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更年期症状の3つのタイプとおすすめの漢方薬
 更年期症状を大きく分けると3つのタイプがあります。

●「上熱下寒」タイプ
 顔や上半身はほてるけど、腰や足など下半身には冷えの症状が出ます。
 このような冷えののぼせの症状を、中医学では、上熱下寒といいます。上半身ののぼせやほてりを取り除き、下半身を温める生薬を配合した漢方薬を処方します。
(おすすめの漢方)二仙湯加減または知柏地黄丸

●「腎陰虚」タイプ
 肩こり、耳鳴り、のぼせなどの症状が現れ、頭も重く、口が渇くような人。高血圧症で冷えの症状はない人。
 このような人の場合は、体質改善を行いながら、高血圧時の頭痛やめまいを取り除く複数の漢方の処方を行います。
(おすすめの漢方)六味地黄丸(体質改善)と左帰飲を基本に釣藤散と柴胡加竜骨牡蠣散を。

●「気滞お血」タイプ
 閉経後、気分がすぐれずイライラし、不眠や体調不良に悩まされるというタイプ。
 気が滞りがちになり、それに伴って血の流れも悪くなった結果、さまざまな心身症状や体の不調が起こります。
 中医学では、気滞お血を取り除くものと、精神を安定させる2種類の漢方をおすすまします。
(おすすめの漢方)
桂枝茯苓丸、通導散と抑肝散または加味逍遥散


更年期症状におすすめの食べ物
「医食同源」というように、食事は大切な養生の基本、毎日バランスよい食事をとることはもちろんですが、次のようなメニューをプラスするとさらに効果的です。

緑豆とはちみつのスープ
 更年期のむくみや肥満(特に水太り)便秘に効果的です。
 緑豆や夏バテにも効き、熱を尿として出す作用があります。ただし、下痢をしやすい人には向きません。
 また、このスープは高血圧症、動脈硬化、老化防止にも効果があります。
●作り方
緑豆100g、はちみつ小さじ2、水1tを鍋で煮て、緑豆がやわらかくなったら火から下ろします。緑豆は中華料理食材店で手に入ります。1日300tくらいずつ飲みましょう。

百合根とはちみつのスープ
 百合根には精神を安定させる作用があるので、イライラや落ち込みなど、更年期の精神症状が気になるときに飲むといいでしょう。
 また「益肺潤喉」といって気管支にも作用するため、風邪の後のせき、のどの乾きにも効果があります。
●作り方
百合根30g、はちみつ少々、水700ccを鍋に入れて火にかけ、20〜30分煮ます。

ハトムギ粥
 むくみを解消し、肩や腰の痛みを和らげる作用のあるお粥です。
 ハトムギには下痢、便秘、にきびや吹き出物などにも効果があるので美容食としても用いられます。
 繊維が多いので腸をきれいにし、最近では大腸がんにも効果があるというレポートも発表されています。
●作り方
ハトムギ300g、水700gを鍋で40分煮てお粥を作ります。

医食同源ならぬ「医茶同源」
 中国には健康を保つのにすぐれたお茶がたくさんあります。医食同源という考え方があることはお話ししましたが、ここでもうひとつ提案したいのが「医茶同源」という考え方です。
 特に女性におすすめしたいのが「益母草」から作られた益母草茶です。
 益母草には、地の巡りをよくする活血化血の性質があり、血が滞るお血をとり除く効果があります。
 また、最近ではホルモンの活性化を促したり、むくみをとる作用があることがわかっていrます。

鍼灸、指圧で改善する更年期症状
経絡を流れる生命エネルギーの循環をスムーズにする治療
 東洋医学の代表的な治療法に、鍼灸、指圧などがあります。
 最近では、ツボを刺激することによって体の悪いところを改善するツボ療法が日本でも浸透してきました。
 これらの治療法が、更年期症状の緩和、改善にどんな効果があるかをこれから紹介していこうと思います。
 東洋医学には、経路という独特の考え方があります。経路とは、全身にエネルギーを供給する経路です。
経路は体のすみずみを流れ、多くのツボと関連を持っています。
 健康な時はこの流れがスムーズなのですが、流れがとどこった場合には体に変化が見られるのです。
 東洋医学では、生命活動を維持する気、血、水の3つの物質の変調、不調和によって病気が起こると考えられています。
 更年期のほてりやのぼせ、冷え、めまいなどもこの不調和に関係しています。
 鍼灸師などの専門家は、四診によって患者の状態を細部にわたって観察し判断します。
 そして、鍼灸、指圧、マッサージなどの方法でその人に適した治療を行うのです。
 次に、鍼灸、指圧それぞれの具体的な方法や効果について紹介しましょう。

人間の痛みの感覚を利用してはりで患部を刺激する鍼治療
 皮膚には、痛みの感覚、温度の感覚、触圧の感覚などがありますが、そのうちの痛みの感覚の一種を利用した治療法が、はり治療です。
 一般的なはり治療は、注射針より細くて弾力性のあるはりを、針管という器具を使って体に刺し入れます。
 このはりの刺激によって、機能が減退している神経や内臓、筋肉を活性化させたり、逆に興奮している神経を抑制したりします。
 また、足首のツボをはりで刺激することによって、腰の痛みを和らげたり、皮膚に刺激を与え、内臓機能を整える、といった反射作用もあります。
 そして、はりを刺した患部の血液や体液の循環をよくする誘導作用もあります。 
 鍼灸師は患者の症状によって、これらの作用を使い分けます。はり治療には熟練した技術と資格が必要ですので、必ず専門の鍼灸師の治療を受けるようにしましょう。

温熱効果を利用して、患部に刺激を与える灸による治療
 灸は、よもぎを原料とするもぐさを皮膚に乗せ、それを燃やすことで患部に刺激を与える温熱療法です。
 灸をすえた場所に対する効果は、機能が減退していた筋肉神経を興奮させて、しびれなどを改善する興奮作用と、神経のたかぶり、けいれん、神経痛などをおさえる鎮静、抑制作用があります。
 灸の特徴のひとつに、灸をすえた場所から離れた体の部位にも効果を及ぼすことがあります。
 例えば、腕や脚などにすえた灸の刺激を、内臓や疾患を起こしている場所に伝導させて治療させることができるのです。
 また、充血やうっ血、水腫などがある個所から灸をすえた場所にむかって、血液や体液を導くことで、血液や体液の循環を整える、といった作用もあります。
 心地よい温熱感や芳香も灸の大きな特徴です。

自律神経の働きを整え、心をリラックスさせる指圧の効果
 指圧は、手指で皮膚に一定の力で圧を加えることで、自律神経の乱れを調整して血液や体液の流れをスムーズにし、内臓の機能を整えます。
 例えば、のぼせ、冷え、動悸などの血管運動神経症状は、血管の拡張を収縮をつかさどる自律神経が上手に働かないために起こります。
 指圧で皮膚に安定した圧を持続的に与え、自律神経の緊張や弛緩が調整されるようになれば、血行は穏やかになって症状は改善されるわけです。 
 肩こり、腰痛などの運動器症状の場合は、指圧によって滞っていた血流を促進します。
 また、指圧は体だけでなく、ストレスや不安感、イライラなど、心の症状にも大きな効果があります。
 皮膚にぴったりと手をあてがわれることで、肌と肌がふれあう安心感が生まれ、ゆったりした気分でリラックスできます。
 実際に、不眠で悩んでいた更年期の女性が、指圧の途中で心地よくて眠ってしまうという例もあるくらいです。
 更年期は、夫や子供のこと、姑との付き合い、仕事の悩みなど、心労が多い時期です。肩がこる、頭痛がひどい、といった症状の裏には、心の悩みが隠されていることも少なくありません。
 精神症状を改善するには、精神科や心療内科での治療、ホルモン補充療法などがありますが、指圧によって凝り固まっていた気持ちがほぐれて楽になることもあります。これは病院での治療にはない、指圧の長所といえるでしょう。

毎日の生活の中で心がけたい自分でできる健康療法
 針灸、指圧の治療を受けなくても、そして「私は更年期症状はないわ」をいう人でも、常に自分の体を振り返って、考えて、わるいところがあれば改善していこうという気持ちを持ってほしいと思います。
 そのために日常生活でできること、実行してほしいことを挙げておきましょう。
 @皮膚を通して体に適度な刺激を与えること。タオルによる乾布摩擦や足湯、腰湯などをおすすめします。
 A適度に体を動かすこと。意識して歩くこと、簡単な体操をすることなど、自分でできて長続きする健康法をみつけ、自分の体を向き合うチャンスにしてください。自分の体を自分で大切にすることがいちばん大事です。

息子の独立の寂しさから早期閉経になる
私の更年期体験
東京で就職するという息子に取り乱し体調も崩してしまう
「東京で就職するよ」
大学4年の息子からの電話におどろかされたのは2年ほど前でした。
 大学は東京に出したけど、卒業後はこちらに帰ってきてくれるとばかり思っていた私には目の前が真っ暗になるくらいにショックだったのです。
 ひとり息子なものですから、それはもう目に入れても痛くないくらいにかわいがって育てました。
 東京の大学に進学したい、といわれたときも、最初は反対しましたが、夫の「好きなようにやらせてやらばいい」の一言で、泣く泣く送り出したのです。
 それからというもの、夏休みやお正月など、息子の帰省だけを楽しみに暮らしていました。東京でたくさんの友達を作った息子にとっては、こんな親が少々うとましかったのかもしれませんね。
 それでも私は、卒業した息子がこちらで就職して、いい人を見つけて結婚して、という夢を思い描いていましたから、息子の電話を受けたあとは、寂しさと不安で眠れなくなるほどでした。
 体にさまざまな症状が出始めたのはその頃からです。
 食欲はまったくないし、頭痛や手足の冷えがひどくて夜も眠れない、まだ45才だというのに月経も止まってしまいました。
「母さんがこんな体になったのも、あなたのせいだからね」。
 息子に恨みがましい電話を週に何度もかけてしまう始末です。
 息子も嫌気がさしたのか電話にも出てくれなくなりました。
 あまりにも取り乱している私を見かねてか、夫にカウンセラーのいる病院に連れていかれました。

夫や診察してくれた先生に支えられて元気を取り戻す
 病院では抗不安薬を出してもらい、更年期かもしれないから婦人科に行った方がよい、とアドバイスをいただきました。
 婦人科を受診すると、ホルモン治療を受けた方がよいとの診断。
 治療を開始すると今まで悩まされてきた体の不調が気にならなくなり、少しずつ気分が落ち着いてきました。
 カウンセラーの先生や、婦人科の先生が親身になって話を聞いてくれたのも救いになったのだと思います。
 今まですれ違いの生活が多かった夫も、心配して早く帰ってきてくれるようになりました。みんなに支えられて、ようやく私が元気を取り戻したのは1年後でした。

完璧主義の私がおちいった不定愁訴の毎日
私の更年期体験
自分の体が思うように動かない焦りに振り回されて
 私は厳格な両親に育てられたため、昔からずっと成績もよく、まわりから「いい子ね」と言われ続けて育ちました。
「努力は人を裏切らない」という言葉を信条にし、勉強でも運動でも、そして仕事も主婦業も、努力して自分の思うとおりにこなしてきたのです。
 そんな私が50才を迎える頃、今まで経験したことのない、さまざまな不快症状が体のあちこちに起こるようになりました。
 ほてり、のぼせ、めまい、頭痛、毎日くるくると変わる症状に、自分の体が自分ではないような気がしていました。
 ふだんから食事にも注意し、規則正しい生活を送っていたので、どうしてこんなことになるのか納得できないのです。
 仕事や家事が思うようにはかどらないと会社の人や家族が、自分を白い目で見ているような、いや「お前なんか必要ないんだよ」と言われているような錯覚におちいりました。

テレビや本で更年期治療を知り、生活に余裕ができた
 ある日テレビで更年期のドキュメントをやっているのを見ました。更年期なんて、暇や女性が甘えているだけ、と思っていた私ですが、番組に登場する患者さんの症状があまりに自分とそっくりなので、途中から画面に釘づけになってしまいました。
 次の日、即効性のあるというホルモン療法に関心を持ち、何件かの婦人科に電話をしてホルモン療法を行っているという病院に行きました。
 いろいろな検査を受け、担当の先生と話をしていたところ「ときには自分をいたわること、目標が達成できなくても許してあげることも大切ですよ」と言われました。
 キリキリした私の顔から、何かを察してくださったようです。
 ホルモン療法を始めてからは、少しずつ症状がよくなりました。本で治療のメカニズムを勉強していましたが、実際に目に見えて効果があると、こうも違うものかとびくりしてしまいます。
 仕事の方も若い後輩に少しずつ任せていき、自分がアドバイザー的な立場になるような余裕が出てきました。
 そして歌が好きなので、週に1回コーラスのサークルに通うことにしたのです。
 歌はストレス解消にもなります。最近では生活に余裕を感じるようになりました。

47歳の一年間は更年期障害との戦いの日々
私の更年期体験
忙しい毎日に次々起こるめまいや生理痛に悩まされて
 それは突然訪れました。ある日の朝、起き上がろうとした瞬間、クラクラッというめまいに襲われ、そのままベッドに倒れこみました。
 これが私の更年期障害の始まりでした。はじめはどこが体が悪いのだろうと内科を訪ねました。いろいろな検査をしても目まいの原因らしきものも見つからず、お医者さんは「疲れでしょうから、しばらくゆっくり休んではどうですかといいます。
 当時、私は会社で女性としてはいちばん重要な立場に立たされ、日夜多忙を極めていました。当然ストレスも多く、疲労がたまっていることは確かでした。しかし、1日以上やすむわけにもいきません。
 そのうち、毎月正確にあった月経が狂いだしました。40日以上ないかと思うと、20日くらいできてしまう、それもかなりひどく、スカートを汚してしまったことも。
 月経は重い、肩こりもひどい、めまいは1日何回も突然来る、会議の最中にめまいに襲われ医務室でやすむはめになったこともありました。いろいろなことが重なって、今までへこたれたことのない私もかなりまいってしまいました。
 でも47才という年齢もあり、すべての症状は疲労のせいだと思い込んでいました。

婦人科に通うようになって徐々に症状も改善。元気になる
 かかりつけの内科の医師が、ある日「婦人科にもいってみたら」と、紹介してくれました。そこで「更年期障害」という言葉を聞いた時のショック。まさか、まだそんな年齢とは思っていなかったので、晴天の霹靂、という言葉がぴったりでした。
 ただ、月経はだんだん間遠になってきたのは確かだし、そういわれてみればそうかもしれない、と納得。ホルモン剤もいただき飲みはじめました。書類を山のように読むのが仕事のうちなのですが、それがつらく感じることも多くなりました。肩もこるし、頭痛もするようになってきました。
 書類の細かい字がぼやけるので、余計つらく感じるのです。もともと近眼でコンタクトはしているのですが、近眼が進んだのかもしれないと眼科を訪ねました。検眼してみると、老眼が始まっているというではありませんか。またまたショックでした。
 老眼鏡をかけてみると、こんなに書類の字が鮮明だったとは、と驚きました。これで肩こりと頭痛は少しずつなくなっていきました。ホルモン剤が効いたのか、めまいも徐々に減ってきました。振り返ってみると47才の1年間は、更年期障害との戦いの日々だったなあ、と思います。


第6章
更年期に注意したい病気
更年期は生活習慣病年齢でもあります。更年期症状だと思っていたら、血圧庄や動脈硬化、婦人科の病気などが隠れているケースも多いので注意しましょう。閉経によってホルモンの分泌が変化するとともに進行する病気もあるので、おかしいと思ったら医師に相談を。この章ではこの時期に増える主な病気の症状や原因、治療法について説明したいと思います。

更年期にかかりやすい病気
20〜30代の性成熟期の女性の体は、エストロゲン(卵胞ホルモン)によって守られているため、同じ年代の男性より生活習慣病にかかる率は低くなっています。ところが更年期を迎えるころになるとエストロゲンの分泌が減り、さらに老化も進むため、更年期障害を訴える人の他に、さまざまな生活習慣病にかかる人も徐々に増えてきます。

エストロゲンの減少と深く関わってくる生活習慣病に注意が必要
 エストロゲンの減少によって、直接的、または間接的に影響を受けて起こる生活習慣病には、この時期特に注意しなければなりません。
 高血圧や動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞といった病気の発生は、閉経した後で増えてきます。これは、エストロゲンが減ってくると血液中のコレステロールがスムーズに排泄されず、血管が細くなったり、弾力性を失うことが原因です。
 また更年期を過ぎた女性に、骨折が急に増えはじめるのは、このころから骨量が急激に減少するためです。
 骨をつくるにはカルシウム、ビタミンD、たんぱく質が必要です。エストロゲンはこれらを使って骨を分解し、新しく作るという作業を調節する役目もあります。エストロゲンの分泌が減ると、作られる骨は少なくなるのに、壊れる骨は増え、骨量が急速に減少します。そのため骨粗鬆症にかかりやすくなるのです。
年だからとあきらめずにまずは生活習慣の見直しから始めることが大切
 このように、更年期の女性は生活習慣病年齢でもあります。しかし、だからといって「年なんだから仕方ない」とあきらめたり、薬で治療する前に、まずは日ごろの食生活や運動など生活習慣を見直すことが必要です。
 高コレステロールは食生活を改善すればかなり効果があります。コレステロールの増加につながる動物性脂肪(バターや生クリームなど)は植物性脂肪(オリーブ油、ごま油、菜種油)に切り替えるのが望ましいでしょう。また肉料理を控えて、野菜、豆類、海草、きのこなどを積極的にとるようにしましょう。
 骨粗鬆症予防には、カルシウムをとることはもちろんですが、適度な運動も大切です。骨を動かすことが刺激になって、カルシウムが骨に沈着し、骨量が増えていくのです。 
 さらにカルシウムの吸収を助けるビタミンDも忘れてはなりません。ビタミンDは日光を浴びると活性化します。家に閉じこもってばかりいないで、外に出て適度な運動をすることも、骨を丈夫にするのに、大切な心がけです。

更年期から増えてくる婦人科の病気にも注意。念のため検査も忘れずに
 更年期の中期から後期になると、子宮など内性器や外陰部が委縮したり、かゆくなったり、萎縮性膣炎を起こしやすくなります。性交時に痛みを感じたり、不正出血が起こることもあります。これもやはりエストロゲンが減少することと深く関係があります。
 ただし、子宮がんや子宮筋腫、子宮頸管ポリープなどによって起こる不正出血もあります。一度でも不正出血に気づいたら、すぐ婦人科を受診することが必要です。
 閉経前は月経不順になることが多く、月経の出血かどうかの判断が難しいこともありますが、「おかしいな」と思ったら、まず婦人科で原因を調べてもらうことです。

生活習慣病検診、婦人科検診を定期的に受ける習慣を持ちましょう。
 高血圧や動脈硬化症、糖尿病などの生活習慣病は病気の程度が軽いうちは自覚症状が現れず、変だなときづいたときにはかなり症状が進行していることも少なくありません。
 また更年期障害と症状が似ていることがあり、見過ごしてしまう恐れもあります。
 特に症状がなくても、年に1回は生活習慣病検診を受けましょう。40歳以上の人は、各地区の保健所で行っている生活習慣病検診をうけることができます。働いている人は職場の定期検診を積極的に受けるようにしましょう。
 婦人科のガン検診は子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなどを調べます。外科の専門ですが、乳がんの検診もあります。また骨粗鬆症の予防的な検診で、骨量の測定を行っているところもあります。
 更年期になったら、原則は年一回、月経が不順になったら年2回はこれらの婦人科の検診も受けることをおすすめします。

更年期に気をつけたい婦人科の病気
更年期になると、婦人科の病気が増えてきます。ただの不正出血だと思って放っておいたら病気だったこともあります。1回でも出血がみられたら念のため婦人科に受診を。
子宮がん
子宮の入り口付近にできる子宮頸がん、子宮の奥の子宮体にできる子宮体がんの2つに分けられます。日本では頸がんの割合が多く、子宮がんの約9割を占めていました。最近は体がんの発生が増えています。

子宮頸がん
こんな症状です
 膣につながっている子宮頸部にできるがんです。40代の女性に多くみられます。早い時期には自覚症状がありません。進行すると、不正出血、性交時の摂食出血が起こることがあります。さらに症状が進むと、性器から断続的、または持続的に出血があり、出血量も増えます。

原因
 頸がんは、扁平上皮がんと腺がんにわけられますが、大部分が扁平上皮がんで、これは性体験のない女性には発生しません。
 男性との性生活を持った女性、とくに早婚だった人、妊娠・出産回数の多い人など性体験を豊富に持った女性がかかりやすいといわれます。
 しかし、頸がんの発生の確実な原因はまだ不明なので、男性との性体験を持つ女性は誰でも頸がんかかる可能性があるといえます。

治療法
 子宮頸がんは早期に発見されれば、ほぼ100%完全に治り、再発することもありません。
 進行の度合いによって切除する範囲は異なり、ごく早い段階で発見されれば、がんができている部分だけをとって子宮を残すこともできます。
 早期に治療するほど入院の期間も短くて術後の回復も早く、適切な治療を受けられます。5年以内に再発がなければ完治とみなします。

注意
頸がんは初期の段階にはほとんど無症状です。早期発見するには、必ず子宮がんの定期検診を受けることです。がんの発生を見過ごさないように、1年に1回、月経不順のときには2回の子宮がん検診を怠らないようにしましょう。
 もちろん不正出血や性交時の接触出血があったら、すぐに専門医の診察を受けなければなりません。

子宮体がん
 子宮頸部よりも奥の体部にできるがんです。更年期から閉経後の50〜55才が最も多く、ついで60代が多くなっています。

こんな症状です
 初期のうちから不正出血などがみられることが多いのですが、無症状のこともあります。
 月経の時期ではない性器からの不正出血や、いったん閉経した人が、月経が再開したかのような不正出血に気ついた場合は、すぐに婦人科の診察を受けるようにしましょう。
 おりものに血や膿が混じって悪臭を伴っていたり、量が増えた場合も要注意です。

原因
 原因は不明ですが、閉経後に長期にわたってエストロゲンのみを服用した人に発生する率が高いことから、エストロゲンと子宮体がんには何らかの関係があると考えられています。
 また子宮体がんは、肥満、糖尿病の人、出産経験がない、不妊症、閉経が遅い人にやや多く見られます。

治療法
 頸がんと違って、放射線治療での効果があまり高くない体がんは、手術療法を行うことが多くあります。症状によっては放射線治療やホルモン療法、抗がん剤療法を併用します。

注意
 30歳を過ぎたら、体質的要因がない人でも、積極的に子宮体がん検診を受けてほしいものです。がんは早期発見、早期治療がいちばんだからです。
 現在、各地方自治体による子宮がん検診は、頸がんだけしか行っていないところもあるようですが、希望者には体がんの検査も行います。
 子宮体がんの検査は、子宮腔内に細い管やブラシを挿入して細胞を採取するため、多少痛みを感じることもありますが、リラックスしていればすぐに終わります。
 検査当日は感染をおこさないために、入浴や性交や控えましょう。

子宮筋腫
 子宮筋腫は子宮の筋層にできる良性の腫瘍です。筋腫ができる位置は子宮体部がほとんどで、頸部や膣部にできることはまれです。
 女性の性器にできる腫瘍のなかでは最も多く、30〜40代の女性の3〜4人に一人は子宮筋腫があるといわれています。年齢的には40代が約半数を占め、ついで30代、50代となっています。

こんな症状です。
 筋腫の大きさや位置によって、症状は多少違います。子宮筋腫が子宮の表面にできて外側に飛び出す漿膜下筋腫、筋腫が筋層内で発育する子宮壁内筋腫、内側の粘膜のほうへ飛び出す粘膜下筋腫に分類されます。
 一般的な症状として、漿膜下筋腫はあまり強い症状が出ず、子宮壁内筋腫は過多月経と月経痛を、粘膜下筋腫は過多月経をおこすことが多いようです。
 いずれも筋腫が小さいうちは、自覚症状がないことが多く、大きくなるにつれて、月経時に痛みがあったり、月経量が増えて貧血になることもあります。
 他には腰痛、動悸、息切れ、頻尿、便秘などの症状もあります。筋腫があっても、閉経してしまえば月経がなくなるため症状は出ません。
原因
 筋腫の発生にはエストロゲンの作用が関係していると考えられます。
 性成熟期の30〜50代に筋腫の発生が多く、エストロゲンが減少する更年期以降になると筋腫があっても発育が鈍くなり、閉経後は委縮していきます。

治療法
 子宮筋腫は良性の腫瘍なので、症状がみられず、定期診察で問題がなければ、すぐに手術が必要なものではありません。
 月経が長引いたり、月経量が多く、貧血状態になる、不正出血がある、月経痛がひどい、腰痛や頻尿の原因になるなど、日常生活に支障がある場合は、治療する必要があります。
 治療法は年齢や症状、あるいは妊娠を希望するかどうかによって選びます。
 これから妊娠・出産を望む人には筋腫だけを切除する子宮筋腫核手術を行いますが、妊娠を望まずさまざまな症状に悩んでいる更年期の女性の場合には、子宮を全部とる子宮全摘手術を選ぶこともあります。
 薬物療法では卵巣からの女性ホルモンの分泌を抑える薬を処方します。飲み薬や鼻からの吸入、注射などの方法があります。ただし再発の可能性があるので、閉経が近い人や、手術は避けたい人などが対象となります。

注意
 子宮を手術で全部摘出した場合、月経はなくなりますが、卵巣が残っている限りホルモンの分泌に変化は起こりません。
「子宮をとると女性でなくなるのではないか」という不安をよく耳にしますが、その心配はありません。女性ホルモンを出しているのは卵巣で、子宮ではないからです。
 子宮を失うことで精神的な衝撃を受け、性生活に自信を無くしてしまう女性も少なくないのは事実です。しかし性交時に相手の男性には何の違和感も与えませんし、女性側も特に支障はありません。


子宮内膜症
 子宮内膜が、本来の場所以外のところに発生し、発育したしまう病気です。子宮菌叢内にできたものを子宮腺筋症といい、子宮自体がかたく、大きくなります。子宮以外の卵管、卵巣、骨盤腔などにできたものは子宮内膜症といいます。
 性成熟期の30〜40才代に多く、更年期以降には少ないとされています。子宮内膜症も子宮筋腫と同様にエストロゲンの影響を受けます。更年期になってエストロゲンの分泌が減少すると増殖することはありませんが、急に小さくなることもありません。

こんな症状です
 子宮内膜症が発生した場所によって症状が異なりますが、主な症状は強い月経痛です。下腹痛や腰痛、性交痛を伴ったり、月経量が増え貧血になることもあります。卵巣や卵管にできると不妊症の原因になります。腹膜や直腸に発生すると、排便時に激しい痛みを感じることもあります。
 閉経すれば症状もなくなりますが、性成熟期になってからあらわれた症状がしだいに重くなる傾向があります。

原因
 子宮内膜は、受精卵が着装できるようにホルモンの働きによって増殖し、妊娠が成立しなければ排出され、月経となります。この子宮内膜が子宮内腔以外の場所に定着してしまうことが原因ではないかといわれています。
 正常ではない場所にできた内膜組織は、月経周期に従って増殖、出血を繰り返します。そのため、定着した部分に血液がたまり、癒着や腫瘍やしこりができます。

治療法
 ホルモン療法と手術療法があります。どちらの方法を選ぶかは、症状の強さや年齢、妊娠を望むかどうかで考慮します。
●ホルモン療法 子宮を保存しながら薬で症状を軽減する方法です。性腺刺激ホルモンの分泌を抑制することによって、卵巣でのエストロゲンの生成をおさえる偽閉経療法が多く用いられます。ほかに、エストロゲンやプロゲストーゲンを投与し、ホルモンの分泌を妊娠と同じ状態にして排卵を抑え、月経を止める偽妊娠療法があります。
●手術療法 子宮内膜症を起こしている部分を取り除きます。


注意
 偽閉経療法の場合はいったん症状が治まってもまた再発する可能性があります。重い症状に苦しんでいて、妊娠・出産をすでに終え、閉経にはまだ間があるような場合には手術療法を選ぶ人も多いようです。

機能性出血
 正常の月経以外の性器からの出血を不正出血といいます。不正出血には大きく分けて、器質性出血と機能性出血があります。
 器質性出血は子宮に病気があるために起こる出血です。考えられる病気は、膣炎、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮頸部びらん、子宮頚管ポリープ、子宮がんなどです。
 機能性出血は、卵巣の働きが低下し、ホルモン分泌がアンバランスになることによって起こる出血で、思春期や更年期に多く現れます。特に更年期には無排卵性の月経や、黄体機能不全による出血がみられます。

こんな症状です
 軽い一過性のもので、すぐ治まる場合もあるし、出血が続いたり量が増えたりして貧血になることもあります。
治療法
 軽い出血は止血剤を用いますが、出血が続く場合にはホルモン剤を投与する治療になります。
 機能性出血であれば、ホルモン療法によって大部分は容易に出血が止まります。効果が出ない場合は、器質性出血である可能性もあります。
 また血液の病気が疑われる場合は、性器出血の他にも症状があります。
 出血の状態や体の変化は治療中、あるいは治療後に担当医によく説明し、指示を受けましょう。

注意
 更年期には卵巣機能が衰え、月経不順になりがちです。月経以外の出血が機能性出血なのか、病気による出血なのかまぎらわしく、考えられる原因もさまざまです。自分で判断するのは非常に難しいし、もし子宮がんなどがあったら手遅れになりかなません。不正出血があったらできるだけ早く婦人科を受診することをおすすめします。
 また月経が来ないから閉経だと思っていたら、妊娠だったというケースもあります。更年期には排卵のある月経周期の他に無排卵の月経周期が来る場合があります。
 その区別は難しいので、若い頃よりむしろ避妊が難しいといえるでしょう。このころの妊娠は、胞状奇胎などの異常な妊娠になる可能性も高いため、更年期から閉経期にも万一に備えて避妊は欠かせません。

子宮膣部びらん
 膣の中へめくれ出ている子宮のいちばん下の部分が赤くただれてみえるのが子宮膣部びらんです。「びらん」とは、表皮が欠損した状態をいいますがこれはびらんにみえるだけ。子宮膣部びらんは問題なく、成熟した女性の80〜90%にみられる状態なので心配ありません。

こんな症状です
 気になる症状はほとんどありませんが、おりもの、出血、接触出血が時折みられることもあります。

治療法
 病気ではないので、症状がでないものはとくに治療もおこないません。
 ただし、びらんが大きくおりものや出血が多い場合には、抗生物質や膣座薬を用いることもあります。繰り返し炎症を起こす場合は冷凍凝固法などで治療することもあります。

注意
 びらんががんに変化する心配はないので安心してください。
 しかし、赤くただれた状態は子宮頸がんの初期の状態と似ているので、がん検診は必ず受けるようにしましょう。

子宮頸管ポリープ
こんな症状です
 子宮頸管の粘膜の一部が膣の方向に垂れ下がったものです。粘膜が突出してこぶ状になっている状態をポリープといいます。子宮体部の粘膜にできるものもあります。
 どの年齢層にも発生しますが、40〜50才に多くみられます。
 症状がまったくないものも多く、がん検診でガン検診で発見される場合も少なくありません。
 おりものが増えたり、不正出血、性交時の接触出血が起こることもあります。

治療法
 小さなポリープは外来診察で取り除けます。大きいものは入院して切除することも。


子宮内膜炎
 子宮体部の内膜に細菌が感染して炎症が起こる病気です。名前が似ているので間違いやすいのですが子宮内膜症とは別の病気です。

こんな症状です
 初期の症状は、おりものの増加や下腹部の痛みなどです。性交時に少量の出血がみられることもあります。
 症状が進むと、下腹部の痛みが激しくなったり、発熱や腰痛が現れます。血や膿の混じったおりものや、不正出血もよくみられます。

原因
 膣から大腸菌やブドウ球菌などが侵入し、膣炎→子宮頚管炎→子宮内膜炎という順で炎症が広がっていくことが多くあります。さらに卵管炎、骨盤腹膜炎と引き続いて起こることもあります。
 タンポンやコンドームを出し忘れすことが原因で起こる場合も少なくありません。
 また性感染症などがきっかけになることもあります。

治療法
 内診で子宮の腫れ具合などをみます。内診の方法は総合診といって、膣内に挿入した手と腹部に置いた手で触診します。
 そのほかに子宮頸管の分泌物と血液検査によって、炎症の原因となっている菌をつきとめます。
 治療には抗生物質と併せて炎症を鎮める消炎剤を投与します。治療期間は2週間から1カ月くらいかかります。


子宮下垂、子宮脱
こんな症状です
 子宮下垂は、子宮が膣の中にとどまってはいるものの、正常な位置よりやや下がっている状態をいいます。
 一方、子宮の一部または全部が膣から外へ出ている状態が子宮脱です。
 下腹部に不快感があったり、腰痛が起こったりします。子宮とともに膀胱や直腸が下がってくると、膀胱脱、直腸脱を起こすこともあります。尿失禁や頻尿になったり、膀胱炎を起こしやすくなります。
 原因
 出産回数が多い人、難産で子宮を支える筋肉が緩んだ人によくみられます。更年期以降は加齢によってエストロゲンの分泌が減少したり、分泌が不規則になるため、膣や骨盤低筋肉の緊張がなくなり、子宮下垂や子宮脱を起こしやすくなります。
 体質も関係していて、全身の筋肉や結合組織の弱い人は子宮下垂を起こしやすいといわれています。

治療法
 子宮下垂や子宮脱自体は治療の必要はありません。ただし、外陰部に出た子宮がこすれて炎症を起こし痛みを伴ったり、指で押しても戻らないような症状がある場合には、膣壁の縮小手術や会陰形成術などを行います。

注意
 腹圧がかかるとさらに子宮下垂が悪化してしまいます。長時間立ち続けたり、お腹に力が入るような重労働は避けましょう。


膣炎
 更年期になると卵巣機能の衰えとともにエストロゲンの分泌が減り、膣内の酸とアルカリノバランスが崩れて自浄作用が働かなくなります。
そのため、抵抗力が弱まり、細菌に感染しやすくなるので、さまざまな膣炎に悩まされることが多くなります。

萎縮性膣炎
 老人性膣炎ともいい、膣内に細菌が感染したり、膣粘膜が乾燥してひび割れたりして炎症を起こすものです。更年期以降の女性に多く、40代後半から50才代に入ると増えてきます。
 年齢的には若くても、卵巣嚢腫などの病気で卵巣を両方摘出した場合は、ホルモン分泌が変化するため萎縮性膣炎が起こることもあります。

こんな症状です
 おりものが増え、血液が混ざることもあります。かゆみや痛みはそれほどありませんが、性交痛を感じることもあります。

原因
 閉経が近づいて卵巣機能が衰えると、膣内の自浄作用が低下します。抵抗力が弱まったところに大腸菌やブドウ球菌などの細菌が侵入し、感染するのが原因です。それとともに、膣粘膜も乾燥して弾力性が失われてくるため、そこから出血することもあります。

治療法
 主にホルモン療法を行います。ホルモン剤には、エストロゲンのなかでも作用の弱いエストリオールを使います。1〜2週間で症状は軽減しますが、再発することもあります。また長期間にわたって使用すると不正出血を伴うこともあります。

その他の膣炎
 膣炎にはほかにトリコモナス原虫によって起こるトリコモナス膣炎や、カビの一種であるカンジダ菌によるカンジダ膣炎があります。
 感染経路は性交による感染がもっとも多く、他に入浴なども考えられます。
こんな症状です
 おりものが増えることげ気づく人が多く、外陰部やその周辺の激しいかゆみやほてりも特徴です。
治療法
 トリコモナス膣炎には、抗トリコモナス剤の膣剤や内服薬を用います。性生活で夫から妻へ、妻から夫へ感染しあうことがあるので(ピンポン感染)、夫婦どちらかだけではなく、同時に薬を服用して治療することが必要です。
 カンジダ膣炎には、抗真菌性の抗菌物質剤を使用します。
注意
 症状がなくなっても薬を勝手にやめたり、飲んだり飲まなかったりすると、再発を繰りかえすことがあります。あせらず、完治するまで根気よく治療を続けることが肝心です。

卵巣腫瘍
 卵巣は子宮の近くにある左右一対の臓器です。卵巣には腫瘍ができやすく、膣や子宮に比べると体の奥にあるため異常を発見するのが難しい臓器です。
 卵巣腫瘍は嚢胞性腫瘍と充実性腫瘍に分けられます。

卵巣嚢胞性腫瘍
 卵巣嚢腫ともいい、一般には良性ですが、まれに微小な悪性部分を持つこともあります。
こんな症状です
 初期には自覚症状がなく、かなり大きくなってから下腹部がふくれた感じを持ったり、腰痛や排尿障害などが出てきます。
 更年期症状だと自己判断せずに念のために婦人科を受診しましょう。
治療法
 卵巣嚢腫が良性か悪性化の区別はむずかしいのですが、悪性が少しでも疑われる場合は手術をします。腫瘍が小さい場合は消える可能性はありますが、大きくなったり悪性を見逃す危険もあるので、3〜4カ月ごとに検査を行い経過をみます。

卵巣充実性腫瘍
 卵巣が固く大きくはれる病気で、そのうちの約5%が卵巣がんなどの悪性腫瘍です。
こんな症状です
 卵巣がんの初期には目立った自覚症状がありません。かなり大きくならないと、体の外からは固いしこりに気づきません。肥満だと思い込んで発見が遅れる場合もあります。進行すると腹痛や下腹部が張った感じなどがあらわれます。
治療法
 腫瘍が良性の場合は、腫瘍のある側の卵巣だけ切除します。卵巣がんなど悪性の場合は再発する確率が高いので、両側の卵巣と子宮を切除する場合が多くあります。
 ただし、腫瘍の広がりや悪性度、年齢、出産を希望するかどうかによって、切除する範囲を決めます。

乳がん
 乳房および周囲にある乳腺に発生する悪性腫瘍です。動物性油脂を多くとる食生活の欧米化に伴って、日本女性にも乳がんの発生率が増加しています。年齢では、40代がピークで、次いで50代、60代、30代の順に多く発生します。乳がん検診を必ず受けましょう。

こんな症状です
 乳房にしこりができます。自分の手でふれることができるので、早期に発見しやすいのが特徴です。
 乳がんのしこりはかたくてコリコリした感じで、ほとんどの場合痛みはありません。しこりが大きくなると、皮膚がひきつれて乳頭や乳房がへこんだり変形することがあります。乳頭から分泌物がみられることもあります。
 初期の小豆大のしこりはちょっとふれただけでは確認できません。指の腹を使って軽く押しながらなでるようにさぐると、しこりの中心部の奥の方に、かたいしんのような感触があります。
 乳がん以外にも、乳腺炎、乳腺症、乳腺繊維腺腫などの症状に似たようなしこりができます。
原因
 子宮体がんや卵巣がんと同様に、女性ホルモンと深い関係があります。
 家族に乳がんや卵巣がんと同様に、女性ホルモンと深い関係があります。
 家族に乳がん患者を持つ人、出産経験のない人、高年初産の人、どちらかというと肥満タイプの人がかかりやすいといわれています。

治療法
 手術療法が中心で、乳がんの進行度によって乳房切除の範囲が異なります。
 術後に放射線療法、化学療法、ホルモン療法、免疫療法などを行い、効果を補強するのが一般的です。

注意
 乳がんは早期発見、早期治療によって完全に治る率が高く、不治の病ではなくなっています。初期にはしこり以外の症状が出ないため、自分でチェックして発見するのが確実です。月に一度、自己検診日を決めて乳房をチェックする習慣をつけましょう。また年一回の定期検診を受けることもおすすめします。
 更年期はホルモンの状態がアンバランスになり、乳がんに対する十分な注意が必要です。


42才で月経も終わり、次々と襲う老化現象
私の更年期体験

 下町の開業医に嫁いだ私の生活は、まるでお手伝いさんのような日々です。新婚の夫婦の部屋は、かつてお手伝いさんの部屋だったのですから、そのままといえるかもしれません。
 こどもも2人生まれ、姑との闘いはありましたが、それでも40代までなんとか過ごしてきました。私が若かったので、体力的にも精神的にも耐えられたということもあるでしょう。
 ところが42才で閉経。早すぎる閉経も、お医者さんに言わせると、ストレスも関係しているとのこと。でも、生理がないのはめんどうもなくていいや、くらいのつもりでいました。
 私が年をとるのと同じように姑も老いていきます。それに伴って、頑固さや小意地の悪さも加速していきます。昔のお嬢様である姑にとって、息子より2才年長、商人の娘である私の存在そのものが気に入らないのです。
 何度か家を出て友人の家に避難したこともありますが、夫が迎えにきてく帰るという繰り返し。優しいだけが取り柄で姑との間にたってくれるような夫ではないのですが、娘が苦労をわかってくれていることもあって、戻っていました。

若年性の白内障、ひざの故障と骨粗鬆症と次々襲う病気
 あるとき、目の前に小さな虫が飛んでいるのに気づきました。それがいつものことなのでおかしいなと、眼科に診てもらったところ、白内障との診断。まだ40代なのにとショックでしたが、若年性白内障だから様子をみましょう、と言われました。
 でも、結局1年目には手術。それと同時期に腰と膝が痛くて正座もできないようになりました。茶道をやっていたのですが、正座ができなくてはとても続けることができません。
 体重が70kg近くあったので、そのせいだからやせるようにと言われ、ダイエットも始めました。ダイエットで50kg代まで落としたのですが、それでも膝の調子は戻らず膝も手術をすることになりました。
 こうやって、次々と老化による病気と闘っているうちに、身長が5cmも低くなっていることに気づきました。骨粗鬆症がすすんでいたのです。高校時代の同窓会に出席すると、当時の友人に「私より高かったはずなのに、ひくくなったわね」と言われ、改めて自分の老化に気づかされたのです。
 同年齢でも生き生きと若い友人もいて、私はいったいどうしたこんなに年とってしまったのかなあと哀しくなります。


更年期に気になる生活習慣病
動脈硬化症
 動脈硬化というのは血管の老化現象で20才を過ぎる頃からすでに始まり、だれもが避けられないものです。この血管の老化が加齢以上のスピードで進行し、体のさまざまな部分に病的な変化が起きてくるのが動脈硬化症です。
 動脈硬化には粥状硬化、中膜硬化、細動脈硬化の3種類があります。特に粥状硬化には注意が必要で、血液中のコレステロールや中性脂肪が血管の内壁に粥状に付着した場合に起こります。

こんな症状です
 動脈は全身の組織に、酸素を含んだ血液を運ぶという役割があります。動脈硬化が進行すると、動脈が弾力性をうしなってもろくなったり、動脈の内側が狭くなることによって血液がながれにくくなります。
 すると体の各組織は酸欠状態になります。脳動脈硬化の場合はめまい、のぼせ、不眠、頭痛、物忘れなどの症状が出ます。悪化すれば脳梗塞や一過性脳虚血発作の原因となります。
 冠状動脈硬化の場合は、心臓部の圧迫感、動悸、息切れなどの症状が出て、狭心症や心筋梗塞などの原因となります

治療法
 動脈硬化から起こる病気を予防するのは日常生活の心がけしだいです。
●食生活 血液中のコレステロールを増やす動物性脂肪を控え、植物油や魚、海草、野菜を積極的に取りましょう。肥満を防ぐために食べ過ぎには注意します。
●運動 有酸素運動は、酸素を十分に血液に送ることによって、血管のみならず、筋肉、骨を老化から守ります。しかし最近、有酸素運動をすることで、血液に活性酸素が発生し、これが動脈硬化を進行させることがわかっています。活性酸素を取り除くために、カロチン、ビタミンE、ビタミンCなどを十分にとりましょう。
●日常生活 タバコは動脈硬化の原因になります。また睡眠や休養は十分にとり、ストレスをためないような心がけも。
●薬物療法 降圧剤や脂質代謝改善剤、血管拡張剤などを服用します。ただし、薬に頼らず、食事や日常生活の改善が先決です。
注意
 動脈硬化による体の変化は、更年期症状とよく似ています。めまい、のぼせ、不眠などの症状が現れたら、念のため、早めに病院で検査を受けましょう。

高血圧
 血液が体のすみずみまでいきわたるには圧力が必要です。血管壁に与える血液の圧力を血圧といいます。
 心臓がギュッと収縮して血液を大動脈に送り出すとき、血圧は最も高くなり、この時の血圧を最高血圧と呼びます。反対に心臓が拡張した血液をため込むときは血圧が低くなり、この時の血圧が最低血圧です。
 WHO(世界保健機関)による血圧基準では、最高血圧160以上、最低血圧95以上の両方、またはいずれかに当てはまる場合を高血圧とみなしています。

こんな症状です
 初期にはっきりした症状は現れませんが、見逃したために重症になるとさまざまな合併症を起こします。
 脳に影響すると、頭痛、耳鳴り、肩こり、めまい、眼底出血などが現れます。心臓の症状では、息切れ、動悸、心臓の圧迫感などがあります。腎臓に影響すると尿蛋白が出たり、足がむくんだりすることもあります。

原因
 高血圧は、本態性高血圧と二次性高血圧に大きく分けられます。
 高血圧の大部分は本態性高血圧で、原因がはっきりわからないものを呼びます。それに対し二次性高血圧は、原因が腎臓や内分泌の病気のために起こるということがはっきりわかるものです。
 本態性高血圧は遺伝や食事、精神的なストレスなどが原因だと考えられていますが、まだ決定的な解明はされていません。

治療法
 二次性高血圧は、原因となる病気を治療することが先決です。
 一方、本態性高血圧は、まず食生活と生活環境を改善してストレスを少なくすることが必要です。
●食生活 塩分のとりすぎは禁物です。調理には薄味を心がけると同時に、インスタント食品や外食の塩分にも要注意。肥満は高血圧を招くので体重コントロールを。
●運動 適度な運動も大切です。ウォーキングや水泳、ジョギング、自転車こぎなど、有酸素運動が効果的です。
●日常生活 ストレスをできるだけためないよう、日ごろから上手に気分転換をはかりましょう。
 生活習慣を見直すだけで、血圧はかなりコントロールできますが、それでも改善されない場合は、専門医に相談し、降圧剤を服用することもあります。
注意
 更年期を迎えると、それまで正常だった人も、高血圧になることが少なくありません。ホルモンバランスが崩れて自律神経の働きが不安定になることや、肥満になりやすいこと、家庭内でのストレスが多くなる時期であることが原因として考えられます。
 しかし、本態性高血圧の場合は更年期障害と区別して治療を受けなければなりません。
 高血圧は動脈硬化の進行を早め、脳や心臓の循環障害を引き起こします。日ごろから血圧をチェックし、健康のバロメーターにするのもよいでしょう。


心臓病
 心臓の筋肉に血液がいきわたらなくなると、血液によって運ばれてくる酸素その他の成分が不足するため、心臓の機能がしだいに低下し、その影響が現れる症状です。代表的な病気は、狭心症と、心筋梗塞です。

狭心症
 心臓に送られてくる血液量が極端に少なくなると、心臓の筋肉が酸素不足になり、発作的な胸痛が起こります。
 精神的な緊張、階段を上がる、過食、過労、喫煙などが引き金になって発作が起こる労作狭心症と、特にきっかけがなくても睡眠中や安静時に起こる安静狭心症があります。
 発作の頻度が増えて、次に心筋梗塞を起こすかもしれないと予測されるような状態を、不安定狭心症といいます。
こんな症状です
 発作時に、左の前胸部を中心に胸部一帯が痛みます。左肩や左腕、頸部などに痛みが放散することもあります。
 圧迫され、締め付けられるような痛み、焼き付くような痛みなど、痛みの程度はさまざまです。発作の回数や持続時間が増えてくると、心筋梗塞に移行する危険があります。
原因
 心臓に血液を送る冠動脈硬化症の原因には、高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙、肥満、過労などが挙げられます。
治療法
 胸痛が起こったら、血管を一時的に広げるニトログリセリンで応急処置をします。発作が頻発する不安定狭心症の場合は、心臓にバイパスを作ったり、血管の通りをよくする手術を行うこともあります。
 その他、専門医による薬物療法とともに、食事など日常生活の指導も受けることがあります。

心筋梗塞
 狭心症が進行した状態で、心筋細胞が酸素不足になって壊死が起こるものです。
こんな症状です
 通常20〜30分以上の胸をかきむしるような激しい痛みが続き、治ってもまた再発します。
治療法
 早急に専門医の治療を受ける必要があるので、症状が出たら一刻も早く救急車を呼びましょう。
注意
 女性の場合、更年期を過ぎると発病率が増えてきます。自覚症状がなくても、年に1回は定期検査を受けましょう。
 心臓病の予防としては、心臓に負担がかかる危険な因子を少なくすること。たとえば、減塩を心がけ、栄養バランスのとれた食事をすること、アルコールの飲みすぎや過食を避ける、タバコをやめる、ストレスや過労を取り除くなどです。
 
糖尿病
 筋肉や脳、その他の組織が機能するには、血液中のぶどう糖が必要です。ブドウ糖は腸から吸収されたり、肝臓で作られて、血液の中を流れ血糖となります。ところが、脾臓から出るインスリンというホルモンが不足すると、血糖がエネルギーとして順調に利用されず、残ってしまいます。その結果、血糖の濃度が高くなり、糖尿病に至るのです。

こんな症状です
@のどの乾き
A疲労感
Bやたらに空腹感を覚える(特に甘いものがほしくなる)
C尿の量や回数が増える
D手足の指がしびれる
Eいくら食べてもやせる、など。
 糖尿病を放っておくとさまざまな合併症を引き起こします。

@網膜症(眼底の網膜に血管障害を起こし、失明する危険もある)
A尿毒症(腎臓の小血管がおかされて尿のろ過機能が低下し、生命の危険もある)
B神経系の障害(手足が痛んだり、感覚が鈍る)
Cこのほか、心筋梗塞や脳血管障害、肺結核、湿疹やおできなどの皮膚病

原因
 危険因子として考えられるのは、肥満、甘いものの食べ過ぎ、運動不足、ストレス、遺伝的な体質などが挙げられます。
治療法
●食事療法
 医師は患者の身長や体重、体の状態、労働量などを考慮し、1日に必要な総エネルギー量を決めます。さらに栄養バランスのとれた食事内容で、血糖値を正常な状態に近づけていきます。
●運動療法
 食事療法を併せて適度な運動を規則正しく行うことも必要です。運動することによって、筋肉の細胞がブドウ糖を取り込むのを助け、インスリンの需要量をおさえることができるのです。
 病院によっては糖尿病の教室を開設して、食事や運動、日常生活の管理法を指導しているので、利用するといいでしょう。
●薬物療法
 インスリン注射、経口血糖降下剤療法などがありますが、いずれも素人判断で使用するのは避けましょう。必ず専門医の指示通りに、正しく行うことが必要です。
注意
 糖尿病を放っておくとこわいのは、さまざまな合併症を起こすことです。重症になると生命の危険もあります。合併症を予防知るためには早い時期に発見し、正しい治療を受け、生活管理することが大切です。更年期で肥満タイプの人、家族に糖尿病患者を持つ人は、定期的な検査を欠かさないようにしましょう。

骨粗鬆症
 骨からカルシウムとたんぱく質が抜けて骨量(骨密度)が減少し、骨がスカスカになって、ちょっとした刺激でも折れやすくなる病気です。骨に目の粗い軽石のように不規則な無数の孔があいて、すが入ったような状態になるので、別名骨多孔症ともいいます。
こんな症状です
 進行すると慢性の腰や背中の痛み、さらにはちょったしたことで骨折しやすくなります。背中や腰が曲がったり、身長が縮むこともあります。
原因
 カルシウムの摂取不足がもっとも大きな原因のひとつです。その他加齢、遺伝、運動不足、アルコール、喫煙、過激なダイエットなども危険因子になります。
 骨にはカルシウムを溶かす細胞と、新しく骨をつくる細胞があり、バランスを保っています。更年期になると、骨の形成、吸収の調節としている(カルシウムが溶け出すのを抑える)エストロゲンが減るため、細胞のバランスが崩れます。特に閉経後は、発症率が急増します。
治療法
 検査の結果、骨量が減少している場合、ホルモン補充療法や漢方療法、カルシウム剤やビタミン剤の服用で骨を強化します。
 症状が悪化し、痛みや骨折が起こった場合は整形外科を受診する必要があります。

注意
 いったん骨粗鬆症になると、骨をもとの状態に戻すことは困難です。更年期が近くなったら骨量を定期的に測定することをおすすめします。
 さらに骨の老化を予防するため、カルシウムを多く含む食品を食事に取り入れるよう心がけましょう。またカルシウムの吸収を助けるビタミンDやたんぱく質もしっかりとりましょう。インスタント食品や加工食品に多く含まれているリンはカルシウムの吸収を妨げるため、できるだけ控えるのが望ましいでしょう。
 適度の運動は、骨に負荷を与えることで骨を強化します。また太陽の光はビタミンDの合成を助けるので、戸外で体を動かしましょう。
 ただし、それまであまり運動しなかった人が急に激しい運動をすると、骨や関節を痛める心配もあります。速足で歩くなど、無理のないことから始めましょう。

腰痛
 腰椎に負担がかかり、痛みが生じるものです。人間の頭と骨盤の背骨には24個の椎骨があり、腰の部分にあたる5個の椎骨が腰椎です。
原因
 悪い姿勢で腰の筋肉に疲労を起こすのが原因です。更年期以降は腰椎の軟化に変化が現れ、腹筋や背筋の衰えが加わり、椎間板変性症という状態になりがちです。
 腰痛以外に発熱や吐き気などがある場合は、他の病気である可能性もあります。たとえば子宮筋腫、子宮内膜症、子宮がん、あるいは泌尿器系の病気が原因の腰痛もあります。
治療法
 強く痛むときは、楽な姿勢をとり、安静にすることが必要です。コルセットで固定するのもよいでしょう。
注意
 更年期を過ぎて中性脂肪が増え、運動不足で肥満傾向になると、腰のまわりの筋肉が弱まり、姿勢が悪くなるという悪循環になってしまいます。ウエイトオーバーの人は、体重を減らすことが第一ですが、適度な運動をして、骨や筋肉を強くすることも大切です。また中腰になったり、重いものをいきなり持ち上げないようにするなど、普段の動作にも気をつけましょう。

肩関節周囲炎
 四十肩、五十肩といわれ、50才前後の人に多くみられますが、最近は60才代で起こることも多くなっています。肩の関節とその周囲が痛み、肩を動かすのが困難になります。肩関節の周囲の組織が変化して炎症をおこすものです。
こんな症状です
 肩を動かすと痛みを感じ、肩がかたく冷たく感じることもあります。腕を上げたり背中に回したりする動作がいたみのためできなくなります。
治療法
 急な痛みの場合は安静にし、市販の湿布薬(鎮痛消炎剤の入ったもの)や痛み止めを利用してもよいでしょう。痛みが激しいときは整形外科医の診察を受けます。重症なら副腎皮質ホルモン剤や抗炎症剤投与されます。
注意
 痛みが治まってきたら、なるべく肩を動かす運動をしましょう。痛むからといって動かさないと、血液の流れが悪くなり、ますます痛むという悪循環になります。
 ストレッチ運動など、体に負担がかからない程度に少しずつ動かしましょう。根気よく運動と治療を続けていれば次第に治ってきます。
 入浴のときにゆっくり湯船につかり、肩を温めるのも痛みを和らげるのに効果があります。
































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