズムも、そのバリエーションのひとつぐらいに考えたらいい。なのです。
 共に喜んだり、悲しんだり、ふざけあったり、時には真剣に話し合ったりする2人になれば、セックスも性器と性器の結びつきだけでなく、人間と人間の結びつきとなっていきます。「性」を共に楽しむことは「生」を楽しむことなのです。

性のずれが起こる理由
性のすれ違いは生のすれ違いと同時に、お互いの性についての無知から起こることがあります。この頁では男女の考え方や感じ方の違いを考えたいと思います。

生殖のための性ではなくて楽しみ、癒しあう性へ
 性について学ぶ機会は意外にないものです。特に中高年になると、今さら性について興味を持つなんて恥ずかしい、みっともない、とますます学ぶ機会がなくなってしまいます。
 特に男性は週刊誌やビデオなどの極端な性についての知識は豊富ですが、目の前にいる妻やパートナーがどう感じているかはなかなか知ることはできません。
 女性は性について学んできていますが、それは自分自身の性、しかも妊娠・出産のための性ばかりです。
 男性も女性も、喜びを分かち合う、快感を伝え合うという楽しみの部分の性について学ぶ機会はほとんどないのです。
 人間にとって、性は生殖のためだけにあるのではありません。生殖に縁のない人生を送る人もたくさんいます。それに、妊娠して出産するとしても、平均すると一生のうちに数回程度でしょう。
 それでは、どうして人間は人間は生に近づき、性的ふれあいや異性(同性の場合もある)を求めるのでしょうか。それは、肌と肌がふれあう心地よさ、一体感や安心感、あたたかさ、そういう快感を得たいために、性を求めるのではないかと思います。

インサート主義のセックス観が夫婦間のずれの原因に
 中高年になると、男性も性欲が減退したり、勃起力が低下したりします。
 勃起しなくてはいけない、相手の要求に応えなくてはならない、というプレッシャーが強ければ、強いほど、夫は妻にはそのことを知られたくない、嫌われたくないと思ってしまうのです。それで妻が近づいても避けるようになったりします。
 男性にとって勃起をしなくなることは、自分がだめになってしまうのではないかと思うほど大きなダメージです。それはインサート主義のセックス観しか持たないことにも原因があります。
 女性にもインサート至上主義の人がいて、夫がうまく勃起しないと「だめね」「年ね」と非難してみたり、どこかで浮気しているのではないかと疑ったりする人がいます。
 男性も女性もインサートにこだわらず、工夫しながらお互いに喜びを与えていけばいいのです。
 何十年も一緒にいるのだから、お互いの裸体を見ていつも同じように勃起したり興奮したりするわけでもないのですから。
 部屋の雰囲気や香りに凝ってみたり、時には本屋ビデオで学んで話し合ったり、刺激しあったりして二人で工夫しつつ、セックスライフを創造していく力がこれからは必要になるのではないでしょうか。
 あくまでもお互いの合意のもとで、どちらかが嫌なことはしないのが原則ですが。


男性の更年期
女性の更年期には閉経という区切りがありますが、男性はどうなのでしょうか?学者によって意見が分かれますが、男性も加齢とともに心身に変化が起こってきます。

男性は女性に比べて加齢による体の変化がゆるやかです。
 女性の更年期は、閉経を境に前後10年くらい、と一定の幅に区切られています。その年齢に個人差はありますが、だいたい50才前後が閉経年齢の平均です。
 男性の場合、生殖機能が終わる年齢は女性に比べて個人差がとても大きく、性機能の衰え方も非常に穏やかです。
 女性らしさを促すホルモンがエストロゲンだとしたら、男性を男性らしく保つホルモンはテストステロン、という男性ホルモンです。テストステロンは女性の卵巣に当たる睾丸で作られ、性機能に直接作用しているホルモンです。
 40歳を過ぎた頃から徐々に分泌が低下していきますが、女性のように急激に分泌が減るというのと違って、少しずつ穏やかに分泌が減っていきます。人によっては70歳を過ぎても、ホルモンの生産、分泌が維持されている場合もあります。
 このように男性には「性ホルモンが急激に減少して生殖機能が停止する時期」というものがはっきりと存在しないため、男性には更年期はない、という考え方もあります。

老いを意識する節目として男性も更年期を受け止めて
 しかし、女性ほどはっきりした形がないにせよ、男性もテストステロンの分泌量が減り始める45歳くらいから、性欲の減退、不眠、うつ状態などの心身の不調を訴える人が増えてきます。
 このような不調のどこまでが性ホルモンの減少によるものなのかははっきりしていません。ただ、ホルモン分泌の低下や身体機能の低下に加えて、心理的、社会的な要因が関係していることは女性の更年期と同じです。
 やがて訪れる老年期にむけて生活を見直す節目として、男性も更年期を受け止めてほしいと思います。

男性は精神神経症状が強く現れる傾向にあります。
 次頁の表は、女性と男性の更年期症状を比較したデータです。これを見ると、男性には疲労感や不眠、不安感、頭痛のような精神神経症状が多いことが目立ちます。
 憂うつや不安などの精神症状は、性欲の減退やインポテンツなどの症状を伴うことが多く、性機能の低下が自信の喪失や生活意欲の減退を招くケースも多いのです。

体の不調に病気がかくれていることも。まずは検査を
 更年期の不調には、大きな病気が隠れていることがあります。気のせい、年のせいと放っておかずに、専門医の診断を受けるようにしましょう。生活習慣病が起こりやすい時期でもあります。
 また、40〜50代の男性は、職場では責任のある立場、家庭ではこどもや老親の面倒を見なくてはならない、といった心身ともに重圧を受けるときでもあります。
 検査の結果は異状がなくても、こうしたストレスに耐えかねて体が黄信号を出しているのだと考えられます。
 いたずれに不安がったり、病名をさがしたりするのではなく、もう無理のきかない年齢なんだ、と自覚することが大切です。
 健康状態をチェックし、夫婦共々今までの生活を振り返ってみましょう。無理をしすぎていたな、と感じたら少しずつ改善していけばいいのです。

食生活の見直しと適度な運動がこれからは必要になります。
 日常生活の改善、となるとまずは食生活を見直すことから始まります。
 この年代の男性は、仕事が忙しくて、深夜に夕食をとる、接待や付き合いなどで外食が多いなど、食事時間の不規則さや栄養の偏りが気になります。
 急に今までの生活を変えるのは難しいと思いますが、残業のない日は早く帰宅して夕食をとる、仕事仲間と居酒屋に行った時も、野菜を中心としたメニューを頼むなど、できることから改善していきましょう。また、過度の喫煙や飲酒も避けてください。
 適度な運動をすることも大切です。肥満防止のためもありますが、運動を楽しむことによって日頃のストレスを解消するのにも効果があります。
 しかし、若い頃と違って運動神経や体力も低下しているので、無理をするとかえって疲れたり、体を痛めたりします。
 夫婦一緒に散歩やウォーキングをしたり、ハイキングに出かけたりして、楽しみながら体を動かすようにしましょう。
 共に老いていくパートナーだからこそ、どちらかがつれいときにはいたわったり、助け合ったりする姿勢が大切です。
 今まで運動の習慣がなかった人は、夫婦でウォーキングやストレッチなどから始めてみましょう。どちらかが疲れたら休むことも大切です。

●男女別にみた更年期の症状
クッパーマン閉経指数の質問項目別回答率
対症は45〜60才の文京区在住者(%)

@顔が熱くなる(ほてる) 
女性 37.2
男性 4.0

A汗をかきやすい
女性 34.1
男性 20.0

B腰や手足が冷える
女性 37.2
男性 21.1

C息切れがする
女性 17.1
男性 3.8

D手足がしびれる
女性 14.6
男性 18.9

E手足の感覚が鈍い
女性 5.5
男性 3.3

F夜なかなか寝つけない
女性 13.4
男性 23.3

G夜眠ってもすぐ目をさましやすい
女性 18.3
男性 26.7

H興奮しやすい
女性 6.1
男性 6.7

I神経質である
女性 9.8
男性 14.4

Jつまらないことにくよくよする
(憂うつになることが多い)
女性24.3
男性 1.0.

Kめまいや吐き気がある
女性 13.4
男性7.7

L疲れやすい
女性 29.3
男性 43.3

M肩こり・腰痛・手足の節々の痛みがある
女性 36.7
男性 41.1

N頭が痛い
女性 21.1
男性 20.7

O心臓の動悸がある
女性 12.2
男性 13.3

P皮膚を蟻がはうような感じがする
女性 1.8
男性 3.3


セックスがいやで家庭内別居を選択した私
私の更年期体験
子宮がんの宣告に驚き慌てた日々を乗り越えて50代突入
 若い時から月経は不順で、そのため望まない妊娠をしたこともありました。しかし、それ以外は健康で、大きな病気もしたことがないし、59代までずっと仕事をしてきました。
 49才の会社の定期健診で「子宮に問題あり。再検査」と言われたときは本当にびっくり。何の自覚症状もなかったのでうろたえたのを覚えています。
 再検査の結果は、子宮がんなので、もう妊娠することもないでしょうから、手術で摘出してしまうほうがいいでしょう、という診断でした。
 手術は成功し、術後の経過も順調。二日目にはもう歩けるほどで、医師もびっくりするほどの回復力でした。退院後2週間ほど休暇をとってから仕事に復帰。
 そうはいっても子宮をとってしまったので、後遺症が心配でしたが、医師のくれたホルモン剤のおかげか、強い更年期の症状も起こりませんでした。一年後には好きなゴルフも始めましたが、体調に変化はなく、手術前あんなに心配したことがウソのような日々を送っています。

セックスに対する欲望が減少夫と部屋を別にして暮らす
 いわゆる更年期障害のよな症状は幸い起こらなかったのですが、手術を境にセックスに対する欲望が極端になくなってしまいました。
 夫に誘われて仕方なく応じることもありますが、前のような快感は起こらないばかりか、思うように潤わないので、苦痛になるようになりました。
 夫もおもしろくないようですし、夫婦関係もギクシャクしてきました。それで、寝室を別にすることに。
 何週間もセックスがなくても、なんともない自分が不思議なくらいセックスに対する欲望は、潮が引くように衰えてしまいました。
 これも一種の更年期障害なのかなぁと自分では思っています。夫には悪いけどもう結構という感じなのです。
 疲れやすいとか、目が遠くなってきた、肩が凝りやすいなど、老化と思われる兆候は年々多くなっています。でも、53才にもなればしょうがないだろう、と自分を褒めています。
 セックスがない分、夫には優しくできるし、肩をもみあったりしてスキンシップは心がけています。もし、夫が外で浮気してもしかたないけど、そうならないようなんとかしなくては、と内心ちょっと心配になってきた昨今です。


第4章
更年期の肌の変化と美容
しわやしみ、たるみなどの肌の変化が気になる人も多いのではないでしょうか。個人差はありますが、皮膚の老化は誰にでも訪れる自然な環境です。ただ、日ごろの手入れ次第で老化を遅らせたり、年相応の美しい肌を保つことは十分可能です。この章では、皮膚が変化していくメカニズムと、若々しさを保つスキンケアやメイクアップのポイントを紹介します。

加齢による肌の変化
更年期を迎えると、さまざまなからだの変化やそれに伴う症状が現れます。肌は体の変化を現す鏡といわれているので、加齢とともに肌にも多くの変化が現れ始めます。

加齢による水分や皮脂量の低下、紫外線や酸化、乾燥によって起こる肌トラブル
 小じわ、はりの衰えやたるみ、しみやそばかすなど、鏡をみるたびにため息をついている人も多いのではないでしょうか。
 年をかさねるごとに、皮膚の老化も少しずつ進んでいきます。
 老化は皮膚の外側にも内側にもさまざまな形で起こるのですが、特に気になるのは、冒頭であげたような目に見える部分の変化だと思います。
 この章では、更年期前後に現れる肌の変化とその原因、ケア方法についてご紹介したいと思います。
 肌の老化を外側から進める三大要因は、紫外線、酸化、乾燥だといわれています。
 紫外線は肌の乾燥や色素沈着の主な原因になります。
 肌にうるおいをもたせる役割をする皮脂や化粧品なども、長時間空気にさらされると、参加してトラブルの原因になります。
 感想は、肌からうるおいや水分を奪い、カサつきやかゆみを引き起こします。
更年期以降はホルモンの減少によって体内の内側からも皮膚が変化していきます。
 それに加えて、更年期以降は肌に大きな影響を与えている女性ホルモンが減少するため、皮膚の内側でも変化が起こります。
 まず、皮膚の弾力が失われることがあります。
 皮膚のうるおいを保つ皮脂や水分を補給する皮脂腺の働きも低下します。人によっては色素沈着が起こることがあります。
 また、皮膚細胞自体の働きも衰えるため、酸素や栄養分の吸収も悪くなって新陳代謝が鈍り、肌の張りや弾力がなくなってしまうのです。

老化を少しでも遅らせるための努力と適切なケアを。大切なのはこれからです
 年とともに若さを失ってきていることを目の当たりにすると、なんだかがっかりしてしまうかもしれません。
 でも大切なのは、これからです。今さら、とあきらめてしまわず、少しでも美しい肌を保つために努力をしたいものです。
 同じ年代でも、肌がつやつやしている人もいれば、くすみやしわで老けてみえる人もいます。
 もちろん、生まれ持った肌質や、健康状態などにも深く関係しています。でも何よりも正しいケア方法がその人の肌年齢を大きく左右します。肌の正しい手入れの結果がはっきりと現れるのは、若い世代ではなく、実はこの年代なのです。
 今からでも遅くはありません。すでにできてしまったくすみやしわも、毎日のケアや生活習慣によって、かなり改善することができます。
 皮膚の外側、内側からの老化は前頁でご説明した通りです。実は日常生活の中にも肌を老化させてしまう要因がたくさんあるのです。
 夜更かしや偏食、喫煙は健康を損なうのはもちろん、肌の正しい新陳代謝を妨げ、肌のトラブルや老化につながります。
 また、酸化した古い化粧品、肌に合わない化粧品の使用は肌にダメージを与えます。自分に合うものを選びましょう。
 ナイロンタオルやブラシなどでゴシゴシこすりすぎるのも厳禁です。
 角質を落としすぎて表皮を傷つける恐れがあります。
 肌の老化をストップさせることは残念ながらできません。しかし、十分なケアによって老化を遅らせることはできるし、メイクやヘアスタイルで、はつらつとした若々しいあなたを演出することは可能です。「年だから」とあきらめず、あなた自身の手で更年期を「幸年期」や「光年期」に変えていきましょう。


顔面の変化
髪・張り、こしがなくなる。
 ・細く、量がすくなくなる
 ・つやがなくなる。
 ・白髪になる

額・肉が落ち、シワがめだつ。

こめかみ・くぼんで顔幅が狭く見える。

眉・薄く、眉尻が下がる。

目もと・くぼみやたるみによって目じりが下がる。

まつ毛・薄く、まばらになる。(目がぼんやり小さく見える)

ほお・たるんでふくらみの位置が下がる。
   ・ほお骨が目立つ。
   ・鼻唇溝が目立つ。

口元・口角がさがる。
  ・輪郭がぼやけ、扁平になる。
  ・小さくしぼむ。

あご・たるんで、ワイドになる。(長く幅広くなり、顔が大きく見える)
  ・二重あごが増える


くすみ・しみ
 肌のくすみやしみは厚くなった角質層とメラニンの蓄積が主な原因です
 肌につやや透明感がなくて、暗い感じがする状態をくすみといいます。
 くすみの主な原因は3つです。ひとつは、加齢や疲労などから肌の血行が悪くなって、皮膚の赤みが減り、明るさが低下している状態です。
 2つめは、紫外線を浴びてメラニン色素が増え、顔の部位によって色素沈着が起こって黄ばんでみえる状態です。
 3つめは華麗でターンオーバーのサイクルが遅くなり、古い角質がはがれず、角質層が厚くなって肌の透明感がなくなっている状態です。
 くすみを改善するには、皮膚の血行をよくし、新陳代謝を高めるのが近道です。
 フェイスマッサージを実行するとともに、ふだんから紫外線や乾燥した空気から肌を守るように心がけましょう。
「しみが増えた」というのも、更年期前後の女性に多い悩みです。しみというのは顔の色素沈着のことで、主な原因はやはり紫外線です。
 特に紫外線にさらされやすい部位によくでき、春先から夏など紫外線の強い時期に濃くなったりします。
 また、妊娠や月経不順などによっても起こることから、女性ホルモンの影響も考えられますが、原因がはっきりとわかっていないのが現状です。
 できてしまったしみをすぐになくすことは無理ですが、ビタミンCやコラーゲンを含むクリームなどで、外からカバーすること、マッサージなどで表皮のメラニンの代謝を促すことが大切です。
 皮膚は一定のサイクルで古い皮膚から新しい皮膚へ入れ替わっています。
 表面の角質層があかやフケとなってはがれ落ちるとともに、内側から新しい皮膚が押し上げられてきます。
 このように皮膚組織が新しくなるサイクルをターンオーバーといいます。ターンオーバーの周期は4週間くらいなのですが、加齢とともに周期が長くなり、角質層が厚くなります。
 このため、肌のきめが粗くなったり、くすみができたりします。


しわ・たるみ
カラスの足跡などといわれるようなしわや、重くたるんだほほは目につく部分だけに気になります。毎日のスキンケアやエクササイズで十分なケアをしましょう。

紫外線や乾燥から肌を守り、正しいケアを続けることではりを取り戻しましょう
 更年期の肌の変化の中で、最も訴えが多いのがしわの悩みです。
 しわはいちばん目につきやすい変化なため、皮膚の表面に原因があると思われがちですが、実は皮膚の内側の真皮と呼ばれている部分にも原因があるのです。
 皮膚のはりや形を保つ真皮の強さは、線維組織を形成しているコラーゲンの量と深く関わっています。
 更年期を迎えてえすとろげんが減少すると、コラーゲンの量が減ったり、質的な変化を起こすために、しわやたるみが生じてくるのです。
 紫外線や乾燥はこのような皮膚の老化を促す働きをします。素肌を守るために、UVカット効果のあるクリームや保湿効果のある基礎化粧品などを使いましょう。
 顔のたるみのもうひとつの原因にh、顔の筋力の低下、顔の脂肪があげられます。
 顔には表情筋といわれる薄くて小さい筋肉が30種類以上あります。ふつう筋肉は骨から骨につながっているのですが、表情筋は骨から皮膚、または皮膚から皮膚につながっています。このため、他の筋肉に比べてたるみやすいのです。
 たるみのある人は、表情を作るときの皮膚の動きが小さく、筋機能が低下していると考えられます。
 また、ほおの下に表情筋の間を埋めるように頬脂肪体という皮下脂肪がついていますが、加齢とともにこの頬脂肪体が増え、重くなるのも筋肉をたるませる要因のひとつです。
 たるみを解消するには、余分な脂肪を落とすとともに、表情筋を鍛えることが大切です。エクササイズをぜひ実行してみて下さい。また、保湿効果のある化粧品で張りとうるおいを保つのも大切です。

美しい肌を保つマッサージ&エクササイズ
肌に心地よい刺激を与えて血行を良くするマッサージを毎日の習慣にしましょう
 フェイスマッサージには大きく分けて次のような方法があります。
 マッサージの際にはクリームなどで指の滑りを良くしましょう。素肌だと摩擦による刺激で、かえって肌を傷めることがあります。
また、どの動作も顔の中心から外側に向かって、下から上に向かって行うことが大切です。1日5分を目安にします。
●なでる・さする
 毛細血管を拡張して血液循環をよくする効果があります。頬や目、口の周りのこじわが気になる人に効果的です。
●もむ
 これは主に筋肉を対象にしたマッサージです。血行をよくして新陳代謝を促し、筋肉疲労の回復を早める効果があります。
●押す・押さえる
 ゆっくりと一定の力を加え、一定の時間その状態をキープし、ゆっくりと力を抜いていきます。長く(5〜7秒)強く押すと、鎮静効果があり、短く(3〜5秒)軽く押すと、肌機能を盛んにする効果があります。
●たたく
 筋肉の収れん力を増加させ、新陳代謝をよくします。あごのたるみが気になる人はあごを上げ気味にして、あごの下を手の甲で下から上に向かって軽くたたきます。
 ほおのたるみが気になる人は、人差し指、中指、薬指を使って、ほおをリズミカルに軽くたたきます。

肌に張りを与え、表情がイキイキしてくるフェイスエクササイズをしましょう
 フェイスエクササイズとは、簡単にいうと顔の体操です。おなかのまわりを引き締めるために腹筋をするように、顔の筋肉を意識して動かすことによって、肌の張りを保つのです。顔のどこを動かしているのか意識を集中して行うことが大切です。
 うれしいことに、エクササイズで顔の筋肉を動かせば動かすほど、表情は豊かになります。笑顔がイキイキとしたきたら、自分ばかりでなく、まわりの人にもよい影響を与えることでしょう。

フェイスエクササイズ
ほおや口元の筋肉を引き締める
 口角を引き上げる
いきいきとした目元をつくる
 大きく開く
 左右交互にウインクする
 目をしっかり閉じる
眉間の縦じわを予防する
 眉を引き上げる

引き締まった口元を作る
 おちょぼ口にして前に突き出す
 左右に動かす

顔やあごを引き締め若々しい表情を作る
 頬をふくらませる
 頬を吸ってへこませる
 歯を見せてにっこり笑う


若々しいメイクのポイント
更年期を明るく過ごすためにはおしゃれも大切です。最近メイクから遠ざかっている人も、新しい口紅を自分にプレゼントして、装うことの楽しさを十分味わってほしいと思います。
 きれいにメイクすることで積極的、行動的になれる。若々しさを演出しましょう。
 誰に会うわけでもないし、と洗顔も怠ったまま、すっぴんで過ごしていませんか?いつもフルメイクでいなくてもいいのですが、ていねいにスキンケアをして、口紅だけでもつけてみると気分がちがってきます。
 買い物に行こうかな、友達と会おうかな、という積極的な気持ちがわいてくるのがメイクアップの大きな特徴です。本人がされていると、夫や子供も喜ぶでしょう。まわりにもよい影響を与えます。
 スキンケアでもメイクアップでも、大切なのは自分の年齢や個性に合った方法で行うことです。若い頃のスキンケアやメイクアップ方法のままの人がいますが、更年期前後の肌の変化を考えると、やはり年相応の適切なケアが必要です。

スキンケアは保湿が大切。メイクはマイナス点をカバーして明るく見せる工夫を
 スキンケアの3つの基本は、@清潔、A保湿、B新陳代謝を高める、です。
 更年期の女性にとって特に大切なのが保湿です。不足しがちな皮脂の分泌を補い、潤いを保持するためにも、化粧品や乳液、クリームなどで水分や油分を補うことが必要なのです。
 前頁でご紹介したマッサージやエクササイズがBの新陳代謝促進にあたります。
 次にメイクアップの5つのポイントをご紹介します。自分の個性や、肌の悩みと照らし合わせながら、試してみてください。
●ぼやけ⇒くっきり
眉、目もと、口もとのぼやけた印象をくっきりと見せます。ふぞろいな眉は形を整えてすっきりとさせ、薄い眉はアイブローで濃さをプラス。
 目もとは下まぶたにアイライナーやダークシャドウでラインを入れ、口もとは紅筆やリップペンシルを使って輪郭をきちんと描きましょう。
●下降⇒上昇
しわやたるみなどの下降線はメイクで上昇ラインを作りましょう。
下がり気味の眉は、眉の中ほどから眉山、眉尻にかけてやや上側にラインを描きます。
 下がった目もとは上まぶたのみ、目じりにいくにしたがってアイラインを太めに入れます。下がり気味の口元は、上唇の口角を1〜2ミリ上側に描きます。
●イン(求心的)⇒アウト(遠心的)
 眉間や口元のしわなどで求心的(中心に寄って)に見える顔は、遠心的に見せるテクニックを。

 眉間の縦じわが目立つ場合は、眉間をソフトにぼかしたり、離して描きましょう。
 アイラインは目の周りを囲まずに、上まぶたの目じりにポイントをおいて描きます。薄く小さな唇は、全体的に1〜2ミリ大きめに描きましょう。
●ワイド⇒シャープ
フェイスラインのたるみを、すっきりとシャープに。顔の中央と、たるみの目立つほおやあごとでファンデーションやフェイスパウダーの濃淡を使い分けてみましょう。

●立体⇒平面
こめかみや目もとのくぼみ、ほおや目の下のたるみなどによる凹凸間を目立たないようにします。
 くぼみのある部分は一段明るめのファンデーションやフェイスパウダーをつけます。毛穴が開きがちで凹凸のある肌には、ファンデーションがムラづきしやすいので、たたくようにていねいにつけます。
 口もとや鼻のわきなど、しわになりやすい部分はファンデーションをほかの部分よりも薄めにつけると自然な感じになります。
 くぼんだ目もとには、明るくソフトな色のアイシャドーをぼかして入れましょう。

メイクのポイント
アイラインは下まぶたの目じり寄りに入れて
眉尻はやや上げ気味に
明るい色のアイシャドーでこめかみのくぼみをカバー
フェイスパウダーですっきり!
唇のりんかくははっきりと
ふっくらタイプはシャープに

眉山はなだらかに
明るめのファンデーションで凹凸をカバー
淡い色のほお紅でほお骨をカバー
唇はふっくら描くとやさしい印象
ほっそりなタイプはやさしい印象に!


娘の結婚後、うつ状態に落ち込んでしまう
私の更年期体験
死んでしまったほうがラクと思う日もあるうつに落ち込んで
 現在50才ですが、半年前に娘が結婚しました。息子はまだ独身ですが、仕事の関係で親元を離れて独立しています。夫は残業や付き合いで、毎晩帰宅は遅く、家で夕飯を食べる日は週末しかありません。
 子供のいない家は妙に広く感じられ、テレビを消すと、シーンと静まり返っています。これといった趣味もない私は、午前中に家事を済ませてしまうと、跡はやることがありません。毎日、ボーッとテレビを見ているだけの日々。
 これから何年生きるのかわからないけどこのまま老いていくのかと思うと、いたたまれなくなることがあります。自分はいったい何なの?何のために生きているのだろう?私が1人いなくとも誰も困りはしない、と考えると夜も眠れなく、それで余計ボーッとした状態になってしまいます。
 自分一人のために食事をつくるのもおっくうで駄菓子をつまむ程度ですますこともたびたびです。そのせいか、最近疲れやすく、たいして広くもない家の掃除さえ、いっぺんにするのが苦痛です。
 たまに早く帰ってきた夫が「めしは?」ということもありますが、ボーッとしてる私を見ると、そそくさと眠ってしまいます。私の話など聞く耳を持っていないということでしょう。
精神科で薬をもらって飲むがあまり効果があると思えない
 あるとき、遠い親類の同世代の男性から電話がありました。トンチンカンな対応の私を不思議に思ったのか、いろいろ聞いてくれました。それで、つい今の私の状態を話したところ、精神・神経科にかかったほうがいい、と言われました。
”私はおかしいのかしら”と思いましたが少しでもラクになるなら、と病院に行ってみました。診断は「軽いうつ」ということで薬をくださいました。抗うつ剤と入眠剤ということでした。
 その薬を飲むと眠ることはできるようになりましたが、だからといってすべての症状が治る、ということはありません。生きていてもしょうがないのでは、という気分は消えないのです。
 一人でいると、手足の先からしんしんと冷えてきて、このまま全身が凍って死んでしまうかも、と思うこともあります。
 月経はここ半年ないので、これで女も終わりかなあ、とそれも私の落ち込みの原因のような気がします。こんな私、夫も女とは見てくれないだろうし、夫婦関係も1年近くありません。
 これも更年期障害なのでしょうか?


中国医学の視点から見た更年期
HRT以外の更年期症状の代表的な治療法として、漢方療法があげられます。更年期症状における漢方療法の特徴は自律神経の失調を整える、半健康(未病)の状態を改善し、本格的な病気になる前に治療する、などあります。中国の長い歴史の中で生まれた中医学の考え方や、診療の方法、健康を保つ秘訣、更年期症状に適した漢方薬などを紹介します。

中医学の診断・治療の方法
更年期症状の治療にはホルモン補充療法以外に、漢方による治療法があります。この章では漢方=中医学による診断、治療の方法についてご紹介したいと思います。
更年期は中医学でも女性の大きな転換期とされています。
 更年期=閉経の時期と考える人が多いようですが、実際には閉経を境に15年前後の期間を更年期といいます。
 女性は、7の倍数の年齢の時に体に変化が現れます。






































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