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中国医学の視点から見た更年期
HRT以外の更年期症状の代表的な治療法として、漢方療法があげられます。更年期症状における漢方療法の特徴は自律神経の失調を整える、半健康(未病)の状態を改善し、本格的な病気になる前に治療する、などあります。中国の長い歴史の中で生まれた中医学の考え方や、診療の方法、健康を保つ秘訣、更年期症状に適した漢方薬などを紹介します。

中医学の診断・治療の方法
更年期症状の治療にはホルモン補充療法以外に、漢方による治療法があります。この章では漢方=中医学による診断、治療の方法についてご紹介したいと思います。
更年期は中医学でも女性の大きな転換期とされています。
 更年期=閉経の時期と考える人が多いようですが、実際には閉経を境に15年前後の期間を更年期といいます。
 女性は、7の倍数の年齢の時に体に変化が現れます。
 例えば2×7(14歳)=初経、4×7(28歳)=女ざかり、そして7×7(49歳)=閉経となります。
 中医学でも、更年期は女性の一生でもっとも大きな転換期といわれています。
 のぼせや冷え、むくみ、イライラなどの症状に苦しむ人もいますが、病気ではないし、上手につき合えば症状を和らげることもできるので恐れることはありません。
 この章でご紹介する中医学の知恵を上手に取り入れて、この時期に養生をすることが、老年期にうまく移行していくことに繋がります。

西洋医学と中医学の考え方の違いと治療の方法の違い
 西洋医学は患部をみますが、中医学ではその「人」の全体をみて診断をします。
 例えば、西洋医学では風の症状には風薬、発熱したら解熱剤、というふうな処方をします。
 これに対して、中医学では、症状は同じでも人によって治療法が異なります。
 同じような症状でも、体質や遺伝などの先天的なものか、生活環境、性格、ストレス、疲労などによるものか、それぞれ原因が違うし、薬に対する反応も人それぞれだからです。
 これを中医学では同病異治といいます。

病気だけではなく、その人全体をみて診療するのが中医学
 患者ごとに治療方針を立てるためには、まず証をみます。証というのは体に現れる症状のことで、それによって体質を見極めます。これを弁証といいます。
 次に病気のタイプ、場所、状態、勢い、原因なども調べます。このような細かい情報を集めるために、中医医師は患者に触れ、話をしながら診断していきます。
 そして長い生活の中で、病気の下地となる原因があったかどうか見つける努力をするのです。
 中医学の最大の特徴は、病気の原因をつきとめていくことであり、その人の体全体を整えること。病気中心でなく、患者中心に考えるところです。
 中医学では、データだけに頼らず、四診によって患者とふれあい、体の発するサインをしっかり受け止めます。
 そうすることでお互いの信頼感や安心感が生まれ、一緒に頑張ろうという気持ちになります。
 それが治療していくうえでとても大きな効果となるのです。

弁証(体質の見方)
●実証
冷え性。顔が青白い、新陳代謝が悪く下痢しやすい、元気がない。
●熱証
体が熱っぽい。汗をかきやすく暑がり。便秘がち。
●虚証
痩せ型。体力がなく、疲れやすい。対抗力が弱い。
●実証
体がかっちりしている。体力があり、対抗力が強い。便秘がち。イライラしやすい。

四診
●望診
顔の表情や精神状態、皮膚、体型、動作、舌の状態を目で見る
●聞診
声やせきなどの音を聞き、体臭や口臭をかぎ分ける
●問診
病歴や体の状態、生活環境などを患者に質問する。
●切診
手首の動脈やお腹など、患者の体を手でふれて、体の状態を診断する。

病気になる原因とは
更年期にはさまざまな不定愁訴が起こるのと同時に、生活習慣病にかかりやすい時期でもあります。病気の原因についての中医学の考え方をご紹介しておきましょう。

病気になる3大原因を理解して健康な体作りをしましょう
 更年期を迎える年代の女性にとって最も不安なことは、病気になったらどうしよう、ということではないでしょうか。
 病気というのはある日突然かかるものではありません。長い間の不摂生や無理が目に見えないところで積み重なって、病気として体に現れるのです。
 まだ目に見えない時期に病気の原因を突き止めて取り除き、病気を防ぐ、治す、というのが「養生医学」の考え方です。
 病気は何らかの原因が体に悪い影響を与え、バランスを崩すために起こるものです。その原因は大きく3つに分けられます。
 体の外部からの原因(外因)、体の内部、つまり精神面からの原因(内因)、そして生活の不摂生などによる原因(不内外因)がその3つです。
 これからこの3つについて詳しく説明していきます。自分の生活のどこに病気の原因がひそんでいるかをチェックしてそれを取り除き、病気になりにくい体を作っていきましょう。
外因-快適すぎる環境が適応能力をていかさせることも
 中医学には「天人合一」といって自然と人間は一体である、という考え方が根底にあります。逆にいうと、人間と自然の調和が崩れると病気になる、ということです。
 文明が進むにしたがって、人間は環境をコントロールし、自然にも手を加えて快適な生活を送れるようになりました。
 夏の暑い時でも、どこにいっても冷房がきいていて涼しく過ごせるし、冬の寒い時に暖房がきいて涼しく過ごせるし、冬の寒い時に暖房のきいた暖かい部屋で、冷たい飲み物やアイスクリームをとることも当然のようにやっています。
 しかし、自然に逆らった生活が当たり前になった結果、冷え性や冷房病などに悩まされる人が増えてきたのです。
 このように自然を無視した生活に慣れてしまうと、外の変化に対応できなかったり、体内のバランスが崩れて病気になってしまいます。
 人間はもともと環境に適応する力を持っているので、暑い日には汗をかいて新陳代謝を促進し、寒い日にも外に空気にふれ、運動して体を温めることが大切です。

人間は自然現象の影響を受けながら生きていけるものです
 中医学では、自然界の現象「風、寒、暑、湿、乾、熱」を六気といい、人間の体に影響を与えて変化をもたらす外因として考えています。人間は1年を通して六気の影響を受けながら生きています。
 こうした自然環境が正常な場合は問題ありません。しかし、今までにない猛暑などの異常現象が起こり、人間の適応能力を超えてしまうと体に悪い影響を与えます。
 六気が異常現象となって病気の原因となることを六淫といいます。これらが人間と外界の接点である鼻、口、皮膚から入り込むと病気をもたらします。
 自然界の異常現象が、人間の体にどんな影響を与えるのか例を挙げてみましょう。
 例えば、例年にない夏の猛暑は暑さに耐える力を低下させて、夏バテやクーラー病などの原因となります。
 また、寒いはずの冬が暖かければ、ウイルスやばい菌が繁殖し、春にインフルエンザや熱性の風邪などを引き起こすのです。
 こうした病気の原因となる気を邪気といいます。本来、人間は病気に対する抵抗力や、自然の変化に適応する力を持っていて、それを正気をいいます。
 正気が充実していると邪気を抑えるパワーがあるので病気にかかりにくいのですが、不足すると病気にかかりやすくなります。
 しかし、昔の人に比べて現代人は正気がパワー不足です。それは冷暖房の普及などで快適すぎる生活を送れるようになったのが原因のひとつだと考えられます。

内因-病気をよくするのも悪くするのも心次第なのです
 精神的なことが病気の原因となることを内因といいます。
 中医学では「喜、怒、悲、恐、驚、憂、思」の七つの感情を七情といい、体に影響を与える重要なものだと昔から考えられていました。
 仕事や人間関係による慢性的なストレスや、親しい人の死といった強いショックは十分病気の引き金となります。
 逆にうれしいという感情も度を超すと強いストレスになり、体が対処できずに病気になることがあります。これを内傷七情といいます。

心のアンバランスは内臓に大きな影響を与えます
 七情は自律神経と深い関係があります。しかも自律神経は臓器の働きと直接関わっているので悩みや心配事、ストレスなどで心理的にダメージを受けている状態では、身体の機能にも異常をきたします。
 体調が悪いので検査を受けたけど異常がみつからない、というときは、精神的ダメージが自律神経にも悪影響を与えている場合が多いのです。
 更年期症状では、自律神経の失調によるものが多いことはよく知られています。心の問題が更年期症状を引き起こしているともいえるでしょう。
 七情の乱れは主に消化器系、自律神経系、免疫系に現れます。心を癒し、休ませ、コントロールすることによって、病気を防ぎ、病気になりにくい体を作ることができます。
 ストレスは誰にでもありますが、上手につき合っていくことが大切です。

不内外因-アンバランスな食生活、無理な運動は厳禁
 病気の三大原因の3つめ、不内外因は普段の生活の中の不摂生です。
 暴飲暴食、運動不足、逆に無理な運動、これらは不内外因に当たります。思い当たる人も多いのではないでしょうか。
 中医学では、食事をとても重要視しています。特に旬の野菜や果物をとることは、健康を維持するのに大切なことなのです。
 ハウス栽培や食品加工の技術が進み、1年を通してほとんどの食材が手に入る現代、旬という意識は薄れがちかもしれませんが、本来食べ物には季節があって、それに合った性質を持っています。
 夏野菜であるトマトやキュウリ、南方系の果物スイカなどには、ほてった体を冷やす働きがあります。
 また、冬から春が旬の根菜類や長ねぎには体を温める作用があります。
 つまり、旬の食べ物をとることは、身体のバランスを保つために大切なことなのです。
 夏の野菜を冬にも食べ続けたり、冬に冷蔵庫で冷やした食べ物や飲み物を多くとったりすると、冷え性や生活習慣病の原因にもなってしまうのです。
 季節を無視した食生活を送ることは体のためにもよくありません。日本でも、初物をいただくと長生きする、といわれているくらいです。年中何でも手に入る時代ですが、できるだけ旬のものを食べることを心がけましょう。
 もちろん、暴飲暴食は厳禁です。

適度な運動は大切ですが、無理をするのは逆効果です。
 体を温め、新陳代謝を活発にする運動は健康維持のために必要なことです。
 しかし、年齢や体力を超えて一生懸命になりすぎると体を疲れさせてしまいます。
 運動の目的は楽しみながら体を鍛え、丈夫にしていくことで、そのためにはリラックスしながら行うことが大切です。
 勝敗にこだわりすぎてイライラしたり、とっくに疲れているのに「体のため」と無理をするのは、かえって逆効果。へとへとになって達成感を味わっても、身体にとってはマイナスです。何事もほどほどに、が健康維持の秘訣です。

気・血・水のバランスを大切に
更年期症状の具体的な養生に入る前に、中医学の基本となる考え方をご紹介します。この頁では人間の体を構成する大切な3つの要素気・血・水についてご説明します。

人間の体を構成する大切な宝物が気・血・水なのです
 気・血・水という言葉を聞いたことはありますか?中医学ではこれを体の三大宝物といい、人間の体を構成する要素だと考えています。これらは互いに影響を与えながら、体を支えあっています。一つの働きが崩れると、体全体のバランスも崩れて病気になってしまいます。
 病気にならないためには、この3つのバランスを保つことが大切です。

やる気、元気、気分がいい、など「気」は生命エネルギー
 気というのは、ズバリ人間の持つパワーのことです。言い換えると、人体の働きをつかさどる生命エネルギーのことです。
 気が弱くなれば病気になりやすく、また、気が止まれば人は死んでしまいます。
 気が不足すると「気虚」という状態になります。体の働きが弱くなり、疲れやすい、無気力、下痢をしやすい、風邪をひきやすい、といった症状がでてきます。
 免疫力が低下して病気をしやすくなり、老化も進んでしまうのです
 こうした症状には気を補う補気という漢方薬を使います。
 また、気の流れが悪くなったときも、さまざまな症状が起こります。
 気は目に見えないものですが、常に体内を循環しています。それが何らかの原因で循環が悪くなって停滞してしまうと、気分が落ち込んだり、イライラしたり、という心身症にっかります。
 これを「気滞」といい、更年期に限らず現代人に多い症状で、ストレスが一番の原因としてあげられます。気滞には大きく分けて2つのタイプがあり、処方も違います。
 ひとつは「肝うつ気滞」といい、我慢強い日本人に多く見られるタイプで、うつ状態や倦怠感、不安感、不眠、頭痛、肩こりなどの症状が起こります。
 もう一つは「肝火」といい、激しやすいアメリカ人や中国人に多く見られます。
 イライラして怒りっぽくなったり、のぼせ、耳鳴り、めまい、頭痛、便秘などの症状が起こります。

●不足したパワーを補う補気薬
代表的なものは朝鮮人参、百朮、茯苓など。処方は四君子湯、補中益気湯、人参湯など。

●精神症状を和らげる理気薬
代表的なものは陳皮、香附子、枳実、厚朴、沈香など。処方は加味逍遥散、抑肝散、半夏厚朴湯など。

全身のすみずみに栄養を与え、体をうるおす「血」
 血というのは血液のことです。血は全身を流れて栄養を与え、体をうるおす働きをします。血の循環が悪いと体のあちこちにトラブルが起こってきます。
 また、血の流れは前頁でご紹介した気の働きと深く関わりあっているので、気の流れが悪くなると、血の流れも滞ってしまいます。これを「気滞お血」といいます。
 血が不足すると、血が全身に行き届かず、顔色が悪くなり、肌の色つやもなくなってしまいます。
 この貧血の状態を中医学では「血虚」といい、治療法としては、血を補う補血法や養血法を用います。 
 気と血は密接に関わっているため、気虚が起こると血虚も起こりやすくなります。
 逆に血虚のタイプには気虚の症状もみられる場合が多いのです。
 2つのタイプを併せ持っている状態を「気血両虚」といい、治療には補血薬を使います。
 更年期の女性がかかりやすい婦人病、生活習慣病は、血と関わりの深い病気です。
 血液の循環が悪くなり、よどんでくることを中医学では「お血」といいます。お血が起こると全身に栄養がいきわたらないばかりか、血液が汚れて固まりができ、血管が詰まるなどの障害が起こります。
 サラサラで体内をスムーズに流れていた血がドロドロになってきた、やがて固まっていく様子を思いうかべていただければ、わかりやすいと思います。
 
お血によって引き起こされる婦人病や生活習慣病に注意
 中国では、お血が高血圧、心筋梗塞、脳梗塞、血栓、腫瘍など、生活習慣病の原因として重要視しています。日本でも最近は高齢化社会に伴い、お血と現代病の関係の研究が進められています。
 また、お血は美容の大敵でもあります。肌のしみやかさつき、乾燥は肌の血液循環が悪いために起こるからです。
 お血の治療には、血液を浄化してきれいにし、血液の循環をよくする活血化お剤を用います。更年期障害や生活習慣病の予防はもちろん、美容にも効果があります。

●貧血を解消する補血薬
 代表的なものは当帰、熟地黄、丹参、何首烏など。処方は四物湯、帰脾湯、当帰芍薬散など

●血をきれいにする活血化お剤
 代表的な生薬は川きゅう、赤芍、紅赤、益母草、鶏血藤、三稜など。処方は桂枝茯苓丸、通導散、桃核承気湯、疎経活血湯など

唾液、胃液、汗、涙など体の中のずべての体液が「水」
「水」というのは体をうるおす正常できれいな液体のことで、体中すべての体液がこれにあてはまります。
 中医学では津液、陰液とよび、体を構成する大切な要素だと需要視されています。
 水が不足しても、逆に過剰でも、体内で停滞しても、さまざまな症状や病気を引き起こす原因となります。
 水が不足した場合は、内熱(里熱という)状態が起こり、のぼせ、ほてり、のどの乾き、口内の乾燥、皮膚のかさつき、イライラといった症状が現れます。
 これを陰虚といって、痩せ型の人、自律神経失調症の人、ストレスが多い人などにおこりやすい症状です。
 更年期特有のさまざまな症状も、水分不足によって起こる陰虚にあてはまるものが多いようです。
 中医学では陰虚の症状を治療するために、内熱を鎮める生薬と併せて、津液を補い熱を抑える滋陰清熱薬を用います。
 水が不足すると様々な症状が起こりますが、かといって多く取ればいいというものではありません。
 水分をとりすぎると、逆に水分代謝が悪くなり、体内に代謝されずに滞って、汚れた水がたまってしまいます。
 この状態を湿邪、または水毒といい、冷え性やリウマチ、痛風などを悪化させる恐れがあります。
 また、水のとりすぎは肥満の原因にもなります。いわゆる水太りの状態で、消化器の働きが悪いため水分を代謝する力が低下して、余分な水分が体内にたまってしまっているのです。日本人にはこの水太りの人がお多いようです。
 このような場合は利水薬を使って水分の代謝を助ける治療をします。
 また、湿邪、水毒は毎日の生活にも原因があります。
 空調の整備によって夏でも涼しい場所で過ごせるので汗をかかなくなったこと。運動不足気味の人が多いこと。きつい下着の締め付けで、代謝を妨げていることなども原因となります。
 乾燥している大陸の気候と違う、湿度の高い日本の気候も水の代謝の悪さに関係しているようです。

●水分不足のための熱をとる滋陰清熱薬
生薬は生地黄、玄参、早蓮草、女貞子、麦門冬、地骨皮など。処方は両地湯、麦門冬湯、知柏地黄湯など。
●不要な水分を排出する利水薬
代表的な生薬は陳皮、茯苓、蒼朮、半夏、猪苓、沢瀉、百朮など。処方は防己黄耆湯、平胃散、茯苓飲、六君子湯、越婢加朮湯、防風通聖散など

未病を治す養生
「病気ではないけど体の調子が悪い」という人が更年期には増えてきます。このような症状はすべて未病といっていいでしょう。この頁では未病について紹介します。
まだ見えない病気「未病」を治すための知恵「養生医学」
 体の調子が悪いのに、病因の検査の結果は異状なし。あちこちの病院をはしご。更年期を迎えた人の中にはこのような経験をした人も多いでしょう。
「検査で異常がないから健康」というのは大きな間違いです。どこか痛いところがある、つらいところこがあるというのは体からのSOSサインなのでうs。
 発病前の体の不調のことを、中医学では「未病」といい、病気として受け止めます。発病する前に、病気の芽を摘み取らなくてはなりません。これが「未病を治す」ということなのです。
 まだ見えない未病を治すことは中医学の体系のひとつ「養生医学」の基本の考えで、病気にならないための予防医学です。
 医学というと難しい印象を持つかもしれませんが、養生医学は生活の中で生きてる医学です。
 身近な言い方だと「生活の処方」「生活の知恵」ともいえるでしょう。
 正しい食事や生活習慣などを指導することによって、人間にもともと備わっている病気を治す力(自己治癒力)を高め、体を癒すことが基本です。自ら自分の主治医となって、自分の健康、家族の健康を守るということに、大きな意味があります。
 病気の原因はいろいろありますが、そのほとんどは無茶な不摂生の積み重ねです。
 更年期という体が大きく変化するときだからこそ、今までの生活の乱れをただし、体を正常に戻していくことが必要なのです。

「養生」は中国の歴史の中で生まれた健康を保つ体のケア
「養生」という言葉には「病気を治すために心配りをすること」という意味ばかりではなく「健康に気を配り、病気にかからず丈夫でいられるように努めること」という意味もあるのです。
 健康を保つのに何よりも大切なことは病気にかかる前(未病)に気づくこと、そして適切なケアをすることです。
 養生に年齢は関係ありません。若い時から養生をしていれば、年齢を重ねても元気でいられるし、今から始めても決して遅くはないのです。体は年齢とともに変化していくので、年齢に応じた養生をすることが大切です。
 養生は毎日の生活の中で積み重ねていくもので今日やったから明日効果が現れる、というものでもありません。
 更年期を経て、豊かで若々しい老年期に移行していくためには、早めにようじょうをすることが大切です。
 中国には長い歴史の中で生まれた養生の考え方がたくさんあります。
 全ての女性に共通する養生の基本をここでご紹介します。

女性の養生
1 心の若さを保つ
 いつまでもわかくありたい、というのは女性の共通の願いです。そのためにはどうしたらいいと思いますか?
 どんなに健康な人でも、加齢によって体はどうしても衰えていきます。体の老化は止められませんが、小ことの若さはいつまでも保てます。「なんだ、そんなことか」と拍子抜けしたかもしれませんが、実はこれがとても重要なことなのです。
 いつも若々しい気持ちをもっていれば、体の機能が衰えるスピードを遅くすることができるからです。
 「心と体は一体」これが中医学の考え方です。実際に、心に若さがあれば内臓も若く保つことができることが証明されています。老化を遅らせる媚薬は、フレッシュな気持ちなのです。
 最近では西洋医学でも、心と体の密接な関係が重要視されています。

2 お血に注意する
 お血については説明しましたが、女性の健康と美容はお血と深い関係にあります。それは、初経から出産を経て、更年期を迎えて閉経するまで、女性には月経があるからです。
 お血とは血液が汚れて循環が悪くなることです。これはさまざまな婦人病の原因となりさらには更年期障害や生活習慣病の原因にもなります。
 運動不足、肥満、過労やストレスに注意し、お血にならないようにしましょう。

3 医食同源の意識を高める
 中国には「医食同源」という考え方があります。正しい食事によって体を癒すことは、医者にかかるのと同じくらいの効果があるということです。
 野菜や果物など自然から生まれたものには、体を健康にして癒すために宝物がたくさんつまっています。
 最近日本でも医食同源が注目されています。中国のひとたちの食に対する意識はとても高く、医食同源、医茶同源が生活の知恵として活かされています。
 毎日の食事が健康になる鍵を握っていることをいつも意識するようにしましょう。

更年期の養生

女性にとって、更年期は人生を完成させるとき。思い切り好きなことにチャレンジするには心と体の健康がものをいいます。そのためには日ごろの養生が大切なのです。

人生を楽しむのはこれからそのためには養生が大切
 更年期は子育ても一段落し、自分自身の人生を楽しめる時期です。この時期に健康で生き生きと過ごせるかどうかは、若い頃の養生が物をいいます。
 ここまで読んでドキッとした人もいるのでしょう。でも、今まできちんとやってこなかったからといって、あきらめることはありません。大切なのはこれからです。
 これからご紹介する更年期の養生を心がけることで、体に現れる症状を和らげ、美しく年齢を重ねていくことができます。

楽しい毎日を過ごすことで心の健康を保つことができる
 中高年になると、個人差はあれ誰しも体のあちこちが衰えていくのを感じます。これは自然の摂理で、残念ながらストップさせることはできません。
 しかし前頁でお話しした通り、その人の心がけ次第では頃との若さをいつまでも保つことは可能です。
 更年期に現れる様々な症状は、心の健康が低下しているときに特に強く出やすいものです。
 子育てが終わって楽になったのはいいけど、自分の役割がなくなってしまったようで無気力になってしまった、という人は意外に多いものです。
 無気力だったり、暇だったりすると、更年期の症状は現れやすく、悪化しやすい傾向にあります。
 新名の人生はあなただけのものです。これからは自分自身の生活のクオリティーを高めることを考えましょう。
 日常生活の中で、常に前向きな姿勢で積極的、行動的な日々を送ることが、更年期の症状を和らげるのに役立ちます。
 多くの人とコミュニケーションをとること、趣味や仕事に夢中になること、目標を持ってそれに向かっていくこと。これらのことはすべて大切な養生なのです。

HRTは電子レンジ、漢方は土鍋。両方上手に利用して
 更年期症状の治療法として、女性ホルモンを補うホルモン補充療法などが行われています。これと並行して漢方薬による治療が行われることもあります。
 ホルモン補充療法は、即効性がありますが、使用をやめると効果がなくなることがあります。
 漢方療法は、体全体の調子を整えていくため、効果が現れるまでに多少時間がかかりますが、副作用が少なく、効果が長く続くなどの長所があります。
 症状が強く、本当につらいときはホルモン補充療法を行うのもいいし、それと同時に漢方療法で、体調を整えていくのもいいでしょう。
 どちらもそれぞれよい点があるので、両方を上手に利用して、更年期を乗り切っていくのがいちばんです。
 同時に、更年期の症状が現れたら、内科や精神科の病気がないかどうか検査を受け、更年期症状であるかどうかを確認することも大切です。生活習慣病の定期健診もきちんと受けるようにしましょう。

心や体の黄信号を見逃さず十分に休む。大事な養生です
 更年期を生き生きと過ごすには、好きなことを見つけて人生のクオリティーを高めること、適切な治療を受けることが大切です。でもその人の健康をもっとも左右するのは毎日の生活です。
 適度な運動をする、脂肪分の多いものいや刺激の強いものを避け、栄養バランスの整った食生活を心がけるなども大切な養生ですが、忘れがちなのが休養です。
 体が疲れたら休む。これが何よりの養生です。簡単なようで、きまじめな人、頑張り屋さんといわれる人によってはなかなか難しいことのようです。
 どこかが痛い、調子が悪い、疲れている、というときには、体が黄色信号を送っているのです。体が悲鳴をあげているのに、それを無視して、仕事や家のことを優先してしまうのはやめましょう。
 精力剤や薬に頼って無理を重ねても、それは養生ではありません。疲れて体の調子が悪い時には、治療よりも、薬よりもまず休むことを心がけてください。
 いくら体を休めてもリフレッシュできない、無気力な状態が続く。そんなときは体ばかりではなく、心が疲れているのかもしれません。そんなときは精神的休養をとるようにしましょう。
 美しい音楽を聴くこと、楽しいおしゃべりをすること、好きな本を読むこと。自分が心から楽しんでリラックスできることならなんでもいいのです。
 これらのことで心が栄養を補給できると、自然と体も元気になっていきます。心と体は一体。このバランスをとることこそが最も大切な養生だし、心も体も元気なことが本当の健康なのです。

タイプ別の漢方療法
体全体の調子を整え、更年期のさまざまな症状を解消していくのに漢方薬は適しています。更年期の代表的な症状におすすめの漢方薬をここでご紹介しましょう。

更年期の諸症を和らげる漢方薬の種類と処方のしかた
 中医学では、患者一人一人の証をみて治療の方針を立てたり、漢方薬を処方したりします。
 漢方薬の種類には煎じ薬、丸薬(粒)、散薬(粉末)、軟膏などがあります。
 薬局や薬店で売っている市販の漢方薬は、漢方エキス薬と言われているもので、漢方処方の煎じ薬を濃縮した後、凍結乾燥して顆粒状、または錠剤にしたものです。
 漢方薬局ではひとりひとりの症状に合わせた漢方薬を処方しますが、市販のものは多くの人を対象としているため、薬効が多少ことなることがあります。

更年期症状の3つのタイプとおすすめの漢方薬
 更年期症状を大きく分けると3つのタイプがあります。

●「上熱下寒」タイプ
 顔や上半身はほてるけど、腰や足など下半身には冷えの症状が出ます。
 このような冷えののぼせの症状を、中医学では、上熱下寒といいます。上半身ののぼせやほてりを取り除き、下半身を温める生薬を配合した漢方薬を処方します。
(おすすめの漢方)二仙湯加減または知柏地黄丸

●「腎陰虚」タイプ
 肩こり、耳鳴り、のぼせなどの症状が現れ、頭も重く、口が渇くような人。高血圧症で冷えの症状はない人。
 このような人の場合は、体質改善を行いながら、高血圧時の頭痛やめまいを取り除く複数の漢方の処方を行います。
(おすすめの漢方)六味地黄丸(体質改善)と左帰飲を基本に釣藤散と柴胡加竜骨牡蠣散を。







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更年期症状の3つのタイプとおすすめの漢方薬
 更年期症状を大きく分けると3つのタイプがあります。

●「上熱下寒」タイプ
 顔や上半身はほてるけど、腰や足など下半身には冷えの症状が出ます。
 このような冷えののぼせの症状を、中医学では、上熱下寒といいます。上半身ののぼせやほてりを取り除き、下半身を温める生薬を配合した漢方薬を処方します。
(おすすめの漢方)二仙湯加減または知柏地黄丸

●「腎陰虚」タイプ
 肩こり、耳鳴り、のぼせなどの症状が現れ、頭も重く、口が渇くような人。高血圧症で冷えの症状はない人。
 このような人の場合は、体質改善を行いながら、高血圧時の頭痛やめまいを取り除く複数の漢方の処方を行います。
(おすすめの漢方)六味地黄丸(体質改善)と左帰飲を基本に釣藤散と柴胡加竜骨牡蠣散を。

●「気滞お血」タイプ
 閉経後、気分がすぐれずイライラし、不眠や体調不良に悩まされるというタイプ。
 気が滞りがちになり、それに伴って血の流れも悪くなった結果、さまざまな心身症状や体の不調が起こります。
 中医学では、気滞お血を取り除くものと、精神を安定させる2種類の漢方をおすすまします。
(おすすめの漢方)
桂枝茯苓丸、通導散と抑肝散または加味逍遥散


更年期症状におすすめの食べ物
「医食同源」というように、食事は大切な養生の基本、毎日バランスよい食事をとることはもちろんですが、次のようなメニューをプラスするとさらに効果的です。

緑豆とはちみつのスープ
 更年期のむくみや肥満(特に水太り)便秘に効果的です。
 緑豆や夏バテにも効き、熱を尿として出す作用があります。ただし、下痢をしやすい人には向きません。
 また、このスープは高血圧症、動脈硬化、老化防止にも効果があります。
●作り方
緑豆100g、はちみつ小さじ2、水1tを鍋で煮て、緑豆がやわらかくなったら火から下ろします。緑豆は中華料理食材店で手に入ります。1日300tくらいずつ飲みましょう。

百合根とはちみつのスープ
 百合根には精神を安定させる作用があるので、イライラや落ち込みなど、更年期の精神症状が気になるときに飲むといいでしょう。
 また「益肺潤喉」といって気管支にも作用するため、風邪の後のせき、のどの乾きにも効果があります。
●作り方
百合根30g、はちみつ少々、水700ccを鍋に入れて火にかけ、20〜30分煮ます。

ハトムギ粥
 むくみを解消し、肩や腰の痛みを和らげる作用のあるお粥です。
 ハトムギには下痢、便秘、にきびや吹き出物などにも効果があるので美容食としても用いられます。
 繊維が多いので腸をきれいにし、最近では大腸がんにも効果があるというレポートも発表されています。
●作り方
ハトムギ300g、水700gを鍋で40分煮てお粥を作ります。

医食同源ならぬ「医茶同源」
 中国には健康を保つのにすぐれたお茶がたくさんあります。医食同源という考え方があることはお話ししましたが、ここでもうひとつ提案したいのが「医茶同源」という考え方です。
 特に女性におすすめしたいのが「益母草」から作られた益母草茶です。
 益母草には、地の巡りをよくする活血化血の性質があり、血が滞るお血をとり除く効果があります。
 また、最近ではホルモンの活性化を促したり、むくみをとる作用があることがわかっていrます。

鍼灸、指圧で改善する更年期症状
経絡を流れる生命エネルギーの循環をスムーズにする治療
 東洋医学の代表的な治療法に、鍼灸、指圧などがあります。
 最近では、ツボを刺激することによって体の悪いところを改善するツボ療法が日本でも浸透してきました。
 これらの治療法が、更年期症状の緩和、改善にどんな効果があるかをこれから紹介していこうと思います。
 東洋医学には、経路という独特の考え方があります。経路とは、全身にエネルギーを供給する経路です。
経路は体のすみずみを流れ、多くのツボと関連を持っています。
 健康な時はこの流れがスムーズなのですが、流れがとどこった場合には体に変化が見られるのです。
 東洋医学では、生命活動を維持する気、血、水の3つの物質の変調、不調和によって病気が起こると考えられています。
 更年期のほてりやのぼせ、冷え、めまいなどもこの不調和に関係しています。
 鍼灸師などの専門家は、四診によって患者の状態を細部にわたって観察し判断します。
 そして、鍼灸、指圧、マッサージなどの方法でその人に適した治療を行うのです。
 次に、鍼灸、指圧それぞれの具体的な方法や効果について紹介しましょう。

人間の痛みの感覚を利用してはりで患部を刺激する鍼治療
 皮膚には、痛みの感覚、温度の感覚、触圧の感覚などがありますが、そのうちの痛みの感覚の一種を利用した治療法が、はり治療です。
 一般的なはり治療は、注射針より細くて弾力性のあるはりを、針管という器具を使って体に刺し入れます。
 このはりの刺激によって、機能が減退している神経や内臓、筋肉を活性化させたり、逆に興奮している神経を抑制したりします。
 また、足首のツボをはりで刺激することによって、腰の痛みを和らげたり、皮膚に刺激を与え、内臓機能を整える、といった反射作用もあります。
 そして、はりを刺した患部の血液や体液の循環をよくする誘導作用もあります。 
 鍼灸師は患者の症状によって、これらの作用を使い分けます。はり治療には熟練した技術と資格が必要ですので、必ず専門の鍼灸師の治療を受けるようにしましょう。

温熱効果を利用して、患部に刺激を与える灸による治療
 灸は、よもぎを原料とするもぐさを皮膚に乗せ、それを燃やすことで患部に刺激を与える温熱療法です。
 灸をすえた場所に対する効果は、機能が減退していた筋肉神経を興奮させて、しびれなどを改善する興奮作用と、神経のたかぶり、けいれん、神経痛などをおさえる鎮静、抑制作用があります。
 灸の特徴のひとつに、灸をすえた場所から離れた体の部位にも効果を及ぼすことがあります。
 例えば、腕や脚などにすえた灸の刺激を、内臓や疾患を起こしている場所に伝導させて治療させることができるのです。
 また、充血やうっ血、水腫などがある個所から灸をすえた場所にむかって、血液や体液を導くことで、血液や体液の循環を整える、といった作用もあります。
 心地よい温熱感や芳香も灸の大きな特徴です。

自律神経の働きを整え、心をリラックスさせる指圧の効果
 指圧は、手指で皮膚に一定の力で圧を加えることで、自律神経の乱れを調整して血液や体液の流れをスムーズにし、内臓の機能を整えます。
 例えば、のぼせ、冷え、動悸などの血管運動神経症状は、血管の拡張を収縮をつかさどる自律神経が上手に働かないために起こります。
 指圧で皮膚に安定した圧を持続的に与え、自律神経の緊張や弛緩が調整されるようになれば、血行は穏やかになって症状は改善されるわけです。 
 肩こり、腰痛などの運動器症状の場合は、指圧によって滞っていた血流を促進します。
 また、指圧は体だけでなく、ストレスや不安感、イライラなど、心の症状にも大きな効果があります。
 皮膚にぴったりと手をあてがわれることで、肌と肌がふれあう安心感が生まれ、ゆったりした気分でリラックスできます。
 実際に、不眠で悩んでいた更年期の女性が、指圧の途中で心地よくて眠ってしまうという例もあるくらいです。
 更年期は、夫や子供のこと、姑との付き合い、仕事の悩みなど、心労が多い時期です。肩がこる、頭痛がひどい、といった症状の裏には、心の悩みが隠されていることも少なくありません。
 精神症状を改善するには、精神科や心療内科での治療、ホルモン補充療法などがありますが、指圧によって凝り固まっていた気持ちがほぐれて楽になることもあります。これは病院での治療にはない、指圧の長所といえるでしょう。

毎日の生活の中で心がけたい自分でできる健康療法
 針灸、指圧の治療を受けなくても、そして「私は更年期症状はないわ」をいう人でも、常に自分の体を振り返って、考えて、わるいところがあれば改善していこうという気持ちを持ってほしいと思います。
 そのために日常生活でできること、実行してほしいことを挙げておきましょう。
 @皮膚を通して体に適度な刺激を与えること。タオルによる乾布摩擦や足湯、腰湯などをおすすめします。
 A適度に体を動かすこと。意識して歩くこと、簡単な体操をすることなど、自分でできて長続きする健康法をみつけ、自分の体を向き合うチャンスにしてください。自分の体を自分で大切にすることがいちばん大事です。

息子の独立の寂しさから早期閉経になる
私の更年期体験
東京で就職するという息子に取り乱し体調も崩してしまう
「東京で就職するよ」
大学4年の息子からの電話におどろかされたのは2年ほど前でした。
 大学は東京に出したけど、卒業後はこちらに帰ってきてくれるとばかり思っていた私には目の前が真っ暗になるくらいにショックだったのです。
 ひとり息子なものですから、それはもう目に入れても痛くないくらいにかわいがって育てました。
 東京の大学に進学したい、といわれたときも、最初は反対しましたが、夫の「好きなようにやらせてやらばいい」の一言で、泣く泣く送り出したのです。
 それからというもの、夏休みやお正月など、息子の帰省だけを楽しみに暮らしていました。東京でたくさんの友達を作った息子にとっては、こんな親が少々うとましかったのかもしれませんね。
 それでも私は、卒業した息子がこちらで就職して、いい人を見つけて結婚して、という夢を思い描いていましたから、息子の電話を受けたあとは、寂しさと不安で眠れなくなるほどでした。
 体にさまざまな症状が出始めたのはその頃からです。
 食欲はまったくないし、頭痛や手足の冷えがひどくて夜も眠れない、まだ45才だというのに月経も止まってしまいました。
「母さんがこんな体になったのも、あなたのせいだからね」。
 息子に恨みがましい電話を週に何度もかけてしまう始末です。
 息子も嫌気がさしたのか電話にも出てくれなくなりました。
 あまりにも取り乱している私を見かねてか、夫にカウンセラーのいる病院に連れていかれました。

夫や診察してくれた先生に支えられて元気を取り戻す
 病院では抗不安薬を出してもらい、更年期かもしれないから婦人科に行った方がよい、とアドバイスをいただきました。
 婦人科を受診すると、ホルモン治療を受けた方がよいとの診断。
 治療を開始すると今まで悩まされてきた体の不調が気にならなくなり、少しずつ気分が落ち着いてきました。
 カウンセラーの先生や、婦人科の先生が親身になって話を聞いてくれたのも救いになったのだと思います。
 今まですれ違いの生活が多かった夫も、心配して早く帰ってきてくれるようになりました。みんなに支えられて、ようやく私が元気を取り戻したのは1年後でした。

完璧主義の私がおちいった不定愁訴の毎日
私の更年期体験
自分の体が思うように動かない焦りに振り回されて
 私は厳格な両親に育てられたため、昔からずっと成績もよく、まわりから「いい子ね」と言われ続けて育ちました。
「努力は人を裏切らない」という言葉を信条にし、勉強でも運動でも、そして仕事も主婦業も、努力して自分の思うとおりにこなしてきたのです。
 そんな私が50才を迎える頃、今まで経験したことのない、さまざまな不快症状が体のあちこちに起こるようになりました。
 ほてり、のぼせ、めまい、頭痛、毎日くるくると変わる症状に、自分の体が自分ではないような気がしていました。
 ふだんから食事にも注意し、規則正しい生活を送っていたので、どうしてこんなことになるのか納得できないのです。
 仕事や家事が思うようにはかどらないと会社の人や家族が、自分を白い目で見ているような、いや「お前なんか必要ないんだよ」と言われているような錯覚におちいりました。

テレビや本で更年期治療を知り、生活に余裕ができた
 ある日テレビで更年期のドキュメントをやっているのを見ました。更年期なんて、暇や女性が甘えているだけ、と思っていた私ですが、番組に登場する患者さんの症状があまりに自分とそっくりなので、途中から画面に釘づけになってしまいました。
 次の日、即効性のあるというホルモン療法に関心を持ち、何件かの婦人科に電話をしてホルモン療法を行っているという病院に行きました。
 いろいろな検査を受け、担当の先生と話をしていたところ「ときには自分をいたわること、目標が達成できなくても許してあげることも大切ですよ」と言われました。
 キリキリした私の顔から、何かを察してくださったようです。
 ホルモン療法を始めてからは、少しずつ症状がよくなりました。本で治療のメカニズムを勉強していましたが、実際に目に見えて効果があると、こうも違うものかとびくりしてしまいます。
 仕事の方も若い後輩に少しずつ任せていき、自分がアドバイザー的な立場になるような余裕が出てきました。
 そして歌が好きなので、週に1回コーラスのサークルに通うことにしたのです。
 歌はストレス解消にもなります。最近では生活に余裕を感じるようになりました。

47歳の一年間は更年期障害との戦いの日々
私の更年期体験
忙しい毎日に次々起こるめまいや生理痛に悩まされて
 それは突然訪れました。ある日の朝、起き上がろうとした瞬間、クラクラッというめまいに襲われ、そのままベッドに倒れこみました。
 これが私の更年期障害の始まりでした。はじめはどこが体が悪いのだろうと内科を訪ねました。いろいろな検査をしても目まいの原因らしきものも見つからず、お医者さんは「疲れでしょうから、しばらくゆっくり休んではどうですかといいます。
 当時、私は会社で女性としてはいちばん重要な立場に立たされ、日夜多忙を極めていました。当然ストレスも多く、疲労がたまっていることは確かでした。しかし、1日以上やすむわけにもいきません。
 そのうち、毎月正確にあった月経が狂いだしました。40日以上ないかと思うと、20日くらいできてしまう、それもかなりひどく、スカートを汚してしまったことも。
 月経は重い、肩こりもひどい、めまいは1日何回も突然来る、会議の最中にめまいに襲われ医務室でやすむはめになったこともありました。いろいろなことが重なって、今までへこたれたことのない私もかなりまいってしまいました。
 でも47才という年齢もあり、すべての症状は疲労のせいだと思い込んでいました。

婦人科に通うようになって徐々に症状も改善。元気になる
 かかりつけの内科の医師が、ある日「婦人科にもいってみたら」と、紹介してくれました。そこで「更年期障害」という言葉を聞いた時のショック。まさか、まだそんな年齢とは思っていなかったので、晴天の霹靂、という言葉がぴったりでした。
 ただ、月経はだんだん間遠になってきたのは確かだし、そういわれてみればそうかもしれない、と納得。ホルモン剤もいただき飲みはじめました。書類を山のように読むのが仕事のうちなのですが、それがつらく感じることも多くなりました。肩もこるし、頭痛もするようになってきました。
 書類の細かい字がぼやけるので、余計つらく感じるのです。もともと近眼でコンタクトはしているのですが、近眼が進んだのかもしれないと眼科を訪ねました。検眼してみると、老眼が始まっているというではありませんか。またまたショックでした。
 老眼鏡をかけてみると、こんなに書類の字が鮮明だったとは、と驚きました。これで肩こりと頭痛は少しずつなくなっていきました。ホルモン剤が効いたのか、めまいも徐々に減ってきました。振り返ってみると47才の1年間は、更年期障害との戦いの日々だったなあ、と思います。


第6章
更年期に注意したい病気
更年期は生活習慣病年齢でもあります。更年期症状だと思っていたら、血圧庄や動脈硬化、婦人科の病気などが隠れているケースも多いので注意しましょう。閉経によってホルモンの分泌が変化するとともに進行する病気もあるので、おかしいと思ったら医師に相談を。この章ではこの時期に増える主な病気の症状や原因、治療法について説明したいと思います。

更年期にかかりやすい病気
20〜30代の性成熟期の女性の体は、エストロゲン(卵胞ホルモン)によって守られているため、同じ年代の男性より生活習慣病にかかる率は低くなっています。ところが更年期を迎えるころになるとエストロゲンの分泌が減り、さらに老化も進むため、更年期障害を訴える人の他に、さまざまな生活習慣病にかかる人も徐々に増えてきます。

エストロゲンの減少と深く関わってくる生活習慣病に注意が必要
 エストロゲンの減少によって、直接的、または間接的に影響を受けて起こる生活習慣病には、この時期特に注意しなければなりません。
 高血圧や動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞といった病気の発生は、閉経した後で増えてきます。これは、エストロゲンが減ってくると血液中のコレステロールがスムーズに排泄されず、血管が細くなったり、弾力性を失うことが原因です。
 また更年期を過ぎた女性に、骨折が急に増えはじめるのは、このころから骨量が急激に減少するためです。
 骨をつくるにはカルシウム、ビタミンD、たんぱく質が必要です。エストロゲンはこれらを使って骨を分解し、新しく作るという作業を調節する役目もあります。エストロゲンの分泌が減ると、作られる骨は少なくなるのに、壊れる骨は増え、骨量が急速に減少します。そのため骨粗鬆症にかかりやすくなるのです。
年だからとあきらめずにまずは生活習慣の見直しから始めることが大切
 このように、更年期の女性は生活習慣病年齢でもあります。しかし、だからといって「年なんだから仕方ない」とあきらめたり、薬で治療する前に、まずは日ごろの食生活や運動など生活習慣を見直すことが必要です。
 高コレステロールは食生活を改善すればかなり効果があります。コレステロールの増加につながる動物性脂肪(バターや生クリームなど)は植物性脂肪(オリーブ油、ごま油、菜種油)に切り替えるのが望ましいでしょう。また肉料理を控えて、野菜、豆類、海草、きのこなどを積極的にとるようにしましょう。
 骨粗鬆症予防には、カルシウムをとることはもちろんですが、適度な運動も大切です。骨を動かすことが刺激になって、カルシウムが骨に沈着し、骨量が増えていくのです。 
 さらにカルシウムの吸収を助けるビタミンDも忘れてはなりません。ビタミンDは日光を浴びると活性化します。家に閉じこもってばかりいないで、外に出て適度な運動をすることも、骨を丈夫にするのに、大切な心がけです。

更年期から増えてくる婦人科の病気にも注意。念のため検査も忘れずに
 更年期の中期から後期になると、子宮など内性器や外陰部が委縮したり、かゆくなったり、萎縮性膣炎を起こしやすくなります。性交時に痛みを感じたり、不正出血が起こることもあります。これもやはりエストロゲンが減少することと深く関係があります。
 ただし、子宮がんや子宮筋腫、子宮頸管ポリープなどによって起こる不正出血もあります。一度でも不正出血に気づいたら、すぐ婦人科を受診することが必要です。
 閉経前は月経不順になることが多く、月経の出血かどうかの判断が難しいこともありますが、「おかしいな」と思ったら、まず婦人科で原因を調べてもらうことです。

生活習慣病検診、婦人科検診を定期的に受ける習慣を持ちましょう。
 高血圧や動脈硬化症、糖尿病などの生活習慣病は病気の程度が軽いうちは自覚症状が現れず、変だなときづいたときにはかなり症状が進行していることも少なくありません。
 また更年期障害と症状が似ていることがあり、見過ごしてしまう恐れもあります。
 特に症状がなくても、年に1回は生活習慣病検診を受けましょう。40歳以上の人は、各地区の保健所で行っている生活習慣病検診をうけることができます。働いている人は職場の定期検診を積極的に受けるようにしましょう。
 婦人科のガン検診は子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなどを調べます。外科の専門ですが、乳がんの検診もあります。また骨粗鬆症の予防的な検診で、骨量の測定を行っているところもあります。
 更年期になったら、原則は年一回、月経が不順になったら年2回はこれらの婦人科の検診も受けることをおすすめします。

更年期に気をつけたい婦人科の病気
更年期になると、婦人科の病気が増えてきます。ただの不正出血だと思って放っておいたら病気だったこともあります。1回でも出血がみられたら念のため婦人科に受診を。
子宮がん
子宮の入り口付近にできる子宮頸がん、子宮の奥の子宮体にできる子宮体がんの2つに分けられます。日本では頸がんの割合が多く、子宮がんの約9割を占めていました。最近は体がんの発生が増えています。

子宮頸がん
こんな症状です
 膣につながっている子宮頸部にできるがんです。40代の女性に多くみられます。早い時期には自覚症状がありません。進行すると、不正出血、性交時の摂食出血が起こることがあります。さらに症状が進むと、性器から断続的、または持続的に出血があり、出血量も増えます。

原因
 頸がんは、扁平上皮がんと腺がんにわけられますが、大部分が扁平上皮がんで、これは性体験のない女性には発生しません。
 男性との性生活を持った女性、とくに早婚だった人、妊娠・出産回数の多い人など性体験を豊富に持った女性がかかりやすいといわれます。
 しかし、頸がんの発生の確実な原因はまだ不明なので、男性との性体験を持つ女性は誰でも頸がんかかる可能性があるといえます。

治療法
 子宮頸がんは早期に発見されれば、ほぼ100%完全に治り、再発することもありません。
 進行の度合いによって切除する範囲は異なり、ごく早い段階で発見されれば、がんができている部分だけをとって子宮を残すこともできます。
 早期に治療するほど入院の期間も短くて術後の回復も早く、適切な治療を受けられます。5年以内に再発がなければ完治とみなします。

注意
頸がんは初期の段階にはほとんど無症状です。早期発見するには、必ず子宮がんの定期検診を受けることです。がんの発生を見過ごさないように、1年に1回、月経不順のときには2回の子宮がん検診を怠らないようにしましょう。
 もちろん不正出血や性交時の接触出血があったら、すぐに専門医の診察を受けなければなりません。

子宮体がん
 子宮頸部よりも奥の体部にできるがんです。更年期から閉経後の50〜55才が最も多く、ついで60代が多くなっています。

こんな症状です
 初期のうちから不正出血などがみられることが多いのですが、無症状のこともあります。
 月経の時期ではない性器からの不正出血や、いったん閉経した人が、月経が再開したかのような不正出血に気ついた場合は、すぐに婦人科の診察を受けるようにしましょう。
 おりものに血や膿が混じって悪臭を伴っていたり、量が増えた場合も要注意です。

原因
 原因は不明ですが、閉経後に長期にわたってエストロゲンのみを服用した人に発生する率が高いことから、エストロゲンと子宮体がんには何らかの関係があると考えられています。
 また子宮体がんは、肥満、糖尿病の人、出産経験がない、不妊症、閉経が遅い人にやや多く見られます。

治療法
 頸がんと違って、放射線治療での効果があまり高くない体がんは、手術療法を行うことが多くあります。症状によっては放射線治療やホルモン療法、抗がん剤療法を併用します。

注意
 30歳を過ぎたら、体質的要因がない人でも、積極的に子宮体がん検診を受けてほしいものです。がんは早期発見、早期治療がいちばんだからです。
 現在、各地方自治体による子宮がん検診は、頸がんだけしか行っていないところもあるようですが、希望者には体がんの検査も行います。
 子宮体がんの検査は、子宮腔内に細い管やブラシを挿入して細胞を採取するため、多少痛みを感じることもありますが、リラックスしていればすぐに終わります。
 検査当日は感染をおこさないために、入浴や性交や控えましょう。

子宮筋腫
 子宮筋腫は子宮の筋層にできる良性の腫瘍です。筋腫ができる位置は子宮体部がほとんどで、頸部や膣部にできることはまれです。
 女性の性器にできる腫瘍のなかでは最も多く、30〜40代の女性の3〜4人に一人は子宮筋腫があるといわれています。年齢的には40代が約半数を占め、ついで30代、50代となっています。

こんな症状です。
 筋腫の大きさや位置によって、症状は多少違います。子宮筋腫が子宮の表面にできて外側に飛び出す漿膜下筋腫、筋腫が筋層内で発育する子宮壁内筋腫、内側の粘膜のほうへ飛び出す粘膜下筋腫に分類されます。
 一般的な症状として、漿膜下筋腫はあまり強い症状が出ず、子宮壁内筋腫は過多月経と月経痛を、粘膜下筋腫は過多月経をおこすことが多いようです。
 いずれも筋腫が小さいうちは、自覚症状がないことが多く、大きくなるにつれて、月経時に痛みがあったり、月経量が増えて貧血になることもあります。
 他には腰痛、動悸、息切れ、頻尿、便秘などの症状もあります。筋腫があっても、閉経してしまえば月経がなくなるため症状は出ません。
原因
 筋腫の発生にはエストロゲンの作用が関係していると考えられます。
 性成熟期の30〜50代に筋腫の発生が多く、エストロゲンが減少する更年期以降になると筋腫があっても発育が鈍くなり、閉経後は委縮していきます。

治療法
 子宮筋腫は良性の腫瘍なので、症状がみられず、定期診察で問題がなければ、すぐに手術が必要なものではありません。
 月経が長引いたり、月経量が多く、貧血状態になる、不正出血がある、月経痛がひどい、腰痛や頻尿の原因になるなど、日常生活に支障がある場合は、治療する必要があります。
 治療法は年齢や症状、あるいは妊娠を希望するかどうかによって選びます。
 これから妊娠・出産を望む人には筋腫だけを切除する子宮筋腫核手術を行いますが、妊娠を望まずさまざまな症状に悩んでいる更年期の女性の場合には、子宮を全部とる子宮全摘手術を選ぶこともあります。
 薬物療法では卵巣からの女性ホルモンの分泌を抑える薬を処方します。飲み薬や鼻からの吸入、注射などの方法があります。ただし再発の可能性があるので、閉経が近い人や、手術は避けたい人などが対象となります。

注意
 子宮を手術で全部摘出した場合、月経はなくなりますが、卵巣が残っている限りホルモンの分泌に変化は起こりません。
「子宮をとると女性でなくなるのではないか」という不安をよく耳にしますが、その心配はありません。女性ホルモンを出しているのは卵巣で、子宮ではないからです。
 子宮を失うことで精神的な衝撃を受け、性生活に自信を無くしてしまう女性も少なくないのは事実です。しかし性交時に相手の男性には何の違和感も与えませんし、女性側も特に支障はありません。


子宮内膜症
 子宮内膜が、本来の場所以外のところに発生し、発育したしまう病気です。子宮菌叢内にできたものを子宮腺筋症といい、子宮自体がかたく、大きくなります。子宮以外の卵管、卵巣、骨盤腔などにできたものは子宮内膜症といいます。
 性成熟期の30〜40才代に多く、更年期以降には少ないとされています。子宮内膜症も子宮筋腫と同様にエストロゲンの影響を受けます。更年期になってエストロゲンの分泌が減少すると増殖することはありませんが、急に小さくなることもありません。

こんな症状です
 子宮内膜症が発生した場所によって症状が異なりますが、主な症状は強い月経痛です。下腹痛や腰痛、性交痛を伴ったり、月経量が増え貧血になることもあります。卵巣や卵管にできると不妊症の原因になります。腹膜や直腸に発生すると、排便時に激しい痛みを感じることもあります。
 閉経すれば症状もなくなりますが、性成熟期になってからあらわれた症状がしだいに重くなる傾向があります。

原因
 子宮内膜は、受精卵が着装できるようにホルモンの働きによって増殖し、妊娠が成立しなければ排出され、月経となります。この子宮内膜が子宮内腔以外の場所に定着してしまうことが原因ではないかといわれています。
 正常ではない場所にできた内膜組織は、月経周期に従って増殖、出血を繰り返します。そのため、定着した部分に血液がたまり、癒着や腫瘍やしこりができます。

治療法
 ホルモン療法と手術療法があります。どちらの方法を選ぶかは、症状の強さや年齢、妊娠を望むかどうかで考慮します。
●ホルモン療法 子宮を保存しながら薬で症状を軽減する方法です。性腺刺激ホルモンの分泌を抑制することによって、卵巣でのエストロゲンの生成をおさえる偽閉経療法が多く用いられます。ほかに、エストロゲンやプロゲストーゲンを投与し、ホルモンの分泌を妊娠と同じ状態にして排卵を抑え、月経を止める偽妊娠療法があります。
●手術療法 子宮内膜症を起こしている部分を取り除きます。


注意
 偽閉経療法の場合はいったん症状が治まってもまた再発する可能性があります。重い症状に苦しんでいて、妊娠・出産をすでに終え、閉経にはまだ間があるような場合には手術療法を選ぶ人も多いようです。

機能性出血
 正常の月経以外の性器からの出血を不正出血といいます。不正出血には大きく分けて、器質性出血と機能性出血があります。
 器質性出血は子宮に病気があるために起こる出血です。考えられる病気は、膣炎、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮頸部びらん、子宮頚管ポリープ、子宮がんなどです。
 機能性出血は、卵巣の働きが低下し、ホルモン分泌がアンバランスになることによって起こる出血で、思春期や更年期に多く現れます。特に更年期には無排卵性の月経や、黄体機能不全による出血がみられます。

こんな症状です
 軽い一過性のもので、すぐ治まる場合もあるし、出血が続いたり量が増えたりして貧血になることもあります。
治療法
 軽い出血は止血剤を用いますが、出血が続く場合にはホルモン剤を投与する治療になります。
 機能性出血であれば、ホルモン療法によって大部分は容易に出血が止まります。効果が出ない場合は、器質性出血である可能性もあります。
 また血液の病気が疑われる場合は、性器出血の他にも症状があります。
 出血の状態や体の変化は治療中、あるいは治療後に担当医によく説明し、指示を受けましょう。

注意
 更年期には卵巣機能が衰え、月経不順になりがちです。月経以外の出血が機能性出血なのか、病気による出血なのかまぎらわしく、考えられる原因もさまざまです。自分で判断するのは非常に難しいし、もし子宮がんなどがあったら手遅れになりかなません。不正出血があったらできるだけ早く婦人科を受診することをおすすめします。
 また月経が来ないから閉経だと思っていたら、妊娠だったというケースもあります。更年期には排卵のある月経周期の他に無排卵の月経周期が来る場合があります。
 その区別は難しいので、若い頃よりむしろ避妊が難しいといえるでしょう。このころの妊娠は、胞状奇胎などの異常な妊娠になる可能性も高いため、更年期から閉経期にも万一に備えて避妊は欠かせません。

子宮膣部びらん
 膣の中へめくれ出ている子宮のいちばん下の部分が赤くただれてみえるのが子宮膣部びらんです。「びらん」とは、表皮が欠損した状態をいいますがこれはびらんにみえるだけ。子宮膣部びらんは問題なく、成熟した女性の80〜90%にみられる状態なので心配ありません。

こんな症状です
 気になる症状はほとんどありませんが、おりもの、出血、接触出血が時折みられることもあります。

治療法
 病気ではないので、症状がでないものはとくに治療もおこないません。
 ただし、びらんが大きくおりものや出血が多い場合には、抗生物質や膣座薬を用いることもあります。繰り返し炎症を起こす場合は冷凍凝固法などで治療することもあります。

注意
 びらんががんに変化する心配はないので安心してください。
 しかし、赤くただれた状態は子宮頸がんの初期の状態と似ているので、がん検診は必ず受けるようにしましょう。

子宮頸管ポリープ
こんな症状です
 子宮頸管の粘膜の一部が膣の方向に垂れ下がったものです。粘膜が突出してこぶ状になっている状態をポリープといいます。子宮体部の粘膜にできるものもあります。
 どの年齢層にも発生しますが、40〜50才に多くみられます。
 症状がまったくないものも多く、がん検診でガン検診で発見される場合も少なくありません。
 おりものが増えたり、不正出血、性交時の接触出血が起こることもあります。

治療法
 小さなポリープは外来診察で取り除けます。大きいものは入院して切除することも。


子宮内膜炎
 子宮体部の内膜に細菌が感染して炎症が起こる病気です。名前が似ているので間違いやすいのですが子宮内膜症とは別の病気です。

こんな症状です
 初期の症状は、おりものの増加や下腹部の痛みなどです。性交時に少量の出血がみられることもあります。
 症状が進むと、下腹部の痛みが激しくなったり、発熱や腰痛が現れます。血や膿の混じったおりものや、不正出血もよくみられます。

原因
 膣から大腸菌やブドウ球菌などが侵入し、膣炎→子宮頚管炎→子宮内膜炎という順で炎症が広がっていくことが多くあります。さらに卵管炎、骨盤腹膜炎と引き続いて起こることもあります。
 タンポンやコンドームを出し忘れすことが原因で起こる場合も少なくありません。
 また性感染症などがきっかけになることもあります。

治療法
 内診で子宮の腫れ具合などをみます。内診の方法は総合診といって、膣内に挿入した手と腹部に置いた手で触診します。
 そのほかに子宮頸管の分泌物と血液検査によって、炎症の原因となっている菌をつきとめます。
 治療には抗生物質と併せて炎症を鎮める消炎剤を投与します。治療期間は2週間から1カ月くらいかかります。


子宮下垂、子宮脱
こんな症状です
 子宮下垂は、子宮が膣の中にとどまってはいるものの、正常な位置よりやや下がっている状態をいいます。
 一方、子宮の一部または全部が膣から外へ出ている状態が子宮脱です。
 下腹部に不快感があったり、腰痛が起こったりします。子宮とともに膀胱や直腸が下がってくると、膀胱脱、直腸脱を起こすこともあります。尿失禁や頻尿になったり、膀胱炎を起こしやすくなります。
 原因
 出産回数が多い人、難産で子宮を支える筋肉が緩んだ人によくみられます。更年期以降は加齢によってエストロゲンの分泌が減少したり、分泌が不規則になるため、膣や骨盤低筋肉の緊張がなくなり、子宮下垂や子宮脱を起こしやすくなります。
 体質も関係していて、全身の筋肉や結合組織の弱い人は子宮下垂を起こしやすいといわれています。

治療法
 子宮下垂や子宮脱自体は治療の必要はありません。ただし、外陰部に出た子宮がこすれて炎症を起こし痛みを伴ったり、指で押しても戻らないような症状がある場合には、膣壁の縮小手術や会陰形成術などを行います。

注意
 腹圧がかかるとさらに子宮下垂が悪化してしまいます。長時間立ち続けたり、お腹に力が入るような重労働は避けましょう。


膣炎
 更年期になると卵巣機能の衰えとともにエストロゲンの分泌が減り、膣内の酸とアルカリノバランスが崩れて自浄作用が働かなくなります。
そのため、抵抗力が弱まり、細菌に感染しやすくなるので、さまざまな膣炎に悩まされることが多くなります。

萎縮性膣炎
 老人性膣炎ともいい、膣内に細菌が感染したり、膣粘膜が乾燥してひび割れたりして炎症を起こすものです。更年期以降の女性に多く、40代後半から50才代に入ると増えてきます。
 年齢的には若くても、卵巣嚢腫などの病気で卵巣を両方摘出した場合は、ホルモン分泌が変化するため萎縮性膣炎が起こることもあります。

こんな症状です
 おりものが増え、血液が混ざることもあります。かゆみや痛みはそれほどありませんが、性交痛を感じることもあります。

原因
 閉経が近づいて卵巣機能が衰えると、膣内の自浄作用が低下します。抵抗力が弱まったところに大腸菌やブドウ球菌などの細菌が侵入し、感染するのが原因です。それとともに、膣粘膜も乾燥して弾力性が失われてくるため、そこから出血することもあります。

治療法
 主にホルモン療法を行います。ホルモン剤には、エストロゲンのなかでも作用の弱いエストリオールを使います。1〜2週間で症状は軽減しますが、再発することもあります。また長期間にわたって使用すると不正出血を伴うこともあります。

その他の膣炎
 膣炎にはほかにトリコモナス原虫によって起こるトリコモナス膣炎や、カビの一種であるカンジダ菌によるカンジダ膣炎があります。
 感染経路は性交による感染がもっとも多く、他に入浴なども考えられます。
こんな症状です
 おりものが増えることげ気づく人が多く、外陰部やその周辺の激しいかゆみやほてりも特徴です。
治療法
 トリコモナス膣炎には、抗トリコモナス剤の膣剤や内服薬を用います。性生活で夫から妻へ、妻から夫へ感染しあうことがあるので(ピンポン感染)、夫婦どちらかだけではなく、同時に薬を服用して治療することが必要です。
 カンジダ膣炎には、抗真菌性の抗菌物質剤を使用します。
注意
 症状がなくなっても薬を勝手にやめたり、飲んだり飲まなかったりすると、再発を繰りかえすことがあります。あせらず、完治するまで根気よく治療を続けることが肝心です。

卵巣腫瘍
 卵巣は子宮の近くにある左右一対の臓器です。卵巣には腫瘍ができやすく、膣や子宮に比べると体の奥にあるため異常を発見するのが難しい臓器です。
 卵巣腫瘍は嚢胞性腫瘍と充実性腫瘍に分けられます。

卵巣嚢胞性腫瘍
 卵巣嚢腫ともいい、一般には良性ですが、まれに微小な悪性部分を持つこともあります。
こんな症状です
 初期には自覚症状がなく、かなり大きくなってから下腹部がふくれた感じを持ったり、腰痛や排尿障害などが出てきます。
 更年期症状だと自己判断せずに念のために婦人科を受診しましょう。
治療法
 卵巣嚢腫が良性か悪性化の区別はむずかしいのですが、悪性が少しでも疑われる場合は手術をします。腫瘍が小さい場合は消える可能性はありますが、大きくなったり悪性を見逃す危険もあるので、3〜4カ月ごとに検査を行い経過をみます。

卵巣充実性腫瘍
 卵巣が固く大きくはれる病気で、そのうちの約5%が卵巣がんなどの悪性腫瘍です。
こんな症状です
 卵巣がんの初期には目立った自覚症状がありません。かなり大きくならないと、体の外からは固いしこりに気づきません。肥満だと思い込んで発見が遅れる場合もあります。進行すると腹痛や下腹部が張った感じなどがあらわれます。
治療法
 腫瘍が良性の場合は、腫瘍のある側の卵巣だけ切除します。卵巣がんなど悪性の場合は再発する確率が高いので、両側の卵巣と子宮を切除する場合が多くあります。
 ただし、腫瘍の広がりや悪性度、年齢、出産を希望するかどうかによって、切除する範囲を決めます。

乳がん
 乳房および周囲にある乳腺に発生する悪性腫瘍です。動物性油脂を多くとる食生活の欧米化に伴って、日本女性にも乳がんの発生率が増加しています。年齢では、40代がピークで、次いで50代、60代、30代の順に多く発生します。乳がん検診を必ず受けましょう。

こんな症状です
 乳房にしこりができます。自分の手でふれることができるので、早期に発見しやすいのが特徴です。
 乳がんのしこりはかたくてコリコリした感じで、ほとんどの場合痛みはありません。しこりが大きくなると、皮膚がひきつれて乳頭や乳房がへこんだり変形することがあります。乳頭から分泌物がみられることもあります。
 初期の小豆大のしこりはちょっとふれただけでは確認できません。指の腹を使って軽く押しながらなでるようにさぐると、しこりの中心部の奥の方に、かたいしんのような感触があります。
 乳がん以外にも、乳腺炎、乳腺症、乳腺繊維腺腫などの症状に似たようなしこりができます。
原因
 子宮体がんや卵巣がんと同様に、女性ホルモンと深い関係があります。
 家族に乳がんや卵巣がんと同様に、女性ホルモンと深い関係があります。
 家族に乳がん患者を持つ人、出産経験のない人、高年初産の人、どちらかというと肥満タイプの人がかかりやすいといわれています。

治療法
 手術療法が中心で、乳がんの進行度によって乳房切除の範囲が異なります。
 術後に放射線療法、化学療法、ホルモン療法、免疫療法などを行い、効果を補強するのが一般的です。

注意
 乳がんは早期発見、早期治療によって完全に治る率が高く、不治の病ではなくなっています。初期にはしこり以外の症状が出ないため、自分でチェックして発見するのが確実です。月に一度、自己検診日を決めて乳房をチェックする習慣をつけましょう。また年一回の定期検診を受けることもおすすめします。
 更年期はホルモンの状態がアンバランスになり、乳がんに対する十分な注意が必要です。


42才で月経も終わり、次々と襲う老化現象
私の更年期体験

 下町の開業医に嫁いだ私の生活は、まるでお手伝いさんのような日々です。新婚の夫婦の部屋は、かつてお手伝いさんの部屋だったのですから、そのままといえるかもしれません。
 こどもも2人生まれ、姑との闘いはありましたが、それでも40代までなんとか過ごしてきました。私が若かったので、体力的にも精神的にも耐えられたということもあるでしょう。
 ところが42才で閉経。早すぎる閉経も、お医者さんに言わせると、ストレスも関係しているとのこと。でも、生理がないのはめんどうもなくていいや、くらいのつもりでいました。
 私が年をとるのと同じように姑も老いていきます。それに伴って、頑固さや小意地の悪さも加速していきます。昔のお嬢様である姑にとって、息子より2才年長、商人の娘である私の存在そのものが気に入らないのです。
 何度か家を出て友人の家に避難したこともありますが、夫が迎えにきてく帰るという繰り返し。優しいだけが取り柄で姑との間にたってくれるような夫ではないのですが、娘が苦労をわかってくれていることもあって、戻っていました。

若年性の白内障、ひざの故障と骨粗鬆症と次々襲う病気
 あるとき、目の前に小さな虫が飛んでいるのに気づきました。それがいつものことなのでおかしいなと、眼科に診てもらったところ、白内障との診断。まだ40代なのにとショックでしたが、若年性白内障だから様子をみましょう、と言われました。
 でも、結局1年目には手術。それと同時期に腰と膝が痛くて正座もできないようになりました。茶道をやっていたのですが、正座ができなくてはとても続けることができません。
 体重が70kg近くあったので、そのせいだからやせるようにと言われ、ダイエットも始めました。ダイエットで50kg代まで落としたのですが、それでも膝の調子は戻らず膝も手術をすることになりました。
 こうやって、次々と老化による病気と闘っているうちに、身長が5cmも低くなっていることに気づきました。骨粗鬆症がすすんでいたのです。高校時代の同窓会に出席すると、当時の友人に「私より高かったはずなのに、ひくくなったわね」と言われ、改めて自分の老化に気づかされたのです。
 同年齢でも生き生きと若い友人もいて、私はいったいどうしたこんなに年とってしまったのかなあと哀しくなります。


更年期に気になる生活習慣病
動脈硬化症
 動脈硬化というのは血管の老化現象で20才を過ぎる頃からすでに始まり、だれもが避けられないものです。この血管の老化が加齢以上のスピードで進行し、体のさまざまな部分に病的な変化が起きてくるのが動脈硬化症です。
 動脈硬化には粥状硬化、中膜硬化、細動脈硬化の3種類があります。特に粥状硬化には注意が必要で、血液中のコレステロールや中性脂肪が血管の内壁に粥状に付着した場合に起こります。

こんな症状です
 動脈は全身の組織に、酸素を含んだ血液を運ぶという役割があります。動脈硬化が進行すると、動脈が弾力性をうしなってもろくなったり、動脈の内側が狭くなることによって血液がながれにくくなります。
 すると体の各組織は酸欠状態になります。脳動脈硬化の場合はめまい、のぼせ、不眠、頭痛、物忘れなどの症状が出ます。悪化すれば脳梗塞や一過性脳虚血発作の原因となります。
 冠状動脈硬化の場合は、心臓部の圧迫感、動悸、息切れなどの症状が出て、狭心症や心筋梗塞などの原因となります

治療法
 動脈硬化から起こる病気を予防するのは日常生活の心がけしだいです。
●食生活 血液中のコレステロールを増やす動物性脂肪を控え、植物油や魚、海草、野菜を積極的に取りましょう。肥満を防ぐために食べ過ぎには注意します。
●運動 有酸素運動は、酸素を十分に血液に送ることによって、血管のみならず、筋肉、骨を老化から守ります。しかし最近、有酸素運動をすることで、血液に活性酸素が発生し、これが動脈硬化を進行させることがわかっています。活性酸素を取り除くために、カロチン、ビタミンE、ビタミンCなどを十分にとりましょう。
●日常生活 タバコは動脈硬化の原因になります。また睡眠や休養は十分にとり、ストレスをためないような心がけも。
●薬物療法 降圧剤や脂質代謝改善剤、血管拡張剤などを服用します。ただし、薬に頼らず、食事や日常生活の改善が先決です。
注意
 動脈硬化による体の変化は、更年期症状とよく似ています。めまい、のぼせ、不眠などの症状が現れたら、念のため、早めに病院で検査を受けましょう。

高血圧
 血液が体のすみずみまでいきわたるには圧力が必要です。血管壁に与える血液の圧力を血圧といいます。
 心臓がギュッと収縮して血液を大動脈に送り出すとき、血圧は最も高くなり、この時の血圧を最高血圧と呼びます。反対に心臓が拡張した血液をため込むときは血圧が低くなり、この時の血圧が最低血圧です。
 WHO(世界保健機関)による血圧基準では、最高血圧160以上、最低血圧95以上の両方、またはいずれかに当てはまる場合を高血圧とみなしています。

こんな症状です
 初期にはっきりした症状は現れませんが、見逃したために重症になるとさまざまな合併症を起こします。
 脳に影響すると、頭痛、耳鳴り、肩こり、めまい、眼底出血などが現れます。心臓の症状では、息切れ、動悸、心臓の圧迫感などがあります。腎臓に影響すると尿蛋白が出たり、足がむくんだりすることもあります。

原因
 高血圧は、本態性高血圧と二次性高血圧に大きく分けられます。
 高血圧の大部分は本態性高血圧で、原因がはっきりわからないものを呼びます。それに対し二次性高血圧は、原因が腎臓や内分泌の病気のために起こるということがはっきりわかるものです。
 本態性高血圧は遺伝や食事、精神的なストレスなどが原因だと考えられていますが、まだ決定的な解明はされていません。

治療法
 二次性高血圧は、原因となる病気を治療することが先決です。
 一方、本態性高血圧は、まず食生活と生活環境を改善してストレスを少なくすることが必要です。
●食生活 塩分のとりすぎは禁物です。調理には薄味を心がけると同時に、インスタント食品や外食の塩分にも要注意。肥満は高血圧を招くので体重コントロールを。
●運動 適度な運動も大切です。ウォーキングや水泳、ジョギング、自転車こぎなど、有酸素運動が効果的です。
●日常生活 ストレスをできるだけためないよう、日ごろから上手に気分転換をはかりましょう。
 生活習慣を見直すだけで、血圧はかなりコントロールできますが、それでも改善されない場合は、専門医に相談し、降圧剤を服用することもあります。
注意
 更年期を迎えると、それまで正常だった人も、高血圧になることが少なくありません。ホルモンバランスが崩れて自律神経の働きが不安定になることや、肥満になりやすいこと、家庭内でのストレスが多くなる時期であることが原因として考えられます。
 しかし、本態性高血圧の場合は更年期障害と区別して治療を受けなければなりません。
 高血圧は動脈硬化の進行を早め、脳や心臓の循環障害を引き起こします。日ごろから血圧をチェックし、健康のバロメーターにするのもよいでしょう。


心臓病
 心臓の筋肉に血液がいきわたらなくなると、血液によって運ばれてくる酸素その他の成分が不足するため、心臓の機能がしだいに低下し、その影響が現れる症状です。代表的な病気は、狭心症と、心筋梗塞です。

狭心症
 心臓に送られてくる血液量が極端に少なくなると、心臓の筋肉が酸素不足になり、発作的な胸痛が起こります。
 精神的な緊張、階段を上がる、過食、過労、喫煙などが引き金になって発作が起こる労作狭心症と、特にきっかけがなくても睡眠中や安静時に起こる安静狭心症があります。
 発作の頻度が増えて、次に心筋梗塞を起こすかもしれないと予測されるような状態を、不安定狭心症といいます。

















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更年期症状の3つのタイプとおすすめの漢方薬
 更年期症状を大きく分けると3つのタイプがあります。

●「上熱下寒」タイプ
 顔や上半身はほてるけど、腰や足など下半身には冷えの症状が出ます。
 このような冷えののぼせの症状を、中医学では、上熱下寒といいます。上半身ののぼせやほてりを取り除き、下半身を温める生薬を配合した漢方薬を処方します。
(おすすめの漢方)二仙湯加減または知柏地黄丸

●「腎陰虚」タイプ
 肩こり、耳鳴り、のぼせなどの症状が現れ、頭も重く、口が渇くような人。高血圧症で冷えの症状はない人。
 このような人の場合は、体質改善を行いながら、高血圧時の頭痛やめまいを取り除く複数の漢方の処方を行います。
(おすすめの漢方)六味地黄丸(体質改善)と左帰飲を基本に釣藤散と柴胡加竜骨牡蠣散を。

●「気滞お血」タイプ
 閉経後、気分がすぐれずイライラし、不眠や体調不良に悩まされるというタイプ。
 気が滞りがちになり、それに伴って血の流れも悪くなった結果、さまざまな心身症状や体の不調が起こります。
 中医学では、気滞お血を取り除くものと、精神を安定させる2種類の漢方をおすすまします。
(おすすめの漢方)
桂枝茯苓丸、通導散と抑肝散または加味逍遥散


更年期症状におすすめの食べ物
「医食同源」というように、食事は大切な養生の基本、毎日バランスよい食事をとることはもちろんですが、次のようなメニューをプラスするとさらに効果的です。

緑豆とはちみつのスープ
 更年期のむくみや肥満(特に水太り)便秘に効果的です。
 緑豆や夏バテにも効き、熱を尿として出す作用があります。ただし、下痢をしやすい人には向きません。
 また、このスープは高血圧症、動脈硬化、老化防止にも効果があります。
●作り方
緑豆100g、はちみつ小さじ2、水1tを鍋で煮て、緑豆がやわらかくなったら火から下ろします。緑豆は中華料理食材店で手に入ります。1日300tくらいずつ飲みましょう。

百合根とはちみつのスープ
 百合根には精神を安定させる作用があるので、イライラや落ち込みなど、更年期の精神症状が気になるときに飲むといいでしょう。
 また「益肺潤喉」といって気管支にも作用するため、風邪の後のせき、のどの乾きにも効果があります。
●作り方
百合根30g、はちみつ少々、水700ccを鍋に入れて火にかけ、20〜30分煮ます。

ハトムギ粥
 むくみを解消し、肩や腰の痛みを和らげる作用のあるお粥です。
 ハトムギには下痢、便秘、にきびや吹き出物などにも効果があるので美容食としても用いられます。
 繊維が多いので腸をきれいにし、最近では大腸がんにも効果があるというレポートも発表されています。
●作り方
ハトムギ300g、水700gを鍋で40分煮てお粥を作ります。

医食同源ならぬ「医茶同源」
 中国には健康を保つのにすぐれたお茶がたくさんあります。医食同源という考え方があることはお話ししましたが、ここでもうひとつ提案したいのが「医茶同源」という考え方です。
 特に女性におすすめしたいのが「益母草」から作られた益母草茶です。
 益母草には、地の巡りをよくする活血化血の性質があり、血が滞るお血をとり除く効果があります。
 また、最近ではホルモンの活性化を促したり、むくみをとる作用があることがわかっていrます。

鍼灸、指圧で改善する更年期症状
経絡を流れる生命エネルギーの循環をスムーズにする治療
 東洋医学の代表的な治療法に、鍼灸、指圧などがあります。
 最近では、ツボを刺激することによって体の悪いところを改善するツボ療法が日本でも浸透してきました。
 これらの治療法が、更年期症状の緩和、改善にどんな効果があるかをこれから紹介していこうと思います。
 東洋医学には、経路という独特の考え方があります。経路とは、全身にエネルギーを供給する経路です。
経路は体のすみずみを流れ、多くのツボと関連を持っています。
 健康な時はこの流れがスムーズなのですが、流れがとどこった場合には体に変化が見られるのです。
 東洋医学では、生命活動を維持する気、血、水の3つの物質の変調、不調和によって病気が起こると考えられています。
 更年期のほてりやのぼせ、冷え、めまいなどもこの不調和に関係しています。
 鍼灸師などの専門家は、四診によって患者の状態を細部にわたって観察し判断します。
 そして、鍼灸、指圧、マッサージなどの方法でその人に適した治療を行うのです。
 次に、鍼灸、指圧それぞれの具体的な方法や効果について紹介しましょう。

人間の痛みの感覚を利用してはりで患部を刺激する鍼治療
 皮膚には、痛みの感覚、温度の感覚、触圧の感覚などがありますが、そのうちの痛みの感覚の一種を利用した治療法が、はり治療です。
 一般的なはり治療は、注射針より細くて弾力性のあるはりを、針管という器具を使って体に刺し入れます。
 このはりの刺激によって、機能が減退している神経や内臓、筋肉を活性化させたり、逆に興奮している神経を抑制したりします。
 また、足首のツボをはりで刺激することによって、腰の痛みを和らげたり、皮膚に刺激を与え、内臓機能を整える、といった反射作用もあります。
 そして、はりを刺した患部の血液や体液の循環をよくする誘導作用もあります。 
 鍼灸師は患者の症状によって、これらの作用を使い分けます。はり治療には熟練した技術と資格が必要ですので、必ず専門の鍼灸師の治療を受けるようにしましょう。

温熱効果を利用して、患部に刺激を与える灸による治療
 灸は、よもぎを原料とするもぐさを皮膚に乗せ、それを燃やすことで患部に刺激を与える温熱療法です。
 灸をすえた場所に対する効果は、機能が減退していた筋肉神経を興奮させて、しびれなどを改善する興奮作用と、神経のたかぶり、けいれん、神経痛などをおさえる鎮静、抑制作用があります。
 灸の特徴のひとつに、灸をすえた場所から離れた体の部位にも効果を及ぼすことがあります。
 例えば、腕や脚などにすえた灸の刺激を、内臓や疾患を起こしている場所に伝導させて治療させることができるのです。
 また、充血やうっ血、水腫などがある個所から灸をすえた場所にむかって、血液や体液を導くことで、血液や体液の循環を整える、といった作用もあります。
 心地よい温熱感や芳香も灸の大きな特徴です。

自律神経の働きを整え、心をリラックスさせる指圧の効果
 指圧は、手指で皮膚に一定の力で圧を加えることで、自律神経の乱れを調整して血液や体液の流れをスムーズにし、内臓の機能を整えます。
 例えば、のぼせ、冷え、動悸などの血管運動神経症状は、血管の拡張を収縮をつかさどる自律神経が上手に働かないために起こります。
 指圧で皮膚に安定した圧を持続的に与え、自律神経の緊張や弛緩が調整されるようになれば、血行は穏やかになって症状は改善されるわけです。 
 肩こり、腰痛などの運動器症状の場合は、指圧によって滞っていた血流を促進します。
 また、指圧は体だけでなく、ストレスや不安感、イライラなど、心の症状にも大きな効果があります。
 皮膚にぴったりと手をあてがわれることで、肌と肌がふれあう安心感が生まれ、ゆったりした気分でリラックスできます。
 実際に、不眠で悩んでいた更年期の女性が、指圧の途中で心地よくて眠ってしまうという例もあるくらいです。
 更年期は、夫や子供のこと、姑との付き合い、仕事の悩みなど、心労が多い時期です。肩がこる、頭痛がひどい、といった症状の裏には、心の悩みが隠されていることも少なくありません。
 精神症状を改善するには、精神科や心療内科での治療、ホルモン補充療法などがありますが、指圧によって凝り固まっていた気持ちがほぐれて楽になることもあります。これは病院での治療にはない、指圧の長所といえるでしょう。

毎日の生活の中で心がけたい自分でできる健康療法
 針灸、指圧の治療を受けなくても、そして「私は更年期症状はないわ」をいう人でも、常に自分の体を振り返って、考えて、わるいところがあれば改善していこうという気持ちを持ってほしいと思います。
 そのために日常生活でできること、実行してほしいことを挙げておきましょう。
 @皮膚を通して体に適度な刺激を与えること。タオルによる乾布摩擦や足湯、腰湯などをおすすめします。
 A適度に体を動かすこと。意識して歩くこと、簡単な体操をすることなど、自分でできて長続きする健康法をみつけ、自分の体を向き合うチャンスにしてください。自分の体を自分で大切にすることがいちばん大事です。

息子の独立の寂しさから早期閉経になる
私の更年期体験
東京で就職するという息子に取り乱し体調も崩してしまう
「東京で就職するよ」
大学4年の息子からの電話におどろかされたのは2年ほど前でした。
 大学は東京に出したけど、卒業後はこちらに帰ってきてくれるとばかり思っていた私には目の前が真っ暗になるくらいにショックだったのです。
 ひとり息子なものですから、それはもう目に入れても痛くないくらいにかわいがって育てました。
 東京の大学に進学したい、といわれたときも、最初は反対しましたが、夫の「好きなようにやらせてやらばいい」の一言で、泣く泣く送り出したのです。
 それからというもの、夏休みやお正月など、息子の帰省だけを楽しみに暮らしていました。東京でたくさんの友達を作った息子にとっては、こんな親が少々うとましかったのかもしれませんね。
 それでも私は、卒業した息子がこちらで就職して、いい人を見つけて結婚して、という夢を思い描いていましたから、息子の電話を受けたあとは、寂しさと不安で眠れなくなるほどでした。
 体にさまざまな症状が出始めたのはその頃からです。
 食欲はまったくないし、頭痛や手足の冷えがひどくて夜も眠れない、まだ45才だというのに月経も止まってしまいました。
「母さんがこんな体になったのも、あなたのせいだからね」。
 息子に恨みがましい電話を週に何度もかけてしまう始末です。
 息子も嫌気がさしたのか電話にも出てくれなくなりました。
 あまりにも取り乱している私を見かねてか、夫にカウンセラーのいる病院に連れていかれました。

夫や診察してくれた先生に支えられて元気を取り戻す
 病院では抗不安薬を出してもらい、更年期かもしれないから婦人科に行った方がよい、とアドバイスをいただきました。
 婦人科を受診すると、ホルモン治療を受けた方がよいとの診断。
 治療を開始すると今まで悩まされてきた体の不調が気にならなくなり、少しずつ気分が落ち着いてきました。
 カウンセラーの先生や、婦人科の先生が親身になって話を聞いてくれたのも救いになったのだと思います。
 今まですれ違いの生活が多かった夫も、心配して早く帰ってきてくれるようになりました。みんなに支えられて、ようやく私が元気を取り戻したのは1年後でした。

完璧主義の私がおちいった不定愁訴の毎日
私の更年期体験
自分の体が思うように動かない焦りに振り回されて
 私は厳格な両親に育てられたため、昔からずっと成績もよく、まわりから「いい子ね」と言われ続けて育ちました。
「努力は人を裏切らない」という言葉を信条にし、勉強でも運動でも、そして仕事も主婦業も、努力して自分の思うとおりにこなしてきたのです。
 そんな私が50才を迎える頃、今まで経験したことのない、さまざまな不快症状が体のあちこちに起こるようになりました。
 ほてり、のぼせ、めまい、頭痛、毎日くるくると変わる症状に、自分の体が自分ではないような気がしていました。
 ふだんから食事にも注意し、規則正しい生活を送っていたので、どうしてこんなことになるのか納得できないのです。
 仕事や家事が思うようにはかどらないと会社の人や家族が、自分を白い目で見ているような、いや「お前なんか必要ないんだよ」と言われているような錯覚におちいりました。

テレビや本で更年期治療を知り、生活に余裕ができた
 ある日テレビで更年期のドキュメントをやっているのを見ました。更年期なんて、暇や女性が甘えているだけ、と思っていた私ですが、番組に登場する患者さんの症状があまりに自分とそっくりなので、途中から画面に釘づけになってしまいました。
 次の日、即効性のあるというホルモン療法に関心を持ち、何件かの婦人科に電話をしてホルモン療法を行っているという病院に行きました。
 いろいろな検査を受け、担当の先生と話をしていたところ「ときには自分をいたわること、目標が達成できなくても許してあげることも大切ですよ」と言われました。
 キリキリした私の顔から、何かを察してくださったようです。
 ホルモン療法を始めてからは、少しずつ症状がよくなりました。本で治療のメカニズムを勉強していましたが、実際に目に見えて効果があると、こうも違うものかとびくりしてしまいます。
 仕事の方も若い後輩に少しずつ任せていき、自分がアドバイザー的な立場になるような余裕が出てきました。
 そして歌が好きなので、週に1回コーラスのサークルに通うことにしたのです。
 歌はストレス解消にもなります。最近では生活に余裕を感じるようになりました。

47歳の一年間は更年期障害との戦いの日々
私の更年期体験
忙しい毎日に次々起こるめまいや生理痛に悩まされて
 それは突然訪れました。ある日の朝、起き上がろうとした瞬間、クラクラッというめまいに襲われ、そのままベッドに倒れこみました。
 これが私の更年期障害の始まりでした。はじめはどこが体が悪いのだろうと内科を訪ねました。いろいろな検査をしても目まいの原因らしきものも見つからず、お医者さんは「疲れでしょうから、しばらくゆっくり休んではどうですかといいます。
 当時、私は会社で女性としてはいちばん重要な立場に立たされ、日夜多忙を極めていました。当然ストレスも多く、疲労がたまっていることは確かでした。しかし、1日以上やすむわけにもいきません。
 そのうち、毎月正確にあった月経が狂いだしました。40日以上ないかと思うと、20日くらいできてしまう、それもかなりひどく、スカートを汚してしまったことも。
 月経は重い、肩こりもひどい、めまいは1日何回も突然来る、会議の最中にめまいに襲われ医務室でやすむはめになったこともありました。いろいろなことが重なって、今までへこたれたことのない私もかなりまいってしまいました。
 でも47才という年齢もあり、すべての症状は疲労のせいだと思い込んでいました。

婦人科に通うようになって徐々に症状も改善。元気になる
 かかりつけの内科の医師が、ある日「婦人科にもいってみたら」と、紹介してくれました。そこで「更年期障害」という言葉を聞いた時のショック。まさか、まだそんな年齢とは思っていなかったので、晴天の霹靂、という言葉がぴったりでした。
 ただ、月経はだんだん間遠になってきたのは確かだし、そういわれてみればそうかもしれない、と納得。ホルモン剤もいただき飲みはじめました。書類を山のように読むのが仕事のうちなのですが、それがつらく感じることも多くなりました。肩もこるし、頭痛もするようになってきました。
 書類の細かい字がぼやけるので、余計つらく感じるのです。もともと近眼でコンタクトはしているのですが、近眼が進んだのかもしれないと眼科を訪ねました。検眼してみると、老眼が始まっているというではありませんか。またまたショックでした。
 老眼鏡をかけてみると、こんなに書類の字が鮮明だったとは、と驚きました。これで肩こりと頭痛は少しずつなくなっていきました。ホルモン剤が効いたのか、めまいも徐々に減ってきました。振り返ってみると47才の1年間は、更年期障害との戦いの日々だったなあ、と思います。


第6章
更年期に注意したい病気
更年期は生活習慣病年齢でもあります。更年期症状だと思っていたら、血圧庄や動脈硬化、婦人科の病気などが隠れているケースも多いので注意しましょう。閉経によってホルモンの分泌が変化するとともに進行する病気もあるので、おかしいと思ったら医師に相談を。この章ではこの時期に増える主な病気の症状や原因、治療法について説明したいと思います。

更年期にかかりやすい病気
20〜30代の性成熟期の女性の体は、エストロゲン(卵胞ホルモン)によって守られているため、同じ年代の男性より生活習慣病にかかる率は低くなっています。ところが更年期を迎えるころになるとエストロゲンの分泌が減り、さらに老化も進むため、更年期障害を訴える人の他に、さまざまな生活習慣病にかかる人も徐々に増えてきます。

エストロゲンの減少と深く関わってくる生活習慣病に注意が必要
 エストロゲンの減少によって、直接的、または間接的に影響を受けて起こる生活習慣病には、この時期特に注意しなければなりません。
 高血圧や動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞といった病気の発生は、閉経した後で増えてきます。これは、エストロゲンが減ってくると血液中のコレステロールがスムーズに排泄されず、血管が細くなったり、弾力性を失うことが原因です。
 また更年期を過ぎた女性に、骨折が急に増えはじめるのは、このころから骨量が急激に減少するためです。
 骨をつくるにはカルシウム、ビタミンD、たんぱく質が必要です。エストロゲンはこれらを使って骨を分解し、新しく作るという作業を調節する役目もあります。エストロゲンの分泌が減ると、作られる骨は少なくなるのに、壊れる骨は増え、骨量が急速に減少します。そのため骨粗鬆症にかかりやすくなるのです。
年だからとあきらめずにまずは生活習慣の見直しから始めることが大切
 このように、更年期の女性は生活習慣病年齢でもあります。しかし、だからといって「年なんだから仕方ない」とあきらめたり、薬で治療する前に、まずは日ごろの食生活や運動など生活習慣を見直すことが必要です。
 高コレステロールは食生活を改善すればかなり効果があります。コレステロールの増加につながる動物性脂肪(バターや生クリームなど)は植物性脂肪(オリーブ油、ごま油、菜種油)に切り替えるのが望ましいでしょう。また肉料理を控えて、野菜、豆類、海草、きのこなどを積極的にとるようにしましょう。
 骨粗鬆症予防には、カルシウムをとることはもちろんですが、適度な運動も大切です。骨を動かすことが刺激になって、カルシウムが骨に沈着し、骨量が増えていくのです。 
 さらにカルシウムの吸収を助けるビタミンDも忘れてはなりません。ビタミンDは日光を浴びると活性化します。家に閉じこもってばかりいないで、外に出て適度な運動をすることも、骨を丈夫にするのに、大切な心がけです。

更年期から増えてくる婦人科の病気にも注意。念のため検査も忘れずに
 更年期の中期から後期になると、子宮など内性器や外陰部が委縮したり、かゆくなったり、萎縮性膣炎を起こしやすくなります。性交時に痛みを感じたり、不正出血が起こることもあります。これもやはりエストロゲンが減少することと深く関係があります。
 ただし、子宮がんや子宮筋腫、子宮頸管ポリープなどによって起こる不正出血もあります。一度でも不正出血に気づいたら、すぐ婦人科を受診することが必要です。
 閉経前は月経不順になることが多く、月経の出血かどうかの判断が難しいこともありますが、「おかしいな」と思ったら、まず婦人科で原因を調べてもらうことです。

生活習慣病検診、婦人科検診を定期的に受ける習慣を持ちましょう。
 高血圧や動脈硬化症、糖尿病などの生活習慣病は病気の程度が軽いうちは自覚症状が現れず、変だなときづいたときにはかなり症状が進行していることも少なくありません。
 また更年期障害と症状が似ていることがあり、見過ごしてしまう恐れもあります。
 特に症状がなくても、年に1回は生活習慣病検診を受けましょう。40歳以上の人は、各地区の保健所で行っている生活習慣病検診をうけることができます。働いている人は職場の定期検診を積極的に受けるようにしましょう。
 婦人科のガン検診は子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなどを調べます。外科の専門ですが、乳がんの検診もあります。また骨粗鬆症の予防的な検診で、骨量の測定を行っているところもあります。
 更年期になったら、原則は年一回、月経が不順になったら年2回はこれらの婦人科の検診も受けることをおすすめします。

更年期に気をつけたい婦人科の病気
更年期になると、婦人科の病気が増えてきます。ただの不正出血だと思って放っておいたら病気だったこともあります。1回でも出血がみられたら念のため婦人科に受診を。
子宮がん
子宮の入り口付近にできる子宮頸がん、子宮の奥の










































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