ケイギョクコウ

韓国メーカーが国内で特許取得
「瓊玉膏」有効成分に男性不妊対策の有用性
 漢方処方として古来から伝統的に用いられてきた「瓊玉膏(けいぎょくこう)」(第2類医薬品)の有効成分について、男性不妊対策の有用性が話題を集めそうだ。韓国の廣東製薬が瓊玉膏の原料を対象に「生地黄、枸杞子、沈香、茯苓、高麗人参、蜂蜜の混合物を有効成分として含有する男性不妊および治療陽薬学的組成物」を発明したとして2015年に韓国で特許を取得したことによる。
 現代社会において晩婚化などを背景に不妊に悩む夫婦のケースは増えており、社会問題とも目されている。不妊の原因としては女性だけではなく男性の側にも精子減少症などの原因があるのが一般的な見解となっている。精子減少症は、ストレスや運動不足、肥満、薬物の乱用、各種有害化学物質、内分泌攪乱物質による環境汚染などに関連してその対象者も増加傾向にある。
 基本的に男性生殖巣(精巣)では体温よりも低い温度で精子を形成するため、精巣の温度が高いことによる精子形成不全も不妊にもつながる要因とされる。今回の特許では、抗がん剤および熱ストレスによる男性不妊の動物モデルに瓊玉膏の処方を用いることによって減少した睾丸の重量、精子の数、精子の運動性が増加して細精管壊死が改善されることを確認。男性不妊予防および治療用組成物の有効成分として有用に用いられることが導きだされた。
 瓊玉膏は中国の宋の時代に生まれた処方で、「洪氏集験方」に始めて発表されたもの。時の皇帝が子孫繁栄を願い、典医たちが英和を結集したという逸話が残る。




マツウラ

@皮膚治療の漢方処方

 急増する皮膚トラブル、これら疾病は血虚を基本とした「虚血血熱」が原因とも考えられます。治療によりかゆみは治まりますが、定期的なかゆみ再発が普通で、施薬側・患者側ともに不安を払い、腰を据えて長期治療に取り組んでください。服薬と同時に、生活習慣の改善(早寝早起き、目の酷使をしない、散歩などで身体を動かす)にも取り組んでください。皮膚病薬の幾つかに防風・荊芥の配合がありますが、この生薬ペアは「かゆみ止め薬」として働きます。

補血活血・調経
四物湯
血虚の基本対応薬です。
血虚:血の持つ濡養(栄養・滋潤)作用が低下した状態で、循環血液量の不足が起こす不快感のこと。
肌につやがない、目の疲れ・かすみ・乾き、爪がもろい、筋の引きつり(こむら返り)・四肢のしびれ感、月経周期遅延(甚だしければ無月経)・経血の過少など。


清熱瀉火・解毒・清熱化湿・止血
黄連解毒湯
三焦の実火(実熱)の代表処方です。
実熱:高熱・顔面紅潮・目の充血・熱感・口渇、口苦・イライラ・不眠など、甚だしければ意識障害・狂躁状態を呈する。舌質は紅、舌苔は黄〜黄膩
※その他熱証、血熱妄行・肝胆湿熱・脾胃湿熱・膀胱湿熱・心火旺・肝胆火旺・胃熱などに用いる。
※燥性を持つため、皮膚病治療に単独で用いません。


清熱瀉火・解毒・補血活血・止血
温清飲
四物湯+黄連解毒湯
血虚血熱に対する代表処方です。
(痒み治療に、基本対応薬として用います。)
血虚血熱:皮膚につやがない、目の疲れ・かすみ・乾き、爪がもろい、筋の引きつり(こむら返り)・四肢のしびれ感、月経周期遅延(甚だしければ無月経)・経血の過少などの血虚の証候に、のぼせ・火照り・口渇・イライラ・不眠などの熱証や、鮮紅色の出血(鼻血・不正性器出血・下血)、灼熱感のある暗紅色の発疹(乾燥性)・皮膚炎・口内炎などを生じます。舌質は紅、舌苔は黄

温清飲のエキス製剤は、四物湯と黄連解毒湯の等量配合です。「かゆみ」を訴えるのは血熱が高まったとき、温清飲に清熱剤(黄連解毒湯・三黄瀉心湯)を追加します。かゆみ治療後も温清飲を継続服用すれば(1〜2包/日)、再発防止の手当てになります。


清熱解毒・活血
五物解毒湯
化膿性や掻痒性の皮膚疾患で、小発疹を繰り返すもの。

補血潤燥・止痒
当帰飲子
四物湯(当帰・川きゅう・芍薬・地黄)
血虚が原因で起こるかゆみで、皮膚が著しく乾燥し、爪で肌を核と白い筋が残るような場合。老人性掻痒症と理解されますが、若者にも急増中の病態です。夜間かゆみが悪化。


疎風・清熱化湿・養血潤燥
消風散
炎症性でかゆみを伴う皮膚に対する、代表処方です。
風湿熱の皮疹:強いかゆみ(夜間増悪)、局所の発赤と熱感、滲湿液が多いまたは水泡形成、身体の火照・熱感、口渇などが見られる。舌質は紅、舌苔は微黄

2製剤併用での治療の場合(消風散+)
皮膚の乾燥感が強い場合…+温清飲
かゆみ・熱感が強い場合…+黄連解毒湯
患部がじくじくする場合…+越婢加朮湯


きょ風化湿・清熱解毒
十味敗毒湯
炎症や可能傾向のある皮膚の初期に用います。
皮膚化膿症・湿疹・蕁麻疹などで、風湿熱を呈するものに。華岡青州の創作した処方です。



A眠り・心を守る漢方処方
養心安神・和中緩急
甘麦大棗湯(金匱要略)
臓躁に対する処方です。
臓躁:ヒステリー様症候で心血虚と脾虚の軽いもの。
不安感・悲壮感・驚きやすい・不眠(寝つきが悪い、眠りが浅い)などの心血虚の証候に食欲不振などの脾虚症候を伴ったもの。舌質は淡白、脈は細。

養血安神・清熱除煩
酸棗仁湯(金匱要略)
熱証を伴う不眠に対する代表処方です。
不眠(寝つきが悪い、眠りが浅い)・多夢・動悸・健忘・頭のふらつきなどの心血虚の証候に、イライラ・焦燥感・口の乾き・のぼせ・ほてりなどの心肝火旺の証候を伴ったもの。舌質は紅、脈は弦細数。

滋陰養血・補心安神
安神補心丸(世医得効方)
心腎陰虚に対する代表処方です。不眠・不安への基礎対応に。
心腎陰虚:不眠(寝つきが悪い、眠りが浅い)・多夢・動悸・健忘・焦燥感・口渇などの心陰虚の証候に、手のひら足裏のほてり、膝腰がだるく無力・盗汗(寝汗)などの腎陰虚の証候を伴ったもの。舌質暗紅で乾燥、舌苔少、脈細数。
※柏子養心丸は安神補心丸の略方、不眠の軽い者に。


安神・通陽・補気血・調和営衛
桂枝加竜骨牡蠣湯(金匱要略)

桂枝湯に竜骨・牡蠣を加味。男性の夢精・女性の夢交に。
気血不足の虚陽浮越:不安感・不眠・動悸・多夢・夢精などの虚陽浮越の証候に、元気がない・食欲不振などの気血不足の証候を伴ったもの。舌質淡白、舌苔白薄、脈軟。

気血双補・補脾・養心安神
帰脾湯(済生方)
心脾両虚で、肝火旺の証候を伴ったものに用います。
心脾両虚:疲れやすい・元気がないなどの脾気虚の証候に、不眠、不安感などの心血虚の証候を伴ったもの。
肝火旺:強いイライラ・易怒・不眠・激しい頭痛・顔面紅潮・目の充血・突発性難聴・口苦・胸脇苦満・尿黄・便秘・月経周期の短縮・月経過多、舌質紅・舌苔黄で乾燥、脈弦数あるいは浮で有力。

清熱安神・補気健脾・化痰止嘔

柴胡加竜骨牡蠣湯(傷寒論)
鎮静を主目的とした処方です。
小柴胡湯から甘草を取り除き、「安神薬の竜骨・牡蛎・茯苓」「清熱瀉火の大黄」「通陽の桂枝」を加えたものです。
心肝火旺・脾気虚・痰湿:イライラ・不眠・多夢・驚きやすい・胸脇苦満などの肝火旺の証候に、疲れやすい・食欲不振などの脾気虚の証候に、悪心・腹部膨満感などの痰湿の証候を伴ったもの。舌質は紅、舌苔は黄やや膩、脈は弦数。
傷寒による少陽病(半表半裏証)の証候で、動悸が強い・驚きやすいに加え強い熱感症状(便秘)を示す心肝心旺の状態にも用います。



B元気よ甦れ、補気の漢方処方
補気健脾・利水消腫
四君子湯(和剤局方)
補気に対する基本処方、補気剤の多くは本剤を基本に作られます。脾胃気虚の改善に。
脾胃気虚:元気や気力がない・疲れやすい・全身の無力感、声に力がない・息切れ、食欲不振・小食・味が薄い、軟便〜水様便(あるいは便秘)。舌質は淡白で胖大、舌質は白薄、脈は細弱あるいは沈緩、浮腫を伴うこともある。
※食事は人の暮らしにとって大切なもの。食事をおいしく摂ること、清い大気を呼吸することで、生きていくための活動資(エネルギー・物質)を作ります。

補気健脾・理気
異功散(小児薬証直訣)
脾胃気虚で胃腸の蠕動運動が低下し、おならが出る時。

乾湿化痰・理気和中
二陳湯(和剤局方)
燥湿化痰に用いる基本処方、肺胃の湿痰に用います。
肺胃の痰湿:白色で大量の喀痰・口が粘る・四肢がだるい、咳嗽、悪心・嘔吐などの証候。めまい・動悸を伴うことがあります。舌苔は白滑あるいは白膩、脈は滑。

補気健脾・和胃降脾・理気化痰
六君子湯(医学正伝)
四君子湯の脾胃気虚に、痰湿が加わる時に。
元気がない・食欲不振など脾胃気虚の証候に、悪心・嘔吐・呑酸・咳嗽・胸苦しい・浮腫などの痰湿の証候を伴ったもの。舌質は淡白で胖大、舌質は白厚膩、脈は滑細。
※配合の割合/9(白朮・茯苓・半夏):6(人参・陳皮・生姜):3(甘草):2(大棗)

補気健脾・和胃降逆・理気化痰
六君子湯(和剤局方)
六君子湯の脾胃気虚に、痰湿気滞を伴うものに。
痰湿気虚:悪心嘔吐・腹部膨満感、・腹痛・下痢など。

補気健脾・理気解鬱・化痰
柴芍六君子湯(和剤局方)
六君子湯の脾胃気虚に、肝気鬱結を伴うものに。
肝気鬱結:イライラ・易怒、胸脇苦満・腹痛・下痢など。

補気健脾・止瀉・解表化湿
七味白朮散(小児薬証直訣)
脾胃気虚の感冒(発熱、口渇、嘔吐、腹痛、下痢)や脾胃気虚の水様下痢に用います。

補気健脾・理気化痰・止瀉
参苓白朮散(和剤局方)
脾胃気虚の下痢に対する代表処方です。
脾胃気虚(元気がない・食欲不振等)に加え、軟便〜水様便または未消化便、軽い浮腫。舌質は淡白で胖大、脈は虚。

補中益気・昇陽挙陥・甘温除大熱
補中益気湯(脾胃論)
脾胃気虚の3症候に用います。
中気下陥・清陽不昇:胃下垂(胃アトニー)・子宮脱・脱肛・遊走腎・ヘルニア、食後眠い・頭がボーっとするなど
脾不統血:少量で持続的な出血(下半身・皮下の出血が多い)
女性は月経周期短縮や過多月経で、経血は薄い。
気虚の発熱:慢性にくり返す頭痛で、疲労時に起こります。
頭痛・悪寒・自汗が見られないときがあります。
※元気がない・息切れ・食欲不振・軟便、自汗(少し動くだけで発汗)など脾胃気虚の証候を伴います。

補気健脾・理気化痰・補血
帰芍六君子湯(和剤局方)
六君子湯の脾胃気虚に、血虚を伴うものに。
血虚:頭がふらつく、かすみ目・皮膚につやがないなど。

補気健脾・和胃降逆・消導
さ麹六君子湯(医〇)
六君子湯の脾胃気虚に、食滞を伴うものに。
食滞:胸胃が痞え苦しい・呑酸・嬌腐・腹張で下痢など。




C補血・活血のための漢方処方
「いわゆる婦人病薬」と捉える方もいらっしゃるのが、補血・活血薬です。しかしこれは、現代社会において男女問わず必要とされる大切な治療薬です。
漢方処方の薬効は、配合生の性質で決まります。この機会に、各処方について再確認ください。服薬治療中は血虚を招く生活習慣(夜更かし、目の酷使、歩かない)を改める様、ご指導ください。

補血調血・調経
四物湯(和剤局方)
血虚ほ基本対応薬です。
血虚:血の持つ濡養(栄養・滋潤)作用が低下した状態で、循環血液量の不足が起こす不快症状の事。
肌につやがない、目の疲れ・かすみ・乾き、爪がもろい、筋のひきつり(こむら返り)・四肢のしびれ感、月経周期遅延(甚だしければ無月経)・経血の過少など。

調経止痛・調経安胎
きゅう帰膠艾湯(金匱要略)
血虚の証候とともにみられる出血に用います。
不正性器出血・血尿・血便(少量で持続的)に用います。
※本方をもとにして、後の世に四物湯が作られました。

活血化お・消ちょう
桂枝茯苓丸(金匱要略)
骨盤内のうっ血(下焦の血お)に用います。
子宮筋腫の初期に用います。桃核承気湯と異なり瀉下剤を含まないため長期服用は可能、しかし補益性がほとんどないため服用時注意してください。

活血化お・補血・理気止痛
折衝飲(産論)
血虚血おに対する代表的処方です。
※桂枝茯苓丸の血管拡張作用・血行促進作用を高め、さらに補血作用を加えた、現代人に必要な補血活血薬です。

補血調肝・健脾利水・調経止痛
当帰芍薬散(金匱要略)
血虚・脾虚湿盛の対応薬で、男女ともに用います。
血虚脾虚湿盛:血虚の証候(四物湯参照)に、食欲不振、疲れやすい、顔手足のむくみ、頭が重い、腹痛、泥〜水様便、白色帯下、尿量減少などの脾虚湿盛の証候を伴ったもの。舌質は淡胖、舌苔は白、脈は細など。
※もとは、婦人の妊娠時腹痛に対した作られた処方。
血虚でも、むくみタイプには本剤を、肌乾燥タイプには四物湯を使い分けます。

活血気お・理気止痛・補血健脾・温裏虚寒
きゅう帰調血飲第一加減(一貫堂)
体質虚弱で寒証を呈する血お患者に適した処方です。
※産後女性の体調を整えるために作られたもの、現代では不妊治療に多用されます。
※不妊治療の際、生理痛激しい場合は事前に血お治療をし、イライラ激しい場合は気滞治療をし、著しい不快感が去った後、本剤による治療を始めます。
※活血・補血・理気・温中など、多方面を向く生薬で組成したため、薬効自体は穏やか。もともと産後女性の血の道のため作られたことがそれを証します。

血於の証候
 男女問わず起きるもの。固定制の刺痛(頭痛や月経痛)、どす黒い顔色・色素沈着・シミそばかす多発、クモ状血管・静脈瘤・唇が紫暗色・舌にお斑やお点・舌裏の静脈怒張など(頭痛、肩こり、健忘、寝つき寝起きの悪さ、冷えのぼせ、経血に凝塊混じる、も起こり得ます。)




D補陰に用いる漢方処方
滋補肝腎・清虚熱・利湿
六味地黄丸(小児薬証直訣)
肝腎陰虚に用いる代表処方です。
肝腎陰虚:慢性病、過労、ストレス状況の継続、発汗などを原因とする陰液の消耗で、これは肝血虚と腎陰虚の合併症です。
 肌のつやがない・目の疲れ・筋けいれん・爪のもろさ・月経周期の遅延など血虚の証候に、下半身の無力感・熱感症状(手のひら足の裏の熱間、夕刻からの熱感、尿黄、口渇)※乳幼児・小児の身体や知能の発育不良に用います。

滋補肝腎・清肝火・明目
杞菊地黄丸(医級)
肝腎陰虚を主体に、それが悪化した肝陽上亢にも。
 目のトラブル(疲れ・かすみ・乾き・まぶしい)・頭のふらつきなど肝腎陰虚。めまい感の肝陽上亢、さらに五心煩熱(掌・足裏の熱さ)・日ほ潮熱(夕刻からの熱感)・口渇・尿黄などの熱感症状を伴ったもの。

滋補肝腎・清肝火・明目
ジメイ丸(中国薬典)
肝腎陰虚で、耳鳴・動悸など肝陽上亢に用います。
※セミの鳴き声様の「耳鳴り治療」に用います。

滋補肝腎・清肝火・明目
麦味地黄丸(医級)
肝腎陰虚に、肺陰虚の証候が加わる場合に用います。
肺腎虚:空咳・息切れ・声枯れ、口渇、盗汗など
※肺腎虚すなわち「花粉症にならないために」「喘息にならないために」などの目的をもって使われます。日本ではあまり販売されませんが、六味地黄丸(杞菊地黄丸)に麦門冬湯を併れば、麦味地黄丸に近い薬効を得ることができます。

滋補肝腎・清熱瀉火
知柏地黄丸(医宗金鑑)
陰虚火旺に対して、用います。
陰虚火旺:六味地黄丸の基本対応である肝腎陰虚に、ほてり・のぼせ、口渇、寝汗、性欲過亢進などの火旺証候を伴ったもの。
※六味地黄丸(杞菊地黄丸)に、黄連解毒湯など清熱剤を増減しながら併せれば、本剤と同義で使えます。

温補腎陽
八味地黄丸(金匱要略)
腎陽虚に用います。
腎陽虚:膝腰がだるく力がない、知力減退、動作緩慢ふらつき、耳鳴、下半身や四肢の冷え、寒がる、嗜眠傾向、インポテンツ、排尿困難など。
※八味地黄丸から大熱の2生薬を抜いて、六味地黄丸が生まれました。
※夜間尿治療(尿意で早朝起床)に用いますが同時に、元気がない・食欲がないなど気虚症候を持つ方には胃もたれを起こし不適です。その際は、玄武湯(真武湯)を選択します。

温補腎陽・利水
牛車腎気丸(済生方)
腎陽虚の水腫で下半身の浮腫・乏尿に用います。

滋補肺腎・清熱
滋陰降火湯(万病回春)
肺腎陰虚に用います。(肺陰虚に陰虚火旺を伴う)。
 乾痰、少痰あるいは粘痰、声枯れ、呼吸促拍など肺陰虚で、ほてり、のぼせ、ふらつき、膝腰に力が入らない、寝汗など陰虚火旺の証候を伴うものに。
※補血滋陰の薬効を主に、清熱作用を付加したもの。

温陽利水
玄武湯(別名:真武湯/傷寒論)
陽虚の浮腫に対する、代表処方です。
陽虚水泛:浮腫(特に下半身)、尿量減少、泥状〜水様便、四肢が重だるい、寒気、元気がない、甚だしければ腹水や胸水を生じるもの。
※病の本態は気虚からの陽虚への移行、いわゆるエネルギー消耗によるもの。本剤に人参剤を併用するなど、気虚治療への配慮が必要です。
※上述の陽虚水泛は、慢性疾患などを持つ方に多く、脾腎陽虚と捉えます。それ以外に、老化や疲労を切っ掛けとして起こります。
※風水による急性浮腫や、熱証の浮腫には用いません。



E熄風薬(そくふうやく)
熄風薬とは、「身体のふらつき・めまい・手足の震え・筋肉の引きつり・けいれん・麻痺」などを治すものです。こららは内風と呼ばれ、肝風内動によって起こる不快症状です。内風は大別した3タイプ、肝腎陰虚から生じた「肝風内動」、高熱や感染による痙攣・後弓反張がある「熱極生風」、血虚を原因とする「血虚生風」です。
【熄風剤:天麻、釣藤鈎、疾莉子、石決明、羚羊角、地竜、白僵蚕、全蝎、蜈蚣など】

平肝熄風・清熱化痰・益気
釣藤散(普済本事方)
肝陽化風に、脾胃気虚を伴うものの代表処方です。
肝陽化風で脾胃気虚を伴う:頭のふらつき・めまい感・手足の震え、顔面紅潮・頭痛、イライラなどの肝陽化風の証候に、食欲不振・元気がない・悪心嘔吐・腹脹など脾胃気虚の証候を伴ったもの。舌質やや紅、舌苔は膩。
※高血圧患者なら「熱感(頭痛など)」と「ふらつき・めまい」を併せ持つものに用いる。

平肝熄風・疏肝健脾・補気血
抑肝散(保嬰撮要)
もとは、「乳幼児のひきつけ」に対し用いる処方です。
肝陽化風で気血両虚を伴う:イライラ・易怒、顔面紅潮・目の充血・頭痛、頭のふらつき・めまい感・手足の震え気虚の証候に、肌につやgない・目の疲れやかすみ乾き・筋のひきつり(こむら返りなど)・生理周期延長や無月経など肝血虚の証候を伴ったもの。舌質やや紅。舌苔は白。

滋陰養血・熄風
七物降下湯(修琴堂)
血虚の肝陽化風(血虚生風)に対し用いる処方です。
肝陽化風で血虚を伴う:頭のふらつき・めまい感・手足の震えなど肝陽化風の証候に、皮膚につやがない・爪がもろい・目の疲れ・四肢のしびれ感・月経周期遅延・月経量が少ないなど血虚の証候を伴ったもの。舌質淡。

《風治化痰薬》化痰熄風・益気健脾・きょ湿
半夏白朮天麻湯(脾胃論)
風痰上擾、回転性のめまいなどの常用処方です。
脾虚生湿からの風痰上擾:悪心嘔吐・胸苦しいなど痰湿証候に、めまい・頭痛など風痰上擾の証候を伴ったもの。舌苔は白膩。食欲不振・腹満・泥状便・悪心の脾虚不運が平素からある。

平肝熄風・疏肝健脾・補気血・燥湿化痰
抑肝散加陳皮半夏(日本経験方)
抑肝散と同じ不快証候に、悪心嘔吐や腹部膨満感など痰湿の証候を併せ持つときに用います。




F早春活躍の鼻炎改善薬(止咳平喘薬)
辛温解表・温肺化痰・平喘止咳・利水
小青竜湯(傷寒論)
表寒による寒痰の喘咳に対する代表処方です。
表寒による寒痰の喘咳:咳嗽・呼吸困難・喘鳴・白色で薄い大量の痰・くしゃみ・鼻水・鼻閉など寒痰の証候に、悪寒・頭痛・身体痛などの表証を伴う。
※鼻水とめに良い処方、花粉症への適応も増加中です。「透明な鼻水(多量)」を素早く止めますが、「鼻水が黄色に変化〜鼻詰まり」になった時は使うことができません。

温肺化痰・平喘止咳・利水
苓甘姜味辛夏仁湯(金匱要略)
寒痰による咳嗽・多痰に対する処方です。
寒痰の喘咳:咳喘・呼吸困難・白色で薄い大量の痰・喘鳴・くしゃみ・鼻水・冷えなどの証候を持ち、胃内に溜飲が見られることも多い。舌苔は白滑、脈は滑。
※小青竜湯と類似。麻黄・桂枝の発汗剤を外した事で、慢性鼻炎(水様鼻水)に継続使用も出来ます。

益気解表・化痰止咳・理気和胃
参蘇飲(和剤局方)
気虚の湿痰に対する処方で、感冒による咳嗽・喀痰あるいは悪心・嘔吐・腹部膨満感などに用います。
発熱・軽い悪寒・頭痛・身体痛・喉痛などの表裏を伴う。
通常も食欲不振・元気がない・疲れやすいの気虚証候から、悪心・嘔吐・腹部膨満・腹痛が生じやすい。舌質は淡紅、舌苔は白〜白膩、脈は浮緩。

「透明な鼻水(多量)」には、肺脾への温剤を。
「黄色の鼻水(少量)・鼻詰まり」には、肺熱を抑える寒剤を用います。石膏は「肺と胃」に働く清熱瀉火薬です。

清肺平喘・止咳
麻杏甘石湯(傷寒論)
肺熱の咳嗽・呼吸困難に対する基本処方です。
肺熱の咳嗽:咳嗽:呼吸困難・呼吸促拍・口渇・熱感・発熱・無汗や有汗の症候。舌苔は黄、脈は滑数。
※肺熱とは、肺や気道の炎症です。
※痔核の強い腫脹・疼痛を抑える事が知られます。

止咳平喘・疏肝解鬱・理気化痰
神秘湯(外台秘要)
精神的要素が絡む咳嗽・呼吸困難に対する処方です。
肝気鬱結の喘咳:咳嗽・呼吸困難・喘鳴・少痰とともに、いらいら・憂鬱感・胸脇部が張りなどの肝気鬱結の症候を伴う。精神的抑鬱が原因の咳嗽・呼吸困難(悪寒などの表証ある時有)、舌苔は白、脈は弦。

降気平喘・温化痰湿
蘇子降気湯(和剤局方)
寒痰の呼吸困難に対する処方です。
寒痰の呼吸困難:呼気性呼吸困難・喘鳴・(湿性ラ音聴取)・咳嗽・多痰・胸が苦しい・寒気・冷えなどの症候で、甚だしければ起坐呼吸を呈し、尿量減少を伴うことも多い。舌質は淡紅、舌苔は白滑、脈は滑。

滋陰清肺・化痰止咳
百合固金湯(医方集解)
肺陰虚の乾咳に対する代表処方です。
肺陰虚:慢性の乾咳・少痰あるいは粘痰で時に血が混じる・咽喉痛・口やのどの乾燥感・手のひらや足裏のほてり・身体の熱感・午後の微熱・寝汗などの症候。舌質は暗紅で乾燥(甚だしければ裂紋)、舌苔は少、脈は細数。




G寒気カゼの治療に(辛温解表薬)
辛温解肌・調和営衛
桂枝湯(傷寒論)
表寒・表虚に対する基本処方です。
表寒表虚:悪風(風に当たったり肌を露出すると寒気がする)・自汗(自然に汗ばむ)・微熱・頭痛・鼻閉など、舌苔白薄、脈浮緩。
処方構成:風寒の邪が表を攻めた時、抵抗する衛気が弱いと邪の侵入を許し(不快症状が弱い)、衛気の固摂作用はさらに弱まるためでないはずの汗が漏れます。この状態が「営衛不和」で、本方が基本対応薬。病邪を除去する発汗薬と、営分保護薬から構成されています。
※桂枝湯を基本とした処方がいくつかあります。芍薬(倍増)・生姜・大棗を増すと桂枝加芍薬湯に、更に膠飴を加えると小建中湯に変化します。


辛温解肌・調和営衛
桂枝湯と麻黄湯を等量配合(其々を1/3量に減)
風寒による寒気が、わずかに残る時に用います。
風寒表邪が軽く残り、顔が赤く、かゆみが現れたものに。

心温解表・生津・舒筋
葛根湯(傷寒論)
表寒・表実で、項背部の強張りを伴うときに用います。
麻黄湯と同じ不快症状ですが、寒気がやや軽く、津液の消耗から項背部の筋肉の強張りが起こっています。
桂枝湯を母体とした処方、強い寒気には麻黄湯を用います。

辛温解表・宣散通窮竅
葛根湯加川きゅう辛夷(日本の経験方)
葛根湯に川きゅうと辛夷を加え、日本でつくられた処方。
鼻炎・副鼻腔炎などでの、鼻づまり改善に用います。
温剤のため、肺熱で起こる強い鼻閉には用いません。

辛温解表・清熱除煩・利水・止咳平喘
大青竜湯(傷寒論)
表寒・裏熱に対する代表処方です。
表寒・裏熱:悪寒・無汗・身体痛・発熱など表寒・表実の証候を伴った時に用います。

辛温解表・宣肺平喘
麻黄湯(傷寒論)
表寒・表実に対する基本処方です。
悪寒表実:悪寒・無汗・発熱・頭痛・身体痛・咳嗽あるいは呼吸困難・口渇がないなどで、鼻閉・鼻水・ふるえなどを伴う事が多い。舌苔は白薄、脈は浮緊。
表実:身体の反射機能が十分に働いた、抵抗力の強い状態です。進入路となる汗腺を速やかに閉じるため、汗ばむことはありません。正常な衛気が邪と激しく戦うため、強い反応(強い寒気・身体痛)が起こります。
 寒さを強く受け、関節部まで痛く感じる時に用います。

辛温解表・止咳平喘
三拗湯(和剤局方)
表寒・表実で、咳嗽・呼吸困難の強い時に用います。

通陽解表
葱鼓湯(肘後方)
表寒・表実ですが、悪寒が強くないときに用います。

辛温解表・温肺化痰・平喘止咳・利水
小青竜湯(傷寒論)
表寒による寒痰の喘咳に対する代表処方です。
表寒による寒痰の喘咳:咳嗽・呼吸困難・喘鳴・白色で薄い大量の痰・くしゃみ・鼻水・鼻閉など寒痰の証候に、悪寒・頭痛・身体痛・発熱などの表証を伴った時に用います。麻黄湯を母体とした処方、透明な鼻水が流れ落ちる時に。

《付記》 
 日本の漢方製剤は、上記製剤に用いられる桂枝を桂皮に変えています。ともにクスノキ科のケイ(肉桂)ですが、樹皮を含む幼枝が桂枝、樹皮が桂皮です。
 辛温解表薬は口にすると辛く、身体を温めるもの。「汗を出すため」に作られています。寒気を感じた時、漢方薬を温湯で飲めば、身体が暖かくなり、30分以内に発汗が感じられます。濡れた衣服を着替え、その日暖かくしていれば治療は完了(背に寒気を感じる風寒カゼに限る)。風寒カゼの治療知識は、傷寒論で詳しく述べられています。





望診
目による診断
「目は心の鏡(孟子)」と言われます。目を見る事で心身の状況を予想し、診断・治療の助けにする事ができます。

場所 黒目
現す身体部分 中心部・瞳孔は腎
          瞳孔の周囲は肝

場所 白目
現す身体部分 白目は肺
          両端の血管は心

場所 瞼
現す身体部分 脾(胃)

 輝き潤う目は健康を表し、輝き少なく動き緩慢なら重病が疑われます。具体的には「凝視(上方)は肝風内動」「白目充血・目やには風熱が心火(+肝火)」「白目淡白は気血両虚」「角膜膨張し痛むは肝火」「白目の黄疸は温熱(稀に寒湿)」「目周辺のどす黒さは腎虚か血お」「眼窩陥没は津液の虚、腫れは水腫」など。
 目全体は肝に属すと理解されます。スマホ・PCで目の酷使が続けば、肝機能の低下を招きます。

ストレス状態での白目変化
白目の変化 淡い青色
弁証 肝気滞(肝気鬱結)
不快症状 憂うつ感・怒りやすい、腹部膨満感・おならやげっぷが多い・胸脇部苦満・下痢と便秘を繰り返す、熱感・顔全体が赤い・冷飲食物を好む、女性は生理前症候群(生理前の胸の張りや痛み)・生理不順(周期遅〜早)
治療処方 柴胡疏肝湯
       加味逍遥散
       大柴胡湯(頓服使用)。
       ※軽度なら香附子(香蘇散)を

白面変化 赤色 
弁証    心火旺
不快症状 不眠(朝まで寝られない)・夢をよく見る、気持ちのあせり・狂躁状態、さらに強い熱感、舌炎
治療処方 黄連解毒湯
       三黄瀉心湯(便秘がち/頓服使用)
      ※柴胡疏肝湯との併用を
※お子様の白目は、青色を帯びる事があります。これは成長過程の変化で、ストレス状況ではありません。

虹彩(中心部・瞳孔を除いた黒目部分)
虹彩の色 黒色
人の性質 慈悲心・同情心が強く、また涙もろい。心優しさゆえ、決断が遅れる時がある。

虹彩の色 黒褐色
人の性質 優雅であり、高尚なものを好む

虹彩の色 茶褐色
人の性質 卑しい世界に流されない実務家、活動的な良さを持つ



生薬、薬性事典【平肝熄風薬】
 身体に病をもたらす、2種類の風があります。ひとつは「ぞくぞく寒気カゼ」に代表される外風で、これを治療するのが辛温解表の麻黄・桂枝など。もうひとつが今回取り上げる内風で、「身体に起こるめまい・揺れふるえ」の不快症状で代表されるもの。内風を鎮めるのが平肝熄風薬で、天麻・釣藤鈎がもちいられています。
 「めまい・揺れふるえ」と不快症状を書きましたが、これは基本的に熱症状から起こるもの。「引きつり・顔面紅潮・頭痛(甚だしければ卒倒・意識障害・顔面神経麻痺・半身不随)」などの熱症状が、強く出てきます。風証は変化が速く、病状悪化で意識障害を起こす可能性も高くなります。漢方での対応手段は牛黄など開竅薬です。
 平肝熄風薬は天麻・釣藤鈎に代表されますが、寒暖の性質などがそれぞれ異なるため、生薬の性質を知った上で治療に用いてください。(熱邪・風痰・陰虚などが絡みます)。

テンマ(天麻)
〔起源〕ラン科オノノヤガラの根茎を外皮を剥き、湯通しの後乾燥したもの
〔効能〕平肝熄風・定驚、通経止痛
 ・めまいや頭痛に対する主薬のひとつ、特に肝風内動によるままいに効果がある。「眼虚して頭旋し陰風内に起これば、天麻にあらざれば除く事あたわず」の説明の様に、回転性のめまいに用いる。
 ・「補薬とともに虚風を熄し、散薬とともに外風を散じる」とされ、虚実どちらの治療にも用いる。
〔性味〕微辛・甘、平
〔帰経〕肝


≪テンマの印象≫
 新緑の森で目にしたテンマは、花も茎も地味な茶色、植物らしくない枯れた印象です。それもそのはず、ナラタケ(木材不朽菌、複数種の総称)から栄養をもらい生活する腐生植物です。”オニノヤガラ”の名の通り、外見は直立する1本の八の様で、葉などの分岐は一切ありません。薬用部位は根茎、ヤマイモのように地中に長く伸びています。回転性のめまい・ふらつきの治療に用います。

チョウトウコウ(釣藤鈎)
〔起源〕アカネ科のカギカズラの茎枝の一部をつけた鉤棘
〔効能〕熄風定驚・平肝清熱
 ・身体の揺れや、めまい(肝風内動)は熱症状を伴うため、性質微寒の釣藤鈎は用いやすい。
 ・高血圧の本態は肝腎陰虚と考えられるが、熱感症状と、肝風により起こる身体の揺れやめまいを併せ持つ場合の治療に用いる。熱症状が強ければ、清熱薬を追加する。
 ・高熱による痙攣に、老若問わず用いる。肝と心包の性火に働くため、小児驚熱に特に良い。 
 ・清熱・鎮痙効果を増す目的で、他の熄風薬とともに用いる。
 ・煎じ薬にする場合、仕上げの段階で投入し、すぐ火を止める。長時間の加熱で、効果が低下する。
〔性味〕甘、微寒
〔帰経〕肝・心包

《チョウトウコウの印象》
 チョウトウコウの花を見たいと思い野山通い、ようやく出会ったその花は、小さな手毬のごとく愛らしいものでした。ツル草であり、枝の部分に生やしたカギ(鉤)を他の植物に引っ掛け、上へ上へと伸びて成長に必要な太陽を浴びます。印象的なこのカギが植物名となり、カギカズラ(鉤葛)と呼ばれています。カギの部分を切り取り、身体の揺れ・めまいの治療に用います。


生薬、薬性事典【安神薬〜養心安神薬〜】
 安眠に働く生薬(安神薬)には、働きの異なる2つの種類があります。
 重鎮安神薬は、化石骨・貝殻・鉱石の類です(具体的には、竜骨・牡蛎・磁石など)。重量物が下へと落ちて行くイメージで、昂った心(気)を落ち着かせます。
 もう一方は養心安心薬で、種や根などの植物素材。機能低下した心肝に滋養を与える事で、眠り・思考の不調を改善します。サンソウニン(酸棗仁)・ハクシニンン(柏氏仁)は種子部分で、脂肪油などの滋養分を含んでいます。

サンソウニン(酸棗仁)
〔効能〕養肝・寧心・安神・斂汗
〔起源〕クロウメモドキ科 サネブトナツメの成熟種子を乾燥したもの
〔性味〕甘・酸、平
〔帰経〕心・脾・肝・胆経
 ・「不眠(寝つきが悪い・眠りが浅い)」や「神経衰弱(不安感が強い)」に用います。これは、血虚を基本として起こる不快症状です。
 ・修治品(生用・炒用)の薬効について諸説はありますが、脾胃の負担を軽くしたい時には炒って用います。煎薬には、茶色の殻を割って用います。
 ・「大量服用で昏睡状態になる?」と心配される方もありますが、重篤事例は過去ありません。

 今秋初めて目にしたサネブトナツメの果実。名の通りでナツメ(大棗)に似ていますが、小指第一関節程の小さなもの。作りや食味はリンゴに似ていて、核の中から小さな種を取り出すのが相当な手間です。
 ナツメは中国では果物として食卓に上るもの、このサネブトナツメは子供たちが秋の野で遊ぶ時、おやつ代わりに食されました。

ハクシニン(柏子仁)
〔効能〕寧心安神・潤腸通便・止汗
〔起源〕ヒノキ科コノデガシワの、成熟した種子を乾燥したもの
〔性味)甘・辛、平
〔帰経〕心・肝・腎経
 ・酸棗仁と一緒に用いる事が多い生薬。






生薬、薬性事典【平肝熄風薬】
 身体に病をもたらす、2種類の風があります。ひとつは「ぞくぞく寒気カゼ」に代表される外風で、これを治療するのが辛温解表の麻黄・桂枝など。もうひとつが今回取り上げる内風で、「身体に起こるめまい・揺れふるえ」の不快症状で代表されるもの。内風を鎮めるのが平肝熄風薬で、天麻・釣藤鈎がもちいられています。
 「めまい・揺れふるえ」と不快症状を書きましたが、これは基本的に熱症状から起こるもの。「引きつり・顔面紅潮・頭痛(甚だしければ卒倒・意識障害・顔面神経麻痺・半身不随)」などの熱症状が、強く出てきます。風証は変化が速く、病状悪化で意識障害を起こす可能性も高くなります。漢方での対応手段は牛黄など開竅薬です。
 平肝熄風薬は天麻・釣藤鈎に代表されますが、寒暖の性質などがそれぞれ異なるため、生薬の性質を知った上で治療に用いてください。(熱邪・風痰・陰虚などが絡みます)。

テンマ(天麻)
〔起源〕ラン科オノノヤガラの根茎を外皮を剥き、湯通しの後乾燥したもの
〔効能〕平肝熄風・定驚、通経止痛
 ・めまいや頭痛に対する主薬のひとつ、特に肝風内動によるままいに効果がある。「眼虚して頭旋し陰風内に起これば、天麻にあらざれば除く事あたわず」の説明の様に、回転性のめまいに用いる。
 ・「補薬とともに虚風を熄し、散薬とともに外風を散じる」とされ、虚実どちらの治療にも用いる。
〔性味〕微辛・甘、平
〔帰経〕肝


≪テンマの印象≫
 新緑の森で目にしたテンマは、花も茎も地味な茶色、植物らしくない枯れた印象です。それもそのはず、ナラタケ(木材不朽菌、複数種の総称)から栄養をもらい生活する腐生植物です。”オニノヤガラ”の名の通り、外見は直立する1本の八の様で、葉などの分岐は一切ありません。薬用部位は根茎、ヤマイモのように地中に長く伸びています。回転性のめまい・ふらつきの治療に用います。

チョウトウコウ(釣藤鈎)
〔起源〕アカネ科のカギカズラの茎枝の一部をつけた鉤棘
〔効能〕熄風定驚・平肝清熱
 ・身体の揺れや、めまい(肝風内動)は熱症状を伴うため、性質微寒の釣藤鈎は用いやすい。
 ・高血圧の本態は肝腎陰虚と考えられるが、熱感症状と、肝風により起こる身体の揺れやめまいを併せ持つ場合の治療に用いる。熱症状が強ければ、清熱薬を追加する。
 ・高熱による痙攣に、老若問わず用いる。肝と心包の性火に働くため、小児驚熱に特に良い。 
 ・清熱・鎮痙効果を増す目的で、他の熄風薬とともに用いる。
 ・煎じ薬にする場合、仕上げの段階で投入し、すぐ火を止める。長時間の加熱で、効果が低下する。
〔性味〕甘、微寒
〔帰経〕肝・心包

《チョウトウコウの印象》
 チョウトウコウの花を見たいと思い野山通い、ようやく出会ったその花は、小さな手毬のごとく愛らしいものでした。ツル草であり、枝の部分に生やしたカギ(鉤)を他の植物に引っ掛け、上へ上へと伸びて成長に必要な太陽を浴びます。印象的なこのカギが植物名となり、カギカズラ(鉤葛)と呼ばれています。カギの部分を切り取り、身体の揺れ・めまいの治療に用います。


生薬、薬性事典【安神薬〜養心安神薬〜】
 安眠に働く生薬(安神薬)には、働きの異なる2つの種類があります。
 重鎮安神薬は、化石骨・貝殻・鉱石の類です(具体的には、竜骨・牡蛎・磁石など)。重量物が下へと落ちて行くイメージで、昂った心(気)を落ち着かせます。
 もう一方は養心安心薬で、種や根などの植物素材。機能低下した心肝に滋養を与える事で、眠り・思考の不調を改善します。サンソウニン(酸棗仁)・ハクシニンン(柏氏仁)は種子部分で、脂肪油などの滋養分を含んでいます。

サンソウニン(酸棗仁)
〔効能〕養肝・寧心・安神・斂汗
〔起源〕クロウメモドキ科 サネブトナツメの成熟種子を乾燥したもの
〔性味〕甘・酸、平
〔帰経〕心・脾・肝・胆経
 ・「不眠(寝つきが悪い・眠りが浅い)」や「神経衰弱(不安感が強い)」に用います。これは、血虚を基本として起こる不快症状です。
 ・修治品(生用・炒用)の薬効について諸説はありますが、脾胃の負担を軽くしたい時には炒って用います。煎薬には、茶色の殻を割って用います。
 ・「大量服用で昏睡状態になる?」と心配される方もありますが、重篤事例は過去ありません。

 今秋初めて目にしたサネブトナツメの果実。名の通りでナツメ(大棗)に似ていますが、小指第一関節程の小さなもの。作りや食味はリンゴに似ていて、核の中から小さな種を取り出すのが相当な手間です。
 ナツメは中国では果物として食卓に上るもの、このサネブトナツメは子供たちが秋の野で遊ぶ時、おやつ代わりに食されました。

ハクシニン(柏子仁)
〔効能〕寧心安神・潤腸通便・止汗
〔起源〕ヒノキ科コノデガシワの、成熟した種子を乾燥したもの
〔性味)甘・辛、平
〔帰経〕心・肝・腎経
 ・酸棗仁と一緒に用いる事が多い生薬。働きも似ており、血虚を基本とした「不眠(寝つきが悪い・眠りが浅い)」「不安感」を治療します。穏やかな精神安定作用を持ちます。
 ・ウサギの糞のような、コロコロ便の便秘改善に用います。
 コノデガシワは街路樹として目にする事もある植物、秋に経2cm程の所々トゲがついたボール様の実を付けます。杉の実に似て青臭いものが、熱すと黄変し表面が避け、中からゴマに似た黒い種(薬用部)が1〜4個取り出せます。試しに食べてみましたが、殻が固くおいしいものではありませんでした。

オンジ(遠志)
〔効能〕安神・去痰・消癰
〔性味〕苦・辛・温
〔起源〕ヒメハギ科イトニメハギの根を乾燥して中央の木部を抜き乾燥したもの
〔帰経〕肺・心・腎経
 ・酸棗仁や柏子仁とは異なる、温性の安神薬。帰経も肝に関わっていないのが特徴です。
 ・物忘れに良いとされていますが、単独では効果はありません。他の安神薬(酸棗仁・茯神)や、補血薬の当帰と用いて初めて、精神安定(不眠・動悸など)に働きます。
 ・セネガと同属植物で、鎮咳去痰とも説明されます。

 花径1cm程の小さな紫花を咲かせる、イトビメハギ。「志を強くする効能」を持つことが名前の由来だと、李時珍が記しています。
 根を生薬としますが、中心の木部を抜き取ったものを用います。筒形になったそれを、遠志筒とも呼びます。



四季・暮らし養生訓2017 貴方だけに教えます!
四季の暮らし方を覚えれば、身体をいたわり、寿命を延ばすことができます。
春夏秋冬に加え土用も意識すべきもの、土用はウナギを食べる日ではなく「季節の変わり目」を指します。

季節 土曜
いつからいつまで 1月17日〜2月3日
病にならない暮らしかた 胃腸に無理をさせず、あっさりした温かい飲食物を摂ります。(心身の負担は最大)

季節 春
いつからいつまで 2月4日から4月16日
病にならない暮らしかた 少しの夜更かしは良いですが、必ず早起きします。
朝はゆったり散歩、髪をほどき、身体を伸びやかに動かします。(→守らないと夏に寒性病)

季節 土用
いつからいつまで 4月17日〜5月4日
病にならない暮らし方 胃腸に無理をさせず、あっさりした温かい飲食物を摂ります。

季節 夏
いつからいつまで 5月5日〜7月18日(5/5立夏、6/21夏至)
病にならない暮らし方 夜は遅く眠り、朝は早く起きます 体を動かし発散も良しとする、気持ちを高ぶらせず過ごします。(→守らないと秋に身震い発熱)

季節 土用
いつからいつまで 7月19日〜8月6日
病にならない暮らし方 胃腸に無理をさせず、あっさりした温かい飲食物を摂ります。※ウナギも良いですが、基本的に消化の良い食物を摂ります。

季節 秋
いつからいつまで 8月7日〜10月19日(8/7立秋、9/23秋分)
病にならない暮らし方 ニワトリの様に、早寝・早起きを心がけます。 心安らかに、心身のエネルギーを守るように努めます。(→守らないと冬に慢性下痢)

季節 土用
いつからいつまで 10月20日〜11月6日
病にならない暮らし方 胃腸に無理をさせず、あっさりした温かい飲食物を摂ります。

季節 冬
いつからいつまで 11月7日〜1月16日(11/7立冬、12/22冬至)
病にならない暮らし方 夜は早く眠り、朝はゆっくり起きます。欲望を抑え満足感多く生活し、消耗せぬように心掛けます。(→守らないと春に足の痺れ・腰曲がり)
※起床就寝は、着せsつの日出日没に合わせて書かれます。早寝早起きが基本。※夏至は日照時間が最長で冬至は最短、春分と秋分は昼夜の長さが同じ。






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生薬、薬性事典【平肝熄風薬】
 身体に病をもたらす、2種類の風があります。ひとつは「ぞくぞく寒気カゼ」に代表される外風で、これを治療するのが辛温解表の麻黄・桂枝など。もうひとつが今回取り上げる内風で、「身体に起こるめまい・揺れふるえ」の不快症状で代表されるもの。内風を鎮めるのが平肝熄風薬で、天麻・釣藤鈎がもちいられています。
 「めまい・揺れふるえ」と不快症状を書きましたが、これは基本的に熱症状から起こるもの。「引きつり・顔面紅潮・頭痛(甚だしければ卒倒・意識障害・顔面神経麻痺・半身不随)」などの熱症状が、強く出てきます。風証は変化が速く、病状悪化で意識障害を起こす可能性も高くなります。漢方での対応手段は牛黄など開竅薬です。
 平肝熄風薬は天麻・釣藤鈎に代表されますが、寒暖の性質などがそれぞれ異なるため、生薬の性質を知った上で治療に用いてください。(熱邪・風痰・陰虚などが絡みます)。

テンマ(天麻)
〔起源〕ラン科オノノヤガラの根茎を外皮を剥き、湯通しの後乾燥したもの
〔効能〕平肝熄風・定驚、通経止痛
 ・めまいや頭痛に対する主薬のひとつ、特に肝風内動によるままいに効果がある。「眼虚して頭旋し陰風内に起これば、天麻にあらざれば除く事あたわず」の説明の様に、回転性のめまいに用いる。
 ・「補薬とともに虚風を熄し、散薬とともに外風を散じる」とされ、虚実どちらの治療にも用いる。
〔性味〕微辛・甘、平
〔帰経〕肝


≪テンマの印象≫
 新緑の森で目にしたテンマは、花も茎も地味な茶色、植物らしくない枯れた印象です。それもそのはず、ナラタケ(木材不朽菌、複数種の総称)から栄養をもらい生活する腐生植物です。”オニノヤガラ”の名の通り、外見は直立する1本の八の様で、葉などの分岐は一切ありません。薬用部位は根茎、ヤマイモのように地中に長く伸びています。回転性のめまい・ふらつきの治療に用います。

チョウトウコウ(釣藤鈎)
〔起源〕アカネ科のカギカズラの茎枝の一部をつけた鉤棘
〔効能〕熄風定驚・平肝清熱
 ・身体の揺れや、めまい(肝風内動)は熱症状を伴うため、性質微寒の釣藤鈎は用いやすい。
 ・高血圧の本態は肝腎陰虚と考えられるが、熱感症状と、肝風により起こる身体の揺れやめまいを併せ持つ場合の治療に用いる。熱症状が強ければ、清熱薬を追加する。
 ・高熱による痙攣に、老若問わず用いる。肝と心包の性火に働くため、小児驚熱に特に良い。 
 ・清熱・鎮痙効果を増す目的で、他の熄風薬とともに用いる。
 ・煎じ薬にする場合、仕上げの段階で投入し、すぐ火を止める。長時間の加熱で、効果が低下する。
〔性味〕甘、微寒
〔帰経〕肝・心包

《チョウトウコウの印象》
 チョウトウコウの花を見たいと思い野山通い、ようやく出会ったその花は、小さな手毬のごとく愛らしいものでした。ツル草であり、枝の部分に生やしたカギ(鉤)を他の植物に引っ掛け、上へ上へと伸びて成長に必要な太陽を浴びます。印象的なこのカギが植物名となり、カギカズラ(鉤葛)と呼ばれています。カギの部分を切り取り、身体の揺れ・めまいの治療に用います。


生薬、薬性事典【安神薬〜養心安神薬〜】
 安眠に働く生薬(安神薬)には、働きの異なる2つの種類があります。
 重鎮安神薬は、化石骨・貝殻・鉱石の類です(具体的には、竜骨・牡蛎・磁石など)。重量物が下へと落ちて行くイメージで、昂った心(気)を落ち着かせます。
 もう一方は養心安心薬で、種や根などの植物素材。機能低下した心肝に滋養を与える事で、眠り・思考の不調を改善します。サンソウニン(酸棗仁)・ハクシニンン(柏氏仁)は種子部分で、脂肪油などの滋養分を含んでいます。

サンソウニン(酸棗仁)
〔効能〕養肝・寧心・安神・斂汗
〔起源〕クロウメモドキ科 サネブトナツメの成熟種子を乾燥したもの
〔性味〕甘・酸、平
〔帰経〕心・脾・肝・胆経
 ・「不眠(寝つきが悪い・眠りが浅い)」や「神経衰弱(不安感が強い)」に用います。これは、血虚を基本として起こる不快症状です。
 ・修治品(生用・炒用)の薬効について諸説はありますが、脾胃の負担を軽くしたい時には炒って用います。煎薬には、茶色の殻を割って用います。
 ・「大量服用で昏睡状態になる?」と心配される方もありますが、重篤事例は過去ありません。

 今秋初めて目にしたサネブトナツメの果実。名の通りでナツメ(大棗)に似ていますが、小指第一関節程の小さなもの。作りや食味はリンゴに似ていて、核の中から小さな種を取り出すのが相当な手間です。
 ナツメは中国では果物として食卓に上るもの、このサネブトナツメは子供たちが秋の野で遊ぶ時、おやつ代わりに食されました。

ハクシニン(柏子仁)
〔効能〕寧心安神・潤腸通便・止汗
〔起源〕ヒノキ科コノデガシワの、成熟した種子を乾燥したもの
〔性味)甘・辛、平
〔帰経〕心・肝・腎経
 ・酸棗仁と一緒に用いる事が多い生薬。働きも似ており、血虚を基本とした「不眠(寝つきが悪い・眠りが浅い)」「不安感」を治療します。穏やかな精神安定作用を持ちます。
 ・ウサギの糞のような、コロコロ便の便秘改善に用います。
 コノデガシワは街路樹として目にする事もある植物、秋に経2cm程の所々トゲがついたボール様の実を付けます。杉の実に似て青臭いものが、熱すと黄変し表面が避け、中からゴマに似た黒い種(薬用部)が1〜4個取り出せます。試しに食べてみましたが、殻が固くおいしいものではありませんでした。

オンジ(遠志)
〔効能〕安神・去痰・消癰
〔性味〕苦・辛・温
〔起源〕ヒメハギ科イトニメハギの根を乾燥して中央の木部を抜き乾燥したもの
〔帰経〕肺・心・腎経
 ・酸棗仁や柏子仁とは異なる、温性の安神薬。帰経も肝に関わっていないのが特徴です。
 ・物忘れに良いとされていますが、単独では効果はありません。他の安神薬(酸棗仁・茯神)や、補血薬の当帰と用いて初めて、精神安定(不眠・動悸など)に働きます。
 ・セネガと同属植物で、鎮咳去痰とも説明されます。

 花径1cm程の小さな紫花を咲かせる、イトビメハギ。「志を強くする効能」を持つことが名前の由来だと、李時珍が記しています。
 根を生薬としますが、中心の木部を抜き取ったものを用います。筒形になったそれを、遠志筒とも呼びます。



四季・暮らし養生訓2017 貴方だけに教えます!
四季の暮らし方を覚えれば、身体をいたわり、寿命を延ばすことができます。
春夏秋冬に加え土用も意識すべきもの、土用はウナギを食べる日ではなく「季節の変わり目」を指します。

季節 土曜
いつからいつまで 1月17日〜2月3日
病にならない暮らしかた 胃腸に無理をさせず、あっさりした温かい飲食物を摂ります。(心身の負担は最大)

季節 春
いつからいつまで 2月4日から4月16日
病にならない暮らしかた 少しの夜更かしは良いですが、必ず早起きします。
朝はゆったり散歩、髪をほどき、身体を伸びやかに動かします。(→守らないと夏に寒性病)

季節 土用
いつからいつまで 4月17日〜5月4日
病にならない暮らし方 胃腸に無理をさせず、あっさりした温かい飲食物を摂ります。

季節 夏
いつからいつまで 5月5日〜7月18日(5/5立夏、6/21夏至)
病にならない暮らし方 夜は遅く眠り、朝は早く起きます 体を動かし発散も良しとする、気持ちを高ぶらせず過ごします。(→守らないと秋に身震い発熱)

季節 土用
いつからいつまで 7月19日〜8月6日
病にならない暮らし方 胃腸に無理をさせず、あっさりした温かい飲食物を摂ります。※ウナギも良いですが、基本的に消化の良い食物を摂ります。

季節 秋
いつからいつまで 8月7日〜10月19日(8/7立秋、9/23秋分)
病にならない暮らし方 ニワトリの様に、早寝・早起きを心がけます。 心安らかに、心身のエネルギーを守るように努めます。(→守らないと冬に慢性下痢)

季節 土用
いつからいつまで 10月20日〜11月6日
病にならない暮らし方 胃腸に無理をさせず、あっさりした温かい飲食物を摂ります。

季節 冬
いつからいつまで 11月7日〜1月16日(11/7立冬、12/22冬至)
病にならない暮らし方 夜は早く眠り、朝はゆっくり起きます。欲望を抑え満足感多く生活し、消耗せぬように心掛けます。(→守らないと春に足の痺れ・腰曲がり)
※起床就寝は、着せsつの日出日没に合わせて書かれます。早寝早起きが基本。※夏至は日照時間が最長で冬至は最短、春分と秋分は昼夜の長さが同じ。



臓腑弁証・腎
 腎は泌尿器だけでなく、中枢神経系の一部・内分泌系・免疫監視能など機能系に大きく関わり、人の生長と老化を考える時、極めて重要な臓です。(腎は先天の本と呼ばれています)

腎の機能
@腎は精を蔵し、生長・発育・生殖を主る
 腎が蓄える精は、人体の生長・発育・生殖および、他の臓腑の正常な生理活動を維持するために必要な、物質的基礎です。精は血に変化し、肝と共同で月経・妊娠・分娩などに密接に関与します。腎が蔵す精は、父母から与えられた「先天の精」に、出生後に飲食物から抽出する「後天の精」を注ぎ込んだものです。
A腎は水を主る
 体内の水液が正常に働くよう、調整しています。腎精から現れる腎陽の蒸騰作用により、津液を蒸気の様に変化させ、三焦内を上昇周行させています。これにより身体各部に水分供給を行い、廃液は膀胱に貯め尿として適宜排出します。、
B腎は骨を主り、髄を生じ、脳に通じる
 骨髄・脊髄・脳髄の3種の髄は、すべて腎精から生じたもの。腎の状況悪化により、骨・髄・脳は衰弱します。
C腎は上は耳に、下は二陰に開竅する。その華は髪にある
 腎精が満ち足りて、聴覚は鋭敏になります。年老いて(そうでなくとも)腎精が不足すれば、耳鳴や聴力減退が起こります。前陰(外生性器)と後陰(肛門)が二陰。腎精が不足すれば、失禁など大小便異常が起こり、生殖器の異常(陽萎・早漏・滑精)もまた起こりやすくなります。
D腎は納気を主る
 呼吸機能に関連し、肺が吸入した清気を受蔵する働き。特に呼気(吸込む)に関連が強く、腎気の持つ固摂作用(摂納)により、肺が取り込んだ清気を体内に取り入れています。喘息は、補腎の役割を持つ漢方処方で治療します。

弁証
虚証あるいは虚実挾雑
腎精不足

主症状
めまい、耳鳴、脱毛、歯の動揺、知能減退・健忘、動作が遅い、腰膝がだるく力が入らない、性機能減退、発育不良(乳児の泉門閉鎖遅延・知能発達が遅い)、女性の無月経・不妊など

論知
補腎益精

代表処方
六味地黄丸
河車大造丸


弁証
腎気不固

主症状
腎精不足の証候+
尿失禁・夜尿・尿の余瀝、夢精・滑精・早漏など(小児の夜尿症、尿失禁、早漏など)

論治
補腎固摂

代表処方
桑ひょう蛸散
金鎖固精丸(竜骨、牡蛎など)


弁証
腎陽虚

主症状
腎精不足の証候+
寒がる・四肢の冷え、多尿・頻尿、元気がない・顔色が白い・嗜眠傾向
舌質淡で胖大・舌苔白、脈は沈遅で無力

論治
温補腎陽

代表処方
真武湯
八味地黄丸
(附子、肉桂、杜仲など)


弁証
腎虚水氾

主症状
腎陽虚の証候+
全身、特に下半身に浮腫が見られる、尿量減少または乏尿(病態悪化で)腹水や肺水腫が見られるときがある
舌質淡で胖大・舌苔は白滑、脈は沈細

論治
温陽利水

代表処方
真武湯
牛車腎気丸
実痺飲


弁証
腎陰虚(陰虚陽亢)

主症状
腎精不足の証候+
熱感≪体の熱感・のぼせ・手のひらや足の裏のほてり・口の渇き、尿色が濃い、盗汗(ねあせ)≫
舌質紅〜絳・舌苔無〜少苔、脈細数または浮数で無力

論治
滋補腎陰
滋陰潜陽

代表処方
六味地黄丸
杞菊地黄丸


弁証
《付記》
肝腎陰虚

主症状
腎陰虚の証候+
肝血虚(皮膚につやがない、爪がもろい、目の疲労・かすみ・乾き、手足のしびれ・筋けいれん、月経遅延あるいは無月経・経血量が少ない)

論治
滋補肝腎

代表処方
杞菊地黄丸
一貫煎
※高血圧や糖尿病の本態となるもの


弁証
腎不納気

主症状
腎精不足・腎陰虚・腎陽虚の証候+
呼吸困難(特に吸気)・呼吸が浅い、脈無力(喘息、肺気腫、心不全)

論治
補腎納気

弁証
参かい散
都気丸(冬虫夏草など)


実証
弁証
膀胱湿熱

主症状
頻尿・尿意促進・排尿痛・排尿困難・残尿感・尿の混濁など、時に血尿、結石
舌質紅・舌苔黄、脈数

論治
清利利湿
猪苓湯
五淋散
六一散

腎精・腎陰・腎気・腎陽
 生命活動の基本的物質である精を「腎精」と呼び、腎陰と同じ意味として捉えます。
 腎精をもとに生じる生命活動を腎気とし、腎陽は腎気と同じですが温煦作用を強調する場合に用いられます。これらはいずれも生命活動の基本になるところから、腎陰を「元陰、真陰」と、腎陽を「元陽、真陽、命門の火」と言います。
※腎陰虚は、実際には肝腎陰虚の形で現れます。




すばらしい牛黄の働き!
@心臓の働きを高める
・動悸・むくみ・息切れ

A肝臓の機能を高める
・肝炎・二日酔い
・倦怠感

B血圧を下げる
高血圧の
・頭痛・肩こり・のぼせ・めまい

C炎症を抑える
・喉痛
・口内炎
・関節痛

D感染を抑える
・風邪
・感染症の早期回復

E発熱を抑える
・熱性ケイレン
・子供の発熱

F血栓の予防
・心筋梗塞
・認知症
・脳血管障害

Gけいれんを鎮める
・手足の震え
・足がつる
・腹痛、さしこみ

H貧血を改善する
・血色不良
・更年期障害
・立ちくらみ

Iイライラを鎮める
・不眠・疲労・疳の虫
・不安感、うつ病
























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