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漢方薬酒のすすめ

薬酒は「未病を治す」
 私達は、病気でなければ健康であると考えがちですが、周囲を見回せば、病院で検査をしても異常が認められないけれど、倦怠感や憂鬱感、食欲不振などの症状に悩まされている人を大勢見かけます。
 古人はこの半健康、半病人の状態を、「未病」と呼びました。全ての病気はこの状態を通過し、こういう半健康、半病人の状態が長く続くと、いずれ本当の病気になってしまいます。薬酒は、病気の一歩手前でその芽を解消してしまうことを本領としたものです。

薬酒と薬湯の違いは?
 薬湯(煎じ薬)は加熱によって失われる成分がありますが、薬酒は加熱しないため多様な成分がそのまま残ります。
 また純粋に生薬のみの成分を利用する薬湯と異なり、アルコールの効能が生薬成分の協力によってシャープになります。
 そのために生薬の成分と異なった効能が生じます。ということは同じ処方でも、薬湯にした場合と薬酒にした場合では効能はかなり違ったものになります。薬酒は、長年の経験に培われた法則に従って作るのが有効であるゆえんです。

薬酒ならではのアルコールの効能も
 成分中にしめるアルコールの量が多いだけに、薬酒の効能の中でアルコールの薬理効果は大きいものがあります。それは、@消化を助け、食欲増進する。A血液の循環をよくして体を温める。B眠りを助ける。C大脳皮質をマヒさせてストレス解消に役立つ。D血中の善玉コレステロールを増加する。
 以上に加えて生薬の効能が、渾然一体となっているのが薬酒です。

薬酒と体質の関係は
 漢方では、その人の体質を寒と温という考え方で分類します。寒の体温は温め、温の体質は冷ます方向にもっていくと体質が改善されます。
 薬酒は一般に体を温める補養薬が多く用いられ、漢方でいう薬性ではおもに体を温める「温」か、中間の「平」の生薬を用いるのが適しています。

薬酒に向く人、向かない人
 薬酒は半健康状態の、血液循環不良、虚弱体質、体力低下、老化など、体力を補い新陳代謝を高め、免疫力を強めたい人に向きます。
 ただし、アルコールの効能上飲まないほうがよい人がいます。それは病勢が激しく活動中で、熱が出て、機能が興奮状態にある場合です。たとえば、出血性疾患、炎症性疾患、呼吸器疾患などで、気管支炎、肝炎、カイヨウ、肺結核、口内炎、高血圧症、各種ガン疾患などがそれに含まれます。

生薬一種のみで作る方法と数種で作る方法が
 一種類の生薬を酒に漬けたものを単方といいます。効きめが比較的シャープなので、単純な症状で効果を一点に絞りたいときに用いることが多く、短期間で早く効果が現れます。
 二種類以上の生薬を漬けたものは複方といいます。複数の生薬で全身のバランスをよくしていくものが多く、症状が複雑で慢性的、体質的な傾向をもつものに向いています。長期的にじっくり効果を現します。
 また、薬酒の場合、漬ける生薬の量が多かったり、飲む分量が多いほうが効きめがあるような気がするかもしれませんが、成分が多様で作用がシャープですから濃厚なものはかえってよくありません。

「毎日少しずつ」が飲み方の基本
 アルコールを大量に飲み続けるのが体によくないことは周知のとおりです。薬酒も同じアルコールですから、適量を守ってこそ絶大な効果があります。標準は一日40〜100ミリリットル。これを2〜3回に分けて食前か、食間(食事の2〜3時間後)に飲みます。

おいしく飲むための方法あれこれ
 薬酒は本来、味よりも効能本位に作られたものなので、味よりも効能本位に作られたものなので、味のよいものばかりではありません。しかし、毎日続けて飲むものですから、おいしいに越したことはありません。
 いちばん簡単な方法は甘味料を入れること。グラニュー糖のほかに、はちみつなどを入れるようになっていますが、これも生薬の味に合うものを選んであります。
 好みですが、基本的には刺激的な味にはまろやかな甘みを加えるとよいでしょう。ほかに、漬け込み用のホワイトリカーの代わりに香りのあるブランデーを使ったり、また飲むときにワイン、リキュール、ジュースなどをくわえるのも一法です。


生薬をホワイトリカーに漬けて一か月で飲めます。
漢方薬酒の作り方
 作り方はどんな薬酒もほとんど同じで、生薬は刻んだもののほうが早く成分が浸出し、10日前後で飲めるようになります。高麗人参など、大きいまま入れた場合は20日以上浸出させてから飲み始めます。一か月寝かせるのは、熟成させてよりおいしくするためです。また、甘味料は最初に入れると浸出が遅くなるので10日以上経った後に加えます。

@生薬は、成分浸出が早い刻んだものを求めます。漬ける前に生薬を紙に広げて、異物や虫食いのものは取り除きます。
Aよく洗った広口びんに@の生薬を入れ、ホワイトリカーを注ぎます。ふたをして軽く揺すり、生薬をなじませます。
B日の当たらない涼しい場所に保管します。最初の4〜5日は1日1回液を軽く揺すり、浸出を促します。
C10日後にふたを開け、熟成させるために生薬の1〜2割を残して他はスプーンなどで引き上げます。
D生薬を引き上げたら、甘味料を加え、よく溶かして再び元の場所へ保管し、1か月寝かします。
E1か月後、上澄みを別の保存びんに移し、沈殿している残りかすは口ざわりがよくないのでコーヒーフィルターでこします。

(注意)でき上がった薬酒は家庭で飲むためのもので、売買は法律で禁じられています。

初めてでも気楽に作れる薬酒セットも売っています
東京、池袋の西武百貨店内にある同仁堂は、漢方薬局の中でも充実した品ぞろえで人気ですが、ここで、薬酒用に調合された生薬のセットが発売されています。15種類の生薬が調合された「同仁堂人精酒」と8種類の生薬が調合された「滋補腱生酒」です。一升用と二升用の二種類ずつあり、一升用の「滋補腱生酒」が5500円。どちらも、万人向けに調合されているので、初めての人も気軽に楽しめそう。
東京西武池袋店内「同仁堂」 рO3(981)0111(大代表)


単方10選 ・一種類の生薬で手軽に作れる単方薬酒。比較的短期に効果が現れます。気になるところを早く改善するのに適しています。
 大脳皮質を興奮させて気力を補う
五味子酒
材料
五味子・・・100g
ホワイトリカー・・・1g
グラニュー糖・・・150g
果糖・・・50g
飲み方 1回20ml、1日3回食前か食間に。
効果 強壮、疲労倦怠、無気力、精神安定
美しい赤褐色で、酸味の利いた爽快な味。夏負けや、疲労時に飲むと、中枢神経系を刺激して大脳皮質を興奮させるので、仕事の脳率も上がります。健胃作用もあるので、夏場の食欲不振にも適しています。

 病後の衰弱に
黄精酒
材料
黄精・・・150g
ホワイトリカー・・・1g
グラニュー糖・・・100g
みりん・・・50ml
飲み方 1回30ml、1日2回朝夕、空腹時に。
効果 滋養強壮、虚弱体質、病後回復期。
黒褐色の少し臭みのあるお酒。しかし効果は絶大です。病後の衰えだけでなく、勢力を増加させ、老衰を防ぐといわれています。黄精は、江戸時代には精力を高める薬として砂糖漬けが売られたということです。

虚弱体質に効果大
人参酒
高麗人参・・・150g
ホワイトリカー・・・1g
グラニュー糖・・・100g
はちみつ・・・50g
飲み方 1回20ml、1日2回朝夕食前に。
効果 虚弱体質、食欲不振、下痢便体質。
こはく色の、わずかに苦味がある上品な味。ブランデーを少量入れると香りがさえます。高麗人参は神経の興奮伝道を速め、元気を補い、心臓収縮力を強める作用があります。しかし、血圧を一時的に高めるので、高血圧の人はひかえましょう。

老化を防ぐ
何首烏酒
材料
何首烏・・・150g
ホワイトリカー・・・1g
グラニュー糖・・・150g
黒糖・・・50g
飲み方 1日20ml、1日2回朝夕食前か食間に。
効果 滋養強壮、腰脚倦怠、病的白髪、早期老化。
わずかな苦味と渋みのあるおいしい酒。何首烏には、血清コレステロールを降下させる作用や、動脈硬化を抑制し、脂質が血管に付着するのを防ぐ働きがあります。中国の古書に「・・・血を養って肝を益し・・筋骨を健にし頭髪を黒く」という記事も。

肝臓を強化して若返る
枸杞酒
材料
枸杞子・・・150g
ホワイトリカー・・・1g
グラニュー糖・・・100g
みりん・・・50g
はちみつ・・・30ml
飲み方 1回20ml、1日2回朝夕食前か食間に。
効果 滋養強壮、虚弱体質、無力感、めまい。
枸杞子はなるべく中国産の鮮紅色のものを選び、そのまま漬けます。赤褐色の美しいお酒。長期服用すると元気が出、心身が充実し、目にも効果があり、老化を防ぐといわれます。実験によると肝細胞の新生を促進し、肝臓保護作用があるとか。

耐久力、集中力を高める
五加参酒
材料
五加参(刺五加)・・・100g
ホワイトリカー・・・1g
グラニュー糖・・・100g
果糖・・・30g
飲み方 1回20ml、1日3回食間に。
効果 疲労回復、抵抗力増強、不眠、虚弱体質。人参酒にまさるとも劣らない効果を発揮。ソ連や中国では研究が盛んで、オリンピック選手や宇宙飛行士なども飲んでいると伝えられます。耐久力、集中力を高め、免疫機能を増強して病気予防効果も。心臓病、糖尿病、ガンなどへの応用も研究中。

性機能を回復させる
肉ジュウ蓉酒
材料
肉じゅう蓉・・・150g
ホワイトリカー・・・1g
グラニュー糖・・・100g
みりん・・・50ml
はちみつ・・・50g
飲み方 1回20ml、1日2〜3回空腹時か食間に。
効果 滋養強壮、疲労、虚弱体質、腰のだるさ。黒褐色の荘重な、甘みのある酒。性機能充実の秘薬ともいわれ、インポテンツや腰脚冷痛などに用いられてきました。中国歴代の王侯で肉じゅう蓉を用いない者は、なかったといわれるほどです。長期服用しても副作用がなく緩和な効きめです。

子宮の機能をととのえる
当帰酒
材料
当帰・・・150g
ホワイトリカー・・・1g
グラニュー糖・・・100g
果糖・・・50g
みりん・・・50ml
飲み方 1回20ml、1日2回朝夕食前か食間に。
効果 増血、血色不良、月経不順、腹痛、軽い便秘、補温。
褐色の香り高い酒。子宮の機能を整え、増血作用があり、婦人薬として多く用いられます。動悸、不眠、精神不安などに用いられることも。ただし、当帰には血流を盛んにする作用があるので多量の服用は避けます。

生理痛に
紅花酒
材料
紅花・・・50g
ホワイトリカー・・・1g
グラニュー糖・・・100g
はちみつ・・・100g
飲み方 1回20ml、1日2〜3回、空腹時に。
効果 体力強壮、月経痛、月経不順、冷え性。別名紅藍花ともいい、有名な張仲景は「紅藍花酒」を作って生理痛などに用いていたとか。婦人の血の道症に古くから用いられてきました。中国の古書に「男子の血脈をめぐらし、女子の経水を通じる」とあり、男性の血行障害にも有効です。

心臓の働きを高める
熟地黄酒
材料
熟地黄・・・100g
ホワイトリカー・・・1g
グラニュー糖・・・50g
果糖・・・30g
飲み方 1回20ml、1日2回食間に。
効果 顔色不良、貧血、手足の冷え、病後の補養。黒色に近く、濃厚な甘みの強い酒。ポートワインを適量加えると香味がよくなります。胃の弱い人は、縮砂30gを加えます。熟地黄は、増血、浄血の作用があるとされ、衰弱した心臓に対する強心作用が顕著なので漢方でもよく使われます。

複方15選 古くからの逸話がある薬種の数々。いろいろな生薬が多面的に働いて効果を発揮。いつの間にか全身の不快感が消えてしまいます。

滋養強壮効果のある漢方薬酒

百酒の王者とうたわれる
周公百歳酒
材料
高麗人参・・・5g
黄耆・・・10g
白朮・・・8g
茯苓・・・8g
山薬・・・8g
枸杞子・・・8g
五味子・・・5g
肉桂(桂皮)・・・5g
陳皮・・・5g
当帰・・・8g
川きゅう・・・8g
芍薬・・・8g
地黄・・・10g
熟地黄・・・10g
麦門冬・・・8g
亀板・・・10g
防風・・・8g
きょう活・・・8g
ホワイトリカー1.5g
グラニュー糖・・・100g
果糖・・・100g
はちみつ・・・50g

飲み方 1回20ml、1日2〜3回毎食前か空腹時。
効果 滋養強壮、胃腸虚弱、食味欠損、血食不良。薬味臭と苦味のあるお酒です。中国に古来から伝わる有名な薬酒で、2500年前に周公旦という名君が愛飲して長寿を全うしたと伝えられています。補気、補血、補腎の要素がたくみに配合された最高の補養薬酒として現代でも高く評価されています。

風邪をひきにくくする
保元酒
材料
高麗人参・・・30g
黄耆・・・40g
炙甘草・・・15g
桂皮・・・15g
ホワイトリカー・・・1g
グラニュー糖・・・100g
果糖・・・50g

飲み方 1回20ml、1日3回毎食前空腹時に。
効果 無気力、食欲不振、疲れ易い、風邪をひき易い。
褐色澄明な、口あたりのよい酒。高麗人参、黄耆、炙甘草は補気の効果があり、消化吸収機能や、代謝を高め、脳の興奮を増やして全身の機能を改善します。また黄耆は皮膚の血行を改善し、汗腺機能を調整するので、風邪をひきにくくなります。


老化を予防する
七宝酒
材料
何首烏・・・40g
破故紙・・・20g
茯苓・・・20g
菟絲子・・・30g
枸杞子・・・20g
当帰・・・15g
牛膝・・・15g
ホワイトリカー・・・1g
グラニュー糖・・・100g
果糖・・・80g

飲み方 1回20ml、1日3回食間に。
効果 老年者老化防止、疲労、無気力。
特異な香りをもった酒。この酒は中国古代、皇帝に献上するために作ったといわれる名方の一つ。動脈硬化や高血圧によい何首烏を主薬とし、破故紙、枸杞子、菟絲子が老化予防、茯苓、牛膝が利尿作用と、各部の充実をはかっています。

スポーツ後の疲労回復に
盛暑三妙酒
材料
高麗人参・・・40g
五味子・・・20g
五味参(刺五加)・・・50g
ホワイトリカー・・・1g
グラニュー糖・・・100g
はちみつ・・・100g
飲み方 1回20〜30ml、1日2〜3回、随時。
効果 疲労回復、夏負け、無気力倦怠、体力増強。アルコールとはちみつが作用して、即効的疲労回復剤として評価が高い酒。高麗人参、五味子、五加参には、益気回生の働きがあり、夏の暑さ負けや、スポーツで汗をかいた後の疲労回復に最も適した酒です。

性機能を回復させる漢方薬酒
胃けいれんにもよい
建中酒
材料
桂皮・・・20g
芍薬・・・30g
大棗・・・20g
炙甘草・・・15g
生姜・・・10g
ホワイトリカー・・・1g
はちみつ・・・250g
飲み方 1回20ml、1日3回毎食前に。
効果 虚弱体質、食欲不振、風邪をひきやすい。褐色で、香りのよい、甘いまろやかな酒。効き目がゆるやかで、長い期間服用しても害がないので、強壮酒として老若男女を問わず飲めます。強壮、増血作用のある芍薬を主とし、大棗、甘草が協力して、鎮痛、鎮痙の作用もあります。

強精薬の草分け
禿鶏散酒
材料
蛇床子・・・30g
肉じゅう蓉・・・20g
五味子・・・20g
菟絲子・・・20g
遠志・・・20g
ホワイトリカー・・・1g
グラニュー糖・・・150g
果糖・・・50g
飲み方 1回20ml、1日3回食前か空腹時に。
効果 精力減退、インポテンツ、早漏、交後倦怠感。特異な香りのある酒。これも中国古代からの有名な処方の1つ。故事に、この薬をついばんだ雄鶏に効果があったというところからこの名がついたとか。一般にはあまり知られていない蛇床子も、最近の動物実験で優秀な効果が認められています。

足、腰の冷えにも効果が
仙霊脾酒
材料
淫羊かく・・・50g
肉じゅう蓉・・・30g
茯苓・・・40g
炙甘草・・・20g
ホワイトリカー・・・1g
グラニュー糖・・・100g
はちみつ・・・100g
みりん・・・50ml
飲み方 1回20ml、1日2回毎食前か空腹時に。
効果 性機能減退、インポテンツ、遺精、健忘。黒褐色の、濃厚で苦味のある酒。淫羊かくのことを仙霊脾ともいいます。主薬は性機能に作用する淫羊かくで、腎虚による老人ボケにも効果が。肉じゅう蓉は男女の生殖器を中心とする諸機能によく、茯苓の補益利腎の効果との相乗作用で機能回復させます。


健胃効果のある漢方薬酒
身近な材料で効果的
蘇生陳皮酒
材料
蘇葉・・・20g
生姜・・・30g
陳皮・・・50g
ホワイトリカー・・・1g
グラニュー糖・・・100g
果糖・・・80g
飲み方 1回20ml、1日3回食前か空腹時に。
効果 健胃、嘔気、消化不良、食欲不振。
芳香とかすかな苦味を感じるおいしいお酒です。生姜と陳皮が主薬で、胃を軽くし、胃の働きを助け、気分を爽快にします。長く飲んでも害がなく、常用薬として最適。生姜の代わりに、生のヒネショウガを薄切りにしても効果は変わりません。


腹部の張りを取る
茴香厚朴酒
材料
小茴香・・・35g
厚朴・・・40g
生姜・・・25g
ホワイトリカー・・・1g
グラニュー糖・・・100g
果糖・・・80g

飲み方 1回20ml、1日2〜3回食前、食間に。
効果 腹部膨満感、悪心、健胃、消化不良
褐色の、芳香と辛みのある酒。小茴香はスパイスとしても有名。独特の香りがあり、健胃の薬として用いられています。生姜とともに胃液分泌を促進して消化力を高め、厚朴が、胃腸内のガスの駆逐に効果を発揮します。

◎とくに女性におすすめしたい漢方薬酒

日本の代表的な漢方処方婦人薬
五物活血酒
材料
当帰・・・25g
川きゅう・・・20g
芍薬・・・20g
熟地黄・・・20g
紅花・・・15g
ホワイトリカー・・・1g
グラニュー糖・・・100g
みりん・・・50ml
飲み方   1回20ml、1日2回朝夕食前に。
効果 生理不順、生理痛、冷え性、血色不良。
日本の漢方の、補血、活血、調経の代表的な処方、四物湯を薬酒にしたもので、血液による栄養作用が衰えて、栄養不良状態にある人に、滋養強壮、気分の鎮静、鎮痙、月経調整などの効果を発揮します。妊娠中はひかえて。

女性の美容と健康をつくる
楊貴美酒
材料
当帰・・・15g
芍薬・・・8g
牡丹皮・・・7g
赤茯(または茯苓)・・・8g
竜眼肉・・・15g
香附子・・・7g
紅花・・・10g
山梔子・・・5g
ハッカ葉・・・5g
柴胡・・・5g
菊花・・・5g
大棗10g
ホワイトリカー・・・1g
グラニュー糖・・・150g
はちみつ・・・80g
飲み方 1回20ml、1日2〜3回毎食前か食間に。
効果 生理不順、血色不良、貧血、美容、保健強壮。赤褐色の特異な芳香と味の酒。才色兼備で有名な唐の玄宗皇帝の妃、楊貴妃が愛用したという女性専用の名酒。血液の循環をよくして体を温め、生理の苦痛を和らげ、血を増して血色をよくし、心を穏やかにする、美容と健康に効果が顕著。

女性のイライラ、ヒステリーに
当帰紅棗酒
材料
当帰・・・40g
香附子・・・30g
紅花・・・15g
大棗・・・30g
甘草・・・15g
ホワイトリカー・・・1g
グラニュー糖・・・100g
果糖・・・30g

飲み方 1回20ml1日2〜3回毎食前に。
効果 生理不順、生理痛、血色不良、気分うっ滞。独特の香りと苦みのあるお酒。当帰と香附子、紅花が女性の「血の道症」に効果を発揮します。同時に、大棗と甘草が気分のうっ滞や、イライラを和らげます。アルコールの効果でストレス解消の効果がさらに強化されます。妊娠中はひかえて。

◎精神を安定させる漢方薬酒

気持ちの高ぶりを鎮める
養心酒
材料
高麗人参・・・10g
白朮・・・10g
茯苓・・・20g
竜眼肉・・・20g
酸棗仁・・・20g
遠志・・・10g
大棗・・・10g
ホワイトリカー・・・1g
グラニュー糖・・・100g
果糖・・・50g
飲み方 1回20g、1日3回朝夕食前と就寝前に。
効果 鎮静、不眠、イライラ、不安神経症、血色不良。赤褐色の、まろやかな甘みのおいしいお酒。酸棗仁は炒って砕いてから漬けます。気持ちがたかぶって、常にイライラし、落ちつかない人や、疲れやすく、無力感、食欲不振、浅眠、多夢に悩む人に適し、神経を鎮めて睡眠に導く作用があります。

肝臓からくるイライラに
呉氏興生酒
材料
烏薬・・・25g
青皮・・・25g
柴胡・・・30g
甘草・・・20g
芍薬・・・25g
ホワイトリカー・・・1g
グラニュー糖・・・100g
はちみつ・・・50g
飲み方 1回30ml、1日2〜3回食間に。
効果 イライラ、不安症、ストレス解消、神経質。漢方でいう「肝気うっ血」に効果があります。肝臓がわるくなると怒りっぽくなるといわれ、烏薬、青皮、柴胡が肝臓のうっ血を解き、気分を鎮めます。さらに甘草、芍薬の鎮静作用が効果を助けます。

◎筋肉痛、腰痛を和らげる漢方薬酒
老人の足腰の衰えにもよい
健歩百脈酒
材料
牛膝・・・20g
丹参・・・15g
芍薬・・・30g
桂皮・・・15g
木瓜・・・10g
蒼朮・・・20g
甘草・・・20g
ホワイトリカー・・・1g
グラニュー糖・・・100g
果糖・・・30g
飲み方 1回25ml、1日3回食前か食間に。
効果 筋肉痛、腰痛、四肢のしびれ、慢性関節炎。牛膝は脚、腰、下腹部を充実し力をつけるといわれ、それに、血液の循環をよくする生薬、鎮痛、鎮静作用のある生薬の協力によって症状を改善します。アルコールが血液循環を促進してさらに効果を高めます。



薬草の用い方あれこれ
人参・ウコギ科  五味子・マツブサ科 杏仁・バラ科 当帰・セリ科 川きゅう・セリ科

薬用酒として
薬草を毎日水で煎じて服用するのは、習慣になっても大変なことです。それで薬用酒にして飲んでみるのも1つの方法です。薬用酒は、薬草の有効成分をアルコールで浸出させたもので、薬の作用を表すと共にアルコールによって血液の循環をよくする働きがあります。しかし、薬として飲むのですから一度に多量に飲むのではなく、1日2回(朝夕)、さかずきに1〜2杯を毎日続けて飲むことが大切です。

作り方
@密閉できる広口びんに、ホワイトリカー1.8g(焼酎、ブランデー、ウイスキーでもよい)と下記のとおりの薬草を入れ、密栓して、冷暗所に1〜3ヶ月保存します。

Aその後、目の細かい布でカスをこし甘味料(蜂蜜、氷砂糖、グラニュー糖、ザラメなど)を入れて、更に10〜20日間置くと出来上がりです。

飲み方
1日量は、いずれの場合も、さかずき1〜2杯を食前かお休み前に召し上がるのが適当です。


薬用酒のいろいろ
<胃のもたれ・胸焼け・胃弱によく効く>
ダイダイ酒  原料・橙皮 用量・250g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・200g 期間・3ヶ月 用量・1日30〜40cc
シソ酒     原料・紫蘇葉 用量・200g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・200g 期間・2ヶ月 用量・1日20cc位
サンショウ酒 原料・山椒 用量・125g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・200g 期間・2ヶ月 用量・1日10〜15cc 
ゲッケイジュ酒 原料・ルリ葉 用量・200g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・250g 期間・2ヶ月 用量・1日20〜30cc
ハッカ酒    原料・ハッカ葉 用量・125g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・75g 期間・1か月 用量・1日20〜30cc
コブシ酒    原料・辛夷 用量・250g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・125g 期間・2ヶ月 用量・1日30cc
茴香酒     原料・茴香 用量・125g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)200g 期間・3ヶ月 用量・1日20〜30cc
丁子酒     原料・丁子 用量・50g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・250g 期間・1か月 用量・1日20cc前後


<高血圧によく効く>
松葉酒    原料・赤松の葉 用量・200g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・75g 期間・3ヶ月 用量・1日20ccが限度
エンジュ酒  原料・槐花 用量・250g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・125g 期間・2ヶ月 用量・1日20ccが限度
トチュウ酒  原料・杜仲 用量・180g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・75g 期間・2ヶ月 用量・1日20ccが限度


<疲労・食欲不振・不眠に効く>
クコ酒    原料・クコ(果実・茎・葉) 用量・250g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・125g 期間・2ヶ月 用量・1日15cc位
カリン酒   原料・木瓜 用量・250g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・100〜200g 期間・3ヶ月 用量・1日30cc位
菊花酒    原料・菊花 用量・250g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・75g 期間・2ヶ月 用量・1日20cc位
スイカズラ酒 原料・金銀花 用量・125g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・75g 期間・2ヶ月 用量・1日30cc位

・複合枸杞酒1.枸杞子70g、五加皮16g、桂皮16g、地黄16g、覆盆子16g、肉豆こう16g、計150g
・複合枸杞酒2.枸杞子70g、黄精70g、計140g


<風邪によく効く>
キンカン酒   原料・キンカン 用量・250g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)250g 期間・1か月 用量・1日20cc前後
アンズ酒    原料・アンズ1kg、杏仁30g 用量   蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・300g 期間・3ヶ月 用量・1日40ccが限度
五味子酒    原料・五味子 用量・250g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)200g 期間・1か月 用量・1日20〜30cc


<消化不良・下痢によく効く>
シャクヤク酒  原料・芍薬 用量・250g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・200g 期間・3ヶ月 用量・1日の適量30cc


<むくみによく効く>
アケビ酒   原料・アケビの実 用量・250g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)125g 期間・3ヶ月 用量・1日30cc
マタタビ    原料・木天蓼 用量・75g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・125g 期間・2ヶ月 用量・1日20〜30cc

<体力消耗・精力減退によく効く>
マタタビ酒  原料・木天蓼 用量・250g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・125g 期間・3ヶ月 用量・1日20cc位
イカリソウ酒 原料・イカリソウ 用量・125g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・50g 期間・2〜3ヶ月 用量・1日20〜30cc
人参酒    原料・人参    用量・100g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)100g 期間・6ヶ月   用量・1日30ccが限度
地黄酒    原料・地黄    用量・125g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・125g 期間・2ヶ月  用量・1日20〜30cc
大棗酒    原料・大棗    用量・250g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・125g 期間・3ヶ月  用量・1日20〜30cc
鹿茸酒    原料・鹿茸25g、山薬50g 用量     蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・125g 期間・3ヶ月 用量・1日20cc前後
クコ酒     原料・枸杞子50g、地骨皮50g 用量・   蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・125g 期間・3ヶ月
肉●蓉酒  原料・肉●蓉 用量・100g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・100g 期間・2ヶ月 用量・1日20cc前後
可首烏酒  原料・可首烏 用量・180g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・125g 期間・2ヶ月 用量・1日20〜30cc
山茱萸酒  原料・山茱萸 用量・180g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・125g 期間・3ヶ月 用量・1日20〜30cc
竜眼肉酒  原料・竜眼肉 用量・100g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・100g 期間・2ヶ月 用量・1日20cc前後


・双和酒 桂皮30g、生姜10g、大棗30g、芍薬60g、甘草20g、当帰40g、川きゅう40g、地黄40g、膠飴200g(1.8g甘味不用)
・鹿茸大補酒 人参30g、黄耆30g、白朮30g、茯苓30g、当帰30g、地黄30g、川きゅう30g、桂皮30g、甘草10g、鹿茸10g(以上1.8g)
・周公百歳酒 黄耆8g、茯神8g、肉桂4g、当帰6g、地黄6g、党参5g、白朮5g、麦門冬5g、茯苓5g、陳皮5g、山薬5g、枸杞5g、川きゅう5g、防風5g、亀板5g、五味子4g、羌活4g(以上1.8g)


<冷え性・貧血・婦人科疾患によく効く>
紅花酒    原料・紅花 用量・125g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・250g 期間・2ヶ月 用量・1日20〜30cc
当帰酒    原料・当帰 用量・75g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)・125g 期間・3ヶ月 用量・1日20cc位
川キュウ酒 原料・川キュウ 用量・125g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)200g 期間・3ヶ月 用量・1日20cc位
サフラン酒 原料・サフラン 用量・25g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)250g 期間・2ヶ月 用量・1日20〜30cc
シャクヤク酒 原料・芍薬  用量・125g 蜂蜜(氷砂糖・ザラメ糖)250g 期間・3ヶ月 

・枸杞美肌酒 当帰30g、川きゅう30g、芍薬40g、茯苓40g、白朮40g、沢瀉40g、地黄40g、(以上1.8g、10日分)
・西施艶美酒 半夏50g、茯苓50g、厚朴30g、紫蘇葉20g、生姜10g、当帰30g、川きゅう30g、芍薬40g、白朮40g、沢瀉40g(1.8g)


浴湯料(薬湯)として
昔から、ふろの中に薬草を入れて入浴すると、体が暖まり、湯上りのあとが一段と爽快であるといわれています。このような風呂を薬湯といい、それに入れる薬草のことを浴湯料といいます。
薬湯のいろいろ

浴湯料        効能
イチヂク    痔疾・美肌
カキドオシ   湿疹・あせも
カミツレ    芳香・保温
トウキ     保温、冷え性
センキュウ  保温、冷え性
ダイダイ   芳香、保温
クララ     湿疹、たむし
ショウブ   保温
ハッカ    芳香、保温
キハダ   捻挫、打撲
クズ     神経痛
ゲンノショウコ あせも、ただれ
ミカン    芳香、保温
ゴシュユ  リウマチ
スイカズラ 腰痛、打ち身、関節
センブリ  こしけ、月経異常
ドクダミ   冷え症、あせも
ニワトコ   捻挫、脱臼、打ち身
モモ     あせも、湿疹
ヨモギ    かぜ、腰痛、神経痛
★これらを20〜100g(乾燥したもの)を布袋に入れ、入浴する20分程度前に湯に入れておきます。


山野にある毒草
自然界には、人間にとって有用な植物もありますが、また一方大変有害な植物もあります。これらの毒性を有するものも使い方によっては薬用になることもありあますが、素人は、絶対に使用してはいけません。
毒草のいろいろ

植物名          科目            主な毒性
シキミ          シキミ科     皮、葉、特に果実にケイレン毒アニザチンを含む。中毒症状は、ケイレンを起こし、呼吸興奮、血圧上昇などを起こして死ぬ。
フクジュソウ      キンポウゲ科  全草有毒。特に根、根茎に強心配糖体シマリンを多く含む。強心薬と早合点して、根茎を煎じて飲めば死ぬ。
トリカブト        キンポウゲ科  全草有毒。アルカロイドのアコニチン、メサコニチンなどを含む。加工して漢方処方に用いるが毒性が強く、素人は用いてはいけない。
ハシリドコロ      ナス科      全草有毒。アルカロイドのヒヨスチアミン、アトロピン、スコポラミンの猛毒を含んで、日本の毒草のトップである。
チョウセンアカガオ  ナス科      全草有毒。ハシリドコロとよく似た成分を含む。キチガイナスビとよばれるように、中毒症状は、狂乱のあと深い眠りに陥り、死ぬ。
ドクニンジン      セリ科      全草有毒。ケイレン毒のコイニンを含む。中毒症状は、よだれを流し、運動神経がマヒして、呼吸困難を起こして死ぬ。
ドクゼリ         セリ科      全草有毒。ケイレン毒のチクトキンを含む。中毒症状はドクニンジンと似た症状を起こし死に至る。
スズラン        ユリ科      全草有毒。特に根に根茎に毒成分(強心配糖体コンバラトキシン)が多い。量を多くとると心不全になって死ぬ。
ジキタリス       ゴマハグサノ科 全草有毒。強心配糖体のプルプレア・グルコサイドの毒成分を含む。コンフリーの葉とよく似ており、誤食しないようにすること。

〔参考文献〕
「漢方あれこれ 、続漢方あれこれ」読売新聞社編/「漢方薬入門」難波恒雄著/「薬草健康法」井波一雄著/「第十改正日本薬局法解説」財団法人日本公定書協会
「新常用和漢薬集」東京生薬協会/「漢方と民間薬百貨」大塚敬節著/「近代漢方薬ハンドブック」高橋良忠著/「薬草のすべて」長塩容伸著/「薬用植物」森田直賢著


黄精
◎おうせい
 ユリ科のカギクルマバナルコユリなどアマドコロ属植物の根茎を蒸乾したもの。日本産はナルコユリ、韓国産はアマドコロの根茎の乾燥品。
〔選品〕肥大していて分岐していないものがよい。
〔成分〕多糖類を含む。
〔薬効〕滋養、強壮薬として、病後の虚弱者、肺結核の咳嗽、糖尿病の口渇、心煩、血糖過多などに応用する。


可首烏
◎かしゅう
 タデ科のツルドクダミの塊状根を乾燥したもの。赤と白があり、「白何首烏」はガガイモ科のコイケマの類の根。
〔選品〕中国からきたものは、連珠状をしている根を切り離したものである。断面が淡紅色の花紋をなし、表面にタテに五条の深い溝のある、大きいものがよい。連珠状をなしていない日本産はよくない。
〔成分〕アントラキノン類、タンニン、でん粉、脂肪などが含まれている。
〔薬効〕一般に強壮薬として薬酒、家庭薬に配剤される。また、腰膝の疼痛、遺精、帯下、白毛などに応用する。
〔漢方〕七宝美髯丹、何人飲など。


香附子
◎こうぶし
 カヤツリグサ科のハマスゲの球茎を乾燥したもの。髪根、鱗葉を去ったものを「光香附」という。李時珍は「艾葉と配合すれば血気を治し、子宮を温める。すなわち気病の総司、婦人科の主師である」と述べており、漢方では婦人病に多く用いられる。























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