kotaro

身体に熱がこもっていませんか?
・イライラして気分が落ち着かず、夜、ねむれない…
・充血しやすく、鼻血がでやすい
・血圧が高く、のぼせやすい
・口内炎、皮膚炎、胃炎など様々な炎症症状
・お酒を飲むとほてる方の二日酔い

そんな方には…
 熱を冷まし快眠
ウチダの黄連解毒丸〜オウレンゲドクガン〜
身体にたまった熱を冷まし、すっきり快調、快眠!

ウチダの黄連解毒丸は丸剤です。
エキスでは抽出しにくい成分も丸ごと使用!
ゆっくり溶けるので効果が持続的です!
味のしにくい剤形ですので、苦いエキス剤が苦手な方にもオススメです!

黄連解毒丸には、こんな生薬がつかわれています。
黄連 熱を冷まし不安やイラだちを鎮めます。
黄柏 腎、膀胱の熱を冷まし出血を止めます。
黄ごん 肺や腸の熱を冷まし炎症を治します。
山梔子 熱を冷まし、炎症やイライラ、不眠を治します。

4つの生薬が身体の熱を冷まし体質改善!

ウチダの黄連解毒丸〜オウレンゲドクガン〜
ウチダの黄連解毒丸は漢方処方にしたがって、生薬粉末を配合して丸剤としたものです。

効能・効果
体力中等度以上で、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらして落ち着かない傾向のあるものの次の諸症:
鼻出血、不眠症、神経症、胃炎、二日酔、血の道症、めまい、動悸、更年期障害、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみ、口内炎
<効能・効果に関連する注意>
「血の道症(ちのみちしょう)とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことである。

ウチダの黄連解毒丸
イライラが止まらない
夜、眠れない
飲みすぎで朝がつらい



こんな症状にお悩みの方
・のぼせ、肩こり
・頑固な便秘
・痔など、排便時に痛い
・月経不順

[お血」ではないですか?
お血とは血液がドロドロになり流れが悪くなった状態です。

ドロドロ血液がサラに
そんなお血には…
駆お血丸〜クオケツガン〜
「お血」を駆逐し、症状を改善してくれます。

ウチダの駆お血丸は丸剤です。
エキスでは抽出しにくい成分や揮発しやすい成分、熱で分解しやすい成分も丸ごと使用!
小さい粒なので、体調やお通じの状態に合わせて、飲む量の調節が簡単!

駆お血丸には、こんな生薬が使われています。

牡丹皮・桃仁 お血を去り、血液の流れを改善します。
桂皮 気を巡らせ痛みやのぼせを改善します。
茯苓 水分の停滞を改善します。
芍薬・甘草 緊張を緩和し、痛みを止めます。
大黄・冬瓜子 熱を冷まし、排便を促します。
硫酸マグネシウム 熱を冷まし便をやわらかくし排便を促します。

生薬の働きで、ドロドロ血液を改善!

駆お血丸〜クオケツガン〜
駆お血丸は漢方処方にしたがって、生薬を配合し丸剤としたものです。

効能・効果
体力があり便秘しがちなものの次の諸症
月経不順、肩こり、のぼせ、きれ痔

駆お血丸

のぼせ、肩こりが…
頑固な便秘で毎日ツライ…
排便時に痛みが…



身体が冷えると胃腸が動かなくなります。
・胃腸が弱く吐き気がしやすい…
・食べると下痢や腹痛が起こる…
・疲れて食欲がわかない…

身体を温め、胃腸も快調

そんな方には…
ウチダの理中丸〜リチュウガン〜
 生薬が冷えた胃腸を温め、様々な症状を改善してくれます。

ウチダの理中丸は丸剤です。
エキスでは抽出しにくい成分や熱で揮発しやすい成分を丸ごと使用!
ゆっくり溶けるので効果が持続的です!

理中丸には、こんな生薬が使われています。

人参 元気を補い、身体を温め胃腸を整えます。
白朮 水のめぐりを改善し、下痢、吐き気を止めます。
乾姜 身体を温め、消化を助け、吐き気を止めます。
甘草 胃腸の緊張を緩和し、腹痛を治します。

身体を温めお腹の働きUPで疲れやすい身体を体質改善!

ウチダの理中丸〜リチュウガン〜
ウチダの理中丸は漢方処方にしたがって、生薬を配合し粉末化して丸剤としたものです。

効能・効果
体力虚弱で、疲れやすくて手足などが冷えやすいものの次の諸症:
胃腸虚弱、下痢、嘔吐、胃痛、腹痛、急・慢性胃炎

ウチダの理中丸
胃腸が弱く食欲がない
お腹が冷えて下痢しやすい
吐き気が…



胃の水分代謝が悪いとこんな症状が?
・普段から吐き気がする…
・胃が弱く、すぐ下痢や腹痛が…
・胃がムカムカして食欲がない…
・つわりや、二日酔などで吐き気が…

胃腸のトラブルも解決
 そんな方には…
ウチダの乾姜人参半夏丸〜カンキョウニンジンハンゲガン〜
生薬が水分代謝を助け、胃腸の状態を整えてくれます。

ウチダの乾姜人参半夏丸は丸剤です。
エキスでは抽出しにくい成分や、熱で揮発しやすい成分を丸ごと使用!
ゆっくり溶けるので効果が持続的です!

乾姜人参半夏丸には、こんな生薬が使われています。

人参 元気を補い、身体を温め、胃腸を整えます
半夏 胃腸の水の停滞をなくし、吐き気を止めます。
乾姜 身体を温め、消化を助け、吐き気を止めます。

水の代謝を改善し、吐き気や下痢・腹痛をサヨナラ!

ウチダの乾姜人参半夏丸〜カンキョウニンジンハンゲガン〜

ウチダの乾姜人参半夏丸は漢方処方にしたがって、生薬を配合し粉末化して丸剤としたものです。

効能・効果
体力中等度以下で、はきけ・嘔吐が続きみぞおちのつかえを感じるものの次の諸症:
つわり、胃炎、胃腸虚弱

ウチダの乾姜人参半夏丸

普段から胃腸が弱い
つわりが…
胃がムカムカ




お腹が冷えて、突然強い腹痛がして、時にムクムクと動く方。

匙倶楽部商品 大建中湯 エキス細粒G「コタロー」

本方は、身体が衰弱したものや、体内に冷えがあるものに用いる。症状は冷えると悪化する。冷えによる腹痛がある場合、腹痛は下から上へ移行し嘔吐感を伴う。

◆『金匱要略』に「腹中が非常に冷えて痛み、吐き気がして食事ができない。腹がムクムクと動いて、その動き方が、頭と足があるように上に行ったり、下に行ったりして、痛くて触ることもできない状態は、大建中湯がよい」と記されている。漢方でいう“裏の虚寒”すなわち、お腹全体に力がなく弛緩し、水とガスが停滞しやすく、腸の蠕動を外部から観察することができ、蠕動亢進の発作時に腹痛のたえ難いものを目標とし、腸管の動きの悪いものや狭窄、弛緩による腹痛等に用いられる。
◆平素から元気がなく、手足の冷えや食欲不振があり、寒冷刺激などに誘発されて腹部の激しい痛みを訴える方(虚寒)、普段は元気だが、寒冷環境や冷たい飲食物で急激に発生する腹部の痛みを訴える方(実寒)のどちらにも用いることができる。
◆臨床的には、開腹術後の癒着などによる通過障害、ないしは大黄、芒硝などの瀉下剤で腹痛、下痢などを起す方の便秘にしばしば使用される。腹痛が強いときは、芍薬甘草湯を併用し、嘔吐が強い場合には、半夏厚朴湯を併用するとよい。
◆臨床応用としては、過敏性腸症候群、子宮内膜症によって腸管に多量のガスが溜ることで、強烈な腹痛を来すような例にも効果があり、さらに尿路結石による突然の腹痛に対しても効果がある。

【効能・効果】
体力虚弱で、腹が冷えて痛むものの次の諸症:
下腹部痛、腹部膨満感

疲労倦怠感 寒がり はきけ・食欲不振 手足が冷たい 顔色不良 激しい腹痛 腸蠕動亢進

【処方構成と効能】
山椒・乾姜は熱薬で腹中や身体を温め、腸の運動を調節したり、鎮痛・鎮痙の効果をあらわす。山椒は腸管を麻痺させる作用も持ち、蠕動が過度に亢進したり、逆蠕動のために激しい腹痛をきたした場合に、最も適している。膠飴は補中緩痛の作用があり、急迫症状を緩め、人参と協力して滋養強壮、健胃作用を持ち、衰えた体力を回復する。
以上の薬能により、強い冷えと腹痛を治す効果があることが理解できる。

サンショウ・カンキョウ-温中散寒(お腹を温めて冷えの症状を取り除く)
ニンジン・コウイ-補気健脾

大建中湯 体力が衰弱して、疲れやすく、腹部が緊張と冷えのために痛むもの。
小建中湯 偏食が多く、腹痛を訴える子供に。
黄耆建中湯 虚弱体質で肌のしまりが悪く、ベタベタした汗や寝汗をよくかく方に。
補気建中湯 元気がない方の浮腫などによる腹部膨満感に。
柴胡疎肝湯 ストレスにより、胸脇や腹などがはるように痛む方に。

ココがこだわり!!
膠飴の量は原典に基づき1日16gを配合。
山椒は日本産のアサクラザンショウ、ブドウザンショウを使用。精油成分が多い山椒で、お腹の運動を調節する。





冬虫夏草の薬効と成分
              藤多 哲朗

冬虫夏草の薬効と成分
   摂南大学薬学部薬品製造学教授 京都大学名誉教授
                         藤多 哲郎

 冬虫夏草は、その薬物の名称から地球上の生物や季節など凡ての精気を含んでいるような気がする。冬虫夏草がブームになった理由は、最初、1993年、中国・馬軍団の女子陸上運動選手が、多くの金メダルを獲得し、記録を更新したことによる。その強さの秘訣は「スッポン、狗肉、冬虫夏草」入りのドリンクであると伝えられた。これら3品は、いずれも中薬辞典に記載されている薬物である。第二のブームは、冬虫夏草の人口培養による生産が可能となって、健康食品として市場の出たためと思う。ここでは、薬用のいわゆる「冬虫夏草と昆虫に寄生する菌類の成分と薬効」さらに現在、私たちが研究している「冬虫夏草類縁菌からの新規免疫抑制剤への開発」について述べる。


1 冬虫夏草
 現在、日本で一般的に冬虫夏草と総称されているものは、昆虫と寄生菌の子実体の合体したものである。古来より中国では、菌がセミの幼虫に寄生して生じた「蝉花」が小児の夜泣きなどに使用されてきた。中国では冬虫夏草は虫草、冬虫草とも呼ばれ、菌学者の小林義雄博士は混乱を避けるために、薬用の冬虫夏草に心ならずも支那冬虫夏草の名称を使用している。

1・1 冬虫夏草の生態

 薬用の冬虫夏草は、冬虫夏草菌(フユムシナツクサタケ)がコウモリガ科の幼虫に寄生したものである。虫体は第三令のカイコのような形をしているが、体内は菌糸で満たされている。その幼虫はタデ科の植物、珠芽蓼の地下茎を食し、この植物が自生していないと幼虫が生育できないという共生関係が成り立っている。そのタデ科の植物は日本のイブキトラノオと近縁植物である。冬虫夏草は四川、青海、貴州、雲南、甘粛、チベット、さらに中国の北方やネパールでも産する。ネパールでは王侯の秘薬として珍重、保護されている。産地が中国奥地の標高4,000メートルの高地であるため、中国においても知られたのは清時代で、ヨーロッパに紹介されたのは1726年、日本には1728年であった。

図1 冬虫夏草の生態
写真1 野生の冬虫夏草
写真2 市販薬用冬虫夏草


冬虫夏草に関してまとめられた書籍・文献は次のものが出版されている。

(1)小林義雄“日本・中国菌類歴史と民族学”廣川書店(1983)
(2)久保道徳 “冬虫夏草・秘密とそのパワー”保育社 (1996)
(3)江蘇新医学院偏“中葯大辞典(上)”787頁(1985)
(4)清水大典“冬虫夏草”ニューサイエンス社(1979)“原色冬虫夏草図鑑”誠文堂新光社(1994)
(5)難波恒雄“原色和漢薬図鑑(下)”保育社、233頁-234頁(1980)
(6)陣存仁“図説漢方医薬大辞典”172頁-173頁 講談社(1982)
(7)宇多川俊一、椿 啓介ほか“菌類図鑑(上)”70頁、437頁 講談社サイエンティフィク(1982)
(8)小林義雄、清水大典“冬虫夏草菌図譜”保育社、 137頁-140頁(1984)
(9)吉井常人“王侯の秘薬”サンライズ印刷出版(1990)
(10)高橋義博、洪嘉禾“奇跡を呼ぶ冬虫夏草”KKベストセラーズ(1994)。
(11)矢萩信夫、矢萩禮美子“「日本冬虫夏草」超健康法”ワニブックス(1994)
(12)王国棟“冬虫夏草類 生態、培植、応用”科学技術文献出版社(中国)(1995)。


1・2冬虫夏草と陰陽五行説
 冬虫夏草の「冬」は飲、「虫」は陽、「夏」は陽、「草」は陰である。中国清時代の呉儀洛(1757年)は『本草従新』で冬虫夏草について「甘平保肺。益腎止血。化痰已労嗽。」と記している。その意は「味は甘であるから平であり、肺を保ち腎を益し、血を止める。痰を化し、労咳を癒す」と解釈できるとされている。陰陽五行説に不詳の私にも、冬虫夏草の薬効説明は興味深い。五行説によると、病気は「木」の「肝」から始まり、「心」、「脾」、「肺」を経て「腎」に至る。五味の「甘」に属する冬虫夏草は、五材の「土」に属し、五臓の「脾」に入り、まず「脾」の病を治療する。ついで、「肺」を保護し、更にその次の「腎」を益するように働く。「平」の薬は、病で発熱している時(陽)、冷えて衰弱している時(陰)どちらにも使えることを示している。この時代、中国で考えている「脾」と現代医学の「脾臓」が同一のものかは不明であるが、脾臓は免疫を担当する重要な臓器である。

図2 冬虫夏草と陰陽五行


1・3 冬虫夏草の薬効・生理作用
 薬用冬虫夏草の化学成分と薬効・生理作用との間の科学的な研究は緒についたところである。注目される生理作用は、腫瘍細胞の成長阻害、免疫機能異常の改善、腎機能の早期回復、マウスの毛の再生作用、運動機能向上作用、血糖降下作用等である。これらの生理作用は、冬虫夏草菌類が純粋人工培養されるようになって明らかにされたものが多い。
 冬虫夏草そのものの研究は、1919年に薬理学的研究として平滑筋に対する作用が最初に報告された。中薬辞典には、結核菌に対する抗菌作用が記されている。最近、水抽出エキスがエールリッヒ腹水癌や繊維肉腫細胞移植マウスに延命効果をもたらし、マウスの免疫担当細胞による腫瘍細胞静止活性を増強させることが報告されている。しかし、これらの研究では、生理活性と冬虫夏草の含有成分との関係は明確でなかった。
 Chenらは、冬虫夏草そのものの多糖分画がヒト白血病細胞の成長と分化の阻害を、木方は培養菌糸体から抽出精製された多糖に顕著な血糖低下作用を報告している。Wangらは培養菌糸体の水可溶性分画をラット由来の培養副腎皮質細胞に適用し、コルチコステロン産生の増強を認めた。
 また、食品への利用として、竹友らは冬虫夏草培養菌糸体エキスの大量製造法を確立した。そのエキスを薬理学的に検討した結果、古来より伝承されている効能を認めた。すなわち、心肺機能の増強、血流量の増加および糖代謝亢進作用である。そのエキスの主成分は、タンパク質、糖質で、その他ミネラル等を含んでいるので、運動機能の向上や成人病予防を目指す食品への利用を考えている。


1・4 冬虫夏草類縁菌の代謝産物・生理作用
 薬用冬虫夏草のほかにも種々の昆虫に寄生する菌類が知られている。これらの菌の多くは、冬虫夏草と同属の完全時代のコルジセプス属、あるいはその不完全菌時代のイサリア属に属している。それらの生理活性代謝産物としては、C.militarisの抗菌物質コルジセピン、C.ophioglossoidesの抗菌物質オフィオコルジン、I,felinaのイサリインがよく知られている。古谷らは数種のコルジセプス及びイサリア属の人工培養菌糸体抽出物について、モルモットの摘出心臓に対する負の変力作用及びカルシウムイオン流入拮抗作用を検討した、。その結果、主要活性物質はアデノシン誘導体(HEA)であり、アデノシンも活性に関与している可能性を示唆した。生本らも古谷らの方法にしたがって市販冬虫夏草や同属菌糸体について検討したところ、C.militarisとI.felinaに冬虫夏草と同様の強い活性を認めた。その他、最近、矢萩らは、日本産虫草、ハナサナギタケ I.japonicaの培養液が、不飽和脂肪酸の過酸化をもたらすフリーラジカルを捕捉することを示した。
 学会で発表された報告では、矢萩らのハナサナギタケの免疫機能の増強、抗腫瘍活性ならびに成分研究に関する永年の研究がある。また、金城らは、C.crassisporaの培養抽出物の薬理活性(心筋収縮力、血管弛緩、気管支弛緩、血糖降下、抗ストレス、代謝機能調節、学習記憶)を調べ、脳分泌ホルモンであるメラトニンを単離・同定した。
 近い将来、以上述べた冬虫夏草の生理作用と科学的成分との関連性が更に明らかにされ、医薬並びに機能性食品としての有用性が科学的に証明されるであろう。


参考文献
(13)小倉享一、諏訪芳秀、田中隆治、吉栖肇、小川秀興、日皮会誌、96、195(1986)
(14)J,yoshida, S.takamura, N.Yamaguchi, L.J.Ren, H.Chen, S.Koshimura and Suzuki, J.Exp.
    Med.,59`157(1989).  J.Yoshida,S.Takamura, N.Yamaguchi, S.Suzuki and Koshimura, J.Kanazawa Med. Univ., 17, 330 (1992)
(15) Y.-J. Chen, M.-S.Shiao, S.-S.Lee and S.-Y.Wang, Life Sciences, 60, 2349 (1997)
(16)T.Kiho, J.Hui, A.Yamane and S.Ukai, Biol.Oharm.Bull., 16, 1291 (1993)
(17)T.Kiho, A.Yamane, J.Hui, S.Usui and S.Ukai, Biol,Pharm.Bull., 19, 294(1996)
(18)S.-M.Wang, L.-J Lee, W.-W. Lin and C.-M.Chang,J.Cell.Biochem., 69、483(1998)
(19)竹友直生、化学と工業、51、1614(1998)
(20)G.Deffeux et al.J.Antibiotics, 34, 1266 (1981)
(21)T.FUruya, M.Hirotani, M.Matsuzawa, Phytochemistry, 22,2509 (1983)
(22)生本 武、佐々木重夫、難波久子、遠山良介、守時英喜、毛利威徳、薬誌、111、504(1991)。
(23)N.Yahagi, M.Komatus, M.Hiramatsu, H.Shi, R.Yahagi, H.Kobayashi, H.Kamda, F.Takano and S.Fuchiya, Natural Medicines 53,319(1999)


2 冬虫夏草類縁菌から免疫抑制剤の開発
最近、臓器移植法案が国会で認められ、その後数回の脳死臓器の移植が行われた。生体あるいは脳死の臓器移植成功の鍵を握る薬は、移植後の拒絶反応を抑制する免疫抑制剤である。移植手術の成功率の急激な上昇は、スイスの製薬会社サンド(現在ノルバティス)による免疫抑制剤シクロスポリン(ciclosporin=cyclosporin A:CsA)の発見に負うところが大きい。さらに、日本の製薬会社・藤沢薬品が発見したタクロリムス(FK506)は、シクロスポリンよりも活性が高く、移植治療に多大の貢献をしている。しかし、両者に賢毒性などの副作用が認められ、また、両者は類似した作用機構をもつので、作用機構の異なった副作用の少ない免疫抑制剤が求められている。幸い、その要望に合いそうな化合物が冬虫夏草類縁菌の代謝産物から見つかった。私達は、それを元にしてより安全性の高い物質に導くことができたので、その経過の概略を述べたい。

2.1 免疫抑制剤研究の発端
 私たちの免疫抑制剤研究の発端は、椎茸の栽培に大きな被害を与えた菌類トリコデルマ属菌の椎茸菌成長阻害活性物質の研究であった。このトリコデルマ属菌培養液から多種のペブチドが単離され、その一つにトリコスポリドと名付けたペブチドがあった。このトリコスポリドは、冬虫夏草の属する昆虫寄生菌から分離されているイサリインと化学構造が類似し、両者は環状構造をもつシクロデプシペプチドに属している。他方、研究の初期、シクロスポリンを生産する菌の学名は、私たちが研究していたものと同一であった。その後、菌分類学的検討から、シクロスポリン生産菌の学名は図3のように改名された。そのようなことから私は免疫抑制に関心をもち、コルジセプスやイサリア属の昆虫寄生菌は、ひょっとすると昆虫の免疫様機能を低下させているかもしれない、さらには脊椎動物に対する免疫抑制活性物資を生産しているかもしれないと考えた。(本講演の後、発酵研究所・片桐 昭氏から、最近、シクロスポリン生産菌の完全世代がCordyceps subessilisであると同定されたことを教示された。謝意を表する。)
 そこで、入手可能な昆虫寄生菌を集め検討したところ、ツクツクボウシに寄生する菌、すなわちツクツクボウシタケから免疫抑制活性を示すISP-I(化合物T)が見つかった。免疫抑制活性テストの方法は、マウスの同種混合リンパ球反応(MLR:Mouse Allogenieic Mixed Lymphocyte Reaction)を用いた。この方法は移植の際の組織適合性の判定に用いられる。文献を調べると、化合物Tに該当する物質は、10年くらい前に二つの研究グループにより、抗カビ剤として他の菌(ミセリア属菌等)から分離されていた。彼らは、それぞれ独立にミリオシン、テルモジモシジンという名前で1972年に報告していた。しかしながら免疫抑制活性については、まったく報告されていなかった。

図3 免疫抑制活性物質研究の発端

図4 現在、臓器移植の臨床に適用されているシクロスポリンとタクロリムス、とISP-Tの構造
    ISP-Tの化学構造はシクロスポリンとタクロリムスそれらと比べ非常に単純である。


2・2 創薬の種子から先導化合物へ
 自然界の生物は多種、多様な物質を生産する。その各々は生命を維持するための役目があって働いていると考えられる。人類は、それらの生理・薬理作用に着目し、天然物を生薬として病気の治療に利用してきた。さらに、その有効成分は、医薬品創製の種子となり、あるいは合成医薬品の先導的役割を担う化合物となっているものが多数ある。化合物Tを薬にするためには、活性を上げると同時に毒性を抑えなければならない。今、考えると、化合物Tは種子的化合物であって、それから色々な作用をもつ先導化合物を創出できるように思う。
 化合物Tの構造と活性との相関性を調べるために、化合物Tを原料として種々の誘導体の作成を計画した。そのためには大量の化合物Tを必要とするので、効率よく化合物Tを生産するミセリア属菌を用いた。化合物Tの分離過程で、基本骨格は同一であるが置換基の異なる同族体マイセステリシン類A−Gが分離されてきた(表1)。そこで、官能基と活性との関係の検討すると、化合物T(ISP−I)の4位に水酸基(OH)がついているが、マイセステリシンDとEでは4位に水酸基がついていない。しかし、それらの間には活性に大差はない。それゆえ、4位の水酸基は活性に影響を与えないであろう。また、3位の水酸基の立体的な方向と活性との関係をみると、3位の水酸基は、化合物TとDでは太い点線で下向き、Eは太い実線で上向きである。これらの間にも、活性に大差はない。結局、3位の水酸基は方向が違っても活性に影響しないことを示し、さらに、3位の水酸基も不要かもしれない。なお、有機化合物の立体構造の表示法として、標準線で表示した炭素原子を紙面に置いたとき、実線は紙面から上向き、点線は下向きを表している。
 カルボキシル基(COOH)を一級アルコール(ヒドロキシメチル基CHOH)に還元すると、驚くべきことに、化合物Tのアミノ酸部分のセリン構造が変化しても、また、その不斉中心が消失しても元と活性があまり変わらない(表2 化合物3→化合物4)。通常、不斉中心をもつ生理活性物質は、その一方のみが活性で他方は不活性か、あるいは異なった作用を示すことが多い。後で判明したのであるが、この化学変化は免疫抑制の作用機構に質的な変化をもたらした。
 前述の結果と考察から、免疫抑制活性に必要な置換基は、アミノ基(NH)、二個のヒドロキシメチル基と炭素鎖があればよいことになる。これらの条件を満足する構造は構造式(6)で示され、それが先導化合物となった。そこで、この(6)で示される化合物の炭素鎖の長さと細胞レベルのMLR活性と生体レベルのラット皮膚移植生着日数との関係を調べた。MLR活性とラット皮膚移植生着日数は平行しており、免疫抑制活性が強く、毒性が低い化合物の炭素数は一四で、構造式は(6a)であった。
 次に、この(6a)の脂肪族側鎖にベンゼン環を導入することを試みた。ベンゼン環の導入は分子の運動性が変わり、生体膜に入ったときに影響を及ぼす。炭素鎖の長さは、一四に固定し、その間でこのベンゼン環を動かしてみた。ただし、ベンゼン環は、長さとして四個の炭素鎖長とみなした。炭素数nがゼロは、ベンゼン環が官能基に直結した状態であり、一〇は、ベンゼン環が炭素鎖の末端にあることになる。その結果、nが二の化合物(7)に最も強い活性が認められた。これを医薬品候補化合物としてとりあげ、FTY720(化合物U)と名づけた。
(表1、2の注 同種混合リンパ球反応MLRとは、同種たとえばマウスAとBの脾臓細胞(リンパ球)を培養する。この時、B細胞にはマイトマイシン処理をして増殖できないようにしておく。AとB細胞を混合すると、A細胞はB細胞を非自己と認識し、同種細胞障害性T細胞を分化増殖を抑制する。IC50値は増殖を五○パーセントに抑える薬物の濃度を示し、値が小さいほど活性が強い。)

表1 マイセステリシン類の免疫抑制活性(MLR)

表2 ISPーI誘導体の構造と活性相関

構造式 6、6a、FTY720


2・3 免疫抑制活性発現の最小基本構造
 化合物T(ISP−I)と同じ炭素骨格をもつ(6b)について、活性を発現させる最小基本構造を調べた。化合物(6b)からアミノ基を除いたものは不活性となるが、ヒドロキシメチル基(CH2OH)を一つ取り除いた化合物(8)にまだ活性が残っていた。構造式(8)から、さらにヒドロキシメチル基を除くと不活性となる。そこで、活性発現の最小基本構造は、(8)のような構造をもつアミノアルコールと推定される。ここで再びアミノ基のついた炭素に不斉中心がまた現れてくる。側鎖の長さと活性の強さを調べると、前述の(6a)と同様に最適炭素数は一四の化合物(9)であった。化合物(9)の立体異性体R−9とS−9の活性を比較するとR−9の方が高い。それゆえ、立体構造を含めた免疫抑制活性発現の最小基本構造は、2−R−アミノアルコールとなる。このアミノ基の配置は、生体内に通常存在する高級アミノアルコールであるスフィンゴシンのそれと同じであり、全構造も類似している(図5)。そこで、化合物Tも化合物Uもスフィンゴシンと密接に関係があることが予想される。


2・4 スフィンゴシンと化合物T(ISP−I)ならびにその関連化合物との関係
 化学構成から考えると、化合物Tならびにその関連化合物はスフィンゴシンと密接な関係をもっている。スフィンゴシン誘導体は生体膜に存在し、脳や神経細胞の細胞膜の構成成分として重要である。スフィンゴシンはアミノ酸のセリンと脂肪酸誘導体のパルミトイルCOAから生合成される。その最初の段階を蝕媒するセリンーパルミトイルトランスフェラーゼの作用を、カルボキシル基がヒドロキシメチル基に変化した免疫抑制活性化合物は、この段階を阻害しない。それゆえ、それらの化合物は、スフィンゴシンあるいは代謝過程のそれより下流の物質が、同種細胞傷害性T細胞を増殖させるために出す何らかの情報伝達を阻害しているのではないか、と考えられる。「化学構造が変わると作用点も変化する」という興味ある知見が得られた(図6)。
 免疫科学的に、免疫抑制剤がどのポイントを抑えているか、専門ではないが説明すると(図7)、いまドナーからの臓器(同種移植細胞)が来ると抗原提示細胞が、その特徴を抑え、それが異物であることを認識しヘルパーT細胞にその情報を伝える。ヘルパーT細胞はインターロイキン‐2(IL‐2)を生産・放出して、「ドナーから来た細胞を攻撃せよ」と同種細胞傷害性T細胞を増殖させ、攻撃を始める。このようにインターロイキン‐2が情報伝達物質になっている。シクロスポリンやタクロリムスはヘルパーT細胞からのインターロイキン‐2生合成を抑えている。一方、化合物Tや化合物Uは、その部分は抑えない。その先の、インターロイキン‐2の情報を受け取り同種細胞傷害性T細胞の増殖に至る過程を阻害している。その上、化合物UはT細胞による攻撃を抑えているような現象がでている。

図5 ISP‐Iから免疫抑制活性最小基本単位の探索

図6 ISP‐Iの生科学的作用点と関連免疫抑制物質の推定作用点

図7 ISP‐IとFTY720の免疫学的作用点

図8 同種移植モデルにおけるFTY720とCSAの併用効果
    A)ラット同種皮膚移植
    B)ラット同種心移植
    C)イヌ同種腎移植


2・5 他剤との併用効果
 通信に例えれば、シクロスポリンやタクロリムスは発信側を抑え、化合物Tや化合物Uが受信側を抑えることになる。そのように作用点が異なる両者を同時に用いると、通信阻害作用が効果的に働くことは当然予想される。医学的には、医薬品の併用による相乗効果が期待され、同じ治療効果を表すために、薬用量を下げ副作用を減少させることができるならば、患者にとって大きな利益となる。
 吉富製薬株式会社研究所の千葉健治博士らは、図8のようなラットの同種移植モデルにおける化合物U(FTY720)とシクロスポリンとの併用による相乗効果を証明している。また、タクロリムスとの併用効果も同様に観察した。
 では、化合物Uの作用機構がどこまで分かっているか?同博士らは、化合物Uの投与によって抹消血のT細胞(CD3+T cell)の数が急速に低下することを認めた。同博士らは図9のようなリンパ球のホーミング(homing:鳩などが巣に帰る)を考え、立証している。化合物Uは、リンパ球ホーミング作用にypって、循環しているリンパ球の数を減少させ、移植片への攻撃、すなわち拒絶反応を阻害していると考えている。
 冬虫夏草の類縁であるツクツクボウシタケから薬効として免疫抑制作用をもつ化合物T(ISP‐I)を見出し、さらに、副作用の少ない臨床適用の可能性を持つ化合物U(FTY720)に到達することができた。(本研究は、京都大学薬学部薬用植物化学講座、台糖株式会社研究所、吉富製薬株式会社研究所の共同研究である。ご協力賜った方々に深甚なる謝意を表します。)

図9 リンパ球循環とFTY720によるリンパ球ホーミング促進作用
   末梢血中を循環しているリンパ球は、高内皮性細静脈(HEV)を介して、リンパ節およびパイエル板へホーミングし、その後、リンパ管、胸管を経て、末梢血中へと再循環している。FTY720は、リンパ節およびパイエル板へのリンパ球ホーミングを促進す   ることによって、末梢血中のリンパ球数を減少させる。


終わりに
 この杏雨書屋には歴史的に価値のある医学・薬学の貴重な文献が保存されている。宮下三郎先生の話を拝聴して、自分たちが新規な研究を行っている気持ちでも、古人は、その時代の科学の概念で、冬虫夏草の薬効について示唆しているような気がする。古人が示唆した冬虫夏草の薬効のすべては、解明されていないが「温故知新」の心を大事にして研究すれば、人類の健康・医療に貢献する新知見(杏雨)が、さらに得られるものと思う。

第2章に関する参考文献
(24)J.F.Borel、History of Cyclosporin A and Its Significance Immunology.”CyclosporinA” J.F.Borel、Ed;Elsevier Biochemical Press:Amsterdam;5‐17(1982).
(25)a)H.Tanaka、A.Kuroda、H.Marusawa、H.Hatanaka、M.Hashimoto、T.Kino、T.Goto、T.Taga、J.Am.Chem.Soc.、109、 5031-5033(1987)。 b)T.Kino、H.Hatanaka、M.Hashimoto、M.Nishiyama、T.Goto、
    M.Okuhara、M.Kohsaka、H.Aoki、H.Imanaka、J.Antibiot.、40、1249-1255(1987).
(26)藤多哲朗、ファルマシア、33、591-593(1997)。T.Fujita、Dsign of Immunosuppres-sant based on fungal metabolites.”Towards Natural Medicine Research in the 21st Century” H.Ageta et al Ed.;Elsevier 
    Science B.V.(1998).
(27)三宅祐理佳、小堤保則、川嵜敏裕、医学のあゆみ、171、921-925(1995)。山地俊之、Yudi Sun' 小堤保則、蛋白質、核酸、酵素、46、2503-2509(1998)。
(28)川口貴史、星野幸夫、片岡裕敏、大槻真希夫、柳川芳毅、千葉健治、臨床免疫、30、1240-1244(1998)。





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1日2袋(3.0g)を目安に、水又はお湯と一緒にお召し上がりください。あるいは、お湯と混ぜてお召し上がりください。

板藍根の飲み方&養生
◆温かいしょうが湯と一緒に飲む。
 かぜの時は温かい飲み物(しょうが湯など)で体を心から温めるのも大切です。生姜は、体を温める野菜としてよく知られており、今では若い女性にも人気です。
◆外から帰ったら、手を洗いましょう。
 細菌やウイルス感染は、菌保持者からうつることが多いもの。外から帰ったら、すぐに手洗いをし、家の中に持ち込まないようにしましょう。
◆すぐうがいをする。
 かぜの菌は口から入ることが多いので、手洗いと一緒にうがいも忘れずに行いましょう。
 ※抗菌力にすぐれた板藍根をお湯に溶いてゆっくりノドを潤すように意識して飲むとさらに良い。
◆たっぷり睡眠をとる。
 早めに就寝し、たっぷり睡眠をとって、体力を養いましょう。

【板藍根ってなあに?】
板藍根とは、アブラナ科の一年草、ホソバタイセイ(菘藍)の根をさします。漢方の薬能では、清熱解毒薬に分類され、熱を冷まし、炎症を取り除く働きがあります。中国では昔から民間療法として用いられてきました。この植物の葉から藍色(あいいろ)のインジゴがとれ、藍染の染料としても利用されてきました。板藍根の「藍」の名前の由来でもあります。
薬理学的には抗菌作用、抗ウイルス作用、消炎解毒作用、免疫増強作用が認められており、漢方では清熱・解毒の効果があり、高熱や発疹、ノド痛を伴うような感染症、肺炎、耳下腺炎(おたふくかぜ)などに用いられています。

近年中国では日本脳炎、インフルエンザ、ウイルス性肝炎などに対する臨床研究が行われています。
また、中国では一般家庭でも板藍根はうがい薬や風邪薬としてよく知られています。





 血の巡りが悪くて、痛みやしびれを訴える方に
匙倶楽部商品 還元清血飲 エキス細粒G「コタロー」

中国中医研究院が開発した冠心U号方(丹参、川きゅう、赤芍、紅花、降香)に基づいてつくられた活血化お剤(血流改善)である。方名(冠心U号方)には狭心症、心筋梗塞など(中国では冠心病という)の治療薬という意味が込めてある。
◆お血の代表処方
 処方の大半が活血化お薬(血流改善)からなっており、お血による諸症状(疼痛、腫塊、出血など)に応用されている。
◆疼痛(主に頭、肩、胸などの痛み)
「通ずれば即ち痛まず、不通なれば即ち痛む」血流が滞ってお血になれば、痛みが発生する。お血の痛みは刺痛(針で刺したような)。固定性の痛みで、部位が移動することは少ない。揉むとかえって痛んだり(拒按という)、夜間(冷えて)に痛みが増す特徴がある。
◆腫塊(しこり)
お血が停滞して動かず、定着して形成される腫塊を示す。一般に腹中の腫塊は積聚(シャクジュ)とよばれ、お血による積と気滞による聚とに区別される。
お血による積は固定して移動しないほか、おさえると強い痛みがある。
◆出血
お血による出血は、色が暗紫色、ときには血塊が混在することが多い。
◆その他
病気や老化の一因とされる活性酸素を除去したり、血栓を溶解する働きがあることから、現代人に多い生活習慣病に期待されている。


頭痛、胸痛、肩こりを訴える
顔色が黒ずんで肌にツヤがなくザラザラしていることが多い。
胸部や腹部のしこり
手足のしびれ
下肢の静脈瘤

ときに胃痛、生理痛、関節痛、筋肉痛、神経痛を訴えることも

【効能・効果】
中年以降または高血圧傾向のあるものの次の諸症:頭痛、頭重、肩こり、めまい、動悸


【処方構成と効能】6味
丹参は本方の主薬で、これ一味で四物湯の効があり、芍薬、川きゅう、紅花の活血作用の主薬とともに血の巡りをよくして、お血を取り除く。また、「気巡れば血も巡る」といわれるように、気の巡りをよくする木香・香附子の理気薬で活血の働きを助けている。
タンジン シャクヤク センキュウ コウカ--活血化お

モッコウ コウブシ--理気止痛

ココがこだわり!!
1回服用量が2.0gと少なくて飲みやすい。
乳糖不使用のため、乳糖不耐症の方にも使用できる。

還元清血飲 お血全般に用いることができるが、基本的には胸部のお血が専門
疎経活血湯 手足の痛み、腰痛、関節痛など、経路、筋骨のお血によい。
きゅう帰調血飲第一加減 女性の疲れに、イライラして、手足が冷える、産後、術後のお血によい。
桂枝茯苓丸 うっ血しやすく、下腹部に痛みを訴える。子宮のお血によい。
桃核承気湯 上記症状で便秘を伴う場合に。胃腸や子宮のお血によい。





奇形と正経の関連性
  大山宗伯

 古人は正経と奇形の関係を川に例えて説明している。正経を川の本流とし、正経が病的な状態になると、氾濫して溢れ出し、水路でない水路をつくる。この水路を奇形だと説明している。この説明を基にして正経と奇形の関連性を考察する。

1.奇形の流注と経穴の考察
イ.督脈の流注及び経穴
 督脈の「督」は総監督の意を持ち、背部正中線を通って、陽経全部を総監督している。又陽脈の海と呼ばれる。その流注は会陰より出て、長強、命門を過ぎ、背中をのぼって、風府に至り、百会を通って額をめぐり、鼻をくだって齦交で止まる。
 督脈の経穴(29穴)
長強(督脈の経穴で、ここから分かれて任脈に走り、正経の少陰腎経が連なる所)
腰兪、陽関、命門、懸枢、背中、中枢、筋縮、至陽、霊台、神道、身柱、陶道(督脈足の太陽膀胱経の会穴)大推(手足の三陽、督脈、衝脈の会穴のあ門(督脈、陽維脈の会穴で、入って舌本に連なる)風府(督脈、陽維脈の会穴)脳戸(督脈、足の太陽膀胱経の会穴)強門、後頂、百会(手足の三陽、足の厥陰肝経、督脈の会穴)前頂、しん会、上星、神庭(督脈、足の太陽、陽明の会穴)
素りょう、水溝(督脈、手足の陽明の会穴)○端(手の陽明脈の気の発する所)齦交(任、督二脈の会)。
 以上二十八穴は正経に加えられている督脈のつぼであります。奇形に於いてはこれ等のツボに手の太陽小腸系の後谿穴が加えられており、この後谿穴を宗穴といい、最重要穴とされております。従って奇形の督脈穴は二十九穴になると考えられる。
ロ.陽きょう脈の流注と経穴
 陽きょう脈の「きょう」は軽く敏捷の意を持ち、足跟の別名でもある。陽きょうは跟中に起り、外踝より上行し、陰きょう脈と共同して人体の運動作用をつかさどると同時に眼瞼の開閉を司るといわれている。流注は足の太陽膀胱経の別脈と考えられ、跟中より起こり、外踝下の申脈より出て、僕参、附陽を経て、足の少陽胆経の居りょう、環跳をめぐり、膀胱二行線を上り、手の太陽小腸経の臑兪を通って、手の陽明大腸経の肩ごう、巨骨を経て、天鼎、扶突をめぐり、足の陽明胃経の大迎に上り、地倉、巨りょう、承位を上り、膀胱経の清明に移り、尚上行して足の少陽胆経の風池にて終わる。
 陽きょう脈の経穴(左右24穴)
申脈(膀胱経)(陽きょう脈の生ずる所といわれ、陽きょう脈の最重要穴とされ、宗穴といわれている。)
附陽(膀胱経)(陽きょう脈のげき)
僕参(膀胱経)(陽きょう脈の本とも云われていいる)


居きょう(胆経)(胆経、陽きょう脈の会穴)
肩ごう(大腸経)(小腸経、大腸経の会穴)
巨骨(大腸経)(大腸経、陽きょう脈の会穴、一説には手足三陽、陽きょう脈の会穴)
臑兪(少腸経)(少腸経、陽維、陽きょう脈の会穴)
地倉(胃経)(大腸経、胃経、任脈、陽きょう脈の会穴)
巨りょう(胃経)(陽きょう脈、胃経の会穴)
承泣(胃経)(陽きょう脈、任脈、胃経の会穴)
清明(膀胱経)(少腸経、膀胱経、胃経、陽きょう脈、陰きょう脈の会穴)
風池(胆経)(胆経、陽維脈の会穴)
 陽きょう脈の左右24穴は正経の膀胱経、胃経、大腸経、胆経、少腸経等の各経から数穴が引用され陽きょう脈穴とされている。
ハ.帶脈の流注と経穴
帶脈の「帶」はたばねるの意を持ち、その脈は季助の下をオビをした様に体を一周する。陰陽の諸経をたばねる事が出来る。
 季助下、章門(肝経)より始まり、帶脈(胆経)五枢、維道を経て腰を一周する。
 帶脈の経穴
 臨立(足の少陽胆経の注ぐところ兪木、又帶脈穴の中でも最重要穴になっている。
 章門(肝経)(足の厥陰、少陽の会穴、脾経の募、臓の会)
 帶脈穴は左右10穴で正経の肝経、胆経等から数穴を引用している。又その流注からみて命門(督脈)腎兪(膀胱経)志室(膀胱経)大横(脾経)天枢(胃経)盲兪(督経)神闕(任脈)等も帶脈穴と考えられる。
ニ.陽維脈の流注と経穴
 陽維の「維」はつなぐの意を持ち、諸陽経の間に運行している。
 足の太陽膀胱経の金門に起り、外踝を上行し、足の少陽胆経の陽交にて胆経に交わり、ここより胆経に沿って直上し、脇肋を通って肩甲骨外側をまわり、三焦経の臑会を通り、肘の上をまわって大腸経の臂臑に出会い、肩胛の上に臑兪(小腸経)を通って再び三焦経の天りょうを通り、肩井(胆経)にわたり、督脈に向ってあ門に入り、上って風府より再び胆経の風池にわたり、脳空、正営と頭部を上り、眉上に下って陽白に会い、再び上行して本神を通って胃経の頭維にて終わる。
 陽維脈の経穴(左右36穴)
外関(三焦経)(手の少陽三焦経の絡、別れて心包絡に走る。陽維脈の最重要穴)
金門(膀胱経)(膀胱系のげき)
陽光(胆経)(陽維脈のげき)
臂臑(大腸経)(手の陽明大腸経の絡の会、手の少陽三焦経の臑会に連なる。又一説には手足太陽、陽維脈の会をといわれている)
臑兪(小腸経)(手の太陽小腸経、陽維脈、陽きょう脈等3脈の会)
肩井(胆経)手足の少陽、足の陽明、陽維脈等の会、五臓に入り連なる)
天りょう(三焦経)(手足少陽、陽維三脈の会)
あ門(督脈)(督脈、陽維脈の会、入って舌本に連なる)
風府(督脈)(督脈、陽維脈の会)
風池(胆経)(足の少陽、陽維脈の会)
脳空(胆経)(足の少陽、陽維脈の会)
承霊(胆経)(足の少陽、陽維脈の会)
正営(胆経)(足の少陽、陽維脈の会)
目窓(胆経)(足の少陽、陽維脈の会)
臨泣(胆経)(足の少陽、陽維脈の会)
本神(胆経)(足の少陽、陽維脈の会)
陽白(胆経)(足の少陽、陽維脈の会)
頭維(胃経)(足の少陽、陽明、陽維脈の会)
 正経の胆経、大腸経、胃経、三焦経、小腸経、膀胱経、督脈等の各経(脈)から数穴が引用されて陽維脈穴とされている。

ホ.任脈の流注と経穴
 任脈の「任」は総担任の意を持ち、体の前部正中線を通っており、陰経全部を総担任している。又陰脈の海と呼ばれている。
 会陰より出て、毛際をめぐり、腹、ヘソ、胸を上り、咽喉、頭部を経て口唇をめぐり、齦交で督脈と合し、眼下のツボ承泣で終わる。
 任脈の経穴
列けつ(肺経)(手の太陰肺経の絡穴。任脈の宗穴(最重要穴)になっている)
会陰(任脈)(任脈の別絡。督脈、衝脈等三脈の会)
曲骨(任脈)(任脈、足の厥陰肝経の会)
中極(任脈)(任脈、足の三陰の会)
関元(任脈)(足の三陰、陽明、任脈の会)
石門(任脈)(三焦経の募)
気海(任脈)
陰交(任脈)(手の厥陰心包経、手の少陽三焦経、任脈、衝脈の会)
神闕(任脈)
水分(任脈)(手の太陰肺経、任脈の会)
下かん(任脈)(足の太陰脾経、足の陽明胃経、手の少陰心経、手の太陽小腸経、任脈の会)
中かん(任脈)(手の太陰肺経の生ずる所。足の陽明、大陰、手の厥陰、少陽、任脈の会)
上かん(任脈)(足の陽明、太陰、手の太陽、太陰、任脈の会)
巨闕(任脈)(心の募)
鳩尾(任脈)
中庭(任脈)
だん中(任脈)
玉堂(任脈)
紫宮(任脈)
華蓋(任脈)
せん機(任脈)
天突(任脈)(陰維脈、任脈の会)
廉泉(任脈)(陰維脈、足の少陰、太陰、任脈の会)
承漿(任脈)(足の陽明、任脈の会)
齦交(督脈)(任脈、督脈の会)
承泣(胃経)(陽きょう脈、任脈、足の陽明胃経の三脈の会)
建里(任脈)
 奇経の任脈も督脈と同じく、正経の一部に加えられており、その数は27穴で最重要穴に選ばれている穴は正経の手の大陰肺経の絡穴である「列けつ」である。

ヘ.陰きょう脈の流注と経穴
 陰きょう脈の「きょう」は陽きょう脈の「きょう」と同じく軽く敏捷の意を持ち、やはり跟中に起り、内踝より上行している。陽きょう脈と共同して人体の運動作用を司ると同時に眼瞼の開閉を司るといわれている。
 陰きょう脈の流注は足の少陰経の別脈と考えれれており、内踝直下の照海穴より出て交信穴を通り、腎経に沿って陰にのぼる。陰部をめぐって腹部(腎経と胃経の間)を上り、心下部より胸部胃経にそって上行し、欠盆に入って人迎の前に出る。更に上って頬骨をめぐり、目の内皆清明穴にて膀胱経、陽きょう脈の二脈に合して終わる。
 陰きょう脈の経穴
照海(腎経)(陰きょう脈の生ずる所。宗穴になっている)
然谷(腎経)(足の少陰腎経の出る所。栄火である)
交信(腎経)(陰きょうのげきといわれる)
清明(膀胱)(手足の太陽、足の陽明、陽きょう、陰きょう五脈の会)
 陰きょう脈の経穴は左右8穴で最重要穴は腎経の照海穴が選出されている。

ト.衝脈の流注と経穴
 衝脈の「衝」は衝要の意を持ち、その脈は督脈、任脈と同じく、会陰より出て三方に走り、十二経路(正経)の要衝の所に位置しており、経脈の海と呼ばれている。又五臓六腑の海ともいわれ、臓腑すべてに関係がある。
 衝脈の流注は出所を一つにして三方に別れ走っている。
(1)会陰より出て胃経の気衝を通り、腎経を上行し、胸腹部を経て顔面、口唇をめぐり、眼下に終わる。
(2)会陰より出て脊の裏側を上行し、大杼(膀胱経)に出る。
(3)会陰より出て気衝をめぐり、腎経にならび下行し、ななめに膝窩に入り、下って内踝後側をめぐり、足下に至る。其の支脈は親指の間に入り、足背に浮上し、胃経の上巨虚、下巨虚に出る。
衝脈の経穴
気衝(胃経)(衝脈の起る所ともいわれている)
横骨(腎経)
大赫(腎経)
気穴(腎経)
四満(腎経)
中注(腎経)
肓兪(腎経)
商曲(腎経)
石関(腎経)
陰都(腎経)
幽門(腎経)(足の少陰腎経の気の発する所)
大杼(膀胱経)(督脈の別格、手足太陽三脈の会。衝脈の上って出る所)
上巨虚(胃経)(衝脈の下って出る所、大腸に属す)
下巨虚(胃経)(衝脈の下って出る所、小腸に属す)
通谷(腎経)
公孫(脾経)(脾経の絡、別れて胃経に走る。衝脈の最重要穴)
 衝脈穴は左右32穴、最重要穴として脾経の公孫穴が選ばれている。

チ.陰維脈の流注と経穴
 陰維脈の「維」は陽維脈の「維」と同じく、つなぐの意を持ち、諸陰経の間に運行している。
 陰維脈の流注は足の少陰の築賓のツボに起り、のぼって脾経に沿い、下肢を上行し、腹部の府舎に至り、大横、腹哀と脾経を通って期門に上り、ここより任脈に向い壇中にて任脈と合し、更にのぼって天突を通り、廉泉にて終る。

 陰維脈の経穴
築賓(腎経)(陰維脈のゲキ)
大横(脾経)(足の太陰、陰維脈の会)
府舎(脾経)(足の蕨陰、太陰、陰維脈の会)
腹哀(脾経))(足の太陰、陰維脈の会)
期門(肝経)(足の太陰、蕨陰、少陽、陰維脈の会穴、肝の募)
天突(任脈)(陰維脈、任脈の会穴)
廉泉(任脈)(陰維脈、足の少陰、太陰、任脈の会)
内関(心包経)(手の厥陰の絡、別れて手の少陽に走る。陰維脈の宗穴)
 陰維脈穴は左右16穴で、最重要穴は心包経の「内関」である。
 以上のことを基にして陽脈と陰脈に別けて正経と奇経の関連性をみてみる。

           陽   脈
 奇 経       正 経
 督 脈 ―  手の太陽小腸経の1穴を含む。

 陽矯脈   足の太陽膀胱経の4穴を含む。
          足の少陽胆経の2穴を含む。
          足の陽明胃経の3穴を含む。
          手の太陽小腸経の1穴を含む。
          手の陽明大腸経の2穴を含む。

 帯 脈     足の少陽胆経の4穴を含む。
          足の厥陰肝経の1穴を含む。

 陽維脈     足の太陽膀胱経の1穴を含む。
          足の少陽胆経の10穴を含む。
          足の陽明胃経の1穴を含む。
          手の太陽小腸経の1穴を含む。
          手の少陽三焦経の2穴を含む。
          手の陽明大腸経の1穴を含む。


           陰   脈
 奇 経       正 経
 任 脈     手の太陰肺経の1穴を含む。
          足の陽明胃経の1穴を含む。


 督脈 (1穴含)

 陰矯脈   足の太陽膀胱経の1穴を含む。
           足の少陰腎経の3穴を含む。

 衝脈      足の太陰脾経の1穴を含む。
          足の少陰腎経の11穴を含む。
          足の太陽膀胱経の1穴を含む。
          足の陽明胃経の3穴を含む。

 陰維脈     足の太陰脾経の3穴を含む。
          足の少陰腎経の1穴を含む。
          足の厥陰肝経の1穴を含む。
          手の厥陰心包経の1穴を含む。

 任脈(2穴含)

 以上の事から奇経の陽脈と陰脈をみてみると奇経の陽脈は殆ど正経の陽脈と陰脈が関連し、奇経の陰脈には正経の陽脈と陰脈が関連しており、半陰半陽の性格を持っていると考えられる。


2.奇経の要穴と病症の考察
 奇経には正経のように「原穴」「井榮兪経合」の五行穴とか「募穴」「写穴」「補穴」等のきまった要穴は無く、唯八脈の各脈に一穴づつ宗穴(最重要穴の意)として配されている。

 奇経四陽各脈の宗穴
 督脈  後谿(手の太陽小腸経)
 陽矯脈 申脈(足の太陽膀胱経)
 帯脈  臨泣(足の少陽胆経)
 陽維脈 外関(手の少陽三焦経)
 奇経四陰各脈の宗穴
 任脈   列欠(手の太陰肺経)
 陰矯脈  照海(足の少陰腎経)
 衝脈   公孫(手の太陰脾経)
 陰維脈  内関(手の厥陰心包経)

 督脈の最重要穴として、手の太陽経の「後谿穴」が配されている。督脈と手の太陽経との関係をそれ等の流注上から見てみる。正経の手の太陽小腸経は小指の少沢に起り、手の陽明、少腸の外側を上り、督脈の「大椎穴」で手の二陽経、足の三陽経と合い、これより欠盆(胃経)に入り、出て首の天窓、天容をめぐり、顴寥穴に行き聴宮に入り終る(外行のルート)が更に顴りょう穴から支脈が出ていて鼻まで行き目の内眦「清明」で足の太陽膀胱経に接続している。手の三陽経の内で最も督脈の近くを流れ、督脈と関連しているのが手の太陽経で然も足の太陽経にも接続している。背部正中線を流れ陽経全部を総監督している督脈にも手とって、手の小指の少沢穴より手の外部、肩甲帯の後部、側後頭部の管理になくてはならないのが手の太陽小腸経なのかもしれない。この様な考えともって見ると数多い督脈の穴から重要穴を選ばないので手の太陽経からえらんだ事が頷ける。
 奇経には臓腑経路(正経)12経の様な足動病、所生病とか、経脈の実の病症、虚の病症と言った様な明確な病症も無い。督脈は背部正中線を流れていて、陽経全部を総監督するとか、陽きょう脈は跟中に起って、陰きょう脈と共同して人体の運動作用を司り又眼瞼の開閉を司るとか、任脈は前部正中線と通って陰経全部を総担任している。又陰脈の海と呼ばれるとか、衝脈は会陰より出て、12正経の要衝の所に位置し、五臓六腑に関係がある。とか等である。こんな所から正経が病的な状態になると氾濫して溢れ出し、水路をつくる。この水路が奇経だとも言われてきた所以であると思われる。督脈の重要穴「後谿」は正経の手の太陽経に依存している。こんな所から督脈の病症は先ず手の太陽小腸経の諸愁訴を考え又漢方の所謂傷寒病の一症状でもあると考えられる。傷寒は其の程度によって三陰三陽の六種に別けられている。それは太陽病、陽明病、少陽病、太陰病、少陰病、厥陰病等である。この内太陽病が督脈の一病症に含まれているとおもわれる。(太陽病--脉浮であって頭や項がこわばり痛む、其して悪寒する)ここで督脈の病症と思われるものをまとめてみると風邪引き、偏頭痛、後頭痛、耳鳴、咽喉痛、項頸が痛み回せない上肢外側、肩甲帯後側痛、口中の化膿性疾患、頷のはれ、腰背部へ睾丸が引き付けられるように痛む、下腹部痛、其の他小腸経流注上の諸愁訴等である。
 陽きょう脈
 陽きょう脈には正経の陽経が数経関係している、其のうちでも特に足の太陽膀胱経が強く、重要穴も足の太陽経からえらばれている。従って陽きょう脈は足の太陽膀胱経の性格が多分に関連していると考えられる。
 陽きょう脈の病症
 頭痛、後頭痛、項背痛、眼痛、流涙等眼疾患、風引き、発熱鼻塞り、鼻水、鼻出血、腰痛、下肢後側痛、頻尿、排尿痛、急性膀胱炎症状、尿路結石、下肢部痛、冷えからくる婦人の膀胱疾患、肩こり、膀胱経流注上の諸愁訴。
 帯脈
 帯脈の重要穴は「臨泣穴(足の方)」である。帯脈は季肋下をオビをした様に身体を一周し、陰陽の諸経をたばねるとされているが、其の穴は足の少陽経から4穴を選び出し、足の厥陰経から1穴を選び出されている。又重要穴は足の少陽経から選んでいる。従って帯脈の性格は足の少陽経が最も強い。帯脈の病症も足の少陽経そのものと考えられる。
 帯脈の病症
側頭痛、頭重、発熱、発汗、口中の苦味、下が粘る、酸水の嘔吐、鼓腸、怒り易い、不眠又は好眠、眩暈、耳鳴、胸腹側痛、留息、手足脱力感、目に力無い、物がかすむ、黄疸、顔面に汚い色素沈着、胆経流注上の諸愁訴。
 陽維脈
 陽維脈には正経の手の3陽、足の3陽とが関連している。なかでも手の少陽三焦経が重要視され、この三焦経から陽維脈の重要穴として「外関穴」が選ばれている。従って陽維脈の性格は手の少陽三焦経の性格を多分に持っていると考えられる。
 陽維脈の病症
 顔面頭部の煩熱著しい発汗、耳鳴、難聴、後頭痛、耳後の腫脹、痛み。偏桃腺炎、胸部腹部の膨張感、脇痛、精神不安定、呼吸困難、腹痛水様性下痢、腹部を圧迫されるを好む、三焦経流注上の諸愁訴。
任脈
 任脈の最重要穴は「列けつ穴」である。列けつ穴は手の太陽肺経の絡穴で、手の陽明太陽経にここをかいしてつながる。正経手の太陰経の流注をみてみると、奇経任脈の中かん穴より出ており、任脈の外、足の少陰の裏をくだり、任脈の水分穴をめぐって再びのぼり中かん穴を通り、上かん穴に出会い、横隔膜をのぼって肺に属している。これを手の太陰肺経の本脈といい、肺系から横にでて足の少陽胆経の淵腋(腋の下)の所まで行き、上肢上節の内側をめぐり、手の少陰心経の前に行き、肘中をくだり、肘の内をめぐり、骨の下廉を通って、手首の脈の所に入り、魚際をめぐって親指の端に出る。即ちこれが外側のルートといわれており、我々が日常臨床に使用している肺経であります。又肺経は12経循環ルートの最初でもある。奇経の任脈は体の前部正中線を通っており、奇経の任脈は体の前部正中線を通っており、奇経の陰経全部を総担任しているとみられている。陰経全部を受け持ち其の責任に於いて病の入り口とも考えられる肺経を重要視し、これを選び、肺経から任脈の最重要穴「列けつ穴」を選び出したのかもしれない?任脈の性格は多分に手の太陰の性格が強いと思う。従って其の病床も手の太陰肺経に似ていると考えられる。又任脈は正経の手の三陰、足の三陰にも関係を持ち其の出所は督脈、衝脈と同じく会陰より出ており、陰器をめぐって腹中を通り、顔までのぼり、下って手の太陰肺経につながっている。これ等の流注上から任脈の病症は下記のように考えられる。
 任脈の病症
 長引いた鼻水、鼻出血、咽喉痛、咳痰、膿性痰、上気、呼吸困難、身体が冷たく、冷汗盗汗をかく。両頬は紅色で色白、声がかすれて痩せる。舌は淡く薄い。皮膚感覚麻痺、急慢性の呼吸器系、肺経の経路が痛み、掌中があつい、手の太陰経上の諸愁訴。又頭痛、腰痛、帯下、男女の五臓病、特に下腹臓器の諸症状。
 陰きょう脈
 陰きょう脈は其の所有穴が奇経の中で一番少なく左右8穴しかない。其の中6穴が正経の足の少陰腎経の穴である。又其の流注も足の少陰腎経の「照海穴」よりでており、然も「照海穴」は陰きょう脈の最重要穴にもなっている。これらをみると多分に足の少陰経の性格が伺える。
 陰きょう脈の病症
 顔色黒く地色、息荒く連続性の咳が出る。又咳をすると血痰が出る。口熱し、舌乾き、上気し舌下咽喉痛、食欲減退、手足冷える、声力なくかすれる。腰背痛、足の裏が熱して痛む、疲れ易く、根気が無く物音に驚き易い。インポテンツ、精力減退、精液精子少なく記憶力低下、寝ることを好む、下眼瞼黒紫色。足の少陰腎経上の諸愁訴。
 衝脈
 衝脈は正経12経の要衝の所に位置し、五臓六腑すべてに関係がある。其の流注も他の奇経と違って会陰より出て三方に走っている。一つは会陰より足の陽明胃経の気衝穴を通って足の少陰腎経(腹部)をのぼって眼下で終わり、二つ目は会陰より出て脊の裏側をのぼって足の太陽膀胱経の大杼穴に出ている。三つ目は会陰より出て胃経の気衝穴をめぐり下肢の腎経、胃経を下って足下に至り、其の支脈は足背に浮上して胃経の上巨虚、下巨虚に出る。このように他の奇経にみられない流注をもつ衝脈は其の最重要穴を足の大陰脾経から選び出している。従って衝脈の性格は足の太陰脾経の性格を多分に持っていると考えられる。ここで脾経の流注を探り、脾経の性格を伺ってみる。足の太陰脾経は足の親指の端にある陰白穴に起り指の内側、白肉際「太都」の穴をめぐって太白、公孫、商立のツボを経て三陰交にのぼり、これより漏谷をめぐって、さらに2寸上行して足の厥陰肝経に出て交わり、地機、陰陵泉に至る。尚血海、箕門を大腿上側をのぼり衝門を通って腹に入り、府舎、腹結、大横、腹裏等第4行を通り、横隔膜を上って胆経の「日月」肝経の「期門」をすぎ、胸部第4行の食、天谿、胸郷、周栄とのぼって肺経の「中府」に会い、胃経の「欠盆」に入り尚のぼって咽をはさんで舌本に連なり、舌下に散って終わる。又其の大絡は周栄穴より外に折れて下行し、胆経の「淵腋」の下3寸大包に至って胸脇に広がり散る。これ等のルートは外行ルートといわれて居り、衝門より腹に入り任脈の「中極」「関元」に行き、さらに任脈の「下かん」、「中かん」にわたり、この分で胃に連なり、脾に属し、胃より別れて横隔膜にのぼり、心中に注いで手の少陰心経に接続している。このルートを脾経の内行のルートといっている。さて脾経は公孫穴をかいして胃経からの流れを受け、外行ルート、内行ルートといっている。さて脾経は公孫穴をかいして胃経からの流れを受け、外行ルート、内行ルートに依って五臓六腑すべてに関係を持って居り、脾胃は表裏の関係を持ち、臓腑のモトであると見られて、12正経すべてがその「気」を受けていると考えられている。五臓六腑のうち特にその流注から心、胆、肝、脾、胃等の病に関係があるように思われる。この脾経の絡穴である「公孫穴」が奇経衝脈の最重要穴とされている。従って脾経の性格が衝脈の内にも含まれているものと考えられる。
 衝脈の病症
 皮膚黄色、食欲不振、食物に味がない、疲れやすく寝たがる。唇や皮膚が乾く、あくびがよくでる、胸部圧迫感、心下部痛、舌がこわばる。胸胃部の膨満感、腹痛時に臍周囲の間歇的腹痛、鼓腸、下痢、嘔吐、尿閉、自律神経系統の諸愁訴、筋肉痛特に下肢内側の諸痛、筋肉萎縮、四肢の冷え、足浮腫、足の太陰脾経上の諸愁訴。
 陰維脈
 陰維脈の最重要穴は手の厥陰心包経の「内関穴」を引用している。「内関」は心包経の絡穴です。手の厥陰心包経の流注は足の少陰腎経を受けて、両乳の間だん中(任脈)のツボに起り、これより出て心を包み、横隔膜をくだって上(だん中)、中(中かん)、下(陰交)の三焦に連絡しています。その支脈は胸をめぐり脇をくだること3寸、天池穴に行き、上行して腋下に至り、くだって臑内の天泉穴をめぐって、肺経と心経の間を通り、曲沢、げき門、間使、内関、大陵等をくだって掌中の労官穴に入り中指をめぐって中衝穴で止る。この支脈が日常私たちが使用している心包経であります。もう一つの支脈は「労官」より別れて、無名指の端に行って手の少陽三焦経に接続します。以上が心包経の流注ですが陰維脈の最重要穴から推察してこの性格も多分に正経手の厥陰心包経の性格に似かよっていると思われる。従って陰維脈の病症も正経の心包径の病症に類似しているものと考えられる。
 陰維脈の病症
 胸苦しさや呼吸連迫し、又心が痛む。掌中のほてり、胸中動悸し、不安感、恐怖の夢多い、睡眠不安、健忘、心中騒然とし側胸部から背部にかけてひきつれ痛む、盗汗、尿は黄赤、吐血、鼻出血、口渇、大便不利、口苦く、舌が赤い、微熱、顔赤く目黄ばみ、妄りに喜び笑って休止することができない。その他胸胃部の諸愁訴、又手の厥陰心包径の諸愁訴。

3.奇経治療法の考察
 鍼灸鍼灸治療は臓腑径脈思想を基にしてなされていると考えられる。正経12径脈を基にした治療法が所謂経絡治療で奇経八脈を基にした治療法が奇経治療と呼ばれているものであると思う。奇経治療法は古くから工夫研究されているが未だ定かでない。間中喜雄先生の「二種金属の接触法」の発見と金銭、銀銭よりも電位差の大きい銅と亜鉛で針を作った長友次男先生等の研究が世に発表された後に一段と奇経八脈を基にした治療法の研究が盛んになり今日に至っていると思われる。
 奇経八脈のうち督脈、任脈以外の六脈は正経に依存した穴を持っている。陽きょう脈十二穴









知っておきたい認知症と漢方の知識

はじめに
〔第1部〕認知症を知る/正しい認知症の知識
〔第2部〕認知症と漢方治療
〔第3部〕知っておきたい、漢方の知識
漢方の考え方
漢方製剤について
現代医療と漢方

はじめに
ここ十年ほどの間に日本は急速に高齢化が進み、年々患者数が増えつつある認知症も避けては通れない問題の一つといえるでしょう。現在、認知症の症状がある人は85歳以上で4人に1人といわれており、決して珍しい病気ではなくなっています。
最近は、さまざまな角度から認知症に対する研究が行われており、病気の進行を遅らせたり、認知症の周辺症状を改善させたりすることができるようになっています。この冊子は、認知症、特に周辺症状に対する漢方治療、そして漢方の基礎知識として、漢方の考え方、現代医療におけるかんぽうについてまとめました。健やかな長寿社会を確立するために、患者さんも介護する人も穏やかに暮らしていくことができるように、この冊子がお役に立てれば幸いです。

「認知症」ってどんな病気?
◎急増する認知症
 2005年の厚生労働省の調査によると、わが国の認知症患者はおよそ190万人。2025年には300万人に達すると予想されています。もはや認知症は珍しい病気ではなく、だれもが直面する可能性がある身近な問題といっていいでしょう。

◎物忘れと認知症の違い
 年をとるにつれ、しばしば物忘れを経験するようになりますが、これはごく自然な加齢現象です。ところが認知症は単なる物忘れとは違い、記憶力や判断力が極端に低下して、通常の生活が送れなくなる「病気」です。例えば「めがねを片付けたことは覚えているのにどこにおいたのかという一部分だけを思い出すことができない」のは物忘れですが、認知症の人は、「めがねを片付けたこと」自体を忘れてしまっているのです。

「認知症」とは
 脳や身体の疾患が原因で記憶・判断力などの障害がおこり、不通の社会生活が送れなくなった状態を「認知症」といいます。認知症には原因別にさまざまなタイプがあります。しかし、多くは、
@脳血管性の疾患…脳出血、脳梗塞など「脳血管障害による認知症」
A退行変性疾患…「アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)」
            「レビー小体型認知症(レビー小体病)」
です。以前は、アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)」と「脳血管性認知症」の2つが認知症のほとんどを占めていましたが、最近では、この2つの認知症と並ぶ3大認知症の一つとして知られてきたのが「レビー小体型認知症(レビー小体病)」です。

3大認知症
◎アルツハイマー型認知症
 アルツハイマー型認知症は、脳内でさまざまな変化がおこり、脳の神経細胞が変性したり消失したりすることによって脳が萎縮して(小さくなって)いきます。

◎脳血管性認知症
 アルツハイマー型認知症が「脳自体の老化」であるのに対し、脳血管性認知症は、脳梗塞などによる「脳血管の障害」が原因となります。障害がある部位によって症状が異なるため、「ある能力は低下しているのに、ある部分ではしっかりしている」というような「まだら認知症」の症状が特徴です。そのほかにも、両者にはさまざまな違いが見られます。

脳血管性認知症
自覚 初期にはある
進み方 良くなったり、悪くなったり、段階上に進む
神経症状 部分的に手足が麻痺したりしびれたりすることが多い
持病との関係 糖尿病、高血圧などがあることが多い
認知症の特徴 まだら認知症・部分的に能力が低下している
人格 ある程度は保たれる


アルツハイマー型認知症
自覚 ないことが多い
進み方 ゆっくり進む
神経症状 初期には少ない
持病との関系 持病との関係は少ない
認知症の特徴 全般性認知症・全般的に能力が低下している

◎レビー小体型認知症(レビー小体病)
 レビー小体型認知症(レビー小体病)は、脳の特定の神経細胞の中に、特異な変化(レビー小体)が現れることが原因でおこります。初期に幻覚(特に幻視)や妄想が出て、そのうちに、体が硬くなる、動作が遅くなる、小またで歩くなどの運動障害が出てきます。

アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症の経過
 アルツハイマー型認知症の場合、症状が急に出てきたり、一気に悪化するというようなことはほとんどありません。アルツハイマー型認知症の経過は、右のような3段階に分けられます。
 アルツハイマー型認知症は穏やかに発症し、徐々に進行していくため、初期のうちは家族ですら発症を見逃してしまうことがあります。

第1期(前期)
同じことを何度も言うなどの記憶の障害が目立ってくる。

第2期(中期)
場所や時間がわからなくなる。徘徊や異常行動が始まり、自立することが難しくなる。

第3期(後期)
家族の顔や名前がわからなくなる。筋道の立った話ができなくなり、会話が成り立たない。介護がなければ日常生活が困難になり、さらに進行すると寝たきりになる。

右図は認知症の年齢層別出現割合をまとめたものですが、80歳以上で認知症が多いことがわかります。
 また、脳血管性認知症の場合は、病気の原因である脳血管の障害状況によって進み具合が左右されます。脳梗塞の発作は認知症を発症するきっかけになるばかりでなく、発症後に病状を悪化させる大きな原因になります。下のグラフのように、発作が起るたびに、認知症の症状が進んでいく人も少なくありません。

認知症の中核症状と周辺症状
認知症の症状には、知的機能低下の影響が直接現れる「中核症状」と、それに伴って生じる「周辺症状」があります。中核症状は認知症患者には必ず見られる症状であり、具体的には下のようなものが挙げられます。
 一方、周辺症状は現れ方や程度にかなりの差があります。介護をする人はさまざまな周辺症状に細かい対応を迫られることから、中核症状よりも周辺症状の方が、ストレスを増大させる場合がすくなくありません。

◎主な中核症状
 記憶力障害
食事をしたばかりなのにまだ食べていないというなど、直近のことを忘れてしまう。

 見当識障害
慣れた道なのに迷う、ここはどこなのか、など「いつ・どこ・だれ」がわからなくなる。

 判断力の低下
寒いときに薄着のままでいたり、真夏でも厚着をするなど、簡単な判断がつかなくなる。

◎主な周辺症状
 せん妄
意識に曇りを生じ、注意力や集中力がなくなる。同じ動作や質問を繰り返したり、「誰かが部屋にいる」「虫が見える」などの幻覚、現実にはないことを言う

 幻覚・妄想
現実には起きていない、例えば、「孫が来た」「知らない人がいる」などを訴える。きちんと説明しても納得しない。「お金を盗られた」という盗られ妄想、「ご飯を食べさせてくれない」という被害妄想「妻(夫)のところに男性(女性)が来ている」という嫉妬妄想など。

 徘徊
記憶障害、見当識障害などにより、誰かを探したり、良く知っている道で迷ったり、行方不明になったり、歩き回る状態。

 暴力・不穏行為
周辺の事態が理解できずに不安感、焦燥感、恐怖感を持つことがある。その反応として、暴力・不穏行為が現れることがある。

 過食・拒食・異食
食後、直ぐに「食べていない」「お腹がすいが」などと空腹を訴え、必要以上に食べることを過食という。また、食事に興味を持たなくなったり、「毒が入っている」と食事を拒否し、結果として拒食になる。認知障害が進行すると本来食べ物ではないティッシュペーパーや石鹸などを口に入れる異食行動をとることもある。

 不潔行為
部屋の隅などトイレ以外で排泄する、便の付いた下着を隠す。便をいじるなどの行為。見当識障害、認知障害によるものと考えられている。また、おむつを使用している場合は、汚物への違和感から手を入れ触ってしまうこともある。

 睡眠障害
認知症の進行と共に、夜、なかなか寝つけない(入眠困難)、熟睡できない(熟睡困難)、早く目が覚める(早期覚醒)などが起こる。結果として日中にうたた寝をしてしまい、昼夜逆転につながる。

 抑うつ症状
気がない、返事がうつろ、意欲がわかないなどの状態。涙もろくなったりする。


認知症の治療〈進行を遅らせる・症状を軽減する〉
 残念ながら今のところ、認知症で失った機能を元に戻したり、進行を完全に止めたりする治療法はありません。
 しかし、アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症(レビー小体病)には、中核症状である記憶力低下の進行を遅らせることが期待できる「塩酸ドネペジル」という薬が使われています。この薬には、残った神経細胞を効率よく回転させる作用があります。その結果、障害のない神経細胞が機能して、障害された神経細胞の働きを補ってくれるのです。
 塩酸ドネペジルは、半年から1年ほど進行を遅らせる効果が期待できます。「幻覚、妄想、徘徊、興奮」などの症状がある場合には慎重に、抗精神病薬が使われることもあります。
 また、脳血管性認知症の場合は、脳梗塞などの再発防止を目的に、抗血小板薬で血液を固まりにくくしたりします。
 最近では、周辺症状の改善に漢方薬が使われています。中でも抑肝散(ヨクカンサン)は、日常生活動作※を低下させることなく、周辺症状を改善するという治療効果が報告されています。そのほかにも、釣籐散(チョウトウサン)、抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)、黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)、当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)などの処方も用いられています。
※日常生活動作:人間が自立して生活するための歩行、入浴、排泄、着脱衣、食事などの基本的な動作


早期発見・早期治療を
 認知症では、症状に気づいたらできるだけ早く専門医を受診し、診断を受けることが大切です。その目的の1つは、「治る認知症」あるいは、薬の服用で現れた「認知症もどきの状態」を見つけて治療すること。認知症の症状が現れる病気にはいろいろありますが、その中には治療ができるものも含まれているからです。原因となっている病気を見つけて適切な治療を行えば、症状を治したり軽くしたりすることができるからです。
 早期発見の2つめの目的は、早めに治療を始めることで、薬の効果を最大限に生かすことができるということです。昨今は塩酸ドネペジルのような薬で認知症中核症状の進行を遅らせることが可能になり、早期から使ったほうが高い効果を期待することができます。
 また、初期であれば、介護に追われる時期ではありませんから、
































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