mk6kaze

古くて新しい漢方薬を知る

漢方医学は、日本では西洋医学より長い歴史を持つ伝統医学です。少し前は、漢方薬は、西洋医学では治せない疾患に対して使われることが多かったのが、近年では近年は臨床試験におけるエビデンスも蓄積されつつあり、新しい使い方も広がっています。婦人科、精神科、小児科、がんの補助療法など、幅広い領域における処方のポイントや注意点について、専門家から最新の知見をお届けします。

日本で独自の発展を遂げた漢方医学
 漢方医学あるいは漢方とは、古代中国医学が日本に伝来して、それが日本の民族性や風土に合わせて独自に発展を遂げてきた医学を指し、広い意味では鍼灸なども含みます。
 2000年ほど前の中国最古の医学書とされる『黄帝内経』の基礎原理に基づいて治療法が記された『傷寒雑病論』は、後漢の時代(25~220年)に編纂されました。これは後に、『傷寒論』と『金匱要略』に分かれて伝っています。例えば、有名な「葛根湯」は『傷寒論』に登場する処方です。
 6世紀頃、中国医学は朝鮮半島を経由して初めて日本に伝わり、7世紀以降は遣隋使や遣唐使によって医学書がもたらされました。8世紀には鑑真が来日して、多くの薬物を持ち込み大きな影響を与えました。初期は中国医学を真似ていただけでしたが、984年に漢の皇帝の末裔でつ丹波康頼が、それらの書物を引用して、現存する日本最古の医学書とされる『医心方』を著しました。
 江戸時代の頃には一般市民にも普及しましたが、明治時代以降は、西洋文明の導入に伴って、日本では西洋医学が主体になりました。近年、超高齢化社会が到来し、生活習慣病などの慢性疾患を中心とした疾病構造の変化などにより、漢方医学が再認識されるようになり、関心が高まっています。

漢方エキス製剤は148品目が保険適用
 漢方薬とは、漢方医学で用いられる生薬を組み合わせた漢方処方のことですが、それらの生薬を指して言う場合もあります。生薬とは、天然に存在する植物や動物、鉱物を加工調整した薬物を指します。
 現代の日本においては、医師であれば誰でも漢方薬を処方できるため、手軽な医療用漢方エキス製剤が日常診療において多く用いられており、医療の一端を担っています。
 1967年、医療用として、「葛根湯」「五苓散」「十味敗毒湯」「当期芍薬散」のエキス製剤4品目が薬価収載されたのを皮切りに、現在では148品目が収載されており、医療保険で用いることができます。対象となる疾患は、急性上気道炎、アレルギー性鼻炎、胃腸障害、便秘、冷え性、疲労倦怠感、神経痛、関節痛、筋肉痛、月経不順、更年期障害など多彩で、診療科も多岐にわたります。
 また、煎じ薬にするための医療用の生薬も約200品目が薬価収載されており、保険適用となっています。
 ほとんどの生薬は、中国医学を由来とするものですが、日本独自の薬物(和薬)も一部あります。「十味敗毒湯」のように、江戸時代の外科医である華岡青洲により、中国の明時代の医学書『万病回春』の「荊防敗毒散」を基に日本で創られた漢方処方もあり、それに含まれる桜皮は日本独自の生薬です。 
 余談ですが、華岡青洲は後漢時代の中国の記録を基に麻酔薬「通仙散」を開発し、世界で初めて全身麻酔下での乳がん手術を行ったことでも知られています。

西洋医学を補完する漢方医学
 ヒポクラテスの時代まで遡れば、西洋医学もハーブや動物、鉱物などの天然のものを薬として使っていたと思われ、化学合成で薬が製造されるようになったのは、人類の長い歴史の中ではごく最近のことと言えるかもしれません。そういう意味では、西洋医学と漢方医学の違いをことさらに述べることは、あまり意味がないような気がします。
 そのうえでの話ですが、西洋医学は薬だけでなく診断技術や手術法なども大きく発展していますが、一方、漢方医学はある意味では基本的には伝統を守り続けており、それが両者の根本的な違いなのかもしれません。
 一般に、西洋医学は科学的・分析的であるのに対し、漢方医学は経験的・総合的だと言えます。また、専門分化した西洋医学が「病気の原因を探り治療する」のに対し、漢方医学は「病気を持っている人間を治療する」と言えるのではないでしょうか。その他、表1のような特徴があります。
 両者のバランスは、時代によって変化してきたような気がします。例えば、30年ほど前は、ウイルス性肝炎、関節リウマチ、気管支喘息などに対してあまり良い薬がなく、それらの患者さんが漢方を頼って多く受診されました。しかし、関節リウマチは抗リウマチ薬や生物学的製剤、気管支喘息は吸入ステロイド薬などでコントロールできるようになり、ウイルス性肝炎もインターフェロン製剤、最近では核酸あな製剤などの登場で根治が目指せるようになり、それらの治療目的で漢方を求める患者さんは減ってきました。
 現代の日本は西洋医学が主体で、漢方の専門家もほとんどが西洋医学と組み合わせた診療をしていると思います。例えば、内視鏡で早期のがんが見つかれば、それを漢方薬だけで治療することはなく内視鏡的治療や外科的治療などを優先して行います。漢方医学は西洋医学を補完したり、西洋薬と併用するような形で使われることが多いのが現状です。
 一般に慢性疾患の人は体質改善を目的として漢方薬を求めてくることが多く、漢方薬はじわじわと効いてくるようなイメージが強いのですが、風邪に用いる「葛根湯」のように即効性のあるものもあります。


四診で「証」を診断して処方を決める
 漢方治療は、漢方医学的な適応病態、すなわち「証」に従ってなされる隋証治療であるべきだとされます。また、漢方医学における診察法は、望診・聞診・問診・切診の4つに分類され、四診と呼ばれます。四診により証を診断し、処方する漢方薬を決定するのです。
 四診のうち望診は、視覚から情報を得る事で、顔色や動作だけでなく、舌の状態を見る舌診も含みます。聞診は、声の大きさや咳、喘鳴、呼吸音などを聞くことだけでなく、体臭や便のにおいなども含みます。問診では、病歴や現在の症状など、患者の訴えを尋ねます。切診は、実際に体に触れる触診のことで、腹診(腹部に触れる)と脈診(脈の速さ・強さ・深さなどを診る)などからなります。
 病態(証)には、陰陽、虚実、寒熱、表裏、気血水、五臓、六病位といった概念があります。
 陰陽は、病気に対する反応の性質を表す概念で、一言では、陽証は暑がりのタイプ、陰証は寒がり(冷え性)のタイプと言えるかもしれません。
 虚実は、普段の体力あるいは病気に対する抵抗力や反応の強さを指し、急性と慢性の状態に分けて考えると理解しやすいでしょう。急性症状の場合は、実証では症状が強く激しく、虚証では症状が弱く穏やかな傾向があると考えます。慢性疾患の場合は体力と置き換えて、がっちりした体格を実証、きゃしゃで虚弱な場合を虚証と捉えることが多いようです。
 寒熱では、熱証は熱感、実証は冷感を自覚する状態です。または、局所的に熱あるいは冷えが感じられる状態を指すこともあります。例えば、更年期障害の症状でよくみられる冷えのぼせ(下半身は冷えるが上半身はほてる状態)を上熱下寒と表現したりします。
 また、気血水は、生体の恒常性を維持する3つの重要な要素と考えています。気は生命活動を営む根源的エネルギー、血は生体を物質的に支える赤色の液体、水は整体を物質的に支える無色の液体で、健康な状態ではこれらが円滑に体内を巡ると考えています。
 気血水の病的な状態には、気虚(気の涼の不足)、気鬱(気の循環の停滞)、気逆(気の順行の失調)、血虚(血の量の不足)、お血(血の流通の停滞)、水滞(水の偏在)があります。
 五臓とは、西洋医学の臓器の概念とは異なり、精神機能を含めた独特の概念で、肝・心・脾・肺・腎の5つを指します。例えば、怒りっぽい、イライラしやすいなどの神経過敏な興奮性の精神症状は、肝がうまく機能していないための症状と考え、「抑肝散」の適応となります。
 さらに、六病位は、急性の感染症などで病状が移り変わる際に、病状の変化の段階を示すステージ分類のようなものです。
 このような証という物差しを用いて、一人ひとりの患者さんの状態を捉えていきます。

 漢方医学とEBM
 現代の医学は、EBM(evidence based medicine)が基本で、医薬品は、すべて臨床試験(治験)を経て承認されています。一方、漢方医学は長年の経験に基づいて発展してきており、前述の通り、日本では医療用漢方エキス製剤や生薬が保険適用されていますが、臨床試験を経ずに薬価収載されたという経緯があります。
 そこで、1991年に厚生省(当時)は、8品目の漢方処方について再評価指定をしました。これを受けて、高血圧症随伴症状に対する「黄連解毒湯」、過敏性腸症候群に対する「桂枝加芍薬湯」、肝硬変に伴う筋痙攣に対する「芍薬甘草湯」、感冒と慢性肝炎に対する「小柴胡湯」、気管支炎とアレルギー性鼻炎に対する「小青竜湯」、便秘症に対する「大黄甘草湯」、上部消化管機能障害に対する「六君子湯」の臨床試験の成績が報告されました。
 日本東洋医学会では、漢方薬の臨床的根拠(エビデンス)の収集に取り組んでおり、その成果を学会のウェブサイトで公表しています。近年は、漢方薬の有効性を検証した臨床試験や作用機序の関する研究の国際雑誌への掲載が増えてきています。また、漢方処方の記載を含む診療ガイドラインも増えており、これらについても確認できます。

婦人科疾患は漢方医学の得意分野
 では、前述した漢方独自の診断方法に基づいて、漢方が得意とする領域や、漢方ならではの治療について、具体的な処方を挙げながら紹介していきましょう。
 月経困難症や更年期障害などの婦人科疾患は、昔から漢方医学の得意分野の1つとされています。
 まず、個々の患者の病態(証)を捉えます。例えば、更年期障害の「顔がほてる」「汗をかきやすい」「手足の先が冷える」「動悸がする」などの症状は気逆、「怒りやすい」「イライラしやすい」は肝の異常、「意欲がない」「憂うつになる」は気鬱、「頭痛」「めまい」は水滞、「疲れやすい」は気虚などとして捉えます。
 「当帰芍薬散」は冷え、めまい、貧血傾向、浮腫傾向などを目標に使用されます。まt、不妊症の体質改善、妊娠中や産後の諸々の症状に用いられることもあります。
 「加味逍遙散」は、神経過敏、イライラ、発作性の熱感・発汗などを目標にして、更年期障害にも用いられることがありあます。
 この他、月経痛に「芍薬甘草湯」や「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」、貧血に、「四物湯」や「きゅう帰荊芥湯」、便秘を伴う場合は「桃核承気湯」や「大黄牡丹皮湯」、妊娠悪阻(つわり)に「小半夏加茯苓湯」や「半夏厚朴湯」などが処方されることもあります。
 また、月経前症候群などでイライラが強い場合、「抑肝散」や、それに陳皮と半夏を加えた「抑肝散加陳皮半夏」が用いられることもあります。

婦人科疾患で用いられる主な漢方薬

陰陽 虚実 処方                症候

陰証 虚証 当帰芍薬散  月経不順、月経痛、不妊、流産、産前・妊娠中・産後の体調不良、冷え、貧血、浮腫、疲労倦怠感、頭重、頭痛、めまい、肩こり、腹痛、腰痛、臍傍抵抗圧痛

陽証 虚実間証 加味逍遥散  月経不順、月経痛、上半身の熱感、のぼせ、発作性の発汗、神経過敏、イライラ、不安、肩こり、めまい、頭痛
           桂枝茯苓丸 月経不順、月経痛、頭痛、めまい、肩こり、腰痛、のぼせ、赤ら顔、冷えのぼせ、臍傍抵抗圧痛


心因性ストレスによる精神症状に処方
 ストレス社会にあって、最近は精神症状のために漢方薬を使う場面も増えています。イライラ、不安、抑うつなどは、様々な心身の病気に伴って現れます。
 うつ病や不安障害などで重症の場合や緊急を要する場合には、精神科において西洋医学的な治療が優先されますが、心因性ストレスによる不調には、漢方治療が有効なことも少なくありません。漢方医学の「証」では、こうした心の異常などとして捉えることがあります。
 「桂枝加竜骨牡蠣湯」は、神経過敏で、のぼせ、動悸がみられるような気逆がある場合に用いられます。「半夏厚朴湯」は咽の閉そく感や異物感の訴えがある気鬱に、「加味逍遙散」は不安、抑うつ、不眠などがあり、気力がない気虚に用いられます。
 「抑肝散」は、肝の失調とみられる興奮性の神経症状に用いられます。また、前述した通り、「加味逍遙散」は更年期の精神症状に処方されます。

認知症の精神症状に「抑肝散」が有効
「抑肝散」は、神経が高ぶり、怒りやすくイライラしやすい人や、神経症や不眠症、小児の夜泣きなどにも用いられてきた処方デス。近年、認知症の行動・心理症状(BPSD)のうち、特に興奮性の精神症状に対する有効性が臨床試験で示されており、処方される機会が増えています。
 アルツハイマー病やレビー小体病などの認知症の精神症状・行動異常に対する臨床試験では、妄想、幻覚、興奮/攻撃性、易刺激性などにおいて改善がみられていまいす。
 我々も「釣藤散」の血管性認知症に対する臨床試験を行い、また薬理作用についても研究してきました。脳内でグルタミン酸が過剰になると、興奮や神経細胞死が生じますが、「釣藤散」の構成生薬である釣藤散には、それを抑える作用があります。「抑肝散」にも釣藤散が含まれており、薬効の鍵になっていると考えられます。

虚弱な小児の体質改善に
 心身の発達が未熟な状態にある小児は、ちょっとしたことで体調を崩すことも少なくありません。とりわけ虚弱な小児は、同じ病気や症状を日常的に繰り返し起こします。かぜをひきやすい、疲れやすい、食欲がない、下痢しやすい、腹痛・頭痛などをよく訴える、アレルギー症状が出やすい、などが虚弱な小児によくみられる症状です。
 漢方医学では、これらに対して、日常生活における体質改善を含めたアプローチをします。一般に小児の適量は、エキス製剤の場合は体重1kg当たりおよそ0.1~0.2gとされます。小児は苦みに敏感ですが、「小建中湯」や「黄耆建中湯」は膠飴という一種のアメが入っているので、比較的良好なコンプライアンスで服用してくれます。
 風邪をひきやすい、ひいても治りにくいなど、病気に対する抵抗力が低下した状態は、漢方医学では気虚と考え、「小建中湯」がよく使われます。その他、「補中益気湯」が処方されることもあります。
 食欲がない場合は、脾胃(胃腸)の機能を高める目的で、「六君子湯」が処方されることがあります。お腹が冷えると下痢しやすくなる慢性の下痢には「人参湯」、水様便や軟便には「五苓散」、疝痛や腹部膨満感を伴う下痢(ないし便秘)には「桂枝加芍薬湯」が処方されることもあります。
 器質的な病気を除外したうえで、腹痛・頭痛などの不定愁訴には心の問題への対処が検討されます。腹痛などの胃腸症状や過敏性腸症候群には、「小建中湯」や「桂枝加芍薬湯」、夜泣きなどを伴う際は「抑肝散」や「甘麦大棗湯」などが用いられます。
 アレルギー性疾患(アレルギー性鼻炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎など)では、西洋薬と併用する場合が多くなっています。アレルギー性鼻炎には、「小青竜湯」、気管支喘息には、「麻杏甘石湯」などが処方されます。アトピー性皮膚炎には「小建中湯」や「黄耆建中湯」、「十味敗毒湯」なども用いられることがあり、小児に限らず難治性のことが多いため、ステロイド外用剤なども併用しながら治療にあたります。強い痒みのため不眠がみられる場合には、「抑肝散」が使用されることもあります。

がん診療の副作用緩和や補助療法に
 漢方薬だけでがんを治療することができませんが、近年は様々ながんに対して、化学療法に用いる抗がん剤の副作用を和らげたり、補助療法や緩和医療のために用いられることが多くなってきました。基礎体力を上げて、食欲が出るようにすれば、生活の質(QOL)の向上が期待できます。
 化学療法の副作用対策として、関節痛、筋肉痛、しびれなどの末梢神経障害に対して「牛車腎気丸」や「芍薬甘草湯」、胃がん手術後の消化器症状や食欲不振に対して「六君子湯」が使用されます。また、下痢症状に対して「半夏瀉心湯」が用いられることもあります。
 気虚に対する補剤は、体力が落ちているがん患者に対する代表的な処方です。「補中益気湯」「十全大補湯」「人参養栄湯」などが処方されることが多いようです。「補中益気湯」は、虚弱体質・倦怠感・易疲労、食欲不振・胃腸虚弱などの症状に用いられます。「十全大補湯」は、気虚と血虚を兼ねている病態(気血両虚)に対する処方です。
 「芍薬甘草湯」は、元々は筋痙攣(こむら返り)に使われてきた処方ですが、化学療法後の筋肉痛・関節痛に対する有効性をはじめとして、エビデンスが報告されています。
 その他、乳がんのホルモン療法による、ほてりなどの更年期症状には、「桂枝茯苓丸」や「加味逍遙散」が用いられることもあります。
 開腹手術後には、癒着性の小腸閉塞(イレウス)が一定程度生じますが、近年「大建中湯」の服用で予防効果があることが報告され注目を集めています。「大建中湯」は元々、身体が衰弱し冷えによる腹痛がある人で、腸の蠕動不穏や嘔吐がある場合に用いられてきた漢方処方です。
 
高齢者の多剤服用対策にも
 高齢者は西洋薬を含めた剤服用になりがちですが、漢方薬をうまく活用すれば、ある程度こうした状態が解消され、医療経済的なメリットが得られる場合があります。
 例えば、「八味地黄丸」という処方が有効だと考えられています。
 高齢者では、四肢や腰の痛み・脱力感・しびれ・冷えの症状の訴えが多く、西洋医学的な治療が困難な場合も多いようです、。これらの症状は、漢方医学的には、腎虚に基づくと考えられています。肝・心・脾・肺・腎の五臓のうち、腎には成長・発育・生殖能を制御する機能や水分代謝を維持する機能などが包含されます。腎虚は、この腎の機能が衰えた病態で、いわゆる老化に伴う様々な症状が現れてきます。
 「八味地黄丸」は、腎虚に対する代表的漢方処方として昔から用いられてきました。中国の古典医書『金匱要略』を原典とし、使用目標として、腰部および下肢の脱力感・冷え・しびれ、腰痛、排尿異常、疲労倦怠感などが挙げられています。
 高齢に伴う不調で、内科、精神科、整形外科、泌尿器科など、複数の診療科で合計20剤ほどの薬を出されていた方に「八味地黄丸」を用いることで、薬の数を半減できたというケースもあります。それらの薬の中には口渇や食欲不振などの副作用が現れる薬もあったのですが、症状は大幅に軽減されました。もちろん、どうしても欠かせない薬もありますが、漢方治療によって全体の薬の数を減らせる可能性があります。






痛い・怖い・外出できない
膝・腰・関節の痛み
漢方薬

 寒さへ向かうこの時期には、『膝・腰・関節の痛み』で苦しむ方が増えます。痛みは人生から、暮らしの笑顔と、外出の喜びを奪うもの。痛みによく効く漢方薬を、どうかご活用ください。

突然イタタ……うずく痛み
【風痺】
腕・ヒジ・ヒザ・足関節に多発する痛み、遊走性
※「突然発症・激しい」がキーワード

針で刺すような痛み
【寒痺】
針で刺したように、同じ場所が痛む
※「温めると緩和、寒いと増悪」がキーワード

しびら・圧迫痛・運動障害
【湿痺】
しびれ感強い。身体は重く、動かし難く感じる
※「雨天・梅雨時に痛む」がキーワード

痛みを招く3人衆
 四肢・体幹の痛み(痺証)は以下3つの要素から生まれ、それらはいつも混ざり合っています。まず「風(ふう)」、免疫力(衛気)低下から起こる発痛要素の身体侵入と考えて良いもの。突然激しい痛み(疼痛など)に見舞われます。
 次に「寒(かん)」、刺すような痛みが寒冷環境などから生じます。事の本質は、寒さから起きた血流悪化(血お)です。
 次に「湿(しつ)」、水分代謝悪化から痛み(鈍痛・しびれ)が起こります。
 上記3者のうちどれが主になるかで、痛みの質が変わり、治療薬が決まります。3者を払うため、対応漢方薬の構成生薬は多種となりがちです。早期治療・再発防止のカギは、血流を促進する生活習慣です(散歩、早寝早起、目の休息)。

 突然イタタ……うずく痛み(遊走性の疼痛)
マツウラ痛絡丸
 痛みは突然やって来る。痛絡丸は、腰痛・関節痛など痛みへの対応薬です。痛みは「血流悪化」を原因に起きるもの、その改善薬にともに、6種の鎮痛薬(きょ風薬)を加えています。早期の鎮痛と、再発防止のための漢方薬です。
 450丸(15日分) 希望小売価格 5,000円(税別) JAN:4987457286942
 600丸(20日分) 希望小売価格 6,000円(税別) JAN:4987457100032
〔効能・効果〕関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛
〔成分・分量〕30丸中(大人1日量)、芍薬1,250mg、当帰・川きゅう・地黄・蒼朮・桃仁・茯苓が各1,000mg、威霊仙・牛膝・きょう活・防風・防巳・竜胆・陳皮が各750mg、白し・甘草が500mg、生姜250mg
※マツウラ痛絡丸は、処方名:疎経活血湯として知られる漢方薬です。

針で刺すような痛み・同じ個所(固定性の刺痛)
マツウラ桂枝加朮附湯
 気温の低下や寒風にさらされた時に痛みが増す方、同じ個所がさすように痛い方。身体を芯から温めると痛みが和らぐ」「入浴時間が長くなった」などの訴えを、本剤使用の目安にしてください。
 48包(16日分) 希望小売価格 4,100円(税別) JAN:4987457015923
※マツウラ桂枝加朮部湯にはこの他、300包(100日分)の製剤があります。
〔効能・効果〕関節痛、神経痛
〔成分・分量〕3包中(大人1日量6.0g)、桂皮・芍薬・蒼朮・大棗が各2.0g、甘草1.0g、附子末・生姜が各0.5g
※この痛み(固定制の刺痛)は、血流の阻滞・血おが主に起こしたものです。
※温まる実感が持てない場合、玄武湯(真武湯)を併用し附子増量を試みてください。

しびれ・圧迫痛・運動障害(鈍痛)
マツウラよく苡仁湯
 関節部に「しびれ・鈍痛」が居座る時、それは水分代謝がうまく行われていないサイン。よく苡仁湯に配合されるヨクイニン(はと麦の白い穀物部分)が水分代謝を活性化し、痛みを抑えます。「天候悪化で、痛みも悪化」「梅雨時に悪化」「川辺・海浜・湿地・水田の近くに居住」などの訴えを、本剤使用の目安にしてください。
 48包(16日分) 希望小売価格 4,100円(税別) JAN:4987457094927
※マツウラよく苡任湯にはこの他、300包(100日分)・500g(83.3日分)の製剤があります。
〔効能・効果〕関節痛、筋肉痛、神経痛
〔成分・分量〕3包中(大人1日量6.0g)、よく苡仁5.0g、蒼朮・麻黄・当帰が各1.5g、甘草が1.0g

熱感が強い・リウマチ
 幹部が夏間を持ち腫れた時、膨張痛の時、痛みの状況が「風寒湿」から「風熱湿」に変化しています。風湿の痛みに対応する痛絡丸に地竜を併用してください。熱感が治まれば、地竜の服用量を減らします。
地地竜エキス 《錠剤54錠(6日分) 希望小売価格1,600円(税別)、散剤250g(166日分)オープン価格
※製品効能は「感冒時の解熱」となっています。ご注意ください。




痛みの漢方薬(きょ風湿薬①)
「しびれや痛み」を訴える関節や軟部組織の病変が痺証、リウマチ疾患です。中医学では、3種の外邪(風・寒・湿)が混交し、経路を侵したため起きると考えています。
 ここに示されるきょ風湿剤、関節リウマチの根本改善薬ではありませんが、長期服用できる鎮痛剤的な役割を持つ薬剤です。

きょ風湿・補血・活血化お
痛絡丸(疎経活血湯/万病回春)
血虚の風湿痺に用いる処方です。
血虚の風湿痺(行痺):皮膚につやがない・しびれ感・筋肉の引きつりなど血虚の症候に、しびれ(四肢や体幹)・遊走性の痛み・軽度の浮腫・関節の運動障害など風湿痺の症候を伴ったもの。舌質は淡紅、舌苔は白、脈は細。
※本方の主薬であるきょ風湿薬は、蒼朮・防巳・威霊仙・きょう活・防風の5種。しびれ・痛みを抑えます。

きょ風湿薬・補気血・活血
けん痺湯(百一選方)
血虚の風湿痺に用いる処方です。(血虚が軽微な者)。
痺証の3タイプ(風寒湿痺)+1タイプ(熱痺)
・風痺(行痺)風邪の特徴、遊走性の痛み
・寒痺(痛痺)寒邪の特徴、固定性の痛みと冷え
・湿痺(着痺)湿邪の特徴、関節の運動障害・身体がだるい・雨天荒天に増悪
《以上が風寒湿痺。風寒湿のどれが顕著化で分類≫
・熱痺 熱邪の特徴、発赤・腫脹・熱感・疼痛が主で、急性炎症か慢性炎症の発作期に該当

きょ風湿・散寒・補気血・益肝腎・活血止痛
独活寄生湯(千金方)
虚弱者の風寒湿痺に用いる処方です。
気血両虚・肝腎不足(虚弱者)の風寒湿痺:疲れやすい・元気がない・食欲不振・皮膚につやがない・腰や膝がだるいなど気血両虚・肝腎陰虚の症候に、しびれ(四肢や体幹)・遊走性の痛み・冷え・運動障害・軽度の浮腫など風寒湿痺の症候を伴ったもの。舌質は淡紅、舌質は白薄、脈は細弱。
※補血薬(四物湯)に補気薬(四君子湯)を加えた、八珍湯の効能を持ちます。(白朮は含まない)。老化や虚労により外邪を受けやすくなり、痛みが起こります。

きょ風湿・散寒・補気血・益肝腎・活血止痛
大防風湯(和剤局方)
気血両虚・肝腎不足の風寒湿痺(行痺)に用いる処方です。独活寄生湯と同薬効ですが、更に補益を重視した組成になっています。





ワタシの笑顔を忘れない
認知症が心配
漢方薬

 東京オリンピックが行われる3年後の2020年、認知症患者は325万人(総人口の約3%近く、65歳以上人口の10%以上)になると予測されています。泣いて笑って積み上げた人生、折々の記憶は絶対に失いたくありません。

認知症が心配 2パターン考える

物忘れ増加(疲労感・老化)
【心血虚(腎精虚・腎気虚などが誘因)】
物忘れ、驚きやすい、不安感、不眠傾向(寝つきが悪い、眠りが浅い)
※疲れやすい(腎気虚)

ふらつく(怒りっぽい・物忘れ)
【肝陽化風(気血両虚が原因)】
頭のふらつき・手足の震え・筋肉痙攣や引きつり、怒りっぽい・イライラしやすい、頭痛・めまい感
※疲れやすい、肌につやがない、視力低下(気血両虚)

上述2薬の共通点
 牛黄精心丸・抑肝散系の共通点は、補養薬(人参・当帰等)の配合。両薬とも、高齢者・子供・著しい疲労など『身体の弱った者』に用います。牛黄清心丸の主薬・牛黄は精神を改善する生薬、従って牛黄清心丸は疲労や老化から「物忘れ・思考判断の乱れ・頭脳疲労」がある時に用いると理解できます。抑肝散の主薬・釣藤鈎は体の揺れを抑える生薬、従って抑肝散は疲労や老化から「身体の揺れ・震え」がある時に用いると理解できます。また抑肝散は(揺れの震源)肝を鎮めるため加えた柴胡が、精神の高ぶりも緩和します。老化を含む身体消耗により、感情を抑える事(我慢)もむずかしくなります。

認知症を防ぐ生活習慣
 医療技術の進歩、そして平和と食の充実が日本人の長寿を支えています。しかし、加齢による身体衰弱は避けられません。物忘れ・健忘を漢方的に考えれば血虚を分類され、それは認知症の入り口と捉えて良いもの(血虚から陰虚への病態悪化、いわゆる老化)。認知症を防ぐのは、血虚にならない生活習慣。「早寝早起き」「目を酷使しない」、そして「散歩(朝夕)」です。この生活習慣を守り、笑顔の人生を歩む力にしてください。

※紹介の諸薬は認知症対応に良い医薬品です。服用で、比較的早期に不快症状が和らぎます。しかし、脳の機能を蘇らせるものではありません。認知症が疑われる初期に重点服用し、症状が進行しない様お努めください。

マツウラ牛黄清心丸
物忘れ・疲れが長引く・脳活性の低下
 物忘れが増えた時、疲れが長引きなかなか回復しないとき、牛黄清心丸を活用ください。
 主役の牛黄は、心の状態を健全に戻す生薬。『物忘れ』『脳活性の低下(ひらめき・思考力の低下)』の早期改善に役立ちます。マツウラの牛黄清心丸はちいさな粒状(直径5mm程)、服用しやすい製剤です。
 60丸×5本(5日分) 希望小売価格 22,000円(税別) JAN:4987457101152
〔効能・効果〕虚弱体質、肉体疲労、病中病後、胃腸虚弱、食欲不振
〔成分・分量〕60丸中(大人1日量)、牛黄末100mg、シベット3.33mg、羚羊角末420mg、人参末・甘草末が各600mg、当帰末・川きゅう末・桂皮末・防風末が各360mg、芍薬末480mg
※1日服用量は60丸(税込み4752円)。不快症状が強ければ指定量を、認知症の予防しようなら例えば1日10丸税込み792円)を、状況に応じ使用量を調節ください。空腹時にお湯(白湯)で服用ください。
※日本で販売されている牛黄清心丸は、中国の牛黄清心丸とは処方内容が異なります。

抑肝散加陳皮半夏
物忘れ、体の揺れ震え・感情の高ぶり
 認知症に良い漢方薬として、近年広く使われ始めました。身体機能低下による『身体の揺れ・震え』『感情の高ぶり(易怒)』を改善します
 老化による機能低下から、体の揺れ・震えは起きやすいもの(肝陽上亢、肝陽化風)。
子の処方は元来、小児の引付に対する即効治療薬として作られました。 
48包(16日分) 希望小売価格 4,900円(税別 JAN:4987457092924
※マツウラ抑肝散加陳皮半夏にはこの他、300包(100日分)・500g(83.3日分)の製剤があります。
〔効能・効果〕神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症(神経過敏)、更年期障害、血の道症、歯ぎしり
〔成分・分量〕3包中(大人1日量6.0g)、釣藤鈎・当帰・川きゅう・陳皮が各1.5g、柴胡1g、半夏2.5g、白朮・茯苓が各2.0g、甘草0.75g

著しい不快症状が無い時
「年を経ても元気、著しい不快症状は無い」「上述の2つの不快症状も現れるが、それは稀である」の場合。上述2処方は用いず、杞菊地黄丸を継続服用ください。杞菊地黄丸は長寿薬として知られ、脳の衰えを防ぐ医薬品です。


意識障害に用いる漢方薬(開竅剤)
開竅剤は、閉証を改善する処方です。閉証とは、正気の衰えは強く見られないものの、病邪の勢いが強いため起こる意識障害をいいます。閉証は2種類あり、熱閉には安宮牛黄丸などの涼開剤を、寒閉には温開剤を用います。

清熱解毒・安神開竅
安宮牛黄丸(温病条弁)
炎症による高熱・意識障害に対する処方です。
熱閉:高熱・転々反側・意識障害・うわごと・けいれんなどの症候。舌質は紅~深紅、脈は数。

温通開竅・行気化濁
蘇合香丸(話剤局方)
寒証を伴う意識障害に対する処方です。
寒閉:意識障害・顔面蒼白・唇のチアノーゼ・四肢の冷えなどの証候。

清熱解毒・安神開竅
牛黄清心丸(痘疹世医心法)
安宮牛黄丸を簡略化したもの。高熱・いらいらが主で、意識障害が軽度な場合に用います。
※牛黄に、黄連解毒湯(黄ごん・黄連・黄柏・山梔子)を加えた様な処方構成になっています。清熱開竅作用を薬効の主とし、補剤は含まれていません。

気血双補・安神開竅
マツウラ 牛黄清心丸
中国の牛黄清心丸を内容変更したもの、人参・当帰など補剤を多く含むのが特徴です。
開竅薬:芳香を持つ生薬で、心竅を開く(循環障害を改善する)事から、意識障害からの回復などに用いられます。この製剤では、牛黄と霊猫香(シベット/麝香猫分泌物)が開竅薬です。
※清熱作用だけを薬効とせず、気血お虚への配慮が加えられた処方構成。高血圧からの心筋梗塞や脳梗塞、認知症(物忘れ増)などの予防に用いることができます。




翌日疲れを残さない!熱中症にならない
夏、体を守る漢方薬
「夏が苦手」なあなたに
「暑い時期、必ず体調を崩す」「すぐに疲れてしまい、やる気が起きない」など、お困りの状況を耳にします。
 夏、心身の疲れでお困りのあなたに。身体を守る漢方的方法、ご提案いたします。
身体の疲れ(精神の疲れ)
【気陰両虚】
全身の倦怠無力感、息切れ、呼吸促拍、めまい、口渇などの症候。
※暑熱の環境での発汗過多や慢性病の経過に見られます。

強い熱感
【気分熱盛】
強い熱感、高熱、激しい口渇、多飲(冷飲)、顔面紅潮、発汗過多などの証候。
※直射日光や温度上昇による、日射病・熱中症の諸症状(熱感・多汗)でもあります。

生脈宝、活用いただきたい場面
 屋外業務・スポーツ全般・レジャーなど、発汗時服用ください。夏の体力保持にお役に立ちます。暑い場所で業務に携わるかが(調理、ボイラー使用など)で疲れを強く感じる場合もお奨め、発汗を伴う業務・趣味では長期服用ください。
 生脈宝は「お子さんを守る、親の愛情薬」にもなります。クラブ活動など激しい運動でお子さんは元気不足に、勉強する気力が残らないときもあります。運動時の大量発汗で、女子の生理が止まる事もあります。将来心の病・不妊などに悩まぬ様、生脈宝エキスを水に溶かしたものを用意し、適宜飲用したください。
 暑邪は、湿邪と共に訪れます。悪心嘔吐・尿量減少があれば、先月号で取り上げたかっ香正気散や五苓散を活用ください。

汗をかくとなぜ疲れる?
 汗をかくと「とても疲れた」と感じます。汗で体液が失われ、同時に気(いわゆる元気)も体外に逃げると捉えています。その極期が、熱中症と判断することもできそうです。失われた2要素を急ぎ回復する事が重要であり、「体液(津液)を補う麦門冬」「気を補う人参」の両者備えた生脈宝が、体調を即効回復させます。
※暑邪は実邪であり、発汗時の生脈宝服薬により即効回復が可能です。


生脈宝エキス細粒A
元気をスピード充填、体調管理の切り札!
 夏は毎日発汗し、それは長期の身体消耗を意味します。生脈宝を毎日服用し、夏の健康維持にお役立てください。漢方処方「生脈散(人参・麦門冬・五味子)」をもとに、補気薬・升提薬の黄耆を加味したマツウラ独自の生薬製剤です。
12包(4日分) 希望小売価格1,800円(税別) JAN:4987457101213
300包(100日分)・500g(83日分)希望小売価格 オープン価格(ともに)
〔効能・効果〕次の場合の滋養強壮:虚弱体質、肉体疲労、病中病後、胃腸虚弱、食欲不振、血色不良、冷え症
〔成分・分量〕3包中(大人1日量6.0g)、人参3g、麦門冬1.8g、五味子・黄耆が各1.2g
※発汗時すぐ服用しないと、疲れ回復に時間がかかります。また、空ゼキ・粘痰に悩む肺陰虚へと移行します。
〔役立つ食品〕発汗過多を防ぐ酸味食品(レモン、グレープフルーツ、食酢など)、補気に役立つ甘味の食品


白虎加人参湯エキス顆粒
クールダウンに、大量発汗に!
 熱感や口渇の抑制薬、主薬の石膏は大熱・大汗・大渇・脈洪大(四大症候)を目標に用います。
 暑邪への対応は本来、クーラーや扇風機の使用、木陰への避難を主に行います。
補液もまた重要です。
 300包(100日分)・500g(83日分) 希望小売価格 オープン価格
〔効能・効果〕体力中等度以下で熱感と口渇が強いものの次の諸症:
        のどの乾き、ほてり、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみ
〔成分・分量〕3包中(大人1日量6.0g)、石膏7.5g、粳米4.0g、知母2.5g、人参1.5g、甘草1.0g
〔役立つ食品〕熱感を和らげる寒性食品(トマト、キュウリ、スイカ、バナナ、海藻類、しじみ・あさりなど)

熱証緩和に、牛黄・黄連解毒湯・三黄瀉心湯を用いても良い
 黄連解毒湯(黄連・黄ゴン、き柏、山梔子)は、熱証に対する基本処方。三黄瀉心湯(黄連、黄ごん、山梔子)も熱証に用いますが、大黄の配合から便秘傾向の方に。

酷暑に役立つ清熱剤(清熱瀉火薬・清熱解毒薬)
 本項の清熱瀉火薬は、気分熱盛(急性発熱性疾患の極期)・肝火・心火・胃熱・肺熱などを改善するものです。清熱解毒薬は熱毒(激しい炎症、化膿性の炎症)を改善するもの、温病の概念も考え併せ用薬します。

清熱瀉火・生津止渇
白虎湯(傷寒論)
気分熱盛に対する代表処方です。
(気分熱盛とは全身性炎症の極期を指します)
四大症候が使用目標:大熱・大渇・大汗・脈洪大
1)気分熱盛(陽明病経証):高熱・激しい口渇・多飲(冷飲好む)・強い熱感・顔面紅潮・発汗の証候。
舌質は紅で乾燥、舌苔は黄で乾燥、脈は洪大・有力。
2)胃熱:口渇・多食多飲・口臭・上腹部痛・歯痕の腫脹、疼痛・便秘の証候。舌質は紅、舌苔は黄、脈は数。
3)局所性の炎症:関節リュウマチなど局所の炎症で、全身性の発熱を伴わないもの(口渇は無い)。

清熱瀉心湯火・生津止渇・補気
白虎加人参湯(傷寒論)
白虎湯(石膏、知母、甘草、粳米)
+人参 甘・微苦、微温(大補元気、生津止渇)
気分清熱で、息切れ、無力感・疲労感など気虚症候を伴ったもの。
※日射病・熱射病の、熱感・多汗・無力感にも使用。

清熱生津・益気和胃
竹葉石膏湯(傷寒論)
熱盛や余熱末清で、気陰両虚を呈す者に用います。
1)熱盛の気陰両虚:高熱・多汗とともに、やせる・息切れ・倦怠感などの症候。不眠・イライラ・悪心を伴う事もある。
舌質は紅で乾燥、舌苔は少、脈は虚数。
2)胃熱の気陰両虚:多食多飲・上腹部不快感・口臭の症候に、疲労感・息切れなど気候症候を伴ったもの。

清熱瀉火・清熱利湿
竜胆瀉肝湯(医宗金鑑)
肝胆火旺、あるいは湿熱に対する代表処方です。
1)肝胆火旺(肝火上炎):激しい頭痛・目の充血・目やに・眼痛・口苦・急性難聴や耳鳴り・耳痛・胸脇部脹痛・イライラ・易怒・不眠・尿濃等の証候。
2)下焦の湿熱:排尿痛・頻尿・濃縮尿・排尿困難・陰部湿疹・黄色の帯下などの症候。舌質は紅、舌苔は黄賦、脈は弦滑数。

清熱利水
導赤散(小児薬証直訣)
清熱利水の代表処方です。
心火(心熱):顔面紅潮・イライラ・不眠・脇部熱感・口渇(冷飲)・口内炎などの証候。発熱、尿量減少、濃縮尿・排尿痛・血尿を伴う場合もある。舌質は紅(特に舌尖)、脈は数。

清肝瀉火・和胃降逆
左金丸(丹渓心法)
肝火犯胃に対する基本処方です。
肝火犯胃:イライラ・胸脇部腫痛・口苦・口渇などの肝火の症候に、曖気・呑酸・口臭・上腹部不快感・悪心嘔吐など胃気逆や胃熱の症候を併せ持つ者に。舌質は紅、舌苔は黄、脈は弦数。
※配合比率は、黄連6:呉茱萸1。

清熱解毒剤(黄連解毒湯・三黄瀉心湯)
清熱瀉火・解毒・清熱化湿・止血
黄連解毒湯(外台秘要)
三焦の実火(実熱・実火)に対する基本処方です。
1)熱盛(実熱):高熱・顔面紅潮・目の充血・熱感・口渇・口苦・イライラ・不眠など。甚だしければ意識障害や狂躁。舌質は紅、舌苔は黄、脈は数で有力。
2)血熱妄行:熱盛に伴う各種の出血、あるいは発疹。
3)肝胆湿熱・脾胃湿熱・膀胱湿熱:口が粘る・口苦・口臭・歯痛・悪心嘔吐・胸脇部や腹部の膨満感・腹痛などの証候に、黄疸・膿血性の下痢・裏急後重・頻尿・排尿痛などが生じる(発熱を伴うこともある)。
4)心火旺・肝胆火旺・胃熱:イライラ・のぼせ・顔面紅潮・目の充血・口臭・口苦・口渇・口内炎・動悸・胸脇苦満・悪心嘔吐・上腹部膨満などの証候。
※本治対応は別剤で行うが、急性慢性の胃炎・出血・肝鬱の熱症状・炎症(皮膚含む)にも用いる。
黄連解毒湯は苦寒性のため、必ず熱証に用い、その燥性のため陰液保護を与えながら用います。

清熱瀉火・解毒・清熱化湿・瀉下・止血
三黄瀉心湯(金匱要略)
実熱(実火・熱盛)への基本処方、便秘傾向に。
黄連解毒湯同様、熱盛・血熱妄行・肝胆湿熱・心火旺などに用いる。
三黄瀉心湯は瀉下する事で熱毒を排出し、黄連解毒湯は尿路系(利尿)から熱毒を排出する。



あなたが生まれてくる日 うれしくて きっとわたし泣いちゃう
女性を笑顔に、子宝への漢方

血流を改善
女性を笑顔にする漢方薬
 女性には、特有の不快症状があります。微妙な体調変化で、不快症状も移ろいます。女性を笑顔にする漢方薬は、血流改善に働くものたちです。

不調の始まり、血流悪化
生理周期の遅れ、月経過少、無月経
【身体の不快症状】
・生理周期の遅れ(はなはだしければ無月経)
・月経の過少
・肌のつやがない
・目のトラブル(疲れ目・かすみ目・ドライアイ)
・爪のトラブル(もろい・割れる・たて筋が入る)
・筋けいれん(こむら返り)
※これは生活習慣の悪さ(目の酷使・夜更かし・動かない)から起こる現代病と言えます。
血(血液本体と機能)は、肝と深く結びついています。上述の悪い生活習慣は、肝を弱めるもの。
肝機能(疏泄:体循環推進機能)を低下させ、血の流れ・気の流れを滞らせます。

【対応薬】
四物湯(当帰・川きゅう・芍薬+地黄)
肌乾燥など、乾燥傾向が強い場合に
当帰芍薬散(当帰・川きゅう・芍薬+白朮・茯苓・沢瀉)
むくみ・軟便など、水分代謝が悪い場合に

血虚

婦人病の起点、血虚について
 婦人病の起点ともいえる「血虚」。婦人特有の症状の他に、心の病・肌の病・不眠・切れやすい・不妊傾向に変化しやすく、老化も早く進行します。
「目の酷使・夜更かし・動かない(歩かない)」の生活習慣により発症するため、今後ますます対象患者は増えて行きます。

更に血流悪化(生理痛)
生理痛、経血に血塊まじる。
【身体の不快症状】
・生理痛
・経血に血塊がまじる
・痛み(動脈瘤、くも状血管)
・出血
・シミやソバカスが増える
※冬の寒さ・慢性病・出血・衰弱など様々な要因で起こります。
【対応薬】
折衝飲(桂枝・桃仁・紅花・牛膝・延胡索・牡丹皮+当帰・川きゅう・芍薬)
※本来は、血虚と血瘀を併せた病態です。
血瘀

複数の病(イライラ+生理痛)
イライラ・生理前症候群+生理痛)
【身体の不快症状】
《気滞、特に肝気鬱結の症候》
・生理前のトラブル(痛み、胸の張り)
・イライラしがち、怒りやすい
・口調が強く、激しくなりがち
・下痢と便秘を繰り返す
・熱感、顔が赤い

《血瘀の症候》
・生理痛
・経血に血塊がまじる
・痛み(同じ場所が針で刺すように)
・血腫(静脈瘤、クモ状血管)
・出血
・シミやソバカスが増える

【対応薬】※エキス剤なら2剤(異なる薬効区分)を併用
柴胡疏肝湯(加味逍遙散・大柴胡湯など)

活血薬(折衝飲・桂枝茯苓丸など)
※気滞証候(肝気鬱結)を抑える柴胡・芍薬の配合薬と、血瘀改善のための活血薬を併用します。
※便秘があるのなら、大黄配合剤を考慮します。








あなたが生まれてくる日 うれしくて きっとわたし泣いちゃう
女性を笑顔に、子宝への漢方

血流を改善
女性を笑顔にする漢方薬
 女性には、特有の不快症状があります。微妙な体調変化で、不快症状も移ろいます。女性を笑顔にする漢方薬は、血流改善に働くものたちです。

不調の始まり、血流悪化
生理周期の遅れ、月経過少、無月経
【身体の不快症状】
・生理周期の遅れ(はなはだしければ無月経)
・月経の過少
・肌のつやがない
・目のトラブル(疲れ目・かすみ目・ドライアイ)
・爪のトラブル(もろい・割れる・たて筋が入る)
・筋けいれん(こむら返り)
※これは生活習慣の悪さ(目の酷使・夜更かし・動かない)から起こる現代病と言えます。
血(血液本体と機能)は、肝と深く結びついています。上述の悪い生活習慣は、肝を弱めるもの。
肝機能(疏泄:体循環推進機能)を低下させ、血の流れ・気の流れを滞らせます。

【対応薬】
四物湯(当帰・川きゅう・芍薬+地黄)
肌乾燥など、乾燥傾向が強い場合に
当帰芍薬散(当帰・川きゅう・芍薬+白朮・茯苓・沢瀉)
むくみ・軟便など、水分代謝が悪い場合に

血虚

婦人病の起点、血虚について
 婦人病の起点ともいえる「血虚」。婦人特有の症状の他に、心の病・肌の病・不眠・切れやすい・不妊傾向に変化しやすく、老化も早く進行します。
「目の酷使・夜更かし・動かない(歩かない)」の生活習慣により発症するため、今後ますます対象患者は増えて行きます。

更に血流悪化(生理痛)
生理痛、経血に血塊まじる。
【身体の不快症状】
・生理痛
・経血に血塊がまじる
・痛み(動脈瘤、くも状血管)
・出血
・シミやソバカスが増える
※冬の寒さ・慢性病・出血・衰弱など様々な要因で起こります。
【対応薬】
折衝飲(桂枝・桃仁・紅花・牛膝・延胡索・牡丹皮+当帰・川きゅう・芍薬)
※本来は、血虚と血瘀を併せた病態です。
血瘀

複数の病(イライラ+生理痛)
イライラ・生理前症候群+生理痛)
【身体の不快症状】
《気滞、特に肝気鬱結の症候》
・生理前のトラブル(痛み、胸の張り)
・イライラしがち、怒りやすい
・口調が強く、激しくなりがち
・下痢と便秘を繰り返す
・熱感、顔が赤い

《血瘀の症候》
・生理痛
・経血に血塊がまじる
・痛み(同じ場所が針で刺すように)
・血腫(静脈瘤、クモ状血管)
・出血
・シミやソバカスが増える

【対応薬】※エキス剤なら2剤(異なる薬効区分)を併用
柴胡疏肝湯(加味逍遙散・大柴胡湯など)

活血薬(折衝飲・桂枝茯苓丸など)
※気滞証候(肝気鬱結)を抑える柴胡・芍薬の配合薬と、血瘀改善のための活血薬を併用します。
※便秘があるのなら、大黄配合剤を考慮します。
(桃核承気湯や大柴胡湯など)
気滞血瘀

ストレス証候(イライラ)
生理前症候群(痛み、胸の張り)
【身体の不快症状】
・生理前のトラブル(痛み、胸の張り)
・イライラしがち、怒りやすい
・口調がウ直、激しくなりがち
・お腹が張る
・下痢と便秘を繰り返す
・熱感、顔が赤い

【対応薬】
柴胡疏肝湯(柴胡・芍薬+香附子・青皮・枳実・川きゅう・甘草)
加味逍遙散より治療効果は高い

加味逍遙散(柴胡・芍薬+当帰・白朮・茯苓・生姜・甘草・薄荷+牡丹皮・山梔子)
※柴胡と芍薬の配合が、漢方の抗ストレス薬。まずは柴胡疏肝湯を、証候が若干弱ければ加味逍遙散を、便秘で熱感大なら大柴胡湯(頓服)を選択します。
気滞(肝気鬱結)

実は、男女も使える知識
 女性の体調不良は、補血・活血など、血流の正常化を目指して治療するのが良いとされています。
 女性を印象付けてきましたが、これは男性にも当てはまる治療知識。主な不快症状を探し、適切な治療を行ってください。

気虚の場合には、優先対応を
7ページに記しましたが、虚証の4分類(気虚から陽虚へ、血虚から陰虚への病態進行)は、治療のための大切な知識。本頁に記した不快症状を訴えていても、「元気がない、食欲不振」など気虚症候が顕著なら、人参製剤(六君子湯、補中益気湯等)で気虚治療を優先してください。元気回復の後、本頁の知識を活用ください。




そして母になる、そして父になる
子宝相談のために
「お母さんになりたい」と切望しても、その日がなかなか訪れず、悩む女性も増えています。「なぜなの…」と悲しい気持ちで、いつか笑顔も忘れて。
 漢方の知識で、新しい生命の誕生を手助け出来るかも知れません。

わたしたちに赤ちゃんがきてくれたら、どんなにすてきでしょう。

初めての子宝相談
父と母がわたしにしてくれた様に、赤ちゃんを慈しみ育てたいです。

責任重大
あの夫婦のために、新しい命のために、何をすれば良いの…。

難しく考えず、女性の体調を整える努力をね。
「あなたの人生を好ましく見守る生命が必ずあるのよ」と将来のお母さんを励まして。


子宝相談にはどう対応するのか
 子宝を招く特別な方法はありません。女性が今持つ不快症状を捉え、それを治す事が子宝治療になるのです。
 不快症状を緩和した後、血液循環をやさしく保つ薬にも変え服用を続け、新しい生命の訪れを期待とともに待ちます。
※「不妊治療」と口にすれば、心傷つく方も多いもの。ご夫婦に寄り添うため、子宝相談と呼びます。

体調不良の原因は生活習慣
 母になりたい女性の「良い血液循環」があってこそ、赤ちゃんは訪れてくれます。血流を阻む「夜更かし・目の酷使・身体を動かさない(歩かない)」の生活習慣を、必ず改めてください。
 赤ちゃんは、父母から腎精を受け継ぎ生まれます。男性にも生活習慣改善を指導ください。
※飲酒・喫煙も血流を悪化させる習慣です。

難しい事を自覚してもらう
 第一子の出産平均年齢は、女性30.6歳(H26年)。相談者が40歳を超えていれば、困難に取り組む事を自覚してもらいます。そして、ともに懸命に取り組む姿勢で挑みます。

生命は物ではありません。
 生命は物ではありません。生まれてからも、我が子を慈しみ支える事を忘れないでください。待ち望み、そして訪れた生命の温もりを、忘れないでください。規制するばかりでは息が詰まります。暮らしに笑顔があるかどうか、その点も大切にしてください。

ほめてあげて
 大人になると、ほめてもらう機会は少なくなります。ご夫婦が良い状態を保っていれば、明るい笑顔で、都度ほめてください。良い感情のうねりは、生命の訪れを誘います。


イライラタイプ(気滞)
イライラ、生理前に胸が張る(生理前症候群)、顔面紅潮
柴胡疏肝湯・加味逍遙散で対応

いくつもの

生理痛・経血に血塊タイプ(血瘀)
生理痛(同じ場所が針で刺すように痛い)、経血に血塊、静脈瘤
折衝飲で対応(桂枝茯苓丸)


生理遅延タイプ(血虚)
月経周期遅延(無月経)、血経の過少
 肌につやがない、目や爪の不調、こむら返り

具体像
 肌色くすみ化粧乗り悪い、ドライアイ
当帰で治療
四物湯・当帰芍薬散で対応


機能低下タイプ(陰虚)
機能低下(老化など)
足腰がだるい、夕刻からの熱感

具体像
 耳鳴り(セミ音)、段差でつまづく、尿漏れ


元気不足タイプ(気虚)
元気がない(食欲不振)

具体像
 動作遅い、食事時間が長くかかる、小食の場合が多い、声が小さい

人参で治療
六君子湯・補中益気湯で対応


温もり不足タイプ(陽虚)
寒がる+気虚

具体像
 温まる手段を人に先駆けて行う(暖房器具、コート着用)、疲れた顔をしている

附子で治療
玄武湯で対応



どの症状か選びにくい時
幾つもの症候を訴え、区分できない時。気虚があらば気虚治療を優先します。食欲が戻り元気回復後、最適な治療を行います。

上記治療を行い、その後が大切
 上記区分に従い服薬治療します。不快症状が治まれば、血液循環を保つ優しい薬に切り替えます。それが、不妊治療薬として知られる芎帰調血飲第一加減。
この薬の基本形・芎帰調血飲は、出産後の母体を守る目的で作られました。強い活血力を持たせれば不正出血を誘発するため、薬効(活血・理気・補血)を意図的に弱く抑えています。
 芎帰調血飲第一加減の優しい薬効は、良き血流維持剤として女性の体調微調整に役立ち、子宝を招くには欠かせません。しかし、女性特有の不快症状を持つのに、初めから芎帰調血飲第一加減の使用では時間の限られている女性に、寄り添った治療と言えません。
※生理中は、活血薬(本頁なら、折衝飲・桂枝茯苓丸・芎帰調血飲第一加減)の服用を控えてください。経血量を増やします。妊娠判明後も、活血薬服用は持ちないでください。
※不快症状の治療中は避妊してください。芎帰調血飲第一加減に切り替えた後、その制限を無くしてください。

男性側に原因がある場合
 男性のみに不妊となる原因がある場合は、全体の24%とされています。仕事の疲れなどで男性に性欲が湧かない場合、腎精を強めに心身に余裕を与えるマツウラ鹿茸カプセルを継続服用してください(2カプセル/日)。


活血化瘀薬(女性の体調不良に多用)
 活血化瘀薬は、血流を促し血瘀を改善する処方です。血瘀は鬱血状態を表し、病理的物産と考えられています。固定制の激しい疼痛・静脈の鬱血・暗色の慢性出血・腫瘤が現れます。血虚血瘀や気滞血瘀であることが多数です。
 基本的に、月経期(特に月経過多)や妊婦には用いません。

活血化瘀・補血凉血
桃紅四物湯(医宗金鑑)

血虚血瘀の代表処方です。
血虚血瘀:皮膚につやがない、目が疲れやすい・頭がぼーっとする・筋けいれんなど血虚の症状に、顔色がどす黒い・固定制の疼痛・口唇暗紫色・出血・腫瘤など血瘀の症候を伴う。舌質は紫紅で瘀斑が見られる事多い、脈は細渋。


活血化瘀・補血・理気健脾
芎帰調血飲(万病回春)

『産後の補養』に用いる処方です。
血虚血瘀を基本に、気虚や気滞を伴う場合に用います。
舌質は淡紅で瘀斑を伴う事多い、脈は軟細や渋。
※産後の体調回復を図るもの。出血を助長せぬ様活血力は弱く、穏やかな薬効にしています。

活血化瘀・理気止痛・補血健脾・温裏虚寒
芎帰調血飲第一加減(一貫堂)

産後の補養薬・芎帰調血飲を基に、補血・活血・理気・虚寒の働きを高めた処方です。
※芍薬を追加し、処方内に血虚基本薬・四物湯が完成。
※産後悪露の排出・不妊治療に、長期服用が可能です。

活血化瘀・消癥
桂枝茯苓丸(金匱要略)

婦人の癥病(腹中の血塊等)・漏下のため作られた処方。下焦の血瘀に用います。
下焦の血瘀:下腹部の痛み圧痛・腫瘤・生理不順・不正性器出血などに、下肢の冷えや鬱滞・のぼせ・頭痛などの証候を伴う。舌質は紫や紫斑、脈は渋や弦。
※男女を問わず用い、子宮筋腫の初期にも用いる。

活血化瘀・消癥・排膿・治疣贅
桂枝茯苓丸加薏苡仁(日本経験方)

桂枝茯苓丸の症候に、清熱解毒・排膿・利水・滲湿・治疣贅の働きを加えた処方。

活血化瘀・理気止痛
折衝飲(産論)

血虚血瘀の代表処方です。
桂枝茯苓丸の、血管拡張・血行促進の作用を強めています。


活血化瘀・理気止痛
桃核承気湯(傷寒論)

太陽病・蓄血証に用いる処方でうs。
太陽病・蓄血証:《発熱性疾患の経過で》下腹部が硬く張って痛む(少腹急結)・圧痛・抵抗・便秘(又はテール便)・排尿は正常(あるいは血尿)・不正性器出血などの証候で、夜間熱が高くなり、著しければ意識障害や狂躁状態を呈す。
舌質は紅でやや乾燥、舌質は黄、脈は沈実。

下焦の血瘀(骨盤内の鬱血)に用います。
下焦の血瘀:下腹部の痛みや圧痛や抵抗・不正性器出血・月経困難・便秘などの症候に、下肢の冷え・下肢静脈怒張・外痔核など、あるいは頭痛・肩こり・のぼせ・鼻出血・不眠・動悸などを伴うこともある。







あなたが生まれてくる日 うれしくて きっとわたし泣いちゃう
女性を笑顔に、子宝への漢方

血流を改善
女性を笑顔にする漢方薬
 女性には、特有の不快症状があります。微妙な体調変化で、不快症状も移ろいます。女性を笑顔にする漢方薬は、血流改善に働くものたちです。

不調の始まり、血流悪化
生理周期の遅れ、月経過少、無月経
【身体の不快症状】
・生理周期の遅れ(はなはだしければ無月経)
・月経の過少
・肌のつやがない
・目のトラブル(疲れ目・かすみ目・ドライアイ)
・爪のトラブル(もろい・割れる・たて筋が入る)
・筋けいれん(こむら返り)
※これは生活習慣の悪さ(目の酷使・夜更かし・動かない)から起こる現代病と言えます。
血(血液本体と機能)は、肝と深く結びついています。上述の悪い生活習慣は、肝を弱めるもの。
肝機能(疏泄:体循環推進機能)を低下させ、血の流れ・気の流れを滞らせます。

【対応薬】
四物湯(当帰・川きゅう・芍薬+地黄)
肌乾燥など、乾燥傾向が強い場合に
当帰芍薬散(当帰・川きゅう・芍薬+白朮・茯苓・沢瀉)
むくみ・軟便など、水分代謝が悪い場合に

血虚

婦人病の起点、血虚について
 婦人病の起点ともいえる「血虚」。婦人特有の症状の他に、心の病・肌の病・不眠・切れやすい・不妊傾向に変化しやすく、老化も早く進行します。
「目の酷使・夜更かし・動かない(歩かない)」の生活習慣により発症するため、今後ますます対象患者は増えて行きます。

更に血流悪化(生理痛)
生理痛、経血に血塊まじる。
【身体の不快症状】
・生理痛
・経血に血塊がまじる
・痛み(動脈瘤、くも状血管)
・出血
・シミやソバカスが増える
※冬の寒さ・慢性病・出血・衰弱など様々な要因で起こります。
【対応薬】
折衝飲(桂枝・桃仁・紅花・牛膝・延胡索・牡丹皮+当帰・川きゅう・芍薬)
※本来は、血虚と血瘀を併せた病態です。
血瘀

複数の病(イライラ+生理痛)
イライラ・生理前症候群+生理痛)
【身体の不快症状】
《気滞、特に肝気鬱結の症候》
・生理前のトラブル(痛み、胸の張り)
・イライラしがち、怒りやすい
・口調が強く、激しくなりがち
・下痢と便秘を繰り返す
・熱感、顔が赤い

《血瘀の症候》
・生理痛
・経血に血塊がまじる
・痛み(同じ場所が針で刺すように)
・血腫(静脈瘤、クモ状血管)
・出血
・シミやソバカスが増える

【対応薬】※エキス剤なら2剤(異なる薬効区分)を併用
柴胡疏肝湯(加味逍遙散・大柴胡湯など)

活血薬(折衝飲・桂枝茯苓丸など)
※気滞証候(肝気鬱結)を抑える柴胡・芍薬の配合薬と、血瘀改善のための活血薬を併用します。
※便秘があるのなら、大黄配合剤を考慮します。
(桃核承気湯や大柴胡湯など)
気滞血瘀

ストレス証候(イライラ)
生理前症候群(痛み、胸の張り)
【身体の不快症状】
・生理前のトラブル(痛み、胸の張り)
・イライラしがち、怒りやすい
・口調がウ直、激しくなりがち
・お腹が張る
・下痢と便秘を繰り返す
・熱感、顔が赤い

【対応薬】
柴胡疏肝湯(柴胡・芍薬+香附子・青皮・枳実・川きゅう・甘草)
加味逍遙散より治療効果は高い

加味逍遙散(柴胡・芍薬+当帰・白朮・茯苓・生姜・甘草・薄荷+牡丹皮・山梔子)
※柴胡と芍薬の配合が、漢方の抗ストレス薬。まずは柴胡疏肝湯を、証候が若干弱ければ加味逍遙散を、便秘で熱感大なら大柴胡湯(頓服)を選択します。
気滞(肝気鬱結)

実は、男女も使える知識
 女性の体調不良は、補血・活血など、血流の正常化を目指して治療するのが良いとされています。
 女性を印象付けてきましたが、これは男性にも当てはまる治療知識。主な不快症状を探し、適切な治療を行ってください。

気虚の場合には、優先対応を
7ページに記しましたが、虚証の4分類(気虚から陽虚へ、血虚から陰虚への病態進行)は、治療のための大切な知識。本頁に記した不快症状を訴えていても、「元気がない、食欲不振」など気虚症候が顕著なら、人参製剤(六君子湯、補中益気湯等)で気虚治療を優先してください。元気回復の後、本頁の知識を活用ください。




そして母になる、そして父になる
子宝相談のために
「お母さんになりたい」と切望しても、その日がなかなか訪れず、悩む女性も増えています。「なぜなの…」と悲しい気持ちで、いつか笑顔も忘れて。
 漢方の知識で、新しい生命の誕生を手助け出来るかも知れません。

わたしたちに赤ちゃんがきてくれたら、どんなにすてきでしょう。

初めての子宝相談
父と母がわたしにしてくれた様に、赤ちゃんを慈しみ育てたいです。

責任重大
あの夫婦のために、新しい命のために、何をすれば良いの…。

難しく考えず、女性の体調を整える努力をね。
「あなたの人生を好ましく見守る生命が必ずあるのよ」と将来のお母さんを励まして。


子宝相談にはどう対応するのか
 子宝を招く特別な方法はありません。女性が今持つ不快症状を捉え、それを治す事が子宝治療になるのです。
 不快症状を緩和した後、血液循環をやさしく保つ薬にも変え服用を続け、新しい生命の訪れを期待とともに待ちます。
※「不妊治療」と口にすれば、心傷つく方も多いもの。ご夫婦に寄り添うため、子宝相談と呼びます。

体調不良の原因は生活習慣
 母になりたい女性の「良い血液循環」があってこそ、赤ちゃんは訪れてくれます。血流を阻む「夜更かし・目の酷使・身体を動かさない(歩かない)」の生活習慣を、必ず改めてください。
 赤ちゃんは、父母から腎精を受け継ぎ生まれます。男性にも生活習慣改善を指導ください。
※飲酒・喫煙も血流を悪化させる習慣です。

難しい事を自覚してもらう
 第一子の出産平均年齢は、女性30.6歳(H26年)。相談者が40歳を超えていれば、困難に取り組む事を自覚してもらいます。そして、ともに懸命に取り組む姿勢で挑みます。

生命は物ではありません。
 生命は物ではありません。生まれてからも、我が子を慈しみ支える事を忘れないでください。待ち望み、そして訪れた生命の温もりを、忘れないでください。規制するばかりでは息が詰まります。暮らしに笑顔があるかどうか、その点も大切にしてください。

ほめてあげて
 大人になると、ほめてもらう機会は少なくなります。ご夫婦が良い状態を保っていれば、明るい笑顔で、都度ほめてください。良い感情のうねりは、生命の訪れを誘います。


イライラタイプ(気滞)
イライラ、生理前に胸が張る(生理前症候群)、顔面紅潮
柴胡疏肝湯・加味逍遙散で対応

いくつもの

生理痛・経血に血塊タイプ(血瘀)
生理痛(同じ場所が針で刺すように痛い)、経血に血塊、静脈瘤
折衝飲で対応(桂枝茯苓丸)


生理遅延タイプ(血虚)
月経周期遅延(無月経)、血経の過少
 肌につやがない、目や爪の不調、こむら返り

具体像
 肌色くすみ化粧乗り悪い、ドライアイ
当帰で治療
四物湯・当帰芍薬散で対応


機能低下タイプ(陰虚)
機能低下(老化など)
足腰がだるい、夕刻からの熱感

具体像
 耳鳴り(セミ音)、段差でつまづく、尿漏れ


元気不足タイプ(気虚)
元気がない(食欲不振)

具体像
 動作遅い、食事時間が長くかかる、小食の場合が多い、声が小さい

人参で治療
六君子湯・補中益気湯で対応


温もり不足タイプ(陽虚)
寒がる+気虚

具体像
 温まる手段を人に先駆けて行う(暖房器具、コート着用)、疲れた顔をしている

附子で治療
玄武湯で対応



どの症状か選びにくい時
幾つもの症候を訴え、区分できない時。気虚があらば気虚治療を優先します。食欲が戻り元気回復後、最適な治療を行います。

上記治療を行い、その後が大切
 上記区分に従い服薬治療します。不快症状が治まれば、血液循環を保つ優しい薬に切り替えます。それが、不妊治療薬として知られる芎帰調血飲第一加減。
この薬の基本形・芎帰調血飲は、出産後の母体を守る目的で作られました。強い活血力を持たせれば不正出血を誘発するため、薬効(活血・理気・補血)を意図的に弱く抑えています。
 芎帰調血飲第一加減の優しい薬効は、良き血流維持剤として女性の体調微調整に役立ち、子宝を招くには欠かせません。しかし、女性特有の不快症状を持つのに、初めから芎帰調血飲第一加減の使用では時間の限られている女性に、寄り添った治療と言えません。
※生理中は、活血薬(本頁なら、折衝飲・桂枝茯苓丸・芎帰調血飲第一加減)の服用を控えてください。経血量を増やします。妊娠判明後も、活血薬服用は持ちないでください。
※不快症状の治療中は避妊してください。芎帰調血飲第一加減に切り替えた後、その制限を無くしてください。

男性側に原因がある場合
 男性のみに不妊となる原因がある場合は、全体の24%とされています。仕事の疲れなどで男性に性欲が湧かない場合、腎精を強めに心身に余裕を与えるマツウラ鹿茸カプセルを継続服用してください(2カプセル/日)。


活血化瘀薬(女性の体調不良に多用)
 活血化瘀薬は、血流を促し血瘀を改善する処方です。血瘀は鬱血状態を表し、病理的物産と考えられています。固定制の激しい疼痛・静脈の鬱血・暗色の慢性出血・腫瘤が現れます。血虚血瘀や気滞血瘀であることが多数です。
 基本的に、月経期(特に月経過多)や妊婦には用いません。

活血化瘀・補血凉血
桃紅四物湯(医宗金鑑)

血虚血瘀の代表処方です。
血虚血瘀:皮膚につやがない、目が疲れやすい・頭がぼーっとする・筋けいれんなど血虚の症状に、顔色がどす黒い・固定制の疼痛・口唇暗紫色・出血・腫瘤など血瘀の症候を伴う。舌質は紫紅で瘀斑が見られる事多い、脈は細渋。


活血化瘀・補血・理気健脾
芎帰調血飲(万病回春)

『産後の補養』に用いる処方です。
血虚血瘀を基本に、気虚や気滞を伴う場合に用います。
舌質は淡紅で瘀斑を伴う事多い、脈は軟細や渋。
※産後の体調回復を図るもの。出血を助長せぬ様活血力は弱く、穏やかな薬効にしています。

活血化瘀・理気止痛・補血健脾・温裏虚寒
芎帰調血飲第一加減(一貫堂)

産後の補養薬・芎帰調血飲を基に、補血・活血・理気・虚寒の働きを高めた処方です。
※芍薬を追加し、処方内に血虚基本薬・四物湯が完成。
※産後悪露の排出・不妊治療に、長期服用が可能です。

活血化瘀・消癥
桂枝茯苓丸(金匱要略)

婦人の癥病(腹中の血塊等)・漏下のため作られた処方。下焦の血瘀に用います。
下焦の血瘀:下腹部の痛み圧痛・腫瘤・生理不順・不正性器出血などに、下肢の冷えや鬱滞・のぼせ・頭痛などの証候を伴う。舌質は紫や紫斑、脈は渋や弦。
※男女を問わず用い、子宮筋腫の初期にも用いる。

活血化瘀・消癥・排膿・治疣贅
桂枝茯苓丸加薏苡仁(日本経験方)

桂枝茯苓丸の症候に、清熱解毒・排膿・利水・滲湿・治疣贅の働きを加えた処方。

活血化瘀・理気止痛
折衝飲(産論)

血虚血瘀の代表処方です。
桂枝茯苓丸の、血管拡張・血行促進の作用を強めています。


活血化瘀・理気止痛
桃核承気湯(傷寒論)

太陽病・蓄血証に用いる処方でうs。
太陽病・蓄血証:《発熱性疾患の経過で》下腹部が硬く張って痛む(少腹急結)・圧痛・抵抗・便秘(又はテール便)・排尿は正常(あるいは血尿)・不正性器出血などの証候で、夜間熱が高くなり、著しければ意識障害や狂躁状態を呈す。
舌質は紅でやや乾燥、舌質は黄、脈は沈実。

下焦の血瘀(骨盤内の鬱血)に用います。
下焦の血瘀:下腹部の痛みや圧痛や抵抗・不正性器出血・月経困難・便秘などの症候に、下肢の冷え・下肢静脈怒張・外痔核など、あるいは頭痛・肩こり・のぼせ・鼻出血・不眠・動悸などを伴うこともある。






入学・進級・就職・転勤で心揺らぐ春
不安から心を守る漢方薬
 春は新天地で夢を描く時、しかし常ならぬ精神的緊張が続く時でもあります。
 不安(不安感)が大きく育つ事もあり、医療機関で「全般性不安障害(不安神経症)」「パニック障害」と診断されれば、不安はさらに強くなります。

生活習慣の変化
夜更かし、目の酷使、引きこもり
虚労や老化
以下の不快症状を誘発
・肌つやがない、乾燥肌
・疲れ目、ドライアイ
・こむら返り、筋痙攣
・生理周期遅延、無月経(物忘れ)

不安感が強い
・全般性不安障害
・パニック障害

不安の治療について
 不安は、ストレスを感じる出来事などをきっかけに小さく生まれ、時に大きく育ちます。若い世代で不安に悩む方も多いもの。早く不安を拭い、笑顔になった彼ら彼女らの人生を見守りたいものです。
 不安は「夜更かし(夜型生活)」「目の酷使(スマホ・PCの長時間使用)」「運動しない」などの、血虚を招く生活習慣から起こります。服薬と共に生活習慣を正せば、必ず快方へ向かいます。
 嫌だと思う事柄は、ひとにより異なります。修正が難しい人間関係かもしれません。真剣に取り組みながら、時に泣き出したい現状から距離を置くことも必要。それは、逃げる事ではなく、大切な命を守るための手段のひとつです。理解してくれる人とともに治療を続け、大切な人生の時を決してあきらめないでください。

《付記、不眠の治療について》
 不安の基本は、心陰虚と捉え安神補心丸で治療します。不眠も同じ疾病区分のため、安神補心丸で治療します。ただし、ここでの不眠は「寝つきが悪い」「眠りが浅い」もの。不眠でも「イライラの感情高まる」「全く眠れない」ものは、ストレス証候と捉え柴胡疏肝湯などで治療します。


不安に悩む
・不安(不安感)が強まる
・不眠(眠るのに時間がかかる、目覚めやすい)
【治療のポイント】消耗物質を補充(地黄・当帰)し、心を守る安神薬を加える
【対応薬】安神補心丸 不安や不眠に用いる基本薬
      柏子養心丸 安神補心丸の略方、症状がまだ軽い時に用いる。
※安眠効果を高めるため、安神薬(酸棗仁湯やオンジエキス)を併用しても良い
※心は火の性質を持ち、化熱しやすい
※前頁記載の不調(肌つやがない・疲れ目・生理周期遅延)が強く、不安感に悩むときは、四物湯+安神薬(酸棗仁湯やオンジエキス)で対応する
心陰虚(心血虚)


上述の不安症状に加え
・子供時代から食欲不振、食事に時間がかかる
・元気が続かない(午後には疲れ、眠くなる)
・大きな声を出せない
【治療のポイント】消耗した気を補充(人参)し、心を守る安神薬を加える
【対応薬】帰脾湯 補気薬・四君子湯を核にした処方、不快症状がやや軽い時に
      加味帰脾湯 柴胡・山梔子を加味。不安感から感情制御が難しい時に
心脾両虚


頭脳疲労(不安感を含む)
・考えがまとまらない・頭がぼーっとする
・物忘れ
【治療のポイント】過労・老化による気陰消耗を補い、心の働きを牛黄で正常化
【対応薬】マツウラ牛黄丸 脳活性を高める開竅薬(牛黄・シベット)に、身体消耗を回復させる補剤(人参・当帰)を配合
※加齢で物忘れが増えた時、それが進行しない様にマツウラ牛黄を継続服用する(1日10粒程度)。
気陰両虚による閉証初期

不安・焦燥感(あせり)
・不眠(まったく眠れない、感情が高ぶりねむれ)
・動悸、狂騒(独り言が増す、)口内炎や舌炎
・イライラ怒りやすい(腹部が張る、口が苦い)
【治療のポイント】肝でおこった火が、心へ燃え広がった。両者の火消しを行う
【対応薬】牛黄純末・黄連解毒湯の清熱薬に、柴胡疏肝湯など解鬱薬を併用する
※煎薬での対応:四逆散系処方(柴胡・芍薬)を基に、清熱薬を加味する。


安眠出来ない
不眠瘀漢方薬
「眠るまでに時間がかかる」「途中で目覚めてしまう」「全く眠れない」など、不眠に悩む方が増加しています。

生活習慣の変化
目の酷使、夜更かし
虚労や老化
以下の不快症状を誘発
・肌つやがない、肌乾燥
・疲れ目、ドライアイ
・こむら返り、筋痙攣
・生理周期遅延、無月経(物忘れ)

不眠の悩み

心陰虚(心血虚)
不眠(寝つきが悪い、眠りが浅い、多夢)
・寝つきが悪い(入眠障害)、眠りが浅い(中途覚醒)
・夢をよく見る
・不安(不安感)が強い
【対応薬】安神補心丸 不安や不眠に用いる基本薬
※安眠効果を高めるため、安神薬(酸棗仁湯やオンジエキス)を併用しても良い
※前頁記載の不調(肌つやがない・疲れ目・生理周期遅延)が強く、不安感に悩むときは、四物湯+安神薬(酸棗仁湯やオンジエキス)で対応する

心脾両虚
上述の不眠症に加え
・子供時代から食欲不振、食事に時間がかかる
・元気が続かない(午後に疲れ増す、眠くなる)
【対応薬】帰脾湯 補気薬・四君子湯を核にした処方、不快症状がやや軽い時に
      加味帰脾湯 柴胡・山梔子を加味、長引く不眠状態に

肝気鬱血
不眠(まったく眠れない、眠りが浅い)
・イライラ怒りやすい(腹部が張る、口が苦い)
・動悸、狂躁躁(独り言が増す)、口内炎や舌炎
【治療のポイント】肝でおこった火が、心へ燃え広がった。両者の火消しを行う
【対応薬】牛黄純末・黄連解毒湯の清熱薬に、柴胡疏肝湯など解鬱薬を併用する
※ 煎薬での対応:四逆散系処方(柴胡・芍薬)を基に、清熱薬を加味する
心肝火旺

不眠の治療について
 この資料、どこかでご覧になられた気がしないでしょうか。前頁の「不安から心を守る漢方薬」と、ほぼ同じものです(一部簡略化)。
不眠と不安は、同じ病因)心の不調)と捉えるもの。府民もまた、血虚を招く生活習慣を基に起こるため、服薬とともに目の酷使などの生活習慣を改めてください。
 眠れないからといって起き上がり、テレビ・スマホ画面を漫然と見て過ごす状況も多いもの。しかし、目を使えば、ますます眠れなくなります。眠れなくても、諦念をもって、暗くした部屋で目を閉じて夜具に身を横たえていてください。
 不眠による身体への影響は、集中力の低下だけにとどまらず、ペプチドホルモン・グレリンの産生増から食欲を増し糖尿病への不安も増すものです。1日6~7時間の睡眠時間(米国での6年後死亡率調査から)が、あなたの生命を守り長寿へと導きます。

製品効能に「不眠」「不安」が記される製剤
たったひとつの漢方処方も、漢方の知識から多種多様な病態の治療に用いられます。
【不眠に関連した製品効能があるマツウラ製剤】
 安神補心丸、温経湯、黄連解毒湯、加味逍遙散、加味帰脾湯、甘麦大棗湯、桂枝加竜骨牡蠣湯、酸棗仁湯、柴胡加竜骨牡蛎湯(高血圧の随伴症状)、柴胡桂枝乾姜湯、三黄瀉心湯(高血圧の随伴症状)、抑肝散加陳皮半夏
【不安に関連した製品効能があるマツウラ製剤】
 安神補心丸、加味帰脾湯(精神不安)、柴胡加竜骨牡蛎湯(高血圧の随伴症状)、三黄瀉心湯(高血圧の随伴症状)、桃核承気湯(月経時や産後の精神不安)、半夏厚朴湯(不安神経症)


不安・不眠に用いる漢方処方
養心安神・和中緩急
甘麦大棗湯(金匱要略)
臓躁に対する処方です(不快症状は軽度)。
臓躁:ヒステリー様証候を示す、軽度の心血虚・脾虚。
不安・驚きやすい・不眠(寝つきが悪い、眠り浅い)など心血虚の症候に、食欲不振・あくびが多いなど脾虚の症候を伴う。舌質淡白、脈細。

養血安神・清熱除煩
酸棗仁湯(金匱要略)
心血虚に、心肝火旺を伴うものに用います。
心血虚・心肝火旺:不眠(寝つき悪い、眠り浅い)・多夢・動悸・健忘など心血虚の証候に、イライラ・焦燥感・のぼせなど心肝火旺の証候を伴う。舌質紅、脈弦細数。

滋陰養血・補心安神
安神補心丸(世医特効方)
心腎陰虚に対する代表処方です。
心腎陰虚:不眠(寝つき悪い、眠り浅い)・多夢・動悸・健忘・焦燥感・口渇など心陰虚の証候に、手のひら足裏のほてり・膝腰がだるく無力・盗汗など腎陰虚の症候を伴う。
舌質暗紅で乾燥、舌苔少、脈細数。

清熱安神・補気健脾・化痰止嘔
柴胡加竜骨牡蛎湯(傷寒論)
鎮静の処方です(少陽病と心肝火旺を伴うもの)。
心肝火旺・脾気虚・痰湿:イライラ・不眠・焦燥感など心肝火旺の症候に、疲れやすい・食欲不振など脾気虚の証候に、悪心・腹部膨満感など痰飲の症候を伴う。舌質紅、舌質黄膩、脈弦数。

気血双補・補脾養心安神・清熱解鬱
加味帰脾湯(済生方)
心脾両虚に、肝火旺を伴うものに用います。
心脾両虚:疲れやすい・元気がないなど脾気虚の証候に、不眠、不安感など心血虚の証候を伴う。
肝火旺:強いイライラ、易怒・不眠・激しい図うつ・顔面紅潮・目の充血・突発性難聴・口苦・胸脇苦満・尿黄・便秘・月経周期の短縮・月経過多、舌質紅・舌苔黄で乾燥、脈弦数あるいは浮で有力。
※処方には、補気薬・四君子湯が含まれています。

疏肝解鬱・理気止痛・活血
柴胡疏肝散(景岳全書)
肝気鬱結に対する代表処方です(ストレス対応薬)。
肝気鬱結・肝脾不和:憂うつ感・情緒不安定・いらいら・ヒステリー・溜息多い・胸苦しい・胸脇苦満(張痛)・食欲不振・悪心・便秘と下痢が交互・排便後すっきりしない、女性は月経周期のばらつき・月経前症候群(月経前痛や乳房張痛など)。舌質紅、舌苔薄白、脈弦か沈。

疏肝解鬱・健脾補血・調経・清熱涼血
加味逍遙散(内科摘要)
肝鬱化火に、気血両虚を伴うものに用います。
肝鬱化火・血虚・脾虚:いらいら・のぼせ・止血、胸脇苦満・脇痛・腹痛など肝鬱化火の症候に、ふらつく・肌につやがない・四肢のしびれなど血虚の症候に、食欲がない・疲労倦怠など脾虚の症候を伴う。女性は月経痛・月経前症候群(月経前の痛みや乳房脹痛)。舌質紅、舌苔黄、脈弦細数。
肝脾不和:緊張や情緒変動での、腹痛・腹鳴・下痢。

































Ads by Sitemix