woman5

性感染症には、絶対罹らないで!

性感染症って何?
 性感染症(STD)とは、セックスなどでうつる病気のことです。原因はウイルス、細菌、カビ、原虫、寄生虫といった微生物などです。セックスだけでなく、キスやオーラスセックスといったセックスの類似行為でも感染します。
 以前は「性病予防法」という法律で、梅毒、淋菌感染症、軟性下疳、鼠径リンパ肉腫が性病として指定されていましたが、新たに性器クラミジア感染症、性器ヘルペスなどが指定されました。若い世代に増えているのが、こうした新しい性感染症です。
 なお、国内では、軟性下疳、鼠径リンパ肉芽腫はほとんど見られなくなりました。

女性が感染すると…
 右ページのグラフを見てもわかるように、特に目立つ性感染症が、性器クラミジア感染症、淋菌感染症、性器ヘルペスなどです。
 なかでも、性器クラミジア感染症は、女性に自覚症状がないため、女性から感染をひろめてしまうこともすくなくありません。

性器感染症は、他人に知られたくないことから受診が遅れ、かなり症状が進んでから受信することもあります。そうすると治療に時間がかかるばかりか、深刻な後遺症を残すこともあります。
 女性の場合、女性器が外から腹腔の中に通じていることもあり、感染が子宮、卵巣、卵管と広がり、子宮付属器炎を起こしたり、将来、不妊症になることもあります。また、妊娠中に感染すれば、出産時に赤ちゃんに性感染症をうつしてしまうこともあります。感染を疑ったら、一刻も早く検査を受けることが先決です。


性感染症を予防するために知っておくこと
セックス=コンドームは常識
 性感染症を予防するには、不特定多数の相手とセックスをしないこと。そして必ず、コンドームを正しくつけてセックスをすることです。
 また、危険なセックスも注意が必要です。危険なセックスとは、たとえば月経中のセックスや肛門にペニスを入れるアナルセックスなど。月経中は雑菌が子宮の中に押し込まれて、子宮内膜症を起こします。アナルセックスも、肛門の細い血管が簡単に切れてしまい出血しやすいので、血液や精液の中にエイズウイルスがいれば簡単に侵入します。
 なお、性器クラミジア感染症や性器ヘルペスなどは、オーラスセックスで、性器から口、、口から性器に感染します。セックスが後悔の種にならないように、コンドームを使用した安全なセックスライフを心がけるようにしてください。

検査と治療はふたり一緒に
 彼から感染を告白されたり、自分がかかっているかもしれないと疑ったら、必ずふたりで検査を受け、一緒に治療を受けて、治してしまうことです。
 性感染症は症状の出ないものも多くありますが、セックスのあと、外陰部のかゆみや違和感、おりものの異常などを感じたら、一刻も早く検査を受けましょう。女性は婦人科、男性は泌尿器科か、もしくは皮膚科での治療になります。
 ただ、性感染症の中には、薬物療法である程度の症状が治まってしまうことも多く、完治しないまま途中で治療をやめてしまう人がいます。この場合、再発したり、慢性化することもあります。つまり、カップルのどちらか一方が完治しても、もう一方のからだには原因になる病原菌やウイルスがいるわけですから、セックスを介して感染をくり返すのです。これをピンポン感染といいます。
 性感染症の治療は、医師から「もう大丈夫」と言われるまで、完全に治療する事が原則。その間、セックスは禁止です。
 なお、エイズの検査は地域の保健所で受けられます。プライバシーは守られますから、必ず、受けておくことをおすすめします。


望まない妊娠をしてしまったとき

人工妊娠中絶を受けるとき
 人工妊娠中絶は、母体保護法という法律で定められた条件に該当する人のみが受けられる手術です。法律で決められた条件とは、母親や配偶者に精神疾患や知的障害、精神病質や遺伝性の形態異常がある場合、身体的・経済的理由によって妊娠、出産が母体の健康を害すとき、性犯罪などによって妊娠してしまった場合などです。
 しかし、実際に多い理由は、避妊の失敗や避妊をしなかったことによる妊娠で、これは「経済的な理由」として解釈され、医師と患者が合意、納得したうえで行われています。

妊娠22週過ぎたら受けられない
 中絶手術を受ける時期は、まだ子宮が大きくなっていない妊娠12週以内が望ましいといえます。方法は、人工的に子宮口を開いて、子宮内に鉗子を入れて受精卵や胎芽をかき出したり、吸引器を入れて吸い取ります。妊娠12週を過ぎると、陣痛促進剤で陣痛を起こして流産させる方法になります。なお、どんな理由があっても、妊娠22週以降は受けられなくなります。

病院選びと準備しておくこと
 中絶手術はからだへの負担も大きく、避けるべきことですが、どうしても選択しなけらばならないときは、確かな病院で、なるべく早く受けることです。
病院選び
 要因を選ぶ場合、人工妊娠中絶が出来る医師は「母体保護法指定医」のみです。法律上、それ以外の医師は、できないことになっています。母体保護法指定の病院ならどこでも受けられますが、手術後は通院する必要がありますから、通院できる範囲で、評判のよい産婦人科を選んで受診しましょう。
 手術日が決まったら「人工妊娠中絶同意書」が渡されますが、前日までに胎児の父親である男性から人工妊娠中絶同意書にサインと捺印をもらっておきます。これは手術当日に提出します。
手術費用
 健康保険が利きませんから自費になります。費用は病院によってまちまちですが、妊娠12週までなら12〜14万円、12週を過ぎたら入院も必要になりますから、20〜30万円程度かかります。
事前に準備しておきましょう。

手術までの準備
手術前日
 前日の夜は入浴やシャワーをしてからだを清潔にしておきます。麻酔をかけるために、前夜9時または10時以降の飲食は禁じられます。
手術当日
 朝、シャワーを浴びて陰部を清潔にしておきます。飲食はできません。化粧はしないで、ピアスやネックレス、指輪などのアクセサリーは外します。術後に使う整理ナプキン、整理用ショーツ、必要書類を準備して病院に行きます。


手術後に注意すること
手術当日
 手術後、麻酔が覚めてから2時間程度は病院で安静にします。その後、意志が医師が診察し、問題なければ帰れます。自宅では布団やベッドに横になって安静に。出血があるので、まめに整理ナプキンを交換しましょう。
手術翌日
 基本的にシャワーはOK。それ以外は安静にすごします。手術後3日間は、こうした生活を続けます。
1週間以内に受診
 手術後4日目からふうつの生活に戻れますが、セックスはできません。1週間以内に子宮の検診を受けて、異常がないか確認します。

セックスは手術後14日目から可能とされていますが、再開する時期は必ず医師に確認します。二度と同じ過ちをくり返さないためにも、必ず避妊しましょう。


もっときれいになりたい!
健康的なダイエットで美しさをキープ!

ダイエットの意味
女性誌や健康雑誌でダイエットの特集をするとよく売れ、テレビ番組でダイエットを取り上げれば視聴率が高い…。こんな話を耳にすることがありますが、それほど世の中に、やせたい願望を持つ女性が多いということでしょう。でも実は「太っている」というのは思い込みだったり、グラビアモデルや女優への憧れということも少なくありません。やせたいと思っている女性の中で、ほんとうにやせなければいけない人は、以外と少ないのではないでしょうか。
 ダイエットの本当の意味とは、余分な脂肪を燃焼させて筋肉を丈夫にし、健康なからだを維持することです。健康で余分な脂肪のない人は、日ごろから運動して太りにくい体質を維持することは大切ですが、食事を制限するダイエットの必要はありません。
 なお、動脈硬化や糖尿病、高血圧といった持病がある人は、治療としてダイエットすることもあります。この場合、食事と運動療法にあわせて、肥満治療薬を用いることがありますが、これには医師の診断による処方箋が必要です。

肥満の目安と体脂肪率
そもそも、肥満とはどんな状態なのでしょうか?単に体重が多いというだけでは、肥満とはいいません。肥満とは、体脂肪率が正常値よりも高い状態のことをいいます。これは体重の多い、少ないとは関係なく、体重が多い人でも体脂肪の少ない人は、肥満とは考えません。一方、体重が少なくても体脂肪の多い人は、肥満と考えます。
 体脂肪率の測定は、市販の体脂肪計を利用したり、スポーツクラブに通っているなら、そこで測定できます。また、体重から肥満度を測定する方法にはBMI(ボディ・マス・インデックス)が広く使われています。P148にBMIの割り出し方と肥満度数、男女別・年齢別に体脂肪率の目安を紹介しましたので、自分が太っているのかやせているのかを知っておきましょう。体脂肪率が高い人は、運動したり食生活を改善するなどして、健康的なダイエットを心がけましょう。

体重管理には、毎日体重計に乗ることも大切。最近は、体重計と体脂肪計が一体になった体重計も市販されていますから、持っておくとよいでしょう。

ダイエットするときの基本条件
ダイエットの目安は1ヵ月に2kg、多くても3kgまで。1週間や10日といった短期間の設定はしないこと。確かに絶食をしたり極端に食事量を減らせば、一時的に体重は減りますが、筋肉が落ち、骨密度まで減らします。そのうえ、もとの食事量に戻すとまえよりも脂肪を蓄えやすくなり、太ります。

間違いだらけのダイエット
巷には「トマトダイエット」「大腸の宿便を取るダイエット」など、いろいろなダイエット法が紹介されていますが、特定の食品だけを食べ続けるダイエットは、脂肪を燃やすわけでもなく、栄養障害による体調不良や病気を引き起こしたり、空腹によるイライラなど、何もいいことはありません。
 「大腸の宿便を取る…」というのも医学的にはまったく根拠のない話で、大腸ファイバーで大腸の中を見ても、宿便はありません。
 ほかに、主食や油をまったくとらないという方法がありますが、主食を抜けば活動エネルギーが極端に不足して、体調をくずします。油をまったくとらないと、細胞の新陳代謝が悪くなり、老化を早めます。くり返しますが、成功するダイエットは「健康的に時間をかけて」です。

時々、下剤や利尿剤が混入された悪質なダイエット食品が摘発されています。安易にダイエット食品に走らないようにしましょう。

健康的に美しくやせるコツとは?
ダイエットをすると決めたら、まず食事を見直しましょう。例えば一日の標準摂取カロリーが1800kcalならメニューを工夫して1600kcalに減らします。
 献立の基本は主食、副食、野菜として、副食には納豆、豆腐などの大豆製品や魚、肉類など、良質のたんぱく質をうまく取り入れるように。野菜は生野菜より、おひたしのようなものがおすすめです。避けたほうがよい食品はバラ肉、まぐろのトロなど脂肪分の多い食品です。揚げ物は出来るだけ控え、料理法もひと工夫してみましょう。

有酸素運動と筋トレを
運動は、ウォーキングなどの有酸素運動と筋肉トレーニングで、脂肪を燃焼しながら筋肉をつけ、太りにくい体質にすることです。ウォーキングなら1回20〜30分を1日1〜2回。歩く速度は、早歩きで、20分くらい歩いたら、わきの下にうっすら汗をかく程度が目安です。また、背筋や腹筋をきたえて筋肉を丈夫にしておくことも大切。有酸素運動と筋トレで基礎代謝があがり、太りにくい体質になります。

肥満を防ぐ食生活のポイント
和食中心の食事
・野菜は毎食、生野菜なら両手に1杯、加熱した野菜なら片手に1杯
・主食は適量に
・魚・肉・卵、豆腐などの副食は一食を1皿
・油を使った料理は、一日2品まで

油の工夫
植物油をうまく使う。焼く、炒めるにはオリーブ油、揚げ物にはなたね油が適している

ラード、バターは控える。外食に多く入っているので、注意を。

肉の調理法
脂身を取って料理する。
ゆでる、蒸す、網焼きで油を落とす。

そのほかの工夫
アルコールやお菓子類でカロリーオーバーする人は多いもの。できるだけ控えて、とった日は食事の量を減らすように。

フッ素樹脂加工のフライパンを利用して、油の使用量を減らすのもかしこい方法。

顔とからだを磨いてもっときれいになろう!

毎日のお手入れが大切
20代半ば頃から肌老化は進み、おなかや足のお肉もたるんできたり…。これは悲しい現実かもしれませんが、だからといって何もしなければ老化街道まっしぐらです。現実は謙虚に受け止めるとして、これからは、その年代の美しさをキープすることを考えて、お顔やボディのお手入れに力を入れましょう。
 特別高い化粧品を買うことはありません。肌に合ったアイテムを上手に使いながら、毎日のフェイスケアやボディケアを楽しみながら続けましょう。

毎日のフェイシャルケア
夜はしっかりメイクを落とすことが大切。入浴中にメイクを落とすなら、バスタイムの最後に落とすと、十分に毛穴が広がっているので、よく落とせます。メイクを落としたら、毛穴が広がっている間に、スキンケアアイテムをつけましょう。ローションをつけたら、お肌から水分が逃げないように肌質に合った乳液やジェルなどを薄くのばしてバリアを。気になる部分のポイントケアも忘れずに。時間がある時はフェイスパックもおすすめです。
 朝は基本のお手入れ+UVケアで、紫外線から肌をまもりましょう。

毎日の基本のお手入れ
朝のステップ
@【洗顔】
ぬるま湯で洗顔料をよく泡立てて、やさしくマッサージするように洗う。
A【保湿】
肌に合ったローションでたっぷりうるおす。水分が逃げないように、乳液やクリームを薄くのばしてプロテクト。
B【UV対策】
肌を守るために、1年を通してUVクリームや乳液で紫外線対策を。


夜のステップ
@【メイク落とし】
メイクだけでなく、毛穴の奥にたまった汚れもクレンジング料を使って落とす。
A【洗顔】
朝と同様に、洗顔料をよく泡立てて、やさしくマッサージするように洗う。
B【保湿】
ローションをたっぷりパッティングして、肌に栄養を与える。乳液やクリームを薄くのばして水分の蒸発をブロック。
C【ポイントケア】
特に乾燥しやすい部分やシミ、シワの気になる部分は目的に合ったアイテムでポイントケアを。

楽しみながらボディケアを
好みのローションをつけたボディマッサージは気持ちいいものです。ツルツルボディを目指して、楽しみながら続けてみましょう。ローションを使ったボディマッサージは、肌の乾燥対策にもなります。
 体型のキープにはシェイプアップが欠かせません。車やバスを使わずになるべく歩く、ちょっとした暇を見て右ページのエクササイズをするだけでも効果があります。もっと本格的にやるなら、カルチャーセンターやスポーツクラブに参加して、プロのインストラクターから指導を受けるとよいでしょう。

エステティックサロンでできること
リラックスしたいときに利用を
 エステティックサロンでは、さまざまな機械や化粧品を用いてプロのエステティシャンによるマッサージが受けられます。これはとても心地よいもので、大変リラックスできますかr、時間とお金に余裕があれば、通ってみたいものです。
 ただし、多くのサロンでうたっている「永久脱毛」は、毛穴に針を入れて毛根に電気を通して脱毛する針脱毛になります。1本1本毛穴に針を入れる針脱毛は痛みがあり、時間もかかります。サロンによっては美容皮膚科や形成外科を併設しているところもあり、そうした施設に医療用レーザーがあれば、医師の指導のもとでレーザー脱毛が受けられます。
 また「痩身」「顔やせ」など、エステティックサロンの広告には女心をくすぐるものが多いですが、内容をよく吟味してからお店を選ぶようにしましょう。

お腹を引き締めるエクササイズ
両手を頭の後ろにあて、頭を支える。息を吐きながら肩甲骨が床から離れるくらい上半身を持ち上げる。これを16回1セットから、慣れたら2〜3セットと増やして。

バストアップのためのエクササイズ
あお向けに寝て両膝を曲げる。息を大きく吸ったままひじをわきに張る。次に、息を吐きながら、軽く握ったこぶしを天井に向かって押し上げる。一呼吸したらゆっくりもとの位置へ。最初は8回を3セット、慣れてきたら回数を増やす。

ヒップアップのためのエクササイズ
肩の真下にひじを置き、左足(または右足)のつけ根の真下にひざを置く。頭のてっぺんからひざまでが一直線になるように片方の足を軽く上げ、次に息を吐きながら上げた足を下ろす。左右16回ずつ2〜3セット行う。


レーザー治療について知っておこう
レーザー治療とは?
レーザー治療とは、メラニンが表皮に沈着した茶あざ(カフェオレ斑や扁平母斑、ベッカー母斑など)や、メラニンが真皮に沈着した青あざ(太田母斑)、シミ(老人性色素斑、雀卵斑)など、皮膚の真皮や表皮に色素が沈着している病変や血管腫、刺青などを薄くするための治療法です。
 皮膚にレーザー光線を直接照射すると、レーザー光が皮膚の色素に反応し、皮膚の色素沈着が薄くなります。一般の女性は、シミに悩んで受けることがほとんどです。

種類によって使い分けられる
 レーザー光線にはいくつもの種類があり、皮膚に沈着している色素のタイプによって使い分けられます。
 例えば、部分的なシミを目立たなくするためには、Qスイッチ(衝撃波)のついたアラキサンドライトレーザーやルビーレーザーが使われますが、最終的な効果は高い反面、照射後にかさぶたが残り、レーザー照射による炎症性の色素沈着が数ヶ月残ることがあります。かさぶたが残っている間は、テープなどで保護しなければならず、当然、外出やお化粧の問題が生じてきます。
 一方、顔全体の美顔にはアレキサンドライドレーザーを用いたレーザーフェイシャルやIPLを用いたフォトフェイシャルなどが行われます。こちらは皮膚への刺激は穏やかで、薄いシミに対する即効性は弱いですが、皮膚の深部まで浸透して皮膚の維持芽細胞を活性化させ、コラーゲンの産生を促し、皮膚の内側から皮膚の状態を整える効果があります。
 繰り返すことにより顔全体のシミやホクロを薄くし、肌のキメも細かくなり、ハリが出てきます。

永久脱毛にも使われる
 ほかに、ムダ毛の脱毛にも使われます。脱毛の仕組みは、レーザー光がメレニン色素に反応し、熱吸収されて毛根を破壊するというもの。毛穴に針を入れて毛根を焼き切る針脱毛よりはるかに痛みもなく、両脇の下で約5分、両腕は約20分など、短い時間で脱毛できます。ただし、今生えている毛にしか反応しませんから、毛が生え揃った時点で、2〜3ヵ月おきに3〜5回繰りかえします。
 レーザー治療は主に皮膚科や美容皮膚科、美容外科で受けられますが、エステティックサロンでは、医療用レーザーによる治療は受けられません。
 費用は、受ける病院によっていろいろです。レーザー光をあてる範囲によっても異なりますが、だいたい数十万円はかかります。


美容整形を受けたいと思ったら
リスクの少ないプチ整形が人気
 少し前までは、美容整形手術と聞くと、なにか特別な人が受けるような印象がありましたが、最近は、若い女性を中心に、気軽に受ける人が増えてきました。美容整形が身近になった背景には「プチ整形」と呼ばれる簡単な手術が普及したことがあります。
 これは、シワの気になる部分にコラーゲンやボトックス、ヒアルロン酸などを注入してシワを目立たなくしたり、簡単な手術で二重まぶたにすることです。リスクも少なく、比較的低料金で受けられることも普及の一因です。
 一方、豊胸手術や脂肪吸引、顔の皮膚の一部を切ってシワを伸ばすシワ伸ばし、あごの骨を削って小顔にするなど、大がかりな手術もあります。

一般に大がかりな手術は出血も多く、リスクを伴います。豊胸手術では、体内にシリコンなどの異物を入れたままにすることによる炎症や乳房の変形といったリスクがあります。よく考えてから受けるように。


受ける前によく考えること
 美容整形のメリットは、それまで持っていたコンプレックスから開放され、物事に積極的になれることでしょう。しかし、必ずリスクを伴いますし、料金も決して安くはありません。そこまでして、なぜ自分は受けたいのかよく考えて、美容整形を受けるメリットのほうが大きいと思うなら、受けることも悪くないでしょう。
 美容整形手術を受けると決めたなら、次は病院探しになります。美容外科の広告は、電車の中吊り、女性誌、新聞チラシなど、あらゆるところで見かけますが、広告のキャッチコピーにまどわされず、信頼できる病院を選ぶことが大切です。いくつかの病院で説明を受けて、手術の方法、リスク、費用、術後のトラブルに対する対応について詳しくていねいに説明してくるところを探しましょう。
 病院が決まったら、実際に手術をする医師に、どこをどのように直したいのかできるだけ具体的に説明して、わからないことや不安なことはどんどん質問して、すべて解決することです。


女性とタバコの害
タバコは百害あって一利なし

 タバコには多くの有害有害物質が含まれ、がんや脳卒中のリスクを高めることは周知のとおりです。女性の場合はそれに加えて、妊娠・出産時期の胎児への影響もあります。そのほかにも、喫煙によって毛細血管が収縮するため、血液のめぐりが悪くなり、肌があれたり、シミ、シワができやすくなり、口臭も強くなります。

 また、タバコの害は喫煙者だけにとどまらず、タバコの先から立ち昇る副流煙によって、自動的に周囲の人にも有害物質をたくさん含んだ煙を吸わせてしまうことになり、吸わない人の健康まで脅かしてしまうのです。
 タバコがなかなかやめられないのは、タバコに含まれるニコチン依存のためです。ニコチン依存は、体内のニコチン濃度が低下するとイライラするといった禁断症状が起き、またタバコを吸う、といった悪循環により形成されます。ニコチン依存を断ち切るためには、からだの中からニコチンをなくすこと、つまり禁煙です。
 最近は、禁煙外来を設けている病院も増えてきました。「禁煙する」とかたく心に誓ったら、禁煙外来を受診して相談するのが近道です。病院では、ニコチンの禁断症状を和らげるニコチンパッチを用いた治療と、禁煙方法についてのアドバイスが受けられます。


ストレスと心の病
ストレスっていったい何?
外部からのいろいろな刺激や、刺激を受けたときのからだや心の変化、それを安定した状態に戻そうとする力を合わせて、ストレスというのが一般的です。
 ストレスには、過労、睡眠不足、空腹など身体的なもの、対人関係や社会環境による不安、恐怖、興奮、怒りなど精神的なもの、気温や騒音、化学物質、ウイルスといった環境的なものなどがあります。
 適度なストレスは、行動のエネルギーやほどよい緊張感になって、実力以上の力を発揮できる場合もあります。しかし感じ方には個人差があります。
 また、ストレスはさまざまな病気の誘因にもつながります。体質や性格も関係していて、ストレスに弱い人はからだが正直に反応します。

ストレスは女性ホルモンと関係が
 女性は男性より、対人関係のストレスに弱いといわれます。それは、ストレスはホルモンとも関係していて、女性ホルモンの分泌に変動があると、ストレスへの耐性が低下すると考えられるからです。
 女性は毎月、さらには一生の中でも女性ホルモンが大きく変動する時期にストレスに弱くなります。加えて、社会的な立場はまだまだ男性より低く、職場や家庭で性差別を受けやすいため、男性よりも強いストレスがかかる環境にいると考えられます。

心には意識と無意識がある
 心には、意識と無意識があると考えられ、無意識のために生きにくくなることもあります。例えばスーパーウーマン症候群の人は、意識のうえではすごくがんばって満足しているのですが、あるとき挫折します。それは完璧にしたい自分の裏側に、そんなにがんばりたくない自分もいるから。かんばりたくない自分は抑圧され、無意識に追いやられているので、自分では気づかないのです。
 精神分析では、そうした、意識の裏側に広がっている無意識を見ていきます。


ストレスは心の病を引き起こす要因
 心の病は、原因が心にある心因性、体質やからだにある内因性、外傷やウイルスなどにある外因性に分けられますが、さまざまな要因が絡み合い生じます。
 診断基準や種類も変わってきています。30年ほど前はうつ病や拒食症・過食症はそれほど見られませんでしたが、今やあたり前の病気になっています。こうした心因性の心の病は、ストレスの多い現代社会を反映した病気ともいえるでしょう。


心のクリニックを受診してみよう

病院は特徴を知って選ぶといい
 現代はメンタル・クリニックなど、行き易い雰囲気の医療機関も増え、治療も進歩しているので、心の病の症状が見られたら、早めに受診しましょう。
 医療機関にはいくつか種類があり、右表のような特徴があります。他にも精神神経科、神経精神科、神経科、神経内科などがありますが、神経内科は脳卒中など神経疾患専門で、精神疾患は扱っていません。精神科に行きにくい人は、保健所の精神保健相談に相談しても。医療機関を紹介してくれることもあります。まず家族が相談してもいいでしょう。
 受診では初診が特に大切です。1時間くらいはふつうにかかるため、ほとんどの病院で予約が必要です。症状や環境は重要な診断材料になるので、正直に話しましょう。再診の時間は平均10〜15分程度。自由診療で50分くらいかけるところもあります。

医師と相性が合わなければ、セカンドオピニオンを聞いたうえで、その後を決めて。でも心の病は、同じ医師にじっくり経過を診てもらうことも大切です。


医療機関・相談機関の種類
医療機関   
大学病院の精神科
特徴
ふつうの医療機関では難しい治療を行う「特定機能病院」に指定されている病院が多く、重度の症状に向いている。ただ長期入院は難しく、1〜3ヶ月で転院を余儀なくされることが多い。
注意したい点
外来が混んでいるため、診察時間が短い。医師の移動が多く、ずっと同じ医師に診てもらえない。長期間の入院が難しい。

医療機関
総合病院の精神科
特徴
公立と私立がある。病院によって規模やスタッフのレベルはさまざま。外来のみの病院と、入院施設のある病院が。他科との連携がスムーズ。
注意したい点
外来が混んでいる。長期入院は、関連病院に転院させられることが少なくない。

医療機関
単科の精神病院
心の病や精神障害を専門的に治療。救急や他の病院で対応できない場合にも対応。長期入院、リハビリテーションが可能。
注意した点
病院により設備、・スタッフの差が大きいので、あらかじめ情報収集を。

メンタル・クリニック
心の病の治療が専門で、ベッド数が19床以下の診療所。大きな病院に比べ診察時間が長く、同じ医師の診察を継続して受けられる。午後や夕方の診療もあり受診しやすい。保険診療と自費診療がある。
注意したい点
医師により、得意・不得意分野があるので、保健所などで事前に確認を。入院設備がないところが多い。

医療機関
心療内科
特徴
内科のひとつで医師も内科医。主に心身症を心とからだの両面から治療する。精神科を受診しにくい人に向いている。
注意したい点
現実的には薬物治療が主で、カウンセリングの時間が少ない。精神症状が強いときは、不向きなところもある。

精神保健福祉センター
特徴
「精神保健福祉法」に基づき、都道府県や政令都市に1箇所以上の設置が義務付けられている機関。規模が大きく、常時、精神科医、臨床心理士、保健師の窓口相談も。
注意したい点
都道府県、政令都市に1〜2箇所しかないので、遠い人は利用しにくい。

医療機関
保健所
特徴
「地域保健法」に基づき、精神保健福祉活動も

いろいろな治療法

まず休養することが大事
 心の病は、休養がいちばんの治療法。休まずに仕事や家事を続けようとしても、集中力や活動性が低下しているので、かえってミスが増え、はかどりません。周囲からの人からは怠けているように見えるかもしれませんが、元気がなく、何もするのもおっくうそうなのは病気のサイン。あたたかく見守ってあげましょう。
 休養と同時に、薬物療法と精神療法を行います。

向精神薬を使った治療を行う
 右ページのような向精神薬が処方されます。向精神薬は脳の中枢神経に作用します。精神活動は脳の神経活動に左右され、薬で神経活動が正常になれば、心の状態も安定するはずと考えられるため、これらの薬が使われるのです。一般に精神安定剤というのは、抗精神病薬と抗不安薬のことです。
 薬は病名だけではなく症状によっても処方されるので、同じ病名でも薬が違うことがあります。
 現在服用している薬は、必ず医師に伝えましょう。
心の病は「がんばって治そう」と思わないで。がんばるのは逆効果。治療には時間がかかることが多いですが、あせらず、ゆっくり治しましょう。

症状に合わせた精神療法を行う
 精神療法は、医師や臨床心理士などの専門家が患者さんの心に働きかけ、安定した状態に導く方法です。
一般的に外来で行われるのは「支持的精神療法」と日常生活の指導ですが、症状により適切な療法が選ばれます。
 支持的精神療法は、医師などが患者さんの悩みや訴えをよく効いて受容・支持し、気持ちを楽にさせることで回復を促す、最も基本的な療法です。
 また、うつ病やパニック障害、強迫神経症などに行われる「認知行動療法」は、もともとうつ病の治療として始められた療法。医師と患者さんが話し合い、一緒に考えて、認知のゆがみを修正し、より現実的なものの見方ができるようにし、症状や問題行動は、訓練によって改めようとする方法です。

よく処方される薬
薬の種類 
抗精神病薬                                                        使われる病気                             副作用
メジャー・トランキライザーともいう。幻覚や妄想を抑え、興奮や攻撃性、不安、焦燥感を和らげる。     うつ病や神経症につかわれることもある。             眠気、倦怠感、舌のもつれなどがおこることも。
抗不安薬
マイナー、トランキライザーともいう。不安や焦燥感を抑え、精神やからだの緊張を和らげる。        うつ病、神経症、心身症のほか、不安症状中心の病気に。   眠気、めまい、集中力の低下、倦怠感などが出ることも。
抗うつ薬
気分を持ち上げ、やる気を起こさせる効果がある。                                 うつ病、パニック障害、強迫神経症、拒食症・過食症などに。  目のかすみ、口の渇き、便秘や排尿障害が出ることも。
睡眠薬
鎮痛作用、睡眠作用が高いベンゾジアゼピン系が使われる。                          不眠症、うつ病、精神症などに。                   長時間タイプは眠気が残ることも。

ストレスから起こりやすい心の病
うつ病はごくありふれた病気です。「気分障害」ともいわれ、舌のような気分低下、意欲低下、身体的症状が現われます。症状は、朝つらく、夕方にかけて軽くなる傾向があります(日内変動)。
 性格も関係していますが、なんらかのストレスが引き金になって起こります。また最近は、脳内の神経伝達物質セロトニン(体温調節や睡眠、摂食、攻撃行動などに関係)とノルアドレナリン(意欲や活動性を調整)が不足したり働きが悪くなると、うつ病になることがわかっています。 
 うつ病はどの年代の人でも発症し、一度で治る人、何度もくり返す人、長時間続く人とさまざまです。
 また、男性より女性のほうが発症しやすい病気です。うつ病の治療で大切なのは、なによりも「休養」です。薬は主に抗うつ薬を使い、精神療法では、『認知行動療法」が効果を発揮します。


うつ病の症状
気分低下
・憂鬱な気分で晴れない
・何をやっても楽しくない
・孤立感におそわれる、さみしい
・最悪のことばかり考える
・突然悲しくなり、涙がポロポロ出る
・死にたくなる
・不安な気持ちが続く

意欲低下
・何をする気も起きない、おっくう
・何にも興味が持てない
・物事に集中できない
・人と会いたくない
・動きが鈍い

身体的症状
・眠れない
・食欲がない、食べ過ぎる
・からだがだるく、疲れがとれない
・頭が重かったり、頭痛がする
・動悸がしたり、息苦しくなる
・口が渇く
・下痢や便秘が続く
・目眩や耳鳴りがする
・微熱や発汗


うつ病の種類と特徴
 うつ病
仮面うつ病
精神的症状より身体的症状の訴えがはるかに多いうつ病。からだの病気と思い、内科や婦人科などを受診するが、治らない。検査結果に異常がないにもかかわらず、身体的症状が改善しないときは、一度、精神科か心療内科を受診して。

季節性うつ病(季節性感情障害)
日照時間の短い季節に、繰り返し起こるうつ病。10〜11月ごろに発病し、3月頃には軽くなって、夏には症状が消える。頻度が高く、日照時間の少ない地方に多く見られ、真理的引き金のないのが特徴。「高照度光療法」を行うと、生体リズムが調整される。

引越しうつ病
引越しに伴うストレスで、うつ病になることがある。

荷下ろしうつ病
家のローンを完済したなど、それ自体は喜ばしいことなのに、長年の重荷を下ろして虚脱感におそわれ、うつ状態に陥ることがある。


うつ辺縁疾患
気分失調症
若い人に多い辺縁疾患で、自信がなく、過去にこだわり、軽いうつ状態が2年以上続く。性格が関係しているので、精神療法が有効。
スーパーウーマン症候群
完璧にしようとするあまり、許容量以上のことを引き受けて心身の調子を崩す。能力の高い女性ほど多く見られる傾向がある。
燃えつき症候群
それまで意欲的だった人が、ある日突然、意欲を失い、極度に疲れ、無感情になる。精神的・身体的負担に気づかず、耐えきれなくなって起こる。また努力が報われないときにおこることも。医療、福祉、教育関係者によく見られる。

「○○うつ病」と名前のついた呼び方がありますが、それもうつ病です。また「○○症候群」などと名付けられた、うつ病に移行する可能性のある辺縁疾患もあるので、注意を。


神経症(神経症性障害)
WHO(世界保健機構)の分類では「神経症性障害」といいます。何らかの要因で不安が起こると、上手く対応できず、イライラや緊張、過度の恐怖、気分の落ち込み、不眠、動悸、めまいやふるえなどの症状がでます。本人にも自覚があります。
 体質的には神経質な人が、過度のストレスや疲れすぎが原因でなったりします。また、脳の神経伝達物質の影響もあるといわれています。

■恐怖症(恐怖症性不安障害)
 通常は危険と思えないような対象や状況によって不安が引き起こされ、自分でも無意味なこととわかっているのに、恐怖感が消えず、なにがなんでも回避しようとします。
 不安対象は外部のものに限られ、具体的ではっきりしているのが特徴です。ときにうつ病に併発します。性格、体質、遺伝、環境が絡み合って起こりますが、原因がわからないことも多くあります。

■パニック障害
 最近、よく見られる障害で、突然、何の理由も前ぶれもなく、葉月氏不安と恐怖におそわれ、パニック発作がおこります。パニック発作が起こると、激しい動悸、息苦しさ、品脈、胸が痛い、手足が震えるなどの身体症状と、強い不安、恐怖、自分が自分ではないような非現実感にとらわれるなど精神症状が現われます。
 発作は数分程度続いた後、少しずつ軽くなり、ふつうは20〜30分、長くても1時間以内に治まります。病院に運ばれても、着くころには症状が落ち着いて、検査をしても異常が出ないことがほとんどです。
 何回か発作をくり返したり、また発作を起こすのではないかという不安におそわれたり(予期不安)発作を起こした場所の近くに行っただけで、発作を起こしそうになることもあり、人混みの中に一人で行けなくなったりします。
 原因は不明ですが、不安を抑える脳の働きが一時的にうまく働かなくなるため、起こるのではないかという節があります。うつ病と合併しているケースも少なくありません。

■全般性不安障害
 不安や緊張が連続して毎日続き、自分をコントロールできなくなる病気です。不安の対象は、仕事、健康、将来のことなど、ひつつではありません。
 次々心配になり、不安、緊張、イライラ、悲観、集中力欠如などの精神症状、頭が痛い・重い・首や肩がこるなどの身体症状、震え、頻脈、めまい、口が渇くなどの神経症状が出ます。
 女性の発症が多く、特に20代に多くみられます。

一般的にはこれらの病の治療には、抗うつ薬や抗不安薬の服用と、認知行動療法が行われます。

■強迫神経症(強迫性障害)
 不吉なことやわいせつなことなど、苦痛を伴う思考やイメージ、衝動が心に浮かび、打ち消しても打ち消しても消えないことを「強迫思考」といいます。
 また、無意味なこととわかっているのに、ある行為を繰り返し行ってしまうことを「強迫行為」といいます。
 強迫神経症の人は、こうした強迫の程度が強く、生活に支障が出ます。原因は不明ですが、神経伝達物質セロトニンの影響もいわれています。
 治療は、抗うつ薬や抗不安薬を使うのが効果的で、合わせて認知行動療法なども行われます。
■心気症(心気障害)
 「重大な病気にかかっている」と思い込み、医師が「心配ない」あと何度言っても、しつこく訴え続けます。また、別のタイプではいくら否定されても、「自分は醜いのではないか」と恐れ、美容整形に通う人もいます。
 症状には抑うつ症状や不安が見られることがあり、うつ病の初期症状をして現われる場合もあります。
 本人は孤独感を抱き、医師の診断が信用できないからと、次々に病院を変える「ドクターショッピング」をするようにもなります。
 治療法は精神療法を主に、抗不安薬や抗うつ薬などの薬物療法が補助的に行われるのが一般的です。
■PTSD(心的外傷後ストレス障害)
 大きな災害や犯罪被害など、衝撃的なことに遭遇したことが心の傷(トラウマ)となり、数週間から数ヵ月後に発症します。症状は、心を閉ざす感情マヒ、眠りが浅く、うなされる覚醒亢進症状、原因となった出来事を想像させる状況を避ける回避、繰り返し思い出したり、夢に見るフラッシュバックが典型的です。
 同じ出来事に遭っても、PTSDになる人とならない人といます。子供や高齢者、ストレスに弱い人が発症しやすいようです。
 症状はすぐに出ないことも多いですが、6ヶ月を超えて発症することはまれです。経過も良くなったり悪くなったりするので、症状が出たら早めに受診を。集団精神療法も効果があります。
 多くの場合、回復しますが、症状が慢性化してひきこもりなどになる人も、わずかながらいます。
■適応障害
 つらい出来事を上手に乗り越えられず、心やからだに強い症状が出ます。TDSDとは異なり、就職や失職、結婚や離婚など、誰でも経験しそうな出来事が、ストレスに弱い人、傷つきやすい人にとっては、強いストレスに感じられ、発症することがあります。
 適応障害は女性が多く、個人的資質が関係していますが、必ずストレスが引き金になり、1〜3ヵ月以内に起こります。症状はうつ状態、不安、引きこもりなどのほか、動悸、肩こり、頭痛なども。自然によくなることもありますが、受診すると早く楽になります。
 治療法は精神療法を主に、補助的に薬を短期に服用します。

自律神経失調症
 自律神経には、交感神経と副交感神経という相反する働きの神経があり、必要なときに応じて一方が活発に働き、そのバランスでからだの調子が維持されています。バランスが崩れて、からだのあちこちに不調が現われるのが、自律神経失調症です。
 自律神経失調症とは内科的な診断で、一般に治療は内科で行いますが、精神科的には、うつ病や神経症の症状が、からだの症状(不定愁訴)として出てきていると考えます。心の問題と関係することも多いので、改善しないときは精神科や心療内科へ。

不眠症
 不眠症には、寝つきが悪い「入眠障害」夜中に何度も目が覚める「中途覚醒」朝の3時、4時に目が覚める「早朝覚醒」の3タイプがあります。
 最も多いのは、中途覚醒ですが、実際には、これらのタイプが重なっていることがあります。まずは生活リズムを見直し、よい睡眠がとれる工夫を。それでも不眠が続くときは、内科や心療内科や精神科へ。

心身症
 心身症は、精神的なストレスによってからだに障害が起きる状態をいいます。それぞれ、からだに現われた症状が病名になりますが、心理的要因が大きいときは、心身症と考えられます。胃潰瘍、十二指腸潰瘍、円形脱毛症など、心身症に含まれる病気はかなり多くあります。内科で治療しますが、明らかにストレスが原因と思う場合は心療内科や精神科へ。

依存症
 依存症とは、ある物事は行為に安心感を求め、それがないと不安や不快な気持ちになる心の病です。自己コントロールできれば習慣といえますが、コントロールできず社会生活に困ったり、健康を害したり、やめようとすると禁断症状が出るのは依存です。
■アルコール依存症 
 繰り返しアルコールを摂取しているうちに(乱用)、耐性ができて酒量が増えます。深酒するようになり、お酒がないとイライラして、どんなときでもお酒を求めるようになったらアルコール依存症と考えられます。
 女性はアルコール代謝が遅いので、少量の飲酒で短期間に影響を受けるうえ、精神的ストレスや、社会や家庭で満たされない空虚感が引き金になって、この障害に陥ることが多くあります。
■その他の依存症
 睡眠薬や鎮痛剤などの「薬物依存症」男性を支配することで自分を維持しようとする「恋愛依存症」「ギャンブル依存症」「買い物依存症」「仕事依存症」などがあります。
拒食症・過食症(摂食障害)
 拒食症・過食症(摂食障害)は女性に多く、成育歴、性格、遺伝、社会環境など複雑な要因が絡んでいます。
 思春期の摂食障害は、拒食から始まるのが典型的です。誰かに「太っている」と言われて自分の価値が下がったように思えて、生活のすべてがやせることで回り出します。ある時期から反動で食べだし、太るのが嫌なので、吐き、下痢も使うようになります。 こうした人には、ふっくらした大人の女性になりたくない思いが心の底にあります。そのひとつの理由に、母親の理想が高く厳しいため、いい子にならなければというストレスがあると指摘されています。
 拒食症の人は、自発的に治療を受けようとはしません。病気だと気づいた家族がまず受診しましょう。家族関係が変わることで本人が受診し、よくなることもあります。拒食症の人は自覚があります。下痢などの乱用が悪いとわかっていたり、自己嫌悪があるのに、やめられず、つらい思いをしています。
 20代の場合は、過食嘔吐で始まることが多く、食べては嘔吐をくり返すうちに、前歯の虫歯や胃炎、食道炎、低カリウム血症などを起こすことも。
 治療は、認知行動療法などの精神療法と薬物療法が有効です。自助グループに参加して、ゆっくり時間をかけて治すことも大切です。


子宮・卵巣・膣。外陰部の病気

子宮筋腫
どんな病気?
 子宮壁を形成する筋肉組織が異常に増殖し、良性の腫瘍(コブ)ができる病気ですが、どの組織にできるかで種類が異なります(右ページ参照)。
 原因は不明ですが30代以降に多く、筋腫の芽がエストロゲン(卵胞ホルモン)の刺激を受け、長い年月をかけて成長するのでは、と考えられています。
症状
 種類にもよりますが、小さいものではほとんど自覚症状はなく、大きくなるにつれて症状が現われます。代表的な症状は月経過多で、レバーのような血のかたまりが混じるのが特徴です。月経期間の延長や月経周期の短縮、不正出血が見られることも。貧血になると、息切れ、倦怠感などの症状も現れます。月経痛も比較的多く見られます。さらに大きくなると周期の臓器を圧迫し、下腹部痛、腰痛、排尿障害、便秘などの症状も。また、発達場所によっては、不妊や流産の原因になることもあります。
治療
 筋腫は閉経すると自然に小さくなり、症状も改善するため、筋腫が小さくて症状も軽い場合は、特に治療は行わず経過観察を続けます。治療法には薬物療法と手術療法があり、大きさや発生部位、年齢、妊娠、出産の希望などを考慮して選択されます。
【薬物療法】貧血や月経痛は、鉄剤や鎮痛剤などでも軽減できます。漢方薬も症状の緩和に役立ちます。エストロゲンの分泌を抑制する薬を使って月経を止める偽閉経療法もありますが、閉経年齢に近い女性に行うのが一般的です。
【手術療法】筋腫だけを取り除く筋腫核手術と、子宮ごと取り除く子宮全摘術があります。筋腫核手術では、再発の可能性が残ります。一方の子宮全摘術では妊娠・出産はできなくなりますが、再発の不安はありません。両手術とも、腹腔鏡手術も行われています。開腹手術に比べ、術後の回復が早いなどのよさがありますが、高度な技術が必要で、適応も限られます。

子宮筋腫の種類
【筋層内筋腫】
子宮の壁の筋層内に発生し、小さいうちはほとんど無症状だが、大きくなると月経症状や圧迫症状が現われる。
【漿膜下筋腫】
子宮へ期の一番外側の漿膜のしたに発生し、外側に突き出るように発育する。自覚症状が軽く、赤ちゃんの頭大で発覚することも。
【粘膜下筋腫】
子宮内膜の下に発生し、子宮内部に向かって発育。小さくても激しい症状が出て、不妊や流産の原因にもなる。
【多発性筋腫】
筋層内筋腫、漿膜下筋腫、粘膜下筋腫のうち、2種類以上が合併して発生。実際には最も多いタイプ。

子宮内膜症【しきゅうないまくしょう】
どんな病気?
 子宮内膜と非常によく似た組織が、子宮以外の場所に発生し、増殖していく病気です。発生し易い場所に、子宮内膜に似た組織が、ミリ単位の大きさでポツポツと点在します。まれに肺や直腸などに発生する場合もあります。
 増殖した組織は月経時に脱落し出血しますが、出口がないため、おなかの中にたまって炎症を起こし、周囲と癒着します。卵巣内にできると、チョコレート嚢胞という、血液が入った茶色い嚢ができます。
 組織はエストロゲンの(卵胞ホルモン)の作用を受けて増殖し、閉経して分泌がなくなると、小さくなって症状もおさまります。原因にはいろいろな節がありますが、よくわかっていません。
症状
 無症状のひともいますが、多くは強い月経痛を伴います。ある時期から痛みが強くなり、加齢とともに増強するのが特徴です。吐き気や嘔吐、下痢などの消化器症状を伴うことも。月経過多や不正出血が見られるケースもあります。周囲の組織と癒着すると、月経時以外にも下腹部痛や腰痛、排尿痛、性交時痛などが起こり、不妊になる場合も少なくありません。
治療
 薬物療法と手術療法がありますが、閉経まで付き合っていかなければならない病気です。
 発症年齢も20〜30代と若く、結婚、妊娠、出産などの将来設計に沿って治療法を選択していくことが大切です。
【薬物療法】症状が軽く不妊の原因でもない場合は、消炎鎮痛剤などを使い、経過観察するのが一般的です。漢方薬による症状のコントロールも有効です。
 症状に改善が見られない場合は、人工的に月経を止めて病巣の縮小を促すホルモン療法が検討されます。ホルモン療法にはいくつかありますが、副作用や長期間使えないなどの問題も。また、低用量ピルの利用もひとつの選択肢です。
【手術療法】病巣のみを切除して子宮や卵巣を温存する保存法、子宮や卵巣、または両者とも全摘する根治法があります。保存法では再発の可能性が、また根治法では妊娠ができなくなるため、20〜30代ではまず保存法を選択し、それでも再発を繰り返し、かつ妊娠を希望しない場合に根治法が検討されます。現在、子宮内膜症の手術は腹腔鏡手術が主流になっています。しかし、高度な技術が必要で、途中で開腹手術に切り替えざるをえないケースも。

子宮の位置異常【しきゅうのいちいじょう】
どんな病気?
 子宮は可動性に富んだ臓器ですが、生理的可動範囲を超えて移動した状態にあるものを位置異常といい、子宮後屈と子宮下垂がその代表です。
症状と治療
■子宮後屈 子宮体部が後方に屈曲した状態で、子宮を支える靭帯、骨盤底筋の発育不全や損傷によるもの、子宮と周辺臓器との癒着によって生じたものの2つのタイプがあります。十分な可動性が保たれている場合にはほとんど問題ありませんが、癒着で可動性が失われた場合は、月経痛や腰痛などの症状が強く現われ易く、不妊や流産の原因にもなりえるため、手術による癒着の剥離が必要です。
■子宮下垂 子宮を支える靭帯や骨盤底筋群が緩み、子宮が下降した状態です。膣の入り口を越えて膣外に出ると子宮脱となります。多くは加齢に伴うものですが、お産によって一時的になる人もいます。その場合、産褥体操をきちんと行えば戻ります。
子宮後屈 
子宮が正常な位置よりも後方に傾いている。
子宮下垂
子宮が正常な位置よりも下がっているものの、膣内にとどまっている。
子宮脱
子宮の一部が膣口の外に出ている。
子宮頸管ポリープ【しきゅうけいかんぽりーぷ】
どんな病気?
 子宮頸管の粘膜組織が増殖し、キノコ状の腫瘍になって膣内に垂れ下がったもので、米粒大から小指大以上に成長します。大半は1つですが、複数できる場合も。ほとんどは良性で、出産経験のある30〜50代の女性によく発生します。原因は不明です。
症状
 セックスや排便時のいきみなど、わずかな刺激で出血します。茶褐色のおりものがでることもよくあります。また、ポリープが大きくなって組織が壊死すると、刺激がなくても不正出血が見られるようになりますが、出血以外に自覚症状はありません。
治療
経過観察で様子を見ることもできますが、自然治癒することはほとんどないため、たびたび出血するようなら切除するのがベストです。切除は外来で行えます。ごくまれに悪性の場合があるため、ポリープは組織検査を行い、悪性かどうか調べます。
子宮頸管ポリープ
子宮の入り口に発生した腫瘍がキノコ状に成長し、膣内に突出してくる。組織はやわらかく、出血しやすい。

子宮膣部びらん
どんな病気?
膣の奥が赤くただれたようになります。下の組織がむき出しになる真性びらんはまれで、子宮膣部びらんと診断される多くは、内側に隠れていた上皮がめくれ、ただれたように見える仮性(偽性)びらんです。女性ホルモンの分泌が活発になる20〜40代女性の多くにみられ、閉経後は自然消失します。
症状
特に目立った症状もないまま経過しますが、わずかな刺激により、赤っぽいおりものが出たり、不正出血を起こすことがあります。また、細菌感染して炎症を起こしやすく、黄色い粘性のおりものが増えたり、慢性化すると腰痛、性交痛、頻尿などの排尿障害が生じたり、不妊の原因になったりします。
治療
自覚症状が軽ければ、特に治療の対象にはなりません。症状がひどい場合は膣の洗浄や膣剤の使用、びらんを焼き切るなどの外科的療法もあります。
子宮頸部びらん

膣の奥が子宮口を中心に赤くただれたように見える。生理的な現象で、症状が気にならなければ治療は必要ない。

子宮頸管炎
どんな病気?
多くは膣炎からの上行感染により、子宮頸管の粘膜が細菌などの感染して炎症を起こします。近年はクラミジア感染が急増していますが、淋菌や、膣内に常在するブドウ球菌、連鎖球菌、大腸菌なども代表的な原因菌です。クラミジアや淋菌はセックスで感染し、常在菌による感染は、膣の自浄作用の低下によって起こります。
症状
 おりものが増え、急性期には強い異臭を伴った黄色や黄緑色の膿状のおりものが出ます。淋菌が原因の炎症では、発熱や下腹部痛を伴うこともあります。慢性期にも濃い黄白色で粘性のおりものが分泌され、下腹部痛や腰痛なども引き起こされます。子宮膣部びらんを合併しているケースでは、セッケス後に出血が生じることもあります。尿道炎や尿路感染症を合併し、排尿痛や血尿が現れる場合もあります。ただし、クラミジア感染では、ほとんど自覚症状のないまま経過するため、発見が遅れて、慢性化させてしまうケースが多いのが問題です。
治療
 原因菌を特定したうえで、抗生物質の服用が基本です。炎症の程度によっては消炎鎮痛剤を併用したり、膣内洗浄や消毒が行われる場合もあります。治療の最終目標は、原因菌の消滅です。適切な治療を行えば、通常は1週間から10日ほどで治るので、自己判断で治療を中止するのは禁物です。
子宮膣部びらん
膣の奥が子宮口を中心に赤くただれたように見える。生理的な現象で、症状が気にならなければ治療は必要ない。

子宮付属器炎
どんな病気?
 子宮付属器炎とは、子宮に付属する卵管、卵巣に細菌が侵入し、炎症を起こした状態をいいます。卵管に炎症が起これば卵管炎、卵巣に炎症が起これば卵巣炎ですが、通常、両者は合併して出てくることが多いため、合わせて子宮付属器炎と呼ばれます。主な原因菌はクラミジア、淋菌、ブドウ球菌、連鎖球菌、大腸菌、結核菌など。このうち結核菌は、肺や腹膜から卵管などの下方感染します。まれに虫垂炎や腎盂炎の原因菌が、卵管に下方感染することも知られています。しかし、クラミジアや淋菌、ブドウ球菌や大腸菌などの大半は、膣から子宮頸管、子宮体部へと上行感染して卵管や卵巣に至り、炎症を起こします。つまり、膣炎を起こした後の治療の不備が原因になります。また流産後などに発生しやすいのは、処置時の衛生状態や体力の低下が誘因に考えられます。
上行感染の経路
 膣からの子宮頸管、子宮膣、卵管、卵巣、骨盤腹膜の順に、細菌がからだの中に向かって進み、感染が広がる。
症状
急性期には、突然40度近い高熱が出て、下腹部に強い痛みが生じます。その後、嘔吐や不正出血があったり、膿状のおりものが増加してくる場合もあります。さらに卵管が腫れてふさがると、卵管内に膿がたまって膿腫ができます。まれに卵巣に膿がたまって、卵巣膿瘍ができることもあります。慢性化すると、卵管や卵巣が周囲の臓器と癒着し、下腹部の鈍痛、腰痛、月経痛、排便痛、排尿痛などが現われます。引き続き卵管が詰まった状態にあると、新たに水腫がつくられることもあります。こうした癒着や卵管の通過障害は、不妊や子宮外妊娠の原因にもなります。また、細菌がさらに骨盤内に広がると、腹膜炎を起こす危険も高まります。
治療
急性期には入院し、安静を保ったうえで、抗生物質を中心とした薬物療法を行います。膣の奥を切開し、膿を排出させる場合もあります。ただし症状がおさまっても、しばらくは微熱と下腹部の不快感、疼痛などの症状が続きます。急性子宮付属器炎の多くは、抗生物質を使うことで慢性化せず治ります。しかし、ときには治療をしているのに慢性化していくケースもあります。慢性化した場合も、しばらくは抗生物質と消炎鎮痛剤などの投与を続けながら様子を見ていきますが、癒着症状や膿腫の縮小が認められない場合には、手術による癒着の剥離や、膿腫の摘出が必要です。水腫の場合は摘出せず、卵管を切開して液を排出させる方法がとられる場合もあります。
上行感染の経路
膣から子宮頸管、子宮膣、卵管、卵巣、骨盤腹膜の順に、細菌がからだの中に向かって進み、感染が広がる。

子宮頸がん
どんな病気?
 子宮がんは子宮頸部にも、その奥の子宮体部にも発生し、両方を総称して子宮がんといいます。子宮頸がんは、子宮がん全体の約60%を占めています。どの年代の女性にも起こりますが、30歳過ぎから徐々に増え、40代〜50代でピークを迎えるのが特徴です。進行度は0〜Y期に分かれます。ほとんどは子宮の入り口付近に発生し、統計的には性体験の早い人、複数のパートナーとのセックス経験や中絶経験のある人、妊娠、出産経験の多い人の発生率が高いという報告があります。現在は、主にセックスによって感染するヒトパピローマウィルスが原因であることもわかっています。ただし、ヒトパピローマウィルスは非常にありふれたウィルスで、感染者が必ずしも子宮頸がんになるわけではありません。誘いんとして免疫力の低下、喫煙、ビタミンA・C不足が考えられています。
症状
初期の子宮頸がんでは、自覚症状のないのが普通です。症状がでてくるのは、がんが上皮の下の組織に浸潤(しみ込んで広がること)しはじめてからです。最初に現われる症状は、月経時以外の不正出血とおりものの増加です。特にセックスの後に見られる出血が頸がんの特徴で、おりものにも血液が混じったり、異臭を伴うようになります。月経の量が増えたり、長引いたりすることもあります。がんが大きくなって直腸や膀胱に広がると、下腹部痛や腰痛、血尿、血便が出てくることがあります。
治療
基本は手術療法で、進行度により手術の方法や切除する範囲が選択されます。原則は子宮に全摘ですが、妊娠・出産の希望があれば、0期またはT期の初期では子宮を残すことも可能です。子宮の温存法には、高周波メスやレーザーメスで子宮頸部を円錐状に切除する円錐切除術、レーザーで病巣を焼き、消失させるレーザー蒸散術があります。しかし、進行すれば周囲の組織やリンパ節も含めた切除が必要です。再発の危険が心配される場合には放射線治療や化学療法の併用も検討されます。V期以降ではがんの広がりを大きく、手術に取りきれない、放射線療法を基本に、必要に応じて化学療法(抗がん剤療法)が併用されます。放射線療法には下腹部を中心にからだの外から照射する方法と、膣から放射線源を入れてがんに直接照射する方法があり、両方を組み合わせて行うのが一般的です。
初期の子宮頸がん
がんが子宮頸部の上皮にとどまっている、きわめて早期の状態で、上皮内がんと呼ばれる。この状態で治療すれば、ほぼ100%治癒する。自覚症状は、まったくないのがふつう。ただし、ごくまれにセックスのあとで、出血が見られる場合も。


子宮体がん【しきゅうたいがん】
 どんな病気?
 子宮体がんは、子宮の内側をおおう子宮内膜の細胞が悪性化し、増殖して腫瘍かしたもので、子宮内膜がんともいいます。
 近年、増加がめだち、現在は体がんが子宮がん全体の30〜40%をしめています。
 40歳以下での発症は低く、閉経後の50〜60代にピークがあります。頸がんとは逆に未婚の女性、妊娠・出産経験のない女性、若い頃排卵異常やホルモン異常のあった女性に多い傾向があります。エストロゲン(卵胞ホルモン)に依存するタイプと依存しないタイプがあるといわれています。
 また、高脂肪の食事、肥満、高血圧、糖尿病などもリスク要因とされています。
 子宮内膜からの広がりの度合いにより0〜X期までの5つの病期に分類されますが、0期はがんではないが正常でもなく、前がん状態と呼ばれます。早期がんはT期です。子宮体がんは頸がんよりも進行が遅く、比較的早期から自覚症状が出始めるので、気になる症状が見られたら、速やかに婦人科を受診することが早期発見のコツです。

症状
 代表的な症状は不正出血です。ほぼ全例に、かなり早い段階から現われます。
 セックスの刺激で出血しやすい頸がんと異なり、何のきっかけもなく出血が続いたり、止まったりをくり返していくのが特徴です。初期には出血量もごく少量で、水っぽく、おりものに混じっててることも多いのですが、しだいに血液の量が増え、おりものも茶褐色に変わってきます。
 おりものの増加もよく見られる症状のひとつです。病状が進行すると血液とともに膿が混じったり、悪臭を放つようになります。子宮の内容物が押し出される際に、激しい下腹部痛を伴うこともあります。
治療
 0期またはT期で妊娠を希望している人には、子宮内膜掻爬とホルモン療法を併用して、子宮と卵巣を残すようにします。
 しかし、基本は手術による子宮の摘出で、多くは転移しやすい卵巣、卵管も含めて摘出されます。U期以降では骨盤内のリンパ節も切除されますが、T期でも子宮周囲のリンパ節に眼が転移する可能性が高い場合は切除します。
 がんが子宮体部から外側に広範囲に広がっている場合や再発のリスクの高い場合には、手術後に放射線治療、化学療法(抗ガン剤治療法)ホルモン療法を単独、あるいは組み合わせて行います。

初期の子宮体がん
前がん細胞である異型細胞が増殖の勢いを強め、子宮内膜が厚くなっている状態。初期の癌細胞が混じっていることも多い。自覚症状は、おりものが増え、少量の出血があるが無症状のことも。


卵巣機能不全【らんそうきのうふぜん】
 どんな病気?
 卵巣機能不全とは、卵巣から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2つのホルモンのバランスが乱れ、月経周期の異常や排卵障害が引き起こされている状態です。
 卵巣の発育不全や形成不全、下垂体や甲状腺の病気、薬の副作用などによっても起こりますが、頻度はまれで、多くの場合、原因はストレスです。卵巣ホルモンを分泌する司令塔となる視床下部は、自律神経系の中枢でもあり、ストレスで自律神経が乱れるとホルモン系にも影響が及び、月経に異常をきたすのです。背景には過激なダイエットや運動、やせ、肥満、過食、拒食、精神的ストレスが存在します。

症状
 月経周期が乱れて不規則になります。無月経や無排卵に至った場合は不妊となります。月経がだらだらと続く過長月経もしばしば見られる症状です。

治療
 月経不順でも、排卵がきちんとあれば、基本的に治療の必要はありません。排卵の有無は、毎朝基礎体温を測ればわかります。無排卵の場合は低温相のみで高温相は見られません。高温相が10日以内と短い場合は、排卵はあるのに月経周期が乱れる黄体機能不全が疑われます。
 無月経、不妊の場合はホルモン療法を行います。3ヶ月間月経がなければ無月経として治療の対象になりますから、基礎体温を1ヵ月ほどつけて持参するとよいでしょう。


多嚢胞性卵巣症候群【たのうほうせいらんそうしょうこうぐん】
どんな病気?
 多嚢胞性卵巣とは、排卵できない未成熟な卵胞が卵巣内にとどまっている状態です。超音波検査で観察すると、卵巣の表面に直径5〜10mmほどのちいさな袋が真珠のネックレスのように連なって見えます。卵巣も腫れて大きくなりますが、多くは無症状で毎月排卵もあり、正常に妊娠することができます。
 ところが、なかには卵巣をおおう皮膜が厚く硬くなり、排卵がおこりにくくなっていて、その結果、月経不順や無排卵になっている場合があります。その病態を、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)といいます。
 多嚢胞性卵巣症候群は黄体ホルモン(FSH)とのバランスが崩れ、排卵が阻害された状態にあると考えられます。また20%程度の割合で、男性ホルモン(テストステロン)の増加も認められます。

症状
 月経不順や無月経が起こります。多くは稀発月経に始まり、徐々に月経の間隔が開いて、無月経に至ります。無月経になれば排卵もなくなるため、不妊となります。
 男性ホルモンの増加によって多毛、ニキビなどの症状が出たり、急に体重が増加し始め、肥満になる場合もあります。

治療
 ホルモン補充療法を行って、周期的に月経を起こしていきます。不妊治療が目的の場合は、さらに排卵誘発剤を用いて妊娠を促します。


卵巣腫瘍【らんそうしゅよう】
どんな病気?
 卵巣は、からだの中で最も腫瘍が発生しやすい臓器です。問題はその腫瘍が良性か悪性かの鑑別ですが、これには腫瘍の種類が関係します。
 卵巣腫瘍は、大きく「嚢胞性腫瘍(卵巣嚢腫)」と「充実性腫瘍」の2つのタイプに分けられます。
 9割を占める卵巣嚢腫は、卵巣の中に分泌液がたまって腫れてくるもので、ほとんどは良性に経過しますが、一部に悪性が隠れていたり、悪性に変化したりする場合もあります。
 一方の充実性腫瘍は、中に組織が詰まったコブのように硬い腫瘍で80〜90%は悪性の卵巣がんか両性と悪性の境界型です。
 卵巣腫瘍は、通常の婦人科検診で見つけることができます。良性、悪性の判断が難しいときは、採血をして腫瘍マーカー(卵巣がんから生じる物質)を調べたり、CTなどの画像検査を行ったりします。

症状
 本来はうずらの卵大の卵巣が大きくなっていき、大きなものではグレープフルーツ大、ときには人間の頭大ほどのおおきさになる場合も有ります。
 小さいうちはほとんど自覚症状がありません。症状がでてくるのは、卵巣が握りこぶし大くらいになってからで下腹部がふくらんで張ったような違和感を覚えたり、しこりに触れたりするようになります。周囲の組織を圧迫するようになると、下腹痛や腰痛、頻尿、月経痛などの症状も生じます。合併症として、腹水や胸水が出てくることもあります。ときに急性病変も起こる起こることがあります。ひとつは卵巣が根元からねじれてしまう茎捻転で、突然下腹部に激しい痛みが生じます。吐き気や嘔吐、発熱を伴ったり、ショックで意識不明におちいる場合もあります。もうひとつは、一般の卵巣嚢腫とは性質がことなりますが、子宮内膜症がチョコレート嚢腫でも、ときに破裂が起こり、緊急手術の対象となる場合があります。

治療
 手術による腫瘍の摘出が基本となります。ただし、悪性の疑いがなく、自覚症状もない嚢腫の場合、実際に手術が検討されるのは、腫瘍がオレンジ大(6〜7cm)以上になってからです。それ以下の小さな腫瘍は経過観察のみで、特に治療は行われません。
 手術には腫瘍のみ摘出する方法と、卵巣ごと摘出する方法があります。卵巣は2つありますから、、1つを摘出しても、妊娠は可能です。ただその反面卵巣を残せば再発の可能性も残ります。

卵巣嚢腫
 卵巣に水、脂、粘液などの液体がたまり、水風船のような状態。95%が良性だが、大きくなりやすい。


卵巣がん【らんそうがん】
 どんな病気?
 悪性の卵巣腫瘍にはいくつも種類があり、その代表が、卵巣の表層をおおう細胞ががん化した上皮がんです。他にも胚細胞腫瘍や性索間質性腫瘍などもありますが、一般的には全体の80%以上を占める上皮がんを卵巣がんと呼んでいます。
 あらゆる年代の女性に見られますが、ピークは40〜50代。特に未婚の女性や妊娠・出産経験のない人に発生率が高いことが知られており、卵巣の機能異常、家系、喫煙、たんぱく質や脂肪の多量摂取なども危険因子と考えられています。近年は、年々患者者数が増え続けている傾向にあります。卵巣がんは、T〜W期の4つの病気に分類されます。T期が早期がんですが、卵巣がんの場合、半数以上がある程度進行した段階で発見されているので、子宮がんに比べて予後はあまりよくありません。卵巣がんの疑いがあるときは、良性か悪性かを判別するための検査を行いますが、最終的な確定診断をくだすには、卵巣を摘出し、病理的検査を行うまで待つしかないのが現状です。まれに卵巣がんもありますが、初期にはほとんど無症状で、発覚時にはすでに腹腔内に転移していることが多いため、予後もよくあまりよくありません。
 症状
 初期には痛みも出血もなく、ほとんど無症状のまま経過します。転移しにくいがんでは、卵巣が大きくなると下腹部にしこりが触れて異常に気づきます。また、大きくなった卵巣が膀胱や直腸を圧迫して頻尿や便秘が生じるようになります。一方、転移しやすいがんは、さほど大きくならないうちに腹膜に転移し、腹水がたまって急に下腹部がふくれ、異常に気づくことが多いようです。さらに進行すると腰痛、頻尿、便秘、不正出血などが起こり、肺に転移した場合は胸水がたまったりします。また卵巣を支える靭帯がねじれて(茎捻転)血流が止まり、急に激しい腰痛がおこることもあります。
 治療
 手術によって、可能な限り病巣を取り除きます。早期がんの場合は、片側の卵巣と子宮を残す保存手術も可能ですが、進行すると両側の卵巣、卵管、子宮、さらには腹膜の一部やリンパ節を含めて切除せざるをえなくなります。早期がん以外では術後に化学療法(抗ガン剤療法)も併用されます。手術による除去が難しい場合には、最初に化学療法を行い、がんを縮小されてから手術を行うこともあります。
初期の卵巣がん
 がんが卵巣の外側、または両側にあって、卵巣内だけにとどまっている状態のもの。この状態で発見されるのは約40%。自覚症状は、ほとんど無症状に経過するが、まれに下腹部の張りを覚えることがある。この段階で超音波検査で確認すれば早期発見も可能に。

非特異性膣炎
 どんな病気?
 膣内は、エストロゲン(卵胞ホルモン)の作用で賛成に保たれ、外部からの細菌の侵入・増殖を防いでいます。これを膣の自浄作用といいます。この作用を突破して病原菌が侵入し、粘膜に感染すると炎症が起こります。このうち、おりもの検査で病原菌が検出されず、原因のはっきりしないものを非特異性膣炎と予備、多くは膣の自浄作用の低下によって、膣内でブドウ球菌、連鎖球菌などの常在菌が増殖し、炎症が引き起こされたと考えられます。膣の自浄作用が低下し、膣炎を起こしやすいのは、風邪をひいたり、栄養状態が悪いなど、体力や抵抗力が落ちているとき。また、ホルモンの変調、タンポンや避妊具の抜き忘れ、不衛生なセックスや下痢なども膣炎を起す一因になります。
 症状
 黄色や茶褐色、緑色の悪臭のあるおりものが笛ます。かゆみはあまり感じませんが、膣は腫れて赤くなり、セックス時に痛みや出血を生じたり、排尿痛を伴う場合があります。感染が広がると、外陰部が赤く腫れてくることもあります。
 治療
 膣内に異物があれば取り除き、膣内をよく洗浄したうえで、抗生物質を含む膣剤や内服薬を用います。通常は1週間から10日の投薬で治ります。治療が不十分だと慢性化することもあるため、医師が完治と判断するまで治療を続けます。
 どんな病気?
 カンジダ・アルビカンスと呼ばれる真菌(カビ)の一種が膣内で増殖し、炎症を起こしたものです。
 症状
 特徴的に症状はおりものです。最初は白っぽいクリーム状のおりものが増えますが、炎症がひどくなると、カッテージチーズのような白くてポロポロしたおりものが見られます。また、外陰部を中心に激しいかゆみを伴い、痛がゆい感じがすることも。膣から外陰部へと炎症が広がると、外陰部が腫れ上がったり、外陰部のあちこちに白い苔のようなものが付着するようになります。カンジタ菌はもともと膣内にすみ着いている常在菌で、主に風邪や、偏食が続いて栄養状態が悪いなどでからだの抵抗力が弱っているとき、ホルモンバランスが乱れたときなどに増殖し、炎症を起こします。抗生物質などを長期間使用することも、カンジタ菌の増殖を促す一因です。また、セックスによって感染する場合もあります。
治療
 膣の中を洗浄してから、抗真菌剤を膣の奥に挿入します。炎症が外陰部にも及んでいる場合には、軟膏も使います。症状は3〜5日で消えて楽になりますが、治療には通常10日から2週間ほどかかります。中途半端な治療だと再発することが多いので、根気よく続けましょう。なかなか治らない炎症には、内服薬も使われます。

バルトリン腺炎・腺膿瘍
どんな病気?
 セックス時に粘液を分泌するバルトリン腺の開口部に細菌が感染し、化膿した状態がバルトリン腺炎です。開口部が詰まり分泌液が排泄できないと、腺内に嚢胞ができる場合もあり、これをバルトリン腺嚢腫といいます。嚢胞内で細菌が繁殖すると分泌液は膿となり、バルトリン腺膿瘍になります。
症状
 膣の入り口の一部が赤く球状に腫れ、熱感や痛みを伴います。急性期には、発熱することもあります。また、腺膿瘍は、しこりが急速に増大し、皮膚も真っ赤に腫れ上がり、発熱したり激しい痛みを生じます。
治療
軽い腺炎は抗生物質と消炎剤の服用で治ります。たまった膿は注射器で吸い出すか、切開して搾り出すなどの処置後、抗生物質で細菌を死滅させます。炎症をくり返す場合は開口部を再建する手術をしたり、バルトリン腺そのものの摘出も検討されます。

外陰炎
どんな病気?
 外陰部は、むれた状態が続いたり、セックスによる刺激や、ナプキンや下着などで皮膚がこすれて傷つく、病原体が侵入して増殖し、炎症を引き起こします。これが外陰炎です。ブドウ球菌などの化膿菌の感染でおこることが多いのですが、ウイルスや真菌(カンジタ)などでも起こります。また、またずれによる周囲の傷や、膣炎、皮膚そのもの抵抗力の低下も一因になります。

症状
外陰部が赤くただれてヒリヒリした、痛みやかゆみが、歩行時など外陰部がこすれ合うときや、排尿時などに強くなります。悪化すると小陰唇や前庭部が腫れ上がり、ねっとりとした分泌物におおわれます。ときには膿がでる場合もあります。慢性化すると、外陰部の皮膚が厚くなり、茶褐色から白色に変色したり、かゆみが止まらなくなったりします。
治療
 細菌感染には抗生物質、真菌感染には抗真菌剤、ウイルス感染には抗ウイルス剤を含んだ軟膏、内服薬を使います。炎症の急性期には抗炎症剤や副腎皮質ホルモン軟膏なども併用されます。かゆみに対しては抗ヒスタミン剤の軟膏や内服薬を用いる場合もあります。原因はともかく、どんなかゆみもかけばかくほど強く、治りにくくなっていきます。外陰部のかゆみは婦人科疾患の主要な症状のひとつですから、長引くようなら気軽に婦人科を受診してください。
 

おっぱいの病気
乳腺症
どんな病気? 
 乳房のしこりと痛みを主症状とする病気。しこりの多くは乳腺のすき間に水がたまったもので、弾力があります。しかし、中には硬いしこりもあります。原因はエストロゲン(卵胞ホルモン)の過剰分泌と考えられ、30〜40代によく見られ、閉経後は症状もなくなります。ただし、乳腺症の中には乳がんとの鑑別が困難なものや、乳がんを合併している場合があります。しこりに気づいたときは、乳腺外来で正確な診断をあおぐことが大切です。
症状
 排卵から月経期にかけて左右、または片側の乳房に1個から数個のしこりができます。しこりの大きさや形もさまざまで、月経前に大きくなって痛みも増し、月経が終わると痛みは引いて、しこりも消失するのが乳腺症の特徴です。また、乳頭から水や乳汁」ににた分泌液が出てくる場合もあります。
治療
 乳腺症は自然に治ることも多いため、通常は経過観察のみで、特別な治療は行いません。乳房が動くと痛みも増すので、硬いカップのブラジャーで固定するなど、生活の工夫で対処していきます。ただし、日常生活に支障をきたすほど痛みが強い場合は、ホルモン療法でエストロゲンの増加を抑制すると、しこりも痛みもかんりの確率で軽快します。

乳腺線維腺腫
どんな病気?
 乳房内の線維組織と乳腺が増殖して形成される、良性の腫瘍です。10代半ばから30代の女性によく見られ、多くは1〜3cmほどの球状、または卵状に成長します。表面はなめらかで、しこりの形もはっきりしていて、触れると皮膚の下でコロコロとよく動くのが特徴です。痛みはありません。なお、乳腺線維腺腫は通常、徐々におおきくなりますが、線維腺腫とよく似たしこりが急に大きくなる場合は乳腺葉状腫瘍が疑われます。この腫瘍は、切除した断面が葉っぱのような構造なので、この名がついています。良性、境界病変、悪性とさまざまで、ほとんどは良性ですが、ときに悪性化します。
治療
 年齢的に若くて、しこりも小さいうちは、特に治療の必要はありません。定期的に通院しながら、経過を観察していきます。しかし、しこりが大きくなれば手術して摘出します。手術は局所麻酔をかけて皮膚を数センチ切開し、しこりを取り出すだけという簡単なもので、10〜20分で終了します。通院でも行うことができ、ていねいに皮膚を縫い合わせれば、傷跡もほとんどわからなくなります。なお、乳腺線維腫瘍は良性の腫瘍なので転移を起こすことはありませんが、まれに切除後、再び同じところにしこりができる人もいます。

乳腺炎
 どんな病気?
 乳腺が炎症を起こして乳房が腫れ、強い痛みが生じる状態です。「急性うっ滞性乳腺炎」と【急性化膿性乳腺炎」と2つがあり、いずれも授乳期の代表的なトラブルとして知られています。急性うっ滞性乳腺炎は出産後2〜3日くらいに、特に初産の女性によく起こります。これは乳腺に乳汁がたまって乳腺組織を圧迫するため、乳房が赤く腫れて硬くなるもので、乳管の開きが悪いこと、乳児のお乳を吸う力が弱いことなどが原因起こります。一方の急性化膿乳腺炎は、細菌感染によって引き起こされる炎症で、産後2〜3週間目くらいから増え始めます。授乳期には、乳頭に小さな傷がつきます。その小さな傷に黄色ブドウ球菌や連鎖球菌などの化膿菌が侵入し、乳腺内で炎症を起こすのです。どの化膿菌が侵入し、乳腺内で炎症を起こすのです。特に急性うっ滞性乳腺炎を起こした人は細菌にも感染しやすく、急性化膿性乳腺炎に移行する例が多く見られます。なお、急性うっ滞乳腺炎は授乳期に限ったトラブルですが、急性化膿性乳腺炎は授乳期に限らず、傷ついた乳頭を不潔な手で触れれば、いつでも起こります。
症状と治療
急性うっっ滞性乳腺炎と、急性化膿性乳腺炎では症状と治療法が異なります。
急性うっ滞性乳腺炎
乳房全体が赤く腫れ上がり、硬くなります。軽く乳房に触れただけでも強い痛みを感じ、しこりがあるのもわかります。微熱を伴うこともあります。このタイプの乳腺炎は、乳房を温めてマッサージし、たまった乳汁を排泄させて、うっっ滞を解消します。マッサージは助産婦さんがしてくれますが、涙が出るほどの痛みを伴います。その後は授乳後に残していけば、症状は徐々におさまります。
急性化膿性乳腺炎
 乳房が赤く腫れ上がり、しこりができ、激しい痛みが生じます。全身に寒気がして、38〜40℃の発熱も見られます。わきの下のリンパ節がはれる場合もあります。炎症が進むと化膿し、膿瘍(膿のかたまりができて、乳汁に血液や膿が混じることもあります。治療は抗生物質、および消炎鎮痛剤の服用を基本とします。乳房を冷湿布することも、痛みを和らげるのに役立ちます。治療中は乳房を休ませるために乳房は中止、ブラジャーで固定しておきます。膿瘍ができた場合は、患部に注射針を刺して吸引shちたり、皮膚を切開して膿を排出させます。
乳房の冷やし方
急性化膿性乳腺炎で痛みがひどいときは、冷たいタオルなどで乳房を冷湿布すると、痛みが和らぐ。

乳がん
どんな病気?
乳腺に発生する悪性の腫瘍が乳がんです。乳がんの細胞は、比較的小さい時期から乳腺組織をこぼれ落ち、わきの下のリンパ節に転移したり、血流にのって肺、肝臓、骨などの他の臓器に遠隔転移していきます。進行度は、しこりの大きさや転移の有無によって0〜W期の5段階に分けられます。
症状
多くは、乳房のしこりに気づきます。表面はでこぼこで硬く、周囲との境がはっきりしないのが特徴で、痛みはなく、月経周期によって小さくなったり消えたりしません。皮膚の近くにがんが達すると、乳房がひきつれて見えたり、しこりを指でつまむと皮膚にくぼみができたりします。
治療
手術による切除が基本。最も一般的な手術法は、胸の筋肉を残して乳房とわきの下のリンパ節をとる「胸筋温存乳房切除術」ですが、しこりが小さく、乳頭から離れている場合には、しこりを含む乳腺の一部とわきの下のリンパ節だけを切除する「乳房温存手術」も適応となります。乳房温存手術では、術後に放射線照射を併用するのが一般的です。
乳がんの発生部位
外側上部50%、外側下部10%、内側上部20%、内側下部5%
乳がんの自己検診法
@あお向けに寝て、乳頭を時計の中心に、頭のほうを12時に想定する。まず12時の場所に指先におき、乳頭に向かってなで、次に1時の方向へなで上げる。そして同様に2時、3時と想定しながら放射線状に外から内へ、内から外へとなで続け、一周してしこりがないかを調べる。
A鎖骨の外側の端(わきの下のあたりに指先を置き、下方に向かって乳房を縦方向になで、外側のしこりの有無を調べる。乳房の下に達したら、指先の幅だけ内側にずらし、上方へなで上げる。また内側に指先をずらしながら、上下方向のなでつけを10〜12回程度くり返す。
B乳頭の近くに指先を置き、乳頭を中心に小さ円を描くように一周する。さらに、指先の幅の分だけ外側にずらし、同様に1周し、乳房全体を回り終わるまで続ける。この方法を「自転公転触知法」という。
C鏡の前に立ちに、最初は腕を下ろして、乳房の形や皮膚の色、引きつれやへこみがないかを見る。さらに乳首がただれていないかも調べる。次に、両腕を上げて、同様のことをチェックする。

女性がなりやすい病気
膀胱炎
どんな病気?
細菌感染により、膀胱の粘膜が炎症を起こす病気です。原因菌の8割は大腸菌で、女性は男性に比べて尿道が短いうえ、肛門と尿道口が近くて細菌が侵入しやすいため膀胱炎になりやすいのです。特に長時間尿意をがまんしたり、からだの抵抗力が低下したとき、膀胱炎をおこしやすくなります。また、膀胱炎を放置すると、膀胱で増殖した細菌が上行感染し、腎盂腎炎を起こす危険があります。
症状
「肺尿痛」「頻尿」「尿のにごり」が膀胱炎の最大症状です。排尿痛は、尿が出終わる頃に強くなるのが特徴です。残尿感を伴い、またすぐにトイレに行きたくなります。尿は白くにごります。血尿がでたり、においがきつくなることもあります。発熱を伴うこともありますが、微熱で38℃を超える高熱は見られません。体温が急に上昇して悪寒を伴うときは、腎盂腎炎の可能性が考えられます。
治療・アドバイス
薬物療法が基本です。抗生物質を3日から1週間ほど服用すれば、たいていは治まります。ただし症状が消えても、再検査をして医師が完治と判断するまで、薬の服用は続けましょう。薬を服用しながら、水分をたっぷりとってどんどん排尿し、膀胱内に繁殖した菌を洗い流すのが回復を早めるコツです。

便秘
どんな病気?
毎日お通じはあっても、排便に苦痛を伴ったり、残便感やおなかの張りを感じるようなら便秘です。便秘が続くと腹痛、食欲不振、吐き気、頭痛、イライラ、吹き出物、肌荒れなどのトラブルも生じます。
治療・アドバイス
一日3食とる、食物繊維の豊富な食品を食べる、適量の油をとる、起床後にコップ1杯の水を飲む、朝食後には必ずトイレに行くなど、生活習慣をきちんとしましょう。起床後に軽い体操をするのも効果的。それでも出ないときは医師や薬剤師に相談し、自分に合った下剤を処方してもらうといいでしょう。


どんな病気?
女性に最も多い痔は、肛門出口の粘膜が傷つき、排便時に強い痛みと出血を伴う「切れ痔(裂肛)」で、硬くなった便が無理に肛門を通ろうとして生じます。また、肛門周囲の静脈がうっ血し、イボのようにふくらんだ「イボ痔(痔核)」も見られます。イボ痔の多くは肛門の内側にできる内痔核で、進行すると肛門の外に出て戻らなくなり、痛みます。
治療・アドバイス
軽度なら、薬物療法と生活習慣の見直しによる便秘、結構の改善で十分に対処できます。市販薬を1〜2週間試してみて改善しない場合には、恥ずかしがらず早めに肛門科を受診しましょう。

頭痛
どんな病気?
 頭痛は、片頭痛と緊張型頭痛に大別されます。片頭痛は頭の片側が脈打つように痛みます。疲労や精神的ストレスなどが誘因です。緊張型頭痛は、締めつけられるような頭全体の重苦しさがあり、鈍い痛みが持続します。ストレスや疲労による神経や筋肉の緊張が誘因。心因性のタイプもあります。
治療・アドバイス
 片頭痛は、痛みが軽いうちに鎮痛剤を飲み、痛む部分を冷やして、暗い部屋で安静にして過ごしています。緊張型頭痛は首や肩のこりをほぐすと楽になります。痛みがひどい場合は鎮痛薬や筋弛緩薬を、心因性の場合は、抗不安薬が処方されることもあります。

貧血
どんな病気?
貧血とは、赤血球や赤血球中のヘモグロビンが減少し、酸素の運搬能力が低下した状態をいいます。女性に圧倒的に多いのは、鉄欠乏貧血です。初期は、なんとなく気分がすぐれないという程度ですが、進行とともに顔色が悪い、まぶたの裏の粘膜が白くなり、頻脈、息切れ、立ちくらみ、だるさ、疲労感、冷えなどの全身症状を伴うようになります。
治療・アドバイス
基本は食生活の改善です。鉄分豊富な食品を、バランスよく食べましょう。鉄の吸収をよくするため、たんぱく質やビタミンCをとることも大切です。

低血圧症
どんな病気?
 最大血圧(収縮期血圧)が100mmHg以下の場合、低血圧と判断されます。低血圧では全身を循環する血液量が減るため、人によって疲労感、だるさ、眠気、めまい、肩こり、頭痛、冷えなどの症状が現われる場合があります。これが低血圧症と呼ばれる病気です。低血圧は心臓病やホルモン異常などの病気でも起こりますが、多くは原因のはっきりしない「本能性低血圧」です。この他、「起立性低血圧」という、立ち上がったときに急に血圧が下がり、立ちくらみを起こすタイプもあります。
治療・アドバイス
重傷例では昇圧剤などの薬も処方されますが、基本は生活習慣の改善です。低血圧の人は朝が苦手で、午後以降に元気が出てくる人が多いようですが、夜型生活は自律神経を乱し、体調をいっそう悪化させてしまうので、早寝早起きの規則正しい生活を心がけましょう。目覚めがスッキリしないときは、ふとんの中でストレッチをしてからからだをほぐしたり、起床後に熱めのシャワーを浴びると、少し血圧が上がって元気が出ます。また、たんぱく質、塩分、水分の摂取量を多くすること、定期的に運動を行うことも症状の軽減に役立ちます。起立性の低血圧は頭部を高くして寝る、弾性ストッキングをはいて寝るなどの工夫で改善できます。



Ads by Sitemix