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子宮・卵巣・膣。外陰部の病気

子宮筋腫
どんな病気?
 子宮壁を形成する筋肉組織が異常に増殖し、良性の腫瘍(コブ)ができる病気ですが、どの組織にできるかで種類が異なります(右ページ参照)。
 原因は不明ですが30代以降に多く、筋腫の芽がエストロゲン(卵胞ホルモン)の刺激を受け、長い年月をかけて成長するのでは、と考えられています。
症状
 種類にもよりますが、小さいものではほとんど自覚症状はなく、大きくなるにつれて症状が現われます。代表的な症状は月経過多で、レバーのような血のかたまりが混じるのが特徴です。月経期間の延長や月経周期の短縮、不正出血が見られることも。貧血になると、息切れ、倦怠感などの症状も現れます。月経痛も比較的多く見られます。さらに大きくなると周期の臓器を圧迫し、下腹部痛、腰痛、排尿障害、便秘などの症状も。また、発達場所によっては、不妊や流産の原因になることもあります。
治療
 筋腫は閉経すると自然に小さくなり、症状も改善するため、筋腫が小さくて症状も軽い場合は、特に治療は行わず経過観察を続けます。治療法には薬物療法と手術療法があり、大きさや発生部位、年齢、妊娠、出産の希望などを考慮して選択されます。
【薬物療法】貧血や月経痛は、鉄剤や鎮痛剤などでも軽減できます。漢方薬も症状の緩和に役立ちます。エストロゲンの分泌を抑制する薬を使って月経を止める偽閉経療法もありますが、閉経年齢に近い女性に行うのが一般的です。
【手術療法】筋腫だけを取り除く筋腫核手術と、子宮ごと取り除く子宮全摘術があります。筋腫核手術では、再発の可能性が残ります。一方の子宮全摘術では妊娠・出産はできなくなりますが、再発の不安はありません。両手術とも、腹腔鏡手術も行われています。開腹手術に比べ、術後の回復が早いなどのよさがありますが、高度な技術が必要で、適応も限られます。

子宮筋腫の種類
【筋層内筋腫】
子宮の壁の筋層内に発生し、小さいうちはほとんど無症状だが、大きくなると月経症状や圧迫症状が現われる。
【漿膜下筋腫】
子宮へ期の一番外側の漿膜のしたに発生し、外側に突き出るように発育する。自覚症状が軽く、赤ちゃんの頭大で発覚することも。
【粘膜下筋腫】
子宮内膜の下に発生し、子宮内部に向かって発育。小さくても激しい症状が出て、不妊や流産の原因にもなる。
【多発性筋腫】
筋層内筋腫、漿膜下筋腫、粘膜下筋腫のうち、2種類以上が合併して発生。実際には最も多いタイプ。

子宮内膜症【しきゅうないまくしょう】
どんな病気?
 子宮内膜と非常によく似た組織が、子宮以外の場所に発生し、増殖していく病気です。発生し易い場所に、子宮内膜に似た組織が、ミリ単位の大きさでポツポツと点在します。まれに肺や直腸などに発生する場合もあります。
 増殖した組織は月経時に脱落し出血しますが、出口がないため、おなかの中にたまって炎症を起こし、周囲と癒着します。卵巣内にできると、チョコレート嚢胞という、血液が入った茶色い嚢ができます。
 組織はエストロゲンの(卵胞ホルモン)の作用を受けて増殖し、閉経して分泌がなくなると、小さくなって症状もおさまります。原因にはいろいろな節がありますが、よくわかっていません。
症状
 無症状のひともいますが、多くは強い月経痛を伴います。ある時期から痛みが強くなり、加齢とともに増強するのが特徴です。吐き気や嘔吐、下痢などの消化器症状を伴うことも。月経過多や不正出血が見られるケースもあります。周囲の組織と癒着すると、月経時以外にも下腹部痛や腰痛、排尿痛、性交時痛などが起こり、不妊になる場合も少なくありません。
治療
 薬物療法と手術療法がありますが、閉経まで付き合っていかなければならない病気です。
 発症年齢も20〜30代と若く、結婚、妊娠、出産などの将来設計に沿って治療法を選択していくことが大切です。
【薬物療法】症状が軽く不妊の原因でもない場合は、消炎鎮痛剤などを使い、経過観察するのが一般的です。漢方薬による症状のコントロールも有効です。
 症状に改善が見られない場合は、人工的に月経を止めて病巣の縮小を促すホルモン療法が検討されます。ホルモン療法にはいくつかありますが、副作用や長期間使えないなどの問題も。また、低用量ピルの利用もひとつの選択肢です。
【手術療法】病巣のみを切除して子宮や卵巣を温存する保存法、子宮や卵巣、または両者とも全摘する根治法があります。保存法では再発の可能性が、また根治法では妊娠ができなくなるため、20〜30代ではまず保存法を選択し、それでも再発を繰り返し、かつ妊娠を希望しない場合に根治法が検討されます。現在、子宮内膜症の手術は腹腔鏡手術が主流になっています。しかし、高度な技術が必要で、途中で開腹手術に切り替えざるをえないケースも。

子宮の位置異常【しきゅうのいちいじょう】
どんな病気?
 子宮は可動性に富んだ臓器ですが、生理的可動範囲を超えて移動した状態にあるものを位置異常といい、子宮後屈と子宮下垂がその代表です。
症状と治療
■子宮後屈 子宮体部が後方に屈曲した状態で、子宮を支える靭帯、骨盤底筋の発育不全や損傷によるもの、子宮と周辺臓器との癒着によって生じたものの2つのタイプがあります。十分な可動性が保たれている場合にはほとんど問題ありませんが、癒着で可動性が失われた場合は、月経痛や腰痛などの症状が強く現われ易く、不妊や流産の原因にもなりえるため、手術による癒着の剥離が必要です。
■子宮下垂 子宮を支える靭帯や骨盤底筋群が緩み、子宮が下降した状態です。膣の入り口を越えて膣外に出ると子宮脱となります。多くは加齢に伴うものですが、お産によって一時的になる人もいます。その場合、産褥体操をきちんと行えば戻ります。
子宮後屈 
子宮が正常な位置よりも後方に傾いている。
子宮下垂
子宮が正常な位置よりも下がっているものの、膣内にとどまっている。
子宮脱
子宮の一部が膣口の外に出ている。
子宮頸管ポリープ【しきゅうけいかんぽりーぷ】
どんな病気?
 子宮頸管の粘膜組織が増殖し、キノコ状の腫瘍になって膣内に垂れ下がったもので、米粒大から小指大以上に成長します。大半は1つですが、複数できる場合も。ほとんどは良性で、出産経験のある30〜50代の女性によく発生します。原因は不明です。
症状
 セックスや排便時のいきみなど、わずかな刺激で出血します。茶褐色のおりものがでることもよくあります。また、ポリープが大きくなって組織が壊死すると、刺激がなくても不正出血が見られるようになりますが、出血以外に自覚症状はありません。
治療
経過観察で様子を見ることもできますが、自然治癒することはほとんどないため、たびたび出血するようなら切除するのがベストです。切除は外来で行えます。ごくまれに悪性の場合があるため、ポリープは組織検査を行い、悪性かどうか調べます。
子宮頸管ポリープ
子宮の入り口に発生した腫瘍がキノコ状に成長し、膣内に突出してくる。組織はやわらかく、出血しやすい。

子宮膣部びらん
どんな病気?
膣の奥が赤くただれたようになります。下の組織がむき出しになる真性びらんはまれで、子宮膣部びらんと診断される多くは、内側に隠れていた上皮がめくれ、ただれたように見える仮性(偽性)びらんです。女性ホルモンの分泌が活発になる20〜40代女性の多くにみられ、閉経後は自然消失します。
症状
特に目立った症状もないまま経過しますが、わずかな刺激により、赤っぽいおりものが出たり、不正出血を起こすことがあります。また、細菌感染して炎症を起こしやすく、黄色い粘性のおりものが増えたり、慢性化すると腰痛、性交痛、頻尿などの排尿障害が生じたり、不妊の原因になったりします。
治療
自覚症状が軽ければ、特に治療の対象にはなりません。症状がひどい場合は膣の洗浄や膣剤の使用、びらんを焼き切るなどの外科的療法もあります。
子宮頸部びらん

膣の奥が子宮口を中心に赤くただれたように見える。生理的な現象で、症状が気にならなければ治療は必要ない。

子宮頸管炎
どんな病気?
多くは膣炎からの上行感染により、子宮頸管の粘膜が細菌などの感染して炎症を起こします。近年はクラミジア感染が急増していますが、淋菌や、膣内に常在するブドウ球菌、連鎖球菌、大腸菌なども代表的な原因菌です。クラミジアや淋菌はセックスで感染し、常在菌による感染は、膣の自浄作用の低下によって起こります。
症状
 おりものが増え、急性期には強い異臭を伴った黄色や黄緑色の膿状のおりものが出ます。淋菌が原因の炎症では、発熱や下腹部痛を伴うこともあります。慢性期にも濃い黄白色で粘性のおりものが分泌され、下腹部痛や腰痛なども引き起こされます。子宮膣部びらんを合併しているケースでは、セッケス後に出血が生じることもあります。尿道炎や尿路感染症を合併し、排尿痛や血尿が現れる場合もあります。ただし、クラミジア感染では、ほとんど自覚症状のないまま経過するため、発見が遅れて、慢性化させてしまうケースが多いのが問題です。
治療
 原因菌を特定したうえで、抗生物質の服用が基本です。炎症の程度によっては消炎鎮痛剤を併用したり、膣内洗浄や消毒が行われる場合もあります。治療の最終目標は、原因菌の消滅です。適切な治療を行えば、通常は1週間から10日ほどで治るので、自己判断で治療を中止するのは禁物です。
子宮膣部びらん
膣の奥が子宮口を中心に赤くただれたように見える。生理的な現象で、症状が気にならなければ治療は必要ない。

子宮付属器炎
どんな病気?
 子宮付属器炎とは、子宮に付属する卵管、卵巣に細菌が侵入し、炎症を起こした状態をいいます。卵管に炎症が起これば卵管炎、卵巣に炎症が起これば卵巣炎ですが、通常、両者は合併して出てくることが多いため、合わせて子宮付属器炎と呼ばれます。主な原因菌はクラミジア、淋菌、ブドウ球菌、連鎖球菌、大腸菌、結核菌など。このうち結核菌は、肺や腹膜から卵管などの下方感染します。まれに虫垂炎や腎盂炎の原因菌が、卵管に下方感染することも知られています。しかし、クラミジアや淋菌、ブドウ球菌や大腸菌などの大半は、膣から子宮頸管、子宮体部へと上行感染して卵管や卵巣に至り、炎症を起こします。つまり、膣炎を起こした後の治療の不備が原因になります。また流産後などに発生しやすいのは、処置時の衛生状態や体力の低下が誘因に考えられます。
上行感染の経路
 膣からの子宮頸管、子宮膣、卵管、卵巣、骨盤腹膜の順に、細菌がからだの中に向かって進み、感染が広がる。
症状
急性期には、突然40度近い高熱が出て、下腹部に強い痛みが生じます。その後、嘔吐や不正出血があったり、膿状のおりものが増加してくる場合もあります。さらに卵管が腫れてふさがると、卵管内に膿がたまって膿腫ができます。まれに卵巣に膿がたまって、卵巣膿瘍ができることもあります。慢性化すると、卵管や卵巣が周囲の臓器と癒着し、下腹部の鈍痛、腰痛、月経痛、排便痛、排尿痛などが現われます。引き続き卵管が詰まった状態にあると、新たに水腫がつくられることもあります。こうした癒着や卵管の通過障害は、不妊や子宮外妊娠の原因にもなります。また、細菌がさらに骨盤内に広がると、腹膜炎を起こす危険も高まります。
治療
急性期には入院し、安静を保ったうえで、抗生物質を中心とした薬物療法を行います。膣の奥を切開し、膿を排出させる場合もあります。ただし症状がおさまっても、しばらくは微熱と下腹部の不快感、疼痛などの症状が続きます。急性子宮付属器炎の多くは、抗生物質を使うことで慢性化せず治ります。しかし、ときには治療をしているのに慢性化していくケースもあります。慢性化した場合も、しばらくは抗生物質と消炎鎮痛剤などの投与を続けながら様子を見ていきますが、癒着症状や膿腫の縮小が認められない場合には、手術による癒着の剥離や、膿腫の摘出が必要です。水腫の場合は摘出せず、卵管を切開して液を排出させる方法がとられる場合もあります。
上行感染の経路
膣から子宮頸管、子宮膣、卵管、卵巣、骨盤腹膜の順に、細菌がからだの中に向かって進み、感染が広がる。

子宮頸がん
どんな病気?
 子宮がんは子宮頸部にも、その奥の子宮体部にも発生し、両方を総称して子宮がんといいます。子宮頸がんは、子宮がん全体の約60%を占めています。どの年代の女性にも起こりますが、30歳過ぎから徐々に増え、40代〜50代でピークを迎えるのが特徴です。進行度は0〜Y期に分かれます。ほとんどは子宮の入り口付近に発生し、統計的には性体験の早い人、複数のパートナーとのセックス経験や中絶経験のある人、妊娠、出産経験の多い人の発生率が高いという報告があります。現在は、主にセックスによって感染するヒトパピローマウィルスが原因であることもわかっています。ただし、ヒトパピローマウィルスは非常にありふれたウィルスで、感染者が必ずしも子宮頸がんになるわけではありません。誘いんとして免疫力の低下、喫煙、ビタミンA・C不足が考えられています。
症状
初期の子宮頸がんでは、自覚症状のないのが普通です。症状がでてくるのは、がんが上皮の下の組織に浸潤(しみ込んで広がること)しはじめてからです。最初に現われる症状は、月経時以外の不正出血とおりものの増加です。特にセックスの後に見られる出血が頸がんの特徴で、おりものにも血液が混じったり、異臭を伴うようになります。月経の量が増えたり、長引いたりすることもあります。がんが大きくなって直腸や膀胱に広がると、下腹部痛や腰痛、血尿、血便が出てくることがあります。
治療
基本は手術療法で、進行度により手術の方法や切除する範囲が選択されます。原則は子宮に全摘ですが、妊娠・出産の希望があれば、0期またはT期の初期では子宮を残すことも可能です。子宮の温存法には、高周波メスやレーザーメスで子宮頸部を円錐状に切除する円錐切除術、レーザーで病巣を焼き、消失させるレーザー蒸散術があります。しかし、進行すれば周囲の組織やリンパ節も含めた切除が必要です。再発の危険が心配される場合には放射線治療や化学療法の併用も検討されます。V期以降ではがんの広がりを大きく、手術に取りきれない、放射線療法を基本に、必要に応じて化学療法(抗がん剤療法)が併用されます。放射線療法には下腹部を中心にからだの外から照射する方法と、膣から放射線源を入れてがんに直接照射する方法があり、両方を組み合わせて行うのが一般的です。
初期の子宮頸がん
がんが子宮頸部の上皮にとどまっている、きわめて早期の状態で、上皮内がんと呼ばれる。この状態で治療すれば、ほぼ100%治癒する。自覚症状は、まったくないのがふつう。ただし、ごくまれにセックスのあとで、出血が見られる場合も。


子宮体がん【しきゅうたいがん】
 どんな病気?
 子宮体がんは、子宮の内側をおおう子宮内膜の細胞が悪性化し、増殖して腫瘍かしたもので、子宮内膜がんともいいます。
 近年、増加がめだち、現在は体がんが子宮がん全体の30〜40%をしめています。
 40歳以下での発症は低く、閉経後の50〜60代にピークがあります。頸がんとは逆に未婚の女性、妊娠・出産経験のない女性、若い頃排卵異常やホルモン異常のあった女性に多い傾向があります。エストロゲン(卵胞ホルモン)に依存するタイプと依存しないタイプがあるといわれています。
 また、高脂肪の食事、肥満、高血圧、糖尿病などもリスク要因とされています。
 子宮内膜からの広がりの度合いにより0〜X期までの5つの病期に分類されますが、0期はがんではないが正常でもなく、前がん状態と呼ばれます。早期がんはT期です。子宮体がんは頸がんよりも進行が遅く、比較的早期から自覚症状が出始めるので、気になる症状が見られたら、速やかに婦人科を受診することが早期発見のコツです。

症状
 代表的な症状は不正出血です。ほぼ全例に、かなり早い段階から現われます。
 セックスの刺激で出血しやすい頸がんと異なり、何のきっかけもなく出血が続いたり、止まったりをくり返していくのが特徴です。初期には出血量もごく少量で、水っぽく、おりものに混じっててることも多いのですが、しだいに血液の量が増え、おりものも茶褐色に変わってきます。
 おりものの増加もよく見られる症状のひとつです。病状が進行すると血液とともに膿が混じったり、悪臭を放つようになります。子宮の内容物が押し出される際に、激しい下腹部痛を伴うこともあります。
治療
 0期またはT期で妊娠を希望している人には、子宮内膜掻爬とホルモン療法を併用して、子宮と卵巣を残すようにします。
 しかし、基本は手術による子宮の摘出で、多くは転移しやすい卵巣、卵管も含めて摘出されます。U期以降では骨盤内のリンパ節も切除されますが、T期でも子宮周囲のリンパ節に眼が転移する可能性が高い場合は切除します。
 がんが子宮体部から外側に広範囲に広がっている場合や再発のリスクの高い場合には、手術後に放射線治療、化学療法(抗ガン剤治療法)ホルモン療法を単独、あるいは組み合わせて行います。

初期の子宮体がん
前がん細胞である異型細胞が増殖の勢いを強め、子宮内膜が厚くなっている状態。初期の癌細胞が混じっていることも多い。自覚症状は、おりものが増え、少量の出血があるが無症状のことも。


卵巣機能不全【らんそうきのうふぜん】
 どんな病気?
 卵巣機能不全とは、卵巣から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2つのホルモンのバランスが乱れ、月経周期の異常や排卵障害が引き起こされている状態です。
 卵巣の発育不全や形成不全、下垂体や甲状腺の病気、薬の副作用などによっても起こりますが、頻度はまれで、多くの場合、原因はストレスです。卵巣ホルモンを分泌する司令塔となる視床下部は、自律神経系の中枢でもあり、ストレスで自律神経が乱れるとホルモン系にも影響が及び、月経に異常をきたすのです。背景には過激なダイエットや運動、やせ、肥満、過食、拒食、精神的ストレスが存在します。

症状
 月経周期が乱れて不規則になります。無月経や無排卵に至った場合は不妊となります。月経がだらだらと続く過長月経もしばしば見られる症状です。

治療
 月経不順でも、排卵がきちんとあれば、基本的に治療の必要はありません。排卵の有無は、毎朝基礎体温を測ればわかります。無排卵の場合は低温相のみで高温相は見られません。高温相が10日以内と短い場合は、排卵はあるのに月経周期が乱れる黄体機能不全が疑われます。
 無月経、不妊の場合はホルモン療法を行います。3ヶ月間月経がなければ無月経として治療の対象になりますから、基礎体温を1ヵ月ほどつけて持参するとよいでしょう。


多嚢胞性卵巣症候群【たのうほうせいらんそうしょうこうぐん】
どんな病気?
 多嚢胞性卵巣とは、排卵できない未成熟な卵胞が卵巣内にとどまっている状態です。超音波検査で観察すると、卵巣の表面に直径5〜10mmほどのちいさな袋が真珠のネックレスのように連なって見えます。卵巣も腫れて大きくなりますが、多くは無症状で毎月排卵もあり、正常に妊娠することができます。
 ところが、なかには卵巣をおおう皮膜が厚く硬くなり、排卵がおこりにくくなっていて、その結果、月経不順や無排卵になっている場合があります。その病態を、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)といいます。
 多嚢胞性卵巣症候群は黄体ホルモン(FSH)とのバランスが崩れ、排卵が阻害された状態にあると考えられます。また20%程度の割合で、男性ホルモン(テストステロン)の増加も認められます。

症状
 月経不順や無月経が起こります。多くは稀発月経に始まり、徐々に月経の間隔が開いて、無月経に至ります。無月経になれば排卵もなくなるため、不妊となります。
 男性ホルモンの増加によって多毛、ニキビなどの症状が出たり、急に体重が増加し始め、肥満になる場合もあります。

治療
 ホルモン補充療法を行って、周期的に月経を起こしていきます。不妊治療が目的の場合は、さらに排卵誘発剤を用いて妊娠を促します。


卵巣腫瘍【らんそうしゅよう】
どんな病気?
 卵巣は、からだの中で最も腫瘍が発生しやすい臓器です。問題はその腫瘍が良性か悪性かの鑑別ですが、これには腫瘍の種類が関係します。
 卵巣腫瘍は、大きく「嚢胞性腫瘍(卵巣嚢腫)」と「充実性腫瘍」の2つのタイプに分けられます。
 9割を占める卵巣嚢腫は、卵巣の中に分泌液がたまって腫れてくるもので、ほとんどは良性に経過しますが、一部に悪性が隠れていたり、悪性に変化したりする場合もあります。
 一方の充実性腫瘍は、中に組織が詰まったコブのように硬い腫瘍で80〜90%は悪性の卵巣がんか両性と悪性の境界型です。
 卵巣腫瘍は、通常の婦人科検診で見つけることができます。良性、悪性の判断が難しいときは、採血をして腫瘍マーカー(卵巣がんから生じる物質)を調べたり、CTなどの画像検査を行ったりします。

症状
 本来はうずらの卵大の卵巣が大きくなっていき、大きなものではグレープフルーツ大、ときには人間の頭大ほどのおおきさになる場合も有ります。
 小さいうちはほとんど自覚症状がありません。症状がでてくるのは、卵巣が握りこぶし大くらいになってからで下腹部がふくらんで張ったような違和感を覚えたり、しこりに触れたりするようになります。周囲の組織を圧迫するようになると、下腹痛や腰痛、頻尿、月経痛などの症状も生じます。合併症として、腹水や胸水が出てくることもあります。ときに急性病変も起こる起こることがあります。ひとつは卵巣が根元からねじれてしまう茎捻転で、突然下腹部に激しい痛みが生じます。吐き気や嘔吐、発熱を伴ったり、ショックで意識不明におちいる場合もあります。もうひとつは、一般の卵巣嚢腫とは性質がことなりますが、子宮内膜症がチョコレート嚢腫でも、ときに破裂が起こり、緊急手術の対象となる場合があります。

治療
 手術による腫瘍の摘出が基本となります。ただし、悪性の疑いがなく、自覚症状もない嚢腫の場合、実際に手術が検討されるのは、腫瘍がオレンジ大(6〜7cm)以上になってからです。それ以下の小さな腫瘍は経過観察のみで、特に治療は行われません。
 手術には腫瘍のみ摘出する方法と、卵巣ごと摘出する方法があります。卵巣は2つありますから、、1つを摘出しても、妊娠は可能です。ただその反面卵巣を残せば再発の可能性も残ります。

卵巣嚢腫
 卵巣に水、脂、粘液などの液体がたまり、水風船のような状態。95%が良性だが、大きくなりやすい。


卵巣がん【らんそうがん】
 どんな病気?
 悪性の卵巣腫瘍にはいくつも種類があり、その代表が、卵巣の表層をおおう細胞ががん化した上皮がんです。他にも胚細胞腫瘍や性索間質性腫瘍などもありますが、一般的には全体の80%以上を占める上皮がんを卵巣がんと呼んでいます。
 あらゆる年代の女性に見られますが、ピークは40〜50代。特に未婚の女性や妊娠・出産経験のない人に発生率が高いことが知られており、卵巣の機能異常、家系、喫煙、たんぱく質や脂肪の多量摂取なども危険因子と考えられています。近年は、年々患者者数が増え続けている傾向にあります。卵巣がんは、T〜W期の4つの病気に分類されます。T期が早期がんですが、卵巣がんの場合、半数以上がある程度進行した段階で発見されているので、子宮がんに比べて予後はあまりよくありません。卵巣がんの疑いがあるときは、良性か悪性かを判別するための検査を行いますが、最終的な確定診断をくだすには、卵巣を摘出し、病理的検査を行うまで待つしかないのが現状です。まれに卵巣がんもありますが、初期にはほとんど無症状で、発覚時にはすでに腹腔内に転移していることが多いため、予後もよくあまりよくありません。
 症状
 初期には痛みも出血もなく、ほとんど無症状のまま経過します。転移しにくいがんでは、卵巣が大きくなると下腹部にしこりが触れて異常に気づきます。また、大きくなった卵巣が膀胱や直腸を圧迫して頻尿や便秘が生じるようになります。一方、転移しやすいがんは、さほど大きくならないうちに腹膜に転移し、腹水がたまって急に下腹部がふくれ、異常に気づくことが多いようです。さらに進行すると腰痛、頻尿、便秘、不正出血などが起こり、肺に転移した場合は胸水がたまったりします。また卵巣を支える靭帯がねじれて(茎捻転)血流が止まり、急に激しい腰痛がおこることもあります。
 治療
 手術によって、可能な限り病巣を取り除きます。早期がんの場合は、片側の卵巣と子宮を残す保存手術も可能ですが、進行すると両側の卵巣、卵管、子宮、さらには腹膜の一部やリンパ節を含めて切除せざるをえなくなります。早期がん以外では術後に化学療法(抗ガン剤療法)も併用されます。手術による除去が難しい場合には、最初に化学療法を行い、がんを縮小されてから手術を行うこともあります。
初期の卵巣がん
 がんが卵巣の外側、または両側にあって、卵巣内だけにとどまっている状態のもの。この状態で発見されるのは約40%。自覚症状は、ほとんど無症状に経過するが、まれに下腹部の張りを覚えることがある。この段階で超音波検査で確認すれば早期発見も可能に。

非特異性膣炎
 どんな病気?
 膣内は、エストロゲン(卵胞ホルモン)の作用で賛成に保たれ、外部からの細菌の侵入・増殖を防いでいます。これを膣の自浄作用といいます。この作用を突破して病原菌が侵入し、粘膜に感染すると炎症が起こります。このうち、おりもの検査で病原菌が検出されず、原因のはっきりしないものを非特異性膣炎と予備、多くは膣の自浄作用の低下によって、膣内でブドウ球菌、連鎖球菌などの常在菌が増殖し、炎症が引き起こされたと考えられます。膣の自浄作用が低下し、膣炎を起こしやすいのは、風邪をひいたり、栄養状態が悪いなど、体力や抵抗力が落ちているとき。また、ホルモンの変調、タンポンや避妊具の抜き忘れ、不衛生なセックスや下痢なども膣炎を起す一因になります。
 症状
 黄色や茶褐色、緑色の悪臭のあるおりものが笛ます。かゆみはあまり感じませんが、膣は腫れて赤くなり、セックス時に痛みや出血を生じたり、排尿痛を伴う場合があります。感染が広がると、外陰部が赤く腫れてくることもあります。
 治療
 膣内に異物があれば取り除き、膣内をよく洗浄したうえで、抗生物質を含む膣剤や内服薬を用います。通常は1週間から10日の投薬で治ります。治療が不十分だと慢性化することもあるため、医師が完治と判断するまで治療を続けます。
 どんな病気?
 カンジダ・アルビカンスと呼ばれる真菌(カビ)の一種が膣内で増殖し、炎症を起こしたものです。
 症状
 特徴的に症状はおりものです。最初は白っぽいクリーム状のおりものが増えますが、炎症がひどくなると、カッテージチーズのような白くてポロポロしたおりものが見られます。また、外陰部を中心に激しいかゆみを伴い、痛がゆい感じがすることも。膣から外陰部へと炎症が広がると、外陰部が腫れ上がったり、外陰部のあちこちに白い苔のようなものが付着するようになります。カンジタ菌はもともと膣内にすみ着いている常在菌で、主に風邪や、偏食が続いて栄養状態が悪いなどでからだの抵抗力が弱っているとき、ホルモンバランスが乱れたときなどに増殖し、炎症を起こします。抗生物質などを長期間使用することも、カンジタ菌の増殖を促す一因です。また、セックスによって感染する場合もあります。
治療
 膣の中を洗浄してから、抗真菌剤を膣の奥に挿入します。炎症が外陰部にも及んでいる場合には、軟膏も使います。症状は3〜5日で消えて楽になりますが、治療には通常10日から2週間ほどかかります。中途半端な治療だと再発することが多いので、根気よく続けましょう。なかなか治らない炎症には、内服薬も使われます。

バルトリン腺炎・腺膿瘍
どんな病気?
 セックス時に粘液を分泌するバルトリン腺の開口部に細菌が感染し、化膿した状態がバルトリン腺炎です。開口部が詰まり分泌液が排泄できないと、腺内に嚢胞ができる場合もあり、これをバルトリン腺嚢腫といいます。嚢胞内で細菌が繁殖すると分泌液は膿となり、バルトリン腺膿瘍になります。
症状
 膣の入り口の一部が赤く球状に腫れ、熱感や痛みを伴います。急性期には、発熱することもあります。また、腺膿瘍は、しこりが急速に増大し、皮膚も真っ赤に腫れ上がり、発熱したり激しい痛みを生じます。
治療
軽い腺炎は抗生物質と消炎剤の服用で治ります。たまった膿は注射器で吸い出すか、切開して搾り出すなどの処置後、抗生物質で細菌を死滅させます。炎症をくり返す場合は開口部を再建する手術をしたり、バルトリン腺そのものの摘出も検討されます。

外陰炎
どんな病気?
 外陰部は、むれた状態が続いたり、セックスによる刺激や、ナプキンや下着などで皮膚がこすれて傷つく、病原体が侵入して増殖し、炎症を引き起こします。これが外陰炎です。ブドウ球菌などの化膿菌の感染でおこることが多いのですが、ウイルスや真菌(カンジタ)などでも起こります。また、またずれによる周囲の傷や、膣炎、皮膚そのもの抵抗力の低下も一因になります。

症状
外陰部が赤くただれてヒリヒリした、痛みやかゆみが、歩行時など外陰部がこすれ合うときや、排尿時などに強くなります。悪化すると小陰唇や前庭部が腫れ上がり、ねっとりとした分泌物におおわれます。ときには膿がでる場合もあります。慢性化すると、外陰部の皮膚が厚くなり、茶褐色から白色に変色したり、かゆみが止まらなくなったりします。
治療
 細菌感染には抗生物質、真菌感染には抗真菌剤、ウイルス感染には抗ウイルス剤を含んだ軟膏、内服薬を使います。炎症の急性期には抗炎症剤や副腎皮質ホルモン軟膏なども併用されます。かゆみに対しては抗ヒスタミン剤の軟膏や内服薬を用いる場合もあります。原因はともかく、どんなかゆみもかけばかくほど強く、治りにくくなっていきます。外陰部のかゆみは婦人科疾患の主要な症状のひとつですから、長引くようなら気軽に婦人科を受診してください。
 

おっぱいの病気
乳腺症
どんな病気? 
 乳房のしこりと痛みを主症状とする病気。しこりの多くは乳腺のすき間に水がたまったもので、弾力があります。しかし、中には硬いしこりもあります。原因はエストロゲン(卵胞ホルモン)の過剰分泌と考えられ、30〜40代によく見られ、閉経後は症状もなくなります。ただし、乳腺症の中には乳がんとの鑑別が困難なものや、乳がんを合併している場合があります。しこりに気づいたときは、乳腺外来で正確な診断をあおぐことが大切です。
症状
 排卵から月経期にかけて左右、または片側の乳房に1個から数個のしこりができます。しこりの大きさや形もさまざまで、月経前に大きくなって痛みも増し、月経が終わると痛みは引いて、しこりも消失するのが乳腺症の特徴です。また、乳頭から水や乳汁」ににた分泌液が出てくる場合もあります。
治療
 乳腺症は自然に治ることも多いため、通常は経過観察のみで、特別な治療は行いません。乳房が動くと痛みも増すので、硬いカップのブラジャーで固定するなど、生活の工夫で対処していきます。ただし、日常生活に支障をきたすほど痛みが強い場合は、ホルモン療法でエストロゲンの増加を抑制すると、しこりも痛みもかんりの確率で軽快します。

乳腺線維腺腫
どんな病気?
 乳房内の線維組織と乳腺が増殖して形成される、良性の腫瘍です。10代半ばから30代の女性によく見られ、多くは1〜3cmほどの球状、または卵状に成長します。表面はなめらかで、しこりの形もはっきりしていて、触れると皮膚の下でコロコロとよく動くのが特徴です。痛みはありません。なお、乳腺線維腺腫は通常、徐々におおきくなりますが、線維腺腫とよく似たしこりが急に大きくなる場合は乳腺葉状腫瘍が疑われます。この腫瘍は、切除した断面が葉っぱのような構造なので、この名がついています。良性、境界病変、悪性とさまざまで、ほとんどは良性ですが、ときに悪性化します。
治療
 年齢的に若くて、しこりも小さいうちは、特に治療の必要はありません。定期的に通院しながら、経過を観察していきます。しかし、しこりが大きくなれば手術して摘出します。手術は局所麻酔をかけて皮膚を数センチ切開し、しこりを取り出すだけという簡単なもので、10〜20分で終了します。通院でも行うことができ、ていねいに皮膚を縫い合わせれば、傷跡もほとんどわからなくなります。なお、乳腺線維腫瘍は良性の腫瘍なので転移を起こすことはありませんが、まれに切除後、再び同じところにしこりができる人もいます。

乳腺炎
 どんな病気?
 乳腺が炎症を起こして乳房が腫れ、強い痛みが生じる状態です。「急性うっ滞性乳腺炎」と【急性化膿性乳腺炎」と2つがあり、いずれも授乳期の代表的なトラブルとして知られています。急性うっ滞性乳腺炎は出産後2〜3日くらいに、特に初産の女性によく起こります。これは乳腺に乳汁がたまって乳腺組織を圧迫するため、乳房が赤く腫れて硬くなるもので、乳管の開きが悪いこと、乳児のお乳を吸う力が弱いことなどが原因起こります。一方の急性化膿乳腺炎は、細菌感染によって引き起こされる炎症で、産後2〜3週間目くらいから増え始めます。授乳期には、乳頭に小さな傷がつきます。その小さな傷に黄色ブドウ球菌や連鎖球菌などの化膿菌が侵入し、乳腺内で炎症を起こすのです。どの化膿菌が侵入し、乳腺内で炎症を起こすのです。特に急性うっ滞性乳腺炎を起こした人は細菌にも感染しやすく、急性化膿性乳腺炎に移行する例が多く見られます。なお、急性うっ滞乳腺炎は授乳期に限ったトラブルですが、急性化膿性乳腺炎は授乳期に限らず、傷ついた乳頭を不潔な手で触れれば、いつでも起こります。
症状と治療
急性うっっ滞性乳腺炎と、急性化膿性乳腺炎では症状と治療法が異なります。
急性うっ滞性乳腺炎
乳房全体が赤く腫れ上がり、硬くなります。軽く乳房に触れただけでも強い痛みを感じ、しこりがあるのもわかります。微熱を伴うこともあります。このタイプの乳腺炎は、乳房を温めてマッサージし、たまった乳汁を排泄させて、うっっ滞を解消します。マッサージは助産婦さんがしてくれますが、涙が出るほどの痛みを伴います。その後は授乳後に残していけば、症状は徐々におさまります。
急性化膿性乳腺炎
 乳房が赤く腫れ上がり、しこりができ、激しい痛みが生じます。全身に寒気がして、38〜40℃の発熱も見られます。わきの下のリンパ節がはれる場合もあります。炎症が進むと化膿し、膿瘍(膿のかたまりができて、乳汁に血液や膿が混じることもあります。治療は抗生物質、および消炎鎮痛剤の服用を基本とします。乳房を冷湿布することも、痛みを和らげるのに役立ちます。治療中は乳房を休ませるために乳房は中止、ブラジャーで固定しておきます。膿瘍ができた場合は、患部に注射針を刺して吸引shちたり、皮膚を切開して膿を排出させます。
乳房の冷やし方
急性化膿性乳腺炎で痛みがひどいときは、冷たいタオルなどで乳房を冷湿布すると、痛みが和らぐ。

乳がん
どんな病気?
乳腺に発生する悪性の腫瘍が乳がんです。乳がんの細胞は、比較的小さい時期から乳腺組織をこぼれ落ち、わきの下のリンパ節に転移したり、血流にのって肺、肝臓、骨などの他の臓器に遠隔転移していきます。進行度は、しこりの大きさや転移の有無によって0〜W期の5段階に分けられます。
症状
多くは、乳房のしこりに気づきます。表面はでこぼこで硬く、周囲との境がはっきりしないのが特徴で、痛みはなく、月経周期によって小さくなったり消えたりしません。皮膚の近くにがんが達すると、乳房がひきつれて見えたり、しこりを指でつまむと皮膚にくぼみができたりします。
治療
手術による切除が基本。最も一般的な手術法は、胸の筋肉を残して乳房とわきの下のリンパ節をとる「胸筋温存乳房切除術」ですが、しこりが小さく、乳頭から離れている場合には、しこりを含む乳腺の一部とわきの下のリンパ節だけを切除する「乳房温存手術」も適応となります。乳房温存手術では、術後に放射線照射を併用するのが一般的です。
乳がんの発生部位
外側上部50%、外側下部10%、内側上部20%、内側下部5%
乳がんの自己検診法
@あお向けに寝て、乳頭を時計の中心に、頭のほうを12時に想定する。まず12時の場所に指先におき、乳頭に向かってなで、次に1時の方向へなで上げる。そして同様に2時、3時と想定しながら放射線状に外から内へ、内から外へとなで続け、一周してしこりがないかを調べる。
A鎖骨の外側の端(わきの下のあたりに指先を置き、下方に向かって乳房を縦方向になで、外側のしこりの有無を調べる。乳房の下に達したら、指先の幅だけ内側にずらし、上方へなで上げる。また内側に指先をずらしながら、上下方向のなでつけを10〜12回程度くり返す。
B乳頭の近くに指先を置き、乳頭を中心に小さ円を描くように一周する。さらに、指先の幅の分だけ外側にずらし、同様に1周し、乳房全体を回り終わるまで続ける。この方法を「自転公転触知法」という。
C鏡の前に立ちに、最初は腕を下ろして、乳房の形や皮膚の色、引きつれやへこみがないかを見る。さらに乳首がただれていないかも調べる。次に、両腕を上げて、同様のことをチェックする。

女性がなりやすい病気
膀胱炎
どんな病気?
細菌感染により、膀胱の粘膜が炎症を起こす病気です。原因菌の8割は大腸菌で、女性は男性に比べて尿道が短いうえ、肛門と尿道口が近くて細菌が侵入しやすいため膀胱炎になりやすいのです。特に長時間尿意をがまんしたり、からだの抵抗力が低下したとき、膀胱炎をおこしやすくなります。また、膀胱炎を放置すると、膀胱で増殖した細菌が上行感染し、腎盂腎炎を起こす危険があります。
症状
「肺尿痛」「頻尿」「尿のにごり」が膀胱炎の最大症状です。排尿痛は、尿が出終わる頃に強くなるのが特徴です。残尿感を伴い、またすぐにトイレに行きたくなります。尿は白くにごります。血尿がでたり、においがきつくなることもあります。発熱を伴うこともありますが、微熱で38℃を超える高熱は見られません。体温が急に上昇して悪寒を伴うときは、腎盂腎炎の可能性が考えられます。
治療・アドバイス
薬物療法が基本です。抗生物質を3日から1週間ほど服用すれば、たいていは治まります。ただし症状が消えても、再検査をして医師が完治と判断するまで、薬の服用は続けましょう。薬を服用しながら、水分をたっぷりとってどんどん排尿し、膀胱内に繁殖した菌を洗い流すのが回復を早めるコツです。

便秘
どんな病気?
毎日お通じはあっても、排便に苦痛を伴ったり、残便感やおなかの張りを感じるようなら便秘です。便秘が続くと腹痛、食欲不振、吐き気、頭痛、イライラ、吹き出物、肌荒れなどのトラブルも生じます。
治療・アドバイス
一日3食とる、食物繊維の豊富な食品を食べる、適量の油をとる、起床後にコップ1杯の水を飲む、朝食後には必ずトイレに行くなど、生活習慣をきちんとしましょう。起床後に軽い体操をするのも効果的。それでも出ないときは医師や薬剤師に相談し、自分に合った下剤を処方してもらうといいでしょう。


どんな病気?
女性に最も多い痔は、肛門出口の粘膜が傷つき、排便時に強い痛みと出血を伴う「切れ痔(裂肛)」で、硬くなった便が無理に肛門を通ろうとして生じます。また、肛門周囲の静脈がうっ血し、イボのようにふくらんだ「イボ痔(痔核)」も見られます。イボ痔の多くは肛門の内側にできる内痔核で、進行すると肛門の外に出て戻らなくなり、痛みます。
治療・アドバイス
軽度なら、薬物療法と生活習慣の見直しによる便秘、結構の改善で十分に対処できます。市販薬を1〜2週間試してみて改善しない場合には、恥ずかしがらず早めに肛門科を受診しましょう。

頭痛
どんな病気?
 頭痛は、片頭痛と緊張型頭痛に大別されます。片頭痛は頭の片側が脈打つように痛みます。疲労や精神的ストレスなどが誘因です。緊張型頭痛は、締めつけられるような頭全体の重苦しさがあり、鈍い痛みが持続します。ストレスや疲労による神経や筋肉の緊張が誘因。心因性のタイプもあります。
治療・アドバイス
 片頭痛は、痛みが軽いうちに鎮痛剤を飲み、痛む部分を冷やして、暗い部屋で安静にして過ごしています。緊張型頭痛は首や肩のこりをほぐすと楽になります。痛みがひどい場合は鎮痛薬や筋弛緩薬を、心因性の場合は、抗不安薬が処方されることもあります。

貧血
どんな病気?
貧血とは、赤血球や赤血球中のヘモグロビンが減少し、酸素の運搬能力が低下した状態をいいます。女性に圧倒的に多いのは、鉄欠乏貧血です。初期は、なんとなく気分がすぐれないという程度ですが、進行とともに顔色が悪い、まぶたの裏の粘膜が白くなり、頻脈、息切れ、立ちくらみ、だるさ、疲労感、冷えなどの全身症状を伴うようになります。
治療・アドバイス
基本は食生活の改善です。鉄分豊富な食品を、バランスよく食べましょう。鉄の吸収をよくするため、たんぱく質やビタミンCをとることも大切です。

低血圧症
どんな病気?
 最大血圧(収縮期血圧)が100mmHg以下の場合、低血圧と判断されます。低血圧では全身を循環する血液量が減るため、人によって疲労感、だるさ、眠気、めまい、肩こり、頭痛、冷えなどの症状が現われる場合があります。これが低血圧症と呼ばれる病気です。低血圧は心臓病やホルモン異常などの病気でも起こりますが、多くは原因のはっきりしない「本能性低血圧」です。この他、「起立性低血圧」という、立ち上がったときに急に血圧が下がり、立ちくらみを起こすタイプもあります。
治療・アドバイス
重傷例では昇圧剤などの薬も処方されますが、基本は生活習慣の改善です。低血圧の人は朝が苦手で、午後以降に元気が出てくる人が多いようですが、夜型生活は自律神経を乱し、体調をいっそう悪化させてしまうので、早寝早起きの規則正しい生活を心がけましょう。目覚めがスッキリしないときは、ふとんの中でストレッチをしてからからだをほぐしたり、起床後に熱めのシャワーを浴びると、少し血圧が上がって元気が出ます。また、たんぱく質、塩分、水分の摂取量を多くすること、定期的に運動を行うことも症状の軽減に役立ちます。起立性の低血圧は頭部を高くして寝る、弾性ストッキングをはいて寝るなどの工夫で改善できます。



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